これからも前向きに 名大社会長ブログ

2016年01月の記事一覧:

野心のすすめ

hayasi1601

ブックオフで100円で購入した本書。
せこくてすみません(笑)。
読んだ周りの方の評判が良かったので、そのうち読むだろう程度に手に取った。

過去、林真理子さんの書籍を何を読んだか調べてみた。
若い時分に1~2冊くらいは読んでいると思っていたが、実は本書が初めて。
ようやくご縁を頂いたわけだ。
なぜ、読まなかったのか?
単純にいいイメージを持っていなかったから。

確証もなく、自分勝手な作家くらいに認識でいたんじゃないのかな。
そんな印象は僕だけでなく、多くの方が思っていることであり、それが怖いところ。
本当は自分の目で確かめるべきなのだが、周りの声に惑わされ、そんな印象を持ってしまう。
そう思うと本書はいい意味で裏切られた。
とても面白かったし、著者のイメージが格段に良くなった。

自分の意見をストレートに言うことは重要だが、受け手にどう映るかは本当に難しい。
著者の場合は間違いなくマイナス印象が強かったからだろう。
ここ10年くらいの活動はともかく、
80年代~90年代でのマスコミの露出を見ると必ずしも好感度が高かったわけではない。
それは本人も認めるところ。

当時は肉食系女子なんて言葉はなかったと思うが、
その当時に当てはめれば一番に登場した人物かもしれない。
前のめりで自分に都合のいい妄想癖は逆に清々しい。
気持ちいいくらいに感じる。

それが彼女の成功要因だとも思うが、その生き様は僕らのような人種にも大いに参考になる。
本書を手にしたことで林さんの著書を読みたくなってきた。
すぐ読むかは別だけど・・・。

こんな言葉は印象的。
やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、
やらなかったことの後悔は日々大きくなる。

野心が車の「前輪」だとすると、努力は「後輪」です。
前輪と後輪のどちらかだけでは車は進んでいけません。
野心と努力、両方のバランスがうまく取れているときこそ、
健全な野心ともいえるのです。

なるほど。
その辺の自己啓発本より、よほどいいことが書かれているんじゃないだろうか。
僕らのようなバブル時代を過ごした連中が読むのもいいが、
ちょっと斜に構えた20代にも読んでもらいたい。
いい気づきがあると思う。

驚異のV字回復と成長の秘訣

mujirui1601

昨日は「日経トップリーダー」の経営者セミナー。
以前から話を伺いたかった株式会社良品計画 名誉顧問の松井忠三氏の講演。
著書も読まねばと思っているうちに時間ばかりが経過し、
先にこんな機会を頂いた。楽しみであったセミナーだが、
愚かなことに当日のスタート時間まですっかり忘れていた。

申し込んだのは2か月以上前。
購読している「日経トップリーダー」が送られてきた直後に申し込み、
手帳にもグーグルカレンダーにも予定を入れていた。
だから日付自体は忘れてはいない。
昨日も時間通りに会場に向かったのだが、
この2か月の間にどの方が登壇するのか記憶がなくなっていた。
ふざけている。全くをもって失礼なヤツ。

「今日って、どこの社長の講演だったかなあ~」
と呑気顔でお邪魔し、レジュメを頂き、ようやく思い出した。
以前から話を伺いたいとか、著書を読みたいとか、
そんな話は信用してはいけませんね・・・(苦笑)。

タイトル通り良品計画(無印良品)のV字回復の取り組みを語っていただいた。
こんな表現は驕ったように聞こえるかもしれないが、
何か特別なことをやられたかといえばそうではない。
現状の課題をあぶり出し、優先順位をつけ、ひとつひとつ潰し、
変革していったという復活企業の典型的なパターン。
偉そうに言っているわけではない。
企業を回復させ成長させるには魔法なんてなく、
愚直に取り組んでいくしかないということ。

