これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

国家と教養

以前の著書「国家の品格」が出版された当時、前社長が
日本人としての誇りを大切にすべきと勧めていた。
言われるがままに読み、自分に欠落している点を感じた。

欠落した点は少しは減ったと思うが、まだまだ多いのは事実。
人は歳をとるから教養が身につくわけでもなく、
深い思想や学びがなければ身につくわけではない。

それは単に知識をつけることではない。
残念ながらまだ知識方面に向かう自分がいるのは成長していない証。
それは知識を否定しているのではなく、それを情緒や形に一体化すること。
それができなければ意味はない。

反省が得意なだけの人間にはなってはいけないと反省する。
それこそ猿になってしまう。
もししたら本書は僕に警鐘を鳴らしているのかもしれない。

当たり前の話だが本書を読んでも教養は身につかない。
必要性を迫るに留まる。
ここでそのマニュアルが書いてあるようであれば、前進ではなく後退。
求められるのはそんなことではないのだ。

僕は基本的に嗅覚で生きている。
ただそれが効果的なのは「食べ物ブログ」の世界だけで
現実の世界ではまだまだ活かされている場が少ない。

それは何故か。
教養が足りないからだ。
そのためにはもっと歴史を学ばなければならない。
本能を制御する力を感じ取ることが必要なのだ。
そういう考えとしては今年の自分の課題は間違っていなかった。

そして、一流の映画を見る、一流の音楽を聴く、一流の芝居を見る、
一流の本を読む、自分の世界を作ること。
もっと読書、文化、芸術を親しむことが大切。

それがリーダーにも求められる事だろう。
教養のないリーダーはいずれ判断も誤るのだ。
国内、国外の歴史が繰り返すように一つの判断が成功に導くし、大きな失敗へとも繋がる。

改めて教養の重要性を認識させられた一冊だった。

「キネマ旬報」変わった?

僕は名大社を引退したら映画コラムニストとして生計を立てていこうと考えている。
実際はあり得ない話だが、それが叶えば理想。

このブログでもちょくちょく映画評論をして、
業界からのオファーを待っているが、一向にその気配はない。
そもそも作品の内容に触れずに終える映評が多いので、評論なんていえないのかもしれない。
しかし、僕個人としては真剣に書いている。

そして、僕のセンスのバロメーターとして対象としているのがキネマ旬報ベストテン。
つい先日、2018年のベストテンが発表された。

それが今年は例年とちょっと異なる。
昨年前までは1月中旬あたりにマスコミに披露されていたが、今年はそれがなかった。
HPを確認しても1位しか発表されておらず、2位以下は10日に発表するという。
雑誌は2月5日の発売なので、雑誌を確認しなければ順位は分からない。

それは何か意図があることか。
販売部数を伸ばすための戦術か。
そんなことを考えてしまった。

そんな僕も例年であれば順位を確認してからこの特別号を買うのだが、
今年は特別号を見てその順位を初めて知った。

順位は以下の通り。

日本映画
1.万引き家族
2.菊とギロチン
3.きみの鳥はうたえる
4.寝ても覚めても
5.孤狼の血
6.鈴木家の嘘
7.斬、
8.友罪
9.日日是好日
10.教誨師

外国映画
1.スリー・ビルボード
2.ペンタゴン・ペーパーズ/最高秘密文書
3.シェイプ・オブ・ウオーター
4.ファントム・スレッド
5.ボヘミアン・ラプソディ
6.15時17分、パリ行き

7.顔たち、ところどころ
8.1987、ある闘いの真実
9.ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ
10.判決、ふたつの希望

太字は僕も観た作品。
昨年は映画館で30本の映画を観たが、ベストテンに入っているのはたったの6本。
そのほとんどが観ていない映画。
作品名さえ知らない作品が多い。
これでは映画コラムニストとして商いをするのは無理。

上位に食い込まないだろうが結構面白かった「祈りの幕が下りる時」や
「コーヒーが冷めないうちに」は1点すら入っていない。
僕の感性が先端すぎるのか、センスがないのか(笑)。

このベストテンのうち名古屋で公開されていない作品も多い。
いや、気づいていないだけか?。
まだまだ観るべき映画を観ていないのが実態。

今年はまだ3本。
もっと映画コラムニストとして腕をもっと磨かねば・・・
と改めて思うのであった。

映画「七つの会議」

誤解を恐れずにいおう。
この映画に登場する人物はほとんど仕事をしていない。
実際は時間に追われ、上司に叱責を受け、
忙しそうにしているがはっきり言って仕事はしていない。

