ポスターに書いてある「一生に一度の傑作」。
このコピーはちょっと大袈裟だな(笑)。
それに惹かれたわけではないが、たまには海外の青春映画も観てみるべき。

ジャンルは“プレイリスト・ムービー”と呼ぶらしい。
この言葉は初めて知った。
ミュージカルでもなく音楽とストーリーを繋ぎ合わせ、そこに独特の色彩を絡み合わせていく。

映画コラムニストとしては失格だが、それがどうやら“プレイリスト・ムービー”。
まだまだ勉強が足りませね。
映画を観る前はそんなことも知らずに、かなりオリジナリティのある映画だと感じていた程度。
今後、このジャンルも増えていくのだろうか。
それについてはさっぱり分からない(笑)。

ストーリーは至ってシンプル。
ネタバレしない程度に言っておけば、ある事件を基に家族崩壊から模索していくドラマ。
“プレイリスト・ムービー”としては初めてだが、よくあるパターンのストーリー。

それが音楽と映像美と特徴的なカットによって、
よくあるパターンではなくなり、不思議と映画にのめり込んでいく。
同時に感情移入し、登場する息子、娘の気持ちに大いに共感していく。

家族崩壊といえば、今公開されている長澤まさみ主演の「MOTHER」も同様。
僕は観る勇気がなく観ていないが
(あまり嫌な気分になりたくないので・・・)
子供が殺人事件を起こす点では共通する。

大きな違いは家庭や子供に無関心な親なのか、熱心すぎる親なのかの違い。
本作の事件を起こす息子の葛藤はよく理解できる。
親の期待を裏切ってはいけないというプレッシャーに押し潰され最悪な結果を招く。

方や真逆。
(観ていないので、真意は不明だが・・・)
結局は親の影響力が子供の今後を左右する。

今、担当している大学の授業で、学生の声を聴くと痛切にそれを感じたりもする。
オヤカク、ちょっと強すぎね?

話は逸れたが、日本でも海外でも振り回されるのは子供で、
結果的に親は子供の行動で自分の影響力の浅はかさに気づく。
人種、文化は違えど、これは万国共通なのか。
と本作の主旨とは異なるだろうが、そんなことを感じた。

であれば、勇気を持って「MOTHER」を観るべきだろうが、今のところ足は向かない。
決定的な違いはその先に希望があるかどうか。
少なくとも本作は希望がみえる。
明るいこの先を予感させる。
家族崩壊の現実にも真剣に向き合い絆を深める行動を起こす。
大きな違い。

そんな表現をしていると社会派ドラマと錯覚するが、これは青春映画。
なんたって“プレイリスト・ムービー”だから。

僕はなぜかこの映画を観ながら、大学時代に観た「ファンタンゴ」を思い出した。
大人になる境目だったのかな。

と理解不能なコメントでブログを終える。
時間のある人は新たなジャンルも体験してもらいたい。