伏見周辺の広小路通沿いはオフィスビルが並びます。
日中は歩道はビジネスマンが闊歩しています。
目的地に向かい脇目も振らず歩きます。
そんなビジネスマンはこちらのお店の存在を見逃すはずです。

実際、僕自身もこんな場所にこんなお店があるとは、
教えてもらうまでは知りませんでした。
会社のビルの向かいにあるのが野村證券ビル。
その隣のビルの地下にある「こくら」さんに行ってきました。

そのお店の存在に驚かされたのかもしれません。
間抜けな撮影姿がかすかに写っています。

接待向きなステーキハウス。
もしくは、ここで落とすぞ!と勝負を決める雰囲気もあります。

その相手が誰であるかは知りません(笑)。

この日はランチでしたが、店内はとても静か。
ピーンと張り詰めた緊張感があります。
当然、カウンターに座ります。
ランチでも勝負する時は勝負をするのです。

メニューをしばし眺めます。
財布の中身と照らし合わせます。
「すいません、フィレステーキ定食を2つください。」
「当店はA5の牛をご用意しています。よろしいでしょうか?」
「はい、お願いします。」
少しだけ体が震えます。

しばらくすると奥から重厚感のある制服に身を包んだシェフが登場します。
「いらっしゃいませ!では、早速始めさせて頂きます。」
「あっ、お願いします。」
ランチ用の肉を奥の冷蔵庫から出し、野菜を並べます。
見事な手捌きで野菜と肉を焼き始めます。

会話はなく、じっと肉が焼かれるのを眺めます。
シェフは話題を提供してくれたのでしょうか?
ブランデーを振り火をつけます。

「お~、凄いね!」
「凄いですね・・・」
少しだけ会話が盛り上がります。
またまた見事な手捌きでステーキを切り刻んでくれます。
(この表現は正しくないかも・・・笑)。

「おまちどうさまでした。」
「ありがとうございます。」

フィレステーキ定食 2800円

美しい焼き具合です。
アップにしてもその美しさは変わりません。

「美味しいね。」
「はい、美味しいですね。」
「ご飯お替りしたら?」
「はい、分かりました。」
緊張感も少しだけほぐれたような気もします。
ワインを飲みたい気分になりましたが、午後からのコトを考え水で我慢します。

「僕もご飯をお替りしようかなあ~。」
この気の遣い方が好感を生むのでしょう。
撮り忘れましたが、ステーキ用のソース、たれ、塩も美味しいです。
順番に食べることをおススメします。
どんなローテーションがいいかは分かりません。

「どう?お腹は?」
「いっぱいです。」
「この後どうする?」
「仕事に戻ります。」
「そうだよね。」
とても静かなお昼の時間でした。

こちらのお店はカウンターのみのBarも併設されています。
年代物のウイスキーが並んでいます。
やっぱり夜に来るべきですね。
そうすれば違う展開になると期待できます。

ごちそうさまでした。