しかし、それが一番難しいし、あきらめず継続させる力が何よりも必要だろう。
松井氏の意志の強さと緻密な取り組みがなければ成功しなかったのも事実だと思う。
良品計画の成功と対極にあたるのがセゾングループの凋落になるのだろうか。
成功体験は時に必要だと思うが、
それにどっぷりと浸かってしまうと気づいた時には手遅れにもなる。
強すぎる経営者を持つことはイエスマンしか作らない組織を作り、
内向き指向の考えしかできなくなる。

松井氏は良品計画の低迷は内部要因がほとんどで、慢心、
大企業病、短期対策、ブランド弱体化、社長交代が原因と話されていた。
内側でそれに気づき改革できれば脱せるのだろうし、
事なかれ主義で見過ごせば、そのまま市場から追い出されるのだろう。
いかに自分や自社を否定できるかが重要なようだ。
組織がでかくなればなるほど動きは鈍くなるだろうし・・・。

成功した経営者の話は自省する意味においても大切。
自分の未熟さを間接的に教えてくれる。
もっと学ばねば・・・。

ありがとうございました。

映画「母と暮せば」

haha1601

これは純愛映画なのか、母子溺愛映画なのか・・・。
そんな印象を与えないわけではない。
この文字だけ捉えれば安っぽい映画になってしまうが、そうではない。
美しさと同時に奥深さを感じる。

年齢を積み重ねた吉永小百合さんはいつまでも美しいし、
普段、あまりキレイだと思わない(スイマセン)黒木華さんも可憐だ。
とびきりの美人じゃないが、とても可愛らしく見せる力を持っている。
きっと真田丸も面白くなるぞ・・・(笑)。

言いたいことはそんなことじゃない。
ある意味、日本映画らしさを感じる。
山田洋次監督はいつまでたっても山田洋次監督。

CGを活用したり時代と共に変化を感じるのだが、山田監督の描く世界はいつも同じ。
そこには人間らしい優しい人々がつきまとう。
台詞回しとか、人の視線とかどんな作品でも同じように感じる。
それは否定しているのではなく、人としてあくまでも自然。
だから山田作品を観ると落ち着くのだろう。

だからと言って、本作が戦争の悲惨さを伝えていないわけではない。
お母さん役の吉永小百合さんからも息子役の二宮くんからも伝わってくる。
厳しい表情なんてしていない。
親子を想うその優しい表情がジワジワと伝えてくるのである。

全体としてはいい映画だと思うのだが、個人的に納得しなかった点はある。
あのラストシーンはいかがなものか?
もちろん監督のこだわりや大きな意味があるのだろうが、
僕としてはもう少し違う描き方をして欲しかった。

話は全く違う方向に飛んでいくが、
僕は大学時代に映画研究会に所属しており、ちょくちょく映画も撮っていた。
その当時、制作したひとつに「死んではみたけれど」という作品がある。
アイドル歌手の自殺の後を追い自殺する若者の話。
一応、コメディなのだが、ちょっと似てるのではと思ってしまった。
ただ死後の世界から戻ってきて、いろいろやらかすストーリーなんだけど・・・。
まあ、どうでもいいか(笑)。

「母と暮らせば」を観たのはつい最近。
映画が公開されて1ヶ月以上経った頃。
それでも結構、お客さんが入っていた。
2人組の女子高生もいた。
このような映画が幅広い世代に観られるのはうれしいこと。

山田洋次監督もかなりの高齢だが、いつまでも精力的に映画を作ってもらいたい。

食べ物のはなし 番外編 とり味噌鍋

京都研修の翌日、せっかくの機会なのであちこちと回らせてもらいました。
京都観光大使に伏見稲荷に行くことを告げると
「山田さん、体力が残っていれば中書島の酒蔵を覗くのもいいですよ。
このお店もいいですよ」
と耳元で悪魔のように囁き、スマホを見せてくれます。

