東海の熱血人事列伝

第9回 社会福祉法人 なごや福祉施設協会 事務局主幹 総務担当 加古瑞紀氏

社会福祉法人 なごや福祉施設協会 <ナゴヤフクシシセツキョウカイ>

なごや福祉施設協会は、平成5年に名古屋市と名古屋市社会福祉協議会の共同出資により設立されました。 特別養護老人ホームやデイサービスセンターなど、名古屋市内で24施設を運営しており、現在では、500名以上の職員が働く、市内最大規模の社会福祉法人へと成長を遂げました。
福祉業界の離職率は平均で17%と言われる中で、当法人は8.2%と低水準に留まっています。 職員の定着率が高い理由として、研修制度や福利厚生面の充実性が要因の1つになっています。
今後も利用者様だけでなく職員1人1人を大切にする法人を目指し続けます。

いつも明るく元気で笑顔でいられることは、
仕事を行う上で一番大事なことだと思います。

ー介護職に向いている人とはどんな人でしょうか?

明るく元気で笑顔の素敵な方でしょうか。明るさ、元気さ、笑顔どれも人と接する時に大切なことです。
もちろん福祉業界なので、介護福祉士などの資格を持っていた方がよいなどあるかもしれませんが、その前に、介護職は人、特に高齢者の方と関わる仕事です。
いつも明るく元気で笑顔でいられることは、仕事を行う上で一番大事なことだと思います。 当法人で長く働くベテラン職員でも、明るく元気な方は多いと思いますね。
そういった雰囲気の方は利用者の方にも好かれますし、良い評判は利用者のご家族の方にも伝わりますね。 それに加えて、利用者の方への気付きや観察が出来る能力も必要になりますね。
特別養護老人ホームやデイサービスセンターでは、大勢の利用者の方へのサポートをしていかなければならないので、慣れないうちは、どうしても業務効率ばかりに縛られがちです。 特にバタバタと忙しい時間帯は、なおさら利用者様への観察がおろそかになりがちです。
例えば、食事の時間。食事の時間の終わり頃になって、利用者様が処方するお薬が、1つ余っていることがありました。 利用者様に処方されているお薬は、命に関わるものもあります。 その時は気付くことができたので事なきを得ましたが、もし職員も気付くことができないままになってしまっていたら・・・そういった意味でも観察眼は大切なのです。
最初からこういった観察眼を持っている人は少ないかもしれませんが、経験を積んでいく中で、自分の業務効率のみでなく、周囲の環境や利用者さんの細かい変化に敏感に反応できるようになれれば、すばらしいと思います。

ー御法人の職員は、どういったフローを経て1人前へと成長していくのですか?

はじめは先輩職員について、実際に行っている業務を体で覚えていきます。 一通りの業務を覚えていくのに、早くても3ヶ月程度は時間を必要としますね。 それからだんだんと1人前の職員へと成長していきます。
また、自分の介護技術をさらに磨きたい方には、レベルや職種に応じた研修も内部で行っています。 例えば、介護福祉士の資格取得支援研修など、合計すると、年間にして約40講座にものぼります。 介護が未経験の方であっても、日々の業務の中で、経験不足を補うとともに、自分のスキルをさらに高めていける土壌は当法人にはあると思います。

第9回 社会福祉法人 なごや福祉施設協会 事務局主幹 総務担当 加古瑞紀氏

ー新人職員が仕事をする上でぶつかる第一の壁とは何でしょうか?

まず、施設にいる利用者の方の名前を覚えること。 名前を覚えることが利用者の方との関係づくりの第一歩ですが、これが実は難しいのです。
名前なんてすぐに覚えられるのでは?と思われる方もいるかと思いますが、当法人には、1つの施設には多いところで約80名の利用者の方がいらっしゃいます。 一気に80名もの人の名前を覚えるのは、大変難しさがあります。
名前を覚えていくためには、利用者の方1人1人と持続的にコミュニケーションを取り、会話の中から、覚えていくほかないと思います。
私たちの仕事は全て利用者の方ありきのものばかりです。 新人職員は日々新しい仕事を覚えなくてはならず、忙しいとは思うのですが、利用者の方の存在を意識して、積極的にコミュニケーションを取っていってほしいと思います。

ー自分に合った法人を選ぶコツはありますか?

特別養護老人ホームにしても有料老人ホームにしても、働いている職員さんにどういった人がいるかという目線で選んだ方がよいかと思いますね。 働きやすさという面で考えると、条件面も大切ですが、それよりも一緒にはたらく職員との人間関係に左右されることが多いと思います。 そういった意味でも、就職活動される時には必ず施設を見学することをおすすめします。
説明会などで話を聞くだけではなく、実際に働く施設へ行ってみて、雰囲気を自分の五感で感じてほしいと思います。 また、違ったテクニックとしては、離職率を尋ねてみる方法もあります。 パッとそれが出てくるような法人さんは、それなりに職員の定着率を自慢にしている法人だと思います。
ちなみに当法人の離職率は8.2%で、全国的な平均と比べても低い方ですし、職員にとって働きやすい環境ではないかと思います。 その点も聞くことができるようであれば、参考にしてもらえればよいかと思います。