一昨日から東京に入り、夜は大切な方との食事会。すっかりいい気持に酔っ払って宿泊。
翌日も前日同様、HRプロのセミナーに参加した。この日のテーマは「採用」で、それも新卒採用にフォーカスしての3つの講演が行われた。
1回目の基調講演は、リクルートワークス研究所所長 大久保幸夫氏によるテーマ「これからの日本を創る新卒採用の視点」。
まずは新卒採用の現状を大学生の増加、一般入試の減少、求人倍率の推移、学生の志向等、データを活用し、なぜ就職できない学生が増えているのかを報告された。そして、主題となる大卒新卒採用の変化を予言するとして、これからの就職活動の方向性と課題、企業と学生のあるべき姿を説明された。
外部環境は好景気・不景気だけでなく、企業のグローバル化、若者の思考性を含め、従来とは大きく変化しているのが実態だ。となると、これまで当たり前としてきた面接重視の採用手法も変わり、外国人も含めた求める人材像も異なってくるようだ。
今、巷を賑わしている卒業後3年も新卒扱いとする考え方も、今後の就職戦線に与える影響は大きい。
採用基準も、リーダーシップ、学習能力・思考力、モチベーション、ストレス耐性と変化対応力が重要になってくるようだ。それを見極めるには面接では限界があり、長期のインターンシップの活用など別の方法も企業側では実施する必要とのこと。
今すぐではなかろうが、そんな時代が目の前に来てるのかもしれない。
セミナー終了後に行われた講演者との交流会で、大久保氏に挨拶。名大社の存在を知ってもらっていたことは喜ばしかった。以前、名古屋で求人誌の編集長を担われていたのが理由。その当時、僕自身もリクルートの雑誌を営業として販売していたので、間接的ながら接点があったのかもしれない。
う~ん、世間は狭い。
第2講演は、パフの代表 釘崎清秀氏によるテーマ「採用担当者への提言『今こそ“顔の見える採用”を」である。
自己紹介の段階で、歌を唄い出したことには驚いたが、普段から懇意にさせて頂いている関係から、釘崎氏の伝えたいことは十分理解でき、熱いものを感じた。若者の現状に対しては、やはり大人である我々に責任があり、伝え育てなければならない。
その取組みに共鳴した人事担当者は多いのではないだろうか。少しでも共感者が増え、協賛企業が増えることを期待したい。
そして第3講演は、HRプロ代表の寺澤康介氏の「ここでしか聞けない 2012年度新卒採用 前半戦総括」であった。
どこの就職情報サービス会社にも属さない中立的な立場での報告は、その客観的な視点からとても説得力のある内容であった。東海地区と異なるのは、2012年卒採用は、前年と比較すると既に上向いているようだ。
東海地区ではまだその実感はないため、景気の回復具合も首都圏に比べるとまだまだなのであろう。その報告内容から、学生に対しての寺澤氏の持論を解釈すると、僕が普段から学生に抱く考えと近いことが良く理解できた。
それは最近、大学で講演をさせてもらい場合、よく学生に伝える内容でもある。そして、選考時期を遅らせる行為は、内定率を低下させると危惧されていた。学生の活動状況から、確かにそう思うことも多い。
三者三様、講演内容は異なり、学ばせてもらった点は多いが、三者とも共通した面も多かったように思う。
それは、これから未来を担う学生を育て支援しなければならないということ。その中で採用する企業も従前の方法ではなく、新たな考えでチェンジしなければならないということ。
採用の現場からそれを発信していくことが大切なのだ。
その中で、我々は何で持って貢献できるのだろうか。取り組むべきことはどれだけでもありそうだ。