これは行かねばなりません。
「京都へ来て、日本酒を飲まずに帰るわけにはいかない!」
強い決意を持って、おススメのお店に向かいました。

結局、酒蔵巡りをする時間はありませんでしたが、
人気食べ物ブロガーの仕事は忘れてはいません。
伏見桃山と中書島の間にある「鳥せい」さんにお邪魔しました。

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こちらは神聖酒造の蔵出しのお酒を飲ませてくれます。
ちょうどお昼時で満席のため、10分ほど待ちました。
待合席も気が利いています。なんとも居心地がいいのです。

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キレイな女性スタッフが
「おひとりでお待ちの山田さ~ん、こちらへどうぞ~」
と優しく案内してくれます。
「コートをお預かりしましょうか?」と接客もなかなかです。
「あっ、はい、お願いします。」
とコートを渡し、カウンター席に座ります。
「飲み物は何にされますか?」
今度はちょっと威勢のいいお兄ちゃんが声を掛けてきます。

「え~と、どうしようかな?お勧めの日本酒はなんですか?」
「今の季節なら、断然、たれ口ですね。」
「では、それをお願いします。」
ツマミを数品頼み、「あとお勧めはありますか?」と聞くと
「串物を頼まれたので、揚げ物はいかがですか?うちの手羽先はお勧めですよ!」
と自信満々にお兄ちゃんは応えます。
「ほ~、そうくるか。名古屋人のオレに手羽先を勧めるとは、いい度胸じゃないか。」
心の中でそう呟き、「じゃあ、それもお願いします。」
と手羽先の挑戦状を受け入れることにしました。

砂ずりコリコリとたれ口

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「うん、いい、これはいい。口の中がふわ~んと広がる。
新鮮な酒を飲んでる感じがたまらなくいい。」
と声に出すのをグッと我慢します。
隣のオジサンも一人で飲んでいます。常連客でしょうか。
熱燗をちびりちびりやっています。

「熱燗かあ~、それもいいなあ~。」
まだ昼の12時過ぎですがお客さんは当たり前のようにみんな飲んでいます。
「いいぞ、いいぞ、この堂々とした感じ。たまらなくいい。」
どうもこの日は似たり寄ったりの表現しか出てきませんが、それも許されるようです。

とりねぎ、心ぞう、きも

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手羽先

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「ほう~、こうくるか。さすが、名古屋人のオレに勝負を挑んでくるその自信、なかなか、いいぞ。」
手羽先もパリッ、ジュワと香ばしくも肉厚もあり美味しいです。

「さて、この後、どうするかな。」とメニューを改めて見ます。

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「ここは一発、熱燗、それに合うのは、とりコロッケ、とりマヨ、いや違うなあ。
ちょっと腹も減っているし・・・。よしっ、ここは鍋で勝負するか!」

「すいません、鉄斉の熱燗ととり味噌鍋、うどん付きでお願いします。」
これは見事なオーダーです。これを上回る頼み方は考えられません。

とり味噌鍋770円+うどん200円

tori160112 (2)

「おやっ、味噌鍋なのに鍋が白いぞ。
あっ、そうか、ここは京都なんだ。」
赤味噌文化に慣れた身としてはこの味噌鍋は違和感があります。
火が通るのを待ち、鍋をかき回し食べ始めます。
「おっ、いいぞ、なかなかいい、想像と違うけど、いかにも京都で鍋食べてるって感じがいい。」
相変わらずボキャブラリーのない表現でこの日は食べ続けます。
人気食べ物ブロガーと言えども、表現に苦しむ時はあるのです。

そして最後はうどんで〆ます。

tori16011

熱燗で体が暖かくなり、うどんでお腹も満たされます。
京都のお昼の楽しみ方をひとつ覚えました。

ごちそうさまでした。

名大社を続けること

初めて会う方に「名大社は名古屋大学出身の方が作ったんですか?」とよく聞かれる。
その確率、90%と言っても大袈裟ではない。
ほとんどの方がそんな風に思うらしい。

「いや、違います。元々、大阪に大有社という会社がありまして、
そこが各地区独立採算でグループ会社を作りまして、名古屋は元々名古屋大有社でして、
それをキュッと短くして、かくかくしかじか・・・」
とちょっと長い説明をしたりする。

