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COLUMN 就活応援コラム

「せともの」のまち、愛知県瀬戸市で旅人と地域が交わる宿を営む若者の話

進学を期にジモトを出た若者が、Uターンしてくるきっかけはどんなものがあるのでしょうか。
もともとUターンする予定での進学、実家がある、後継ぎだから……さまざまな理由があると思います。
今回ご紹介するのは、大学を卒業後にジモト愛知県瀬戸市にUターンをした南さん。
まちと職人と旅人を繋げる、情報発信型のゲストハウス「
ますきち」を開業することになったきっかけや今後の展開についてお話を伺いました。

南 慎太郎|プロフィール
愛知県瀬戸市生まれ、北海道大学卒業後、ジモト瀬戸市にUターン。
日本で初めて茶碗に取っ手をつけ、コーヒー茶碗の製造に成功した陶芸家・川本桝吉氏が暮らしていた、築140年の古民家をリノベーションして、ゲストハウス「ますきち」を2018年にオープン。
瀬戸市のまちと職人と旅人を繋げる宿のオーナーとして、日々奮闘中。

ジモトに帰る予定はなかった進路、Uターンのきっかけは旅先での出会い

ゲストハウス「ますきち」プレオープンイベントにて

ー進学と共にジモト愛知県瀬戸市を出た南さん。進学時にジモトへUターンする気持ちはあったのでしょうか?
南:実は、北海道の大学に進学を決めたときはジモトへUターンする気持ちはありませんでした。むしろ、「絶対に帰ってこない!」と決めていましたね(笑)。

ーまさかの、絶対に帰ってこない!ジモトの情報発信型のゲストハウスを運営する現在では想像できませんね。そのように考えていた理由を教えてください。
南:まわりの大人を見ていて、愛知県の人はすごく内向きで、ずっとジモトにいるイメージがあって。私はその空気が嫌で、もっと外を見たいという気持ちがあり、県外に進学しました。
そして、自分はジモトに戻らず外で働くのだろうなと思っていたんです。

ーそんな南さんが、ジモト思考に変わったきっかけは何だったのでしょうか?
南:私は旅好きで、大学時代に日本や海外を旅していました。
そのときに出会ったのが、熊本県阿蘇のゲストハウス「阿蘇び心」さんです。
阿蘇び心さんでは、スタッフの方がジモトのことを誇らしげにゲストに話していたのが印象に残っています。
スタッフの方が紹介してくれた場所を訪れてみると、有名な観光地のような場所ではなく、まちの人が好きな日常があって、すごくわくわくしたんですよね。
ジモトの瀬戸市でも、こんな旅のスタイルを提案するゲストハウスができたら、おもしろいかもしれない!と思いました。

地域の伝統文化や伝統産業があるまち、ジモト瀬戸市

ー旅先でジモトの良さを再発見した!というわけではなさそうですね。
南:「ジモトに戻るために戻った」というよりは、地域の魅力を引き出すような形でゲストハウスを開業したい!どこがいいかな?と探していたときに、たまたまジモトだったんです。

ーたまたまジモトだった理由を教えてください。
南:ゲストハウスを開業するにあったって、自分の中で2つ重要視しました。
まず1つ目が、あまり観光地化されてないところ。
なぜかというと、観光地といえばこれ!というような固定観念がないからです。
一般の人からすると、観光地に旅すると「あそこ行けばここ行くよね」とコースが決まっていますよね。それは面白くないなと思ったんです。
2つ目は、ちゃんとそこに地域の伝統文化や伝統産業があること。
そうやって探したときに、瀬戸市かな、ジモトかなって気付いたんです。

ー旅がジモトについて考えるきっかけになったんですね。その後は、ゲストハウスを開業するまでは、何をしていたんでしょうか?
南:一度、ジモト瀬戸市に帰省して、まちをゆっくり歩いてまわったんです。
改めてちょっと楽しんでみようかっていう目線で歩いてみると、結構面白かった。
それまでは、本当に素通りしてた所が「あれ?窯業関係の会社ばっかりだな」とか、「陶器やたらそこら辺に転がってるな」と気付いて。
これってやっぱり特異性だし、昔からそういう産業があったからこういう町になっているんだっていうのが見えてきたんです。

ディープなまちの風景が見られる旅を提案

ーそれまでは気付かなかったジモトの良さを発見できたんですね。そこから具体的に動いていったのですか?
南:在学中に瀬戸市役所の空き家担当者さんに電話して、宿に使えそうな空き家がないか聞いてみたんです。
そうしたら、たまたま担当の方が北海道出身で、大学のOBで意気投合して。「瀬戸に帰省するときに、事業計画書を作って持ってきてよ!」と言われ、持参したんです。

ーそこではどんな出会いがあったのでしょうか。
南:市役所の方が、瀬戸市で活躍する方たちをつないでくださいました。
瀬戸市で250年続く「瀬戸本業窯」の八代目水野半次郎後継の雄介さんや大工の六鹿崇文さん、そして、ゲストハウスの大家さんなど、今の自分にとって欠かせない人たちです。

ー今はどんなシゴトをしていますか?
南:宿の宿泊手続きやゲストさんの対応、部屋の掃除やベッドメイキングなど、ゲストハウスに関わる全てのこと。
それから、イベントの開催、超地域密着型ラジオ「ラジオサンキュー」でも
番組を1つ担当させてもらってます。

ーますきちは「情報発信型ゲストハウス」と言われていますが、今後はどんな運営をされていくのでしょうか。
南:地域ラジオやウェブサイトでジモト瀬戸市の情報を発信したり、訪れていただいたお客さまに瀬戸市をリアルにお伝えしたり、ときには私自身がまちを案内します。
オーソドックスな観光旅行ではなく、ジモトの人が通うディープなまちの風景が見られる旅を提案したいと思います。