27日のメッセナゴヤ2010で開催されたビジネスセミナーの参加。
寺島実郎氏による講演「世界の構造変換と日本~多様性の世界を生きる~」を拝聴した。
寺島氏は、TVのサンデーモーニングや報道ステーションのコメンテーターとして存じ上げている程度。
どんな活躍をされているのか多くは知らないが、その歯に衣着せぬ発言と時代を読む鋭い切り口に、一度は話を伺ってみたいと思っていたことから、今回はいい機会を頂いた。
今回はタイトルだけでは想像し難い様に、かなり難解なテーマであった。
米国を中心とした先進国がこれまでの世界全体の構造を構築してきたが、今後は米国中心の考えが崩れ、中国や新興国を含めあらゆる国が参加し、世界共通の秩序を組み立てていく。
そのグローバルな捉え方の中で、日本はどんな方向性で立ち向かい、内外に対しどんな戦略を打ち出していけばいいかを示唆する内容であった。
多分、1時間半の講演では、寺島氏の言いたい半分も表現できていないと察するが、米国が主張してきた競争主義、至上主義では、世界市場のバランスが保てないことは理解できた。
市場が多様性かつ複雑性になり、大きなものが圧倒的な強さを有する時代ではなくなったようだ。特にリーマンショック以降の不況はそれを実感させる象徴でもあろう。
とはいっても、中国が数の論理で台頭している背景もあり、短絡的な物の見方では解決できないのが、今の世の中なのだろう。
この講演を拝聴し、改めて、今後、自分たちがどんな方向性や考え、理想を持ちながら生きていくべきか、会社はどうあるべきかを考えさせられるキッカケとなった。
きっと考えはすぐにはまとまらないだろうし、まとまったとしても軌道修正が付いて回るだろうし、正解は何かはわからないだろう。
でも、いえること。
どんな時代になったとしても、倫理観だけは絶対に持ち続けなければならない。
この講演からもそんな事を感じた。