また、
「名大社って、あの名大社ですか?そこの社長さんですか?凄いですね。」
こんなことも結構、言われたりする。
そんな時は
「あの名大社がどの名大社か分かりませんが、全然凄くないですよ。社長も愚か者ですし・・・。」
と答える。そうすると
「またまた謙遜しちゃって。大きな会社じゃないですか。立派な社長さんなんですね。」
なんて言われたりする。

いい意味で世の中は誤解している。

ありがたいことに会社の規模や社長の次元の低さの割に認知度が高いせいか、
そんなことを言われることが多い。
この年明けもいくつかの新年会に出席し、初めてご挨拶させていただく方にもそんなことを言われた。
東海三県限定とはいえ、多くの方に会社の存在を知ってもらえるのは光栄なこと。
東海圏以外は誰も知らないわけだし・・・(笑)。

時々思うことがある。
「俺はそんな会社の社長なんだ」と・・・。
不思議に思うことと怖くなることが重なる時がある。
自分が会社を有名にしたわけではない。
たまたま会社を任されて、今、責任者をやっているに過ぎない。
それでも6年の歳月が経過した。
大手企業であれば、とっくに社長交代をしていてもおかしくはない。
今の状況でいえば、当面は僕が会社を背負っていくことになるだろう。

しかし、現実は会社のメンバーといつも顔を合わせながら事業を積み重ねているに過ぎない。
外部環境を睨みながら戦略を練っているのは事実だが、他人が褒めるような立派なことはしていない。
会社の認知度に相応しいかはわからない。
それでも会社の存在を第三者から知らされると自分の立場を再度認識する。
自分が考えている以上に重い立場なんだと。

名大社は今年で47年。僕は入社して27年。会社を任され6年。
その歴史からすれば僕の代表経験は短い。
しかし、僕の会社人生の1/4.5はトップをやっているわけだ。
あっという間だけど、まあ、前を向いてやっていれば何とかなるんですね(笑)。

名大社という会社は変わらない。
それでも肯定と否定を繰り返し、ここまできた。
変えない文化と変えるべき文化を突き合わせ、やってきた。
これは継続すべきこと。

いずれ僕が引退した時に後継者は僕を否定するかもしれない。それはそれでOK。
その時に事業を行う者が、ベストな事業を行い会社を存続させること。それが重要。
会社に誇りを持てる社員を育て、継続させること。

昨年入社したウサミやオゼキが年明けのスタッフブログで書いているように高い意識が大切。
年明けから彼らを含めたメンバーが書くブログに僕は勇気づけられたし、
誇りにも感じた。素直に嬉しい。

僕は名大社という会社しか知らずに人生を終えていくかもしれない。
それでいい。
名大社を続けることが僕の最大のミッション。

よく理由は見当たらないが、こんなブログを書きたくなってしまった(苦笑)。

yuki1601

今朝の名古屋は雪の影響で混乱するだろう。
今、5時半、まだ雪が降っている。
交通機関もどうなるか分からない。
時間を気にすることなく、メンバーには安全に出社してもらいたい。

京都で理性と感性を学ぶ

一昨日の金曜日は京都へ。
一年振りに経営品質実践塾に参加させてもらった。
今回は鬼澤塾長によるセミナーと元ラグビー日本代表キャプテンの林敏之氏の講演。
濃密な3時間を過ごさせて頂いた。

中部経営塾でもお馴染みの鬼澤さんは
「素晴らしき経営の実現を目指して」をテーマにワーク中心の講演。
いきなり今年の景気動向の不透明さを指摘され、事業計画の見直しを強調された。
次年度は今年以上の攻めの経営を考えていたので、のっけからビビらされてしまう(笑)。
外部環境を甘く見ていると落とし穴に落とされるかもしれない。
う~ん、こりゃ気をつけないと・・・。

僕は鬼澤氏の講演を伺うのは2度目。
今回の40名を超える参加者の中では全然少ない方で多くの方は何度も聞かれている。
切り口は異なるようだが、基本的に理解を求める内容は共通している。
そんな意味では振り返りの要素が強いともいえるが、
毎回、新たな気づきと学びはあるようだ。
僕も1回目のテーマはほとんど忘れており(スミマセン)、とても新鮮で多くの気づきを頂いた。