それはあくまでも僕が思うこと。
一部の大企業に勤める人は「いやいや、メチャ仕事してるぞ。」
と反論するかもしれないが、これは仕事ではない。

これが仕事として正当化されるなら日本の生産性は低いに決まっている。
ドラマハゲタカのキャスター三島由香なら
「あなたたち、一体、何をやってるんですか!!」と叫ぶはず。
あちこちで不毛な戦いが行われている。
そんな映画だ。

こう書くと本作を批判しているように聞こえるがそうではない。
以前、小説の書評をアップした時も同じようなことを言っていた。
その時に書いた6年前のブログはこちら

僕は公開2日目に本作を観たのだが、映画館はほぼ満席。
先日まで放送された「下町ロケット」の影響も大きいとは思う。
しかし、あのドラマの爽快感や仕事への熱い想いは感じることはない。

感じるのは会社の闇。
絶望的な気持ちにもなる。
それは本作の狙いでもあるし、映画の面白さでもある。

実際に次から次へと進む展開に観る者は飽きることなく、映画に吸い込まれていく。
そして、自分をOL役の浜本優衣にオーバーラップさせる。
映画のカギを握る浜本優衣を演じるのは朝倉あきさん。

まだ有名ではないと思うが、池井戸作品が好きな人は気づくはず。
ドラマ「下町ロケット」でエンジニア加納アキ役の女優さん。
確かに可愛らしい。

きっと福澤監督のお気に入りなんだろう。
その関係でいえば、この映画には池井戸ドラマに出演した役者がいやという程、登場する。
片岡愛之助から役所広司まで(笑)。
阿部ちゃんはいないけどね。
そんな中でも、やっぱり、香川照之は流石だね。
でも、あんな生き方はイヤだなあ~。

そして、ここで登場する経営者にはなりたくない。
自己保身の塊じゃないか。

そんな意味でも、サラリーマンにも経営者にも観てもらいたい映画である。

映画「マスカレード・ホテル」

てっきり映画の舞台となるホテル名がマスカレードホテルだと思っていた。
実際はホテル・コルテシア東京というホテル名。
原作者の東野圭吾ファンやこの分野に詳しい人は指をさして笑うだろう。

何の知識もなく観た映画であるのは間違いない。
なんとなく予告編に惹かれ、観たに過ぎない。
特にキムタクファンではないが、彼の作品は結構観ている。

最近でも「検察側の罪人」「無限の住人」「HERO」
なんだ、ほとんどじゃないか・・・。
言っておくが特にファンではない。

でも、少し前に偶然見たTV番組「モニタリング」は良かった(笑)。
短い髪型も良かった。
いかん、いかん、映画とは関係ないことばかり書いている。
それだけ周辺の話題が多いということか。
いい宣伝効果ですね。

では映画はどうだったのか?
原作を読んでいないので比較しようはないが、素直に楽しめる娯楽作品。
なるほどと唸らせるシーンも多い。
やっぱりなあ~と思うところがないわけでもないが、
そこも含め正月明けの第二弾映画としては十分。

それにしても本筋とは関係ない人たちが沢山登場する。
それも豪華俳優陣が登場する。
本当にストーリーとは関係ない。
玄人好みのミステリーファンなら、いい加減にしろと怒り狂うかもしれないが、
ミーハーなファンなら逆に喜ぶだろう。

エンターテイメントを描くのであればそれでいい。
深刻さを求めるならキムタクや長澤まさみを使ってはいけないということだ。
さんまさんは分からなかったし・・・。

一体、何を言おうとしているのか?

評価できるのは安易な恋愛に流れなかったこと。
そんな映画がいいのだ。

そして、思う。
高級ホテルに泊まってみたいと。
これまでホテルなんて寝れればいいと思っていたが、そうではない。
その想いをしっかりと受け止めるべきだと。

そのためには高級ホテルに泊まる必要がある。
今度、泊まってみるかな、
ロイヤルパークホテルに・・・。

結局、映画の中身には触れずに終わってしまった。
まあ、たまにはこんな映評もいいだろう(笑)

女性の視点で見直す人材育成

読もう読もうと思いつつ書棚に眠ったままの状態だったが、ようやく読むことができた。
トーマツさんから半年前に頂いたのに・・・。
言い訳じゃないが、決して逃げているわけでもなく、避けているわけでもない。
会社にとって重要課題であるのは事実。

だったら早く読め!と言われても仕方ないが、
他に読むべき本を読んでいるうちに年明けになってしまった。
すでに言い訳か・・・(汗)。

女性活躍が当たり前のように言われる時代。
名大社においても当たり前の環境になってきた。
2月に2名が中途入社し、4月には新卒が2名入社する。
いずれも女性。
これで名大社の女性比率(役員除く)は5割を超え、女性中心の会社になる。

