日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動 (光文社新書) 日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動 (光文社新書)
(2013/04/17)
三浦 展

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著者名とタイトルに惹かれ、何も考えずに購入した1冊。
単に日本人の消費行動を解説したわけではなく、サブタイトルにある『「超おひとりさま社会」の消費と行動』を基本ベースに今後の消費の傾向や生活スタイルについて書かれている。自分とは無縁の存在であるおひとりさまが近い将来、家族よりも多くなる。2035年には一人暮らしの世帯が主流になるというのだ。
本書では、だから結婚して子供を産め!など説教じみたことは一切言わない。その生活を標準と捉え、どんな価値観でもって買物をしていくかを世代ごとに明確に著している。
一人暮らしは若い独身者という考えは古く、未婚の中高年も多い。自分の周りを見渡しても、そんな方が実際、存在もしているし・・・。それが不思議と悲壮感はなく、充実した日々を送っている。まさに「おひとりさま」の消費行動の見本と言えるだろう。
様々なデータから導き出した傾向性は説得力の高いものだが、その消費傾向の分析結果を男女別、年齢別に上手く言い表したのがこれ。
・シニア男性は「若者化」
・シニア女性やミドル女性は「アクティブ化」
・ミドル男性は「おうち志向化」
・若年男性は「主婦化」
・若年女性は「男性化」
何の根拠もないが、「ああ~、なるほど!」と手を打ってしまいそうだ。言い得て妙。
今後、我々は自分たちのビジネスにおいても、この傾向を意識して取り組まないといけないだろう。全ての男性がキャリアアップを目指し上昇志向ではないし、全ての女性が家庭内に収まりたいわけではないのは紛れもない事実。しかし、これまであった傾向は今後、加速度的に変化していくとも考えられる。
当然、企業内における職域やポジションも大きく変わっていくのではないか。この傾向を読み取り、先んじて企業に対し提案する必要も生じるだろう。常識なんて、あっという間に古くなってしまうと考えておいた方がいい。
と仕事ベースに考えながら、いざ自分が一人になったらどうするのだろう。嫁さんにも子供にも見捨てられないとは限らない(苦笑)。
そんな時は本書にも登場するコムビニ=コミュニティ・コンビニエンス・ストアに頼らざるを得なさそうだ。やっぱりずっと「おひとりさま」の生活は寂しいと思ってしまうし・・・。