先日飲み屋で有名なグループウェア会社の社員の方と飲んでいて、
グループウェアや社風の違いについて話が盛り上がった。
それはそれで大変楽しい時間なのだが、
だいたいこの流れは、多くの場合、仕事の方法論に行き着く。
仕事を分解し、もっと効率的に、もっと質の高い、もっとたくさんの仕事をこなせるように。
はやりの働き方改革も含め、実に多くの時間を僕たちはこの仕事論について話しているような気がする。

その時話題に上がってそのあと気になったのが『手段と目的が入れ替わってしまう』という言葉だった。
仕事をするということは多くの場合仕事を分解することだと思う。
営業成績を一月で500万円の売り上げを上げるために、
たとえば、見込み顧客を20社必要で、
そのためには60社の商談が必要で、
その為には既存顧客だけでは足りないので、新規顧客をあと30社作らなくてはならないとすると
セミナーや飛び込み訪問、テレアポで、300社のアプローチをしなくてはいけないとする。
つまり500万円→20社見込み→60社商談→既存顧客+新規顧客30社→300社アプローチ…
という流れになって、KPIは実にたくさん出てくる。
KPIは、仕事を管理する上でも必要なのだが
たくさんあるKPIの中でボトルネックになっているところを洗い、その対策が考えられ、
そこに集中的にアプローチする為に施策がタスク化され、実行・確認になるだろう。
でもそれは売り上げ500万を作る面白さであったはずの営業マンの仕事の醍醐味が
いつの間にか新規アプローチの切なさだけが営業の仕事と感じ、苦痛になる人もいるのだ。
新規顧客への終わりのない訪問の数が営業の目的でもないし、
既存顧客へのご機嫌伺いだけが営業の目的ではない。
手段と目的は間違いなく、時と場合によって入れ替わる。
そして人はそれに戸惑う。
自分はなぜこんなことをやっているのだろうかと。
そして困惑する。
このKPIはなぜ目的になっているのかと。それは本当に正しいのかと。

グループウェアもPDCAも、人事評価もSFAも、手段にも目的にもなっていく。
それは必然だ。
その人の目線に応じて、その物事や施策は、手段にも目的にもなるだろう。
そこで困惑し徒労感を覚え、なんでこんなことをやらされているのいるのだろう?と思うのは
やっている仕事に対する上位概念としての目標や意味が、自分自身やその組織の人たちに
自覚、認識や共有されていないことだろうと思う。
実に当たり前の結論だ。
だが僕が言いたいのはこういうことだ。
やっぱりみんなとは、世代が違うから、価値観が違うから、分かり合えない。
多様性だし、人間違うから、それぞれだから無理なんだと。
だから目標も意味も多様で人ぞれぞれでいいんだと。
そうだ、それは間違いないし基本的には異議はない。
でも、それでは一緒に仕事はやれないだろうということだ。
全てが一致などは絶対ありえないのだからこそ、一つぐらいは目標や価値が合わないと仕事はできないだろう。
そもそもお金を儲けるというKGIが一致したところで、その為の方法論やKPIは合わないし続かないだろと思う。
当然これは社内だけの話ではない。
おかげさまで、うちのような小さな会社でも実にたくさんのコラボレーションで今の仕事が回っている。
そして当然ながら様々なパートナーが名大社を支えてもらっている。
それはやっぱりなんらかの価値観が一致している部分があるから一緒に仕事ができるのだろうと思っている。

そして今僕が知りたいのは2つだ。
どのようにしたら、そのような目標と価値が一致できる人材や、会社を見つけられるだろうかと。
そしてどうのように当社の組織のメンバーの中で、その価値や目標を一致させることができるのかと。

以上、高井でした。