僕が社外取締役を務める株式会社パフは8割ほどが女性なので、
その比率からすれば少ないが過半数を超える会社となる。
社内にはすでに結婚し働く女性も多い。
近い将来、産休、育休のオンパレードにもなってくるだろう。
表現がよくないか・・・。

その役割や貢献度からみても今や女性なくしては成り立たない状態になっているのも事実。
では、働きやすい環境が整っているか。
現時点では問題ない。
しかし、それは現時点だけのことで、近い将来は多くの問題を抱えることに。
今からその準備をしておく必要もある。

それは制度が整えばいいということではない。
働く側の意識や立場、それを受け止める側の意識や環境作りも大切。

以前、神谷がブログに書いていたように
「女性が働きやすい職場作りは、誰もが働きやすい職場作りにつながる。」ということ。
女性の働きやすさを考えるのは重要だが、そこばかりをクローズアップするのではない。

今後、男性の育休も出てくる可能性はあるし、一人ひとりの意識も大切だ。
「オレって育児に協力しているぜ!」とほんの少しのお手伝いを自慢げに話す男性は
むしろ嫌われる存在になるだろうし、女性のヤル気を削ぐ形にもなる。

僕のような仕事しかしてこなかったオッサンは過去の遺産でしかない。
そんなオッサンは当事者の気持ちが分かるはずもないが、
分かったフリをして迂闊なことを言ってしまう。
それを気をつけねばならないし、食い止めなければならない。

女性が活躍するのは重要だが、どこまで活躍したいかは人それぞれ。
みんながみんなバリキャリを目指しているわけではない。
そこも理解しなければならない。
そんな意味では本書のリサーチ結果は現実を知る上で参考になる。

若手勉強会の課題図書にもなった本書。
本書を読んでうちの女性陣も考えらさせられたことが多かったようだ。
それはそれでいい気づきになる。
これをキッカケに仕事への向き合い方も改めて考えて欲しい。

映画「家(うち)へ帰ろう」

会社帰りにぶらりと映画館に寄る。
近くにあるミリオン座は玄人好みの作品を上映することが多い。
そんな劇場が会社の近くのあるのはとても喜ばしい。

この3月で今の場所から移転し新たな劇場としてオープンするが、
そこも大して変わらない距離なので嬉しい。
できればネット予約ができると有難いんだけど。
どうなるのかな?。

今年も日本映画が中心で観ようと思っていたが、2019年の第一発目はこれ。
とっても地味な洋画を選んでしまった。
これは普段それほど映画を観ない愚か者副本部長こと櫻山さんがベタ褒めしていたため。
つい引き寄せられてしまった。

本作はスペインとアルゼンチンの合作。
ということはスペイン語か?
当たり前ですね(笑)。
当然のことながら何を喋っているのか分からないのだけれど、
主人公の爺さんはある程度英語が話せるので、それはそれで凄い。

社会派ドラマなのかとイメージしながらも、何の知識もなく見始めた。
観ている途中に社会派ではないな、いや社会派かな?と思いながらも、
これはロードムービーじゃないかと感じたら案の定、ロードムービー。
当然のように解説されていた。
自分だけの発見ではなかった(笑)。

ネタバレしない程度に話をすると、主人公である88歳の爺さんが一人で旅に出て、
アルゼンチン・ブエノスアイレスからポーランドに向かう。
その過程で起きた出来事を描いている。

偏屈なただの老いぼれ爺さんである。
絶対、子供や孫からは嫌われている。

しかし、いずれ爺さんになる男どもはきっと思うはず。
この爺さんが羨ましいと・・・。
そして、男はスーツを着るべきだと・・・。
よしっ、いいスーツを仕立てようと・・・。
何だかステキなのだ。
そして、いくつになってもモテたいと思うのだ。

ただ映画の目的はそこではない。
もっと別のメッセージがある。
また、これがいい。
そこに余分な会話なんて必要ない。
お互いを想う気持ちさえあればいいのだ。

年明け第一弾としては相応しいステキな映画を観ることができた。

あっ、そうそう、看護婦役で登場するオルガ・ポラズさんという女優がとても魅力的。
それも主役の老いぼれ爺さんを羨ましいと思った大きな理由(笑)。

ユーチューバーが消滅する未来

確か日経新聞の書評欄で紹介されていたのだと思う。
著者の岡田氏はTVでちらっと見た程度で、どんな人物か知らないもよく知らない。
きっとある分野にモーレツに詳しいと思っていたくらい。

