業界リサーチ2018

明るい話題多し。概ね追い風ムード。

社会基盤関連 エネルギー/鉄道/運輸・物流

エネルギー

群雄割拠が予想され、市場規模の拡大に発展。

目下注目は、電力自由化が始まった電力業界。ガスや石油会社をはじめ、商社、通信会社、さらには旅行・鉄道系も参入。兆円規模に達すると言われる巨大市場は群雄割拠だ。なお、中部電力は自由化を機に首都圏に進出した。再生可能エネルギーは、一時期に比べ盛り上がりは沈静化、これには、買取価格の下落が起因している。一方、これから日の目を見るであろう水素エネルギーは、水素ステーションの整備が進行中。家庭用燃料電池(エネファーム)の普及は2030年に530万台を見込んでいる。

鉄道

大注目のリニア。私鉄の雄の変革にも期待。

東海道新幹線を有するJR東海は、売上、営業利益ともに好調。今後のリニア開業がさらに収益力を高めるはずだ。また、ジェイアール東海髙島屋をグループ企業に抱えており、鉄道事業以外での事業拡大も期待が持てる。地方私鉄の雄、名鉄(名古屋鉄道)も、やはりリニア開業に伴う変革に要注目。名鉄は自慢の「パノラマカー」や跨座式のモノレールを日本で最初に導入した企業であり、イニシアチブスピリットを持っている。名古屋駅再開発に伴ってサプライズを用意できるかが気になるところ。

運輸・物流

巨大な黒字額で貿易は好調。日本経済を牽引。

名古屋税関が発表した2015年の中部5県(愛知、三重、岐阜、静岡、長野)の貿易収支の黒字額は8兆3212億円。輸出額は18兆3890億円で4年連続増加した。2016年上半期の輸出額でも全国トップをマーク。完成車を中心に、中部から数多くのモノが海外に輸出されている。陸運は、ヤマトホールディングス、SGホールディングス(佐川急便)、日本郵便の大手がしのぎを削るが、モノづくりが盛んな東海エリアは、地元で地盤を築く中小の運送会社がさまざまなロジスティクス策を打ち立て、製造業に貢献している。