リクルートの深層 (イースト新書) リクルートの深層 (イースト新書)
(2014/04/20)
大下 英治

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ここに書かれていることが100%真実かどうかはわからない。仮に100%とするならば、僕が抱いていた江副像は大きく変わる。
僕の知り合いの元リク出身者も同じような印象を持つかもしれないし、「その通りだ!」と納得するかもしれない。ただ多くの人は僕と同じような感想を持つのではないだろうか・・・。
一言で言ってしまえば、自分勝手なワガママは人。だからこそあれだけの企業を創り上げることができたのだろう。僕には到底ムリな話。やはり人間が小さすぎますね・・・(苦笑)。
本書では江副氏の生い立ちから死に至るまでを描いているわけだが、ある意味、碧夫人のストーリーでもある。碧夫人の支えと耐え忍ぶ姿があったからこそ、江副氏は成り立ったのかもしれない。尽くす女性の存在は偉大。翻弄された人生だったと同情もしてしまうが・・・。
本書で初めて知ることも多く僕にとっては新鮮だった。リクルートの闇の部分も知ることができた。できればリクルート事件後のことも克明に描いては欲しかったが、そこはまだベールに包まれている面が多いのかもしれない。
ここには江副氏を取り巻く多くの人物も登場する。かつて僕が尊敬していた高塚猛氏の活躍も描かれている。
ダイエ―ホークス代表時代の講演テープはよく聞き、著書も読んだ。しかし、晩節を汚してしまった。これは江副氏にも当てはまる。
どうして名声を極めた人は最後にはあんなふうなってしまうのだろうか。
知らず知らずのうちに人格そのものが変わってしまうのか・・・。大物になりようのない僕が心配する必要はないが、反面教師的に学ぶ面も多かった。
著者の個人的な見方だと思うが、現在のリクルートについてかなり批判的に書かれている。
ぜひ、現役の方に本書の感想も聞いてみたい。