妄想が膨らみ、引き寄せられついつい購入してしまった。
それもkindle。
このような新書は電子版が相応しい。
そんなふうに勝手に感じたが、実際読み終えればそれは正しい。

これからの世界観はこのタブレットの中で作られていく。
このタブレットさえあれば、大体のことは用事が済む。
まあ、スマホでいいのか・・・。
インターネットに繋がればどんなことでも情報収集できる。
facebookもインスタも一体化。
本書も気になる点を線引きだけしておけば、その箇所をすぐあぶり出すことが可能。

僕が線を引いた箇所はこんなことが書かれていた。

価値観の変化は次の3つ
①第一印象至上主義
②考えるより探す
③中間はいらない

そして、主要メディアとして見方も完全に変わった。
岡田氏がこんなことも言われる。

ブログ、ツイッター、ユーチューブ。
この3種類のネットメディアが揃ったことで、メディアの需要はほぼ満たされたと言えます。
新聞、ラジオ、テレビという、
20世紀型オールドメディアが「終わった」というのは言い過ぎですが、
完全に古いものになってしまいました。

そんなふうに感じている日々を過ごしているものの、
こうキッパリと言われると狭間に立つ人間としてはたじろいでしまう。
確かにテレビは目的の番組以外見なくなってるし、年末年始もあまり魅力を感じなかった。
新聞もある意味、強制的に読んでいるようなものだ。
親和性でいえば、僕もネットやSNSの方が高い。
このブログに費やす時間も多いし・・・(笑)。

50歳過ぎたオッサンがそんな状態であれば、今の若い連中はもっと加速度的に進むはず。
会社の若手もユーチューブしか見ないというし、高校生の息子も同じようなもの。

大手スーパーが商店街を潰したように、今度は大手ネット通販が流通を壊す。
それが不思議じゃない時代。
ユーチューバーがもてはやされる時代もあっという間に終わる。

その中で僕たちはどう立ち振る舞っていくかを考えなければならないが、
より人間らしくあればそれは可能なんじゃないかとも思う。
中途半端じゃダメなんだろうけど・・・。

分かりやすく考えさせてくれる良書でした。

ドラマ「琥珀の夢」

昨年10月に放映されたドラマをようやく観ることができた。
ドラマ自体、録画することが最近はなかったが、どうしても観たかった。
これは伊集院静氏の原作で昨年のこの時期にブログでも紹介している。

原作はサントリーの創業者鳥井信治郎氏を実名で描いているが、このドラマはすべて仮名。
なぜかな?。
原作から相当なフィクションにしてしまったからか・・・。
上下巻ある長編小説を2時間にまとめ、かなり端折っていたこともあるけど。
ニッカ創業者の竹鶴政孝氏は松亀正行という役名だし、
そんな名前を付ける方が大変だと思うけど(笑)。

僕はこのドラマを正月休みに観たのだが、時期的には正解。
グッと仕事へのモチベーションは上がった。
何事も諦めてはならない。
常に夢を抱かなきゃならない。
新たな山にチャレンジしなきゃらならない。
経営者として大切なことを改めて教えてもらった。

論理は大切である。
戦略はもっと大切である。
それ以上に大切なのは情熱。
ひたむきに向かう姿勢。

戦略や論理を越えた先にあるもの。
それが結果的に日本を代表する企業になっているのだ。
多大な演出があるにせよ勇気づけられるドラマだった。

最近でいえばドラマで観たのは「西郷どん」と「下町ロケット」。
大河ドラマはここ数年観るようにしているが民放ものは「下町ロケット」らの池井戸潤シリーズくらい。
これはただのオジサンの趣味かもしれないが、
もっと硬派なドラマを放送して欲しいと思う。

それにしても「下町ロケット」はちょっとインチキだったな(笑)。
原作を読んだ者として12月のあの終わり方はなかった。
上手い具合に正月に引っ張って・・・。

硬派なドラマは恋愛シーンなんて一切要らない。
100%ビジネスを描くドラマを流して欲しい。
そんな人って意外と多くないのかな・・・。

となると本作のように日経が音頭を取るべきだろう。
シナジーも生むと思うし。
池井戸氏が描く世界以外のドラマをこれからも観てみたい。

映画「シュガー・ラッシュ オンライン」

正月に紹介するのに相応しい映画。
こういったディズニー作品は家族で観るのが定番だと思うが、僕はひとりで映画館へ。
案の定、オジサンが一人で観ているのは僕ぐらいで大体は家族連れか若いカップルだった。
10年前ならきっと子供と一緒に来て感動していたんじゃないのかな。

では、何故この作品を一人で観たのか?。
いつもfacebookで映評をしている友人ヤブさんがベタ褒めしていたから。
他にも知り合いの大人が褒めていたので、
(ここでは大人というのが肝心・・・笑)
観ることにした。

でなければまずこの類の映画を観ることはなかった。
で、どうだったか?

結論としては観たことは正解。
人の話は素直に聞くもの。

ディズニー=子供向けと短絡的な物の見方では肝心なことを見落としてしまう。
先入観を捨てる時も必要。
そんな意味では大人も子供も楽しめる映画。

子供向きでいえば単純に映像の美しさとその迫力あるシーン、
そして、ディズニーのプリンセスが総出演ということだろう。
大人の見方は全く別次元じゃないかな。

さすがに小学生がgoogle、amazon、facebookってあまり理解できないと思うし。
ましてやeBayなんて、その存在すら分からないはず。

しかし、大人的観点でいえば、オフラインで活躍していたラルフとヴァネロペが、
(これ主役のゲームのキャラクターね。)
オンラインの世界へ飛び込み、戸惑いながらもその世界で存在価値を見い出していく。
その展開が面白い。

見方を変えればかなり皮肉的要素もあるかとは思うが、
それをエンターテイメントに仕上げてしまうのは流石。
オジサンが一人で観るのも悪くないわけだ。
これだけインターネットの中の世界を分かりやすく伝える方法もない。

僕はディズニー映画を久しぶりに観たし、海外のアニメ自体、久しぶり。
これをアニメと呼ぶこと自体、失礼にあたるのかも。
その映像の美しさとリアル感は僕が見てきたアニメを凌駕している。
その時点で時代遅れになっているということ。
自分のレベルや先端のクオリティを知れただけでも見た価値はあったと思う。

唯一、感じたのはエンドロールの長さ。
なかなか映画が終わらない。
どこで登場したかさっぱり分からない吹替役の松たか子や大島優子の存在を知れたのはいいが、
少々、長すぎと感じ、だれてしまった。
それでも観た甲斐はあった。

ご紹介頂き、ありがとうございました。
映画コラムニストとしては視野がまだまだ狭いですな(笑)。

映画「マチルダ 禁断の恋」

やっぱり今年はいろんな国の映画を観ている。
今回はロシア。
「スターリンの葬送狂騒曲」が英語だったので、
本作も英語かと思ったがこちらはロシア語。
正真正銘のロシア映画だ。
やっぱスターリン映画は嫌がらせだな(笑)。

じゃあ、この映画がどうかといえばかなり怪しい。
誤解を恐れずに言えば、ただのスケベな男と魔性の女のもつれ合う恋愛もの。
それ以上でもそれ以下でもない。

しかし、そう言ってしまうと身も蓋もない。
そう感じさせないように映画は芸術的に制作されている。
まあ、今回はある程度、ネタバレしてもいいだろう。

舞台は1890年台後半のサンクトペテルブルク。
実在するロシア皇帝ニコライ2世を描いている。
ということはほぼ実話。

当然、大河ドラマ「西郷どん」のようにフィクションを加えているが、
大体は本当の話なんだろう。
といっても僕は知らないんだけど・・・。

ロシアでは上映禁止騒動になったくらいだから、かなりスキャンダラスな事件。
僕もいつもならスルーする類だが、予告編に魅了されついつい観てしまった。
これも魔性の女マチルダを演じたミハリナ・オルシャンスカのせい。
ニコライ2世同様、追いかけてしまったわけだ。

あのバレエシーンに世の男は惑わされるだろう。
言い方は失礼だが、ロシアの男も至って単純。
いや、男なんてみんな同じか・・・。

それにしてもニコライ2世は情熱的だが動物的すぎる。
あんなことばかりやっていたら国が滅んでも仕方がない。
そんなことをいうと叱られるかな(笑)。

ここまで書くと駄作と思われるかもしれない。
そんなことはない。
一見の価値はある。

今から120年ほど前のロシアが再現され、
その豪華絢爛な宮殿やバレエ団の壮麗な舞台、クラシックの演奏は見事。
それを観るだけでもこの映画の価値は大きい。
歴史は物語を作っていくのだ。

そして、戦争に限らず人は同じ過ちを繰り返す。
きっとこの先も同じ。
結局、男は魅力的な女性に人生を狂わされる。
まあ、これは自分自身への戒めですな。
生き方は常に気をつけなければならないし、本能のまま生きてはならない。

そんな意味では勉強になる映画。
ただの女性にだらしない男の話だけど(笑)。