キーワードは「変化」。
この変化という言葉は僕も頻繁に会社で使っている。
自分にも社員にも常に変化を求めているのは事実。
しかし、言葉ばかりが先行し、行動が追いついていないことも認めなければならない。
今回は自戒を含め、自ら変化を起こす必要性を再認識した。

では、どうしていきべきなのか。
1.変化を知り、素早く対応する
2.変化を予測し準備する
3.変化を楽しむ
4.変化をリードする

結果的に変化に強い体質になり、それは必然的に会社も強くなっていくということ。
鬼澤氏は優しい語り口ながらも強く強調されていた。
そのためにはその風土を生み出す場作り(空気、雰囲気)も必要。
最後のスライドはこんな表現もされていた。

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仕事は厳しく大変でも
職場の雰囲気と人間関係は温かく
それは、あなたから

今、僕らが目指そうとする会社の方向性は決して間違っていない。
そのことは確信できた。あとは実践していくのみ。頑張らねば・・・。

そして、第2部は林敏之氏の講演「ラグビーに学ぶリーダーシップ~いま、感性は力」。

jisen16012

ご自身のラグビー人生を通し学んだことを惜しむことなく披露頂いた。
人は理性も重要だが、感性も重要。頭で解決する問題も多いが、
実際はハートで解決したり、乗り越えたりすることがほとんど。

それはスポーツの世界だけでなくビジネスの世界も共通。
林氏の執念ともいうべきタックルが人生を変えたように一人ひとりにもそんな瞬間はあるはず。
大きい小さいはともかくそんな経験を積み重ねることで感性も磨かれる。
それが元代表のキャプテンの言葉として発せられれば説得力が増すのも当然と言える。
僕自身、ハッパをかけられているというよりは叱られている感じだったが、
背筋も自ずと伸びてきた。

一流のアスリートの直接の言葉は身に染みる。
きっと僕の努力は林氏からみれば努力に値しないのだと思う(苦笑)。

外部環境と内部環境、
理性と感性、
学びと実践、

常に意識し考え対話し行動せねばならない。
貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

「赤めだか」を読む

aka16011

単行本が出版された時に読もうと思っていたが、
しばらくするうちにその存在をすっかり忘れていた。
昨年末にTVドラマ化され、その存在を思い出した。
ドラマはあえて見なかった。
見てしまうと何となく書籍の良さが感じられなくなってしまうと思ったから・・・。

初めて知ったが、著者の立川談春氏は僕と同い年。
ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」でその姿を見たのが初めて。
(人相の悪いイツワ電器の社長役も人間味あふれる経理部長役も最高だった。)

落語は当然聞いたことはない。
てっきり年上と思っていたが、同級生なんだ。
50代半ばに見えてしまうのは僕だけだろうか。

すみません・・・。
お会いしたら、「オレのほうが断然若い」と言われそうだけど(笑)。

ジャンルとしてはエッセイになるようだが、自伝小説に近い。
読み進めるうちに何故か懐かしさを感じた。
昔、この手の書籍をよく読んでいた感覚が蘇ってきたのだ。
誰だろうか?
椎名誠?嵐山光三郎?
破天荒な若さがいいじゃないか。

お金のない下宿生活を同じような貧乏仲間と一緒に青春している。
そんな感じ。
それはそれで大いに共感できるし、今からすればその時代の関係性に憧れも抱く。
何をしても許される時代。とても今では考えられない。
そして大人になっていく。
経験や年齢と共にボクからオレに変化していくさまもいい。

やはりビジネス書ばかり読んでいると感性は鈍る。
人として大切なものを失くしてしまうような気もする。
自分の感性が豊かだとは全然思わないが、
少なくとも肌感覚の感受性は持ち合わせていたい。
(そんな表現はないと思うけど・・・笑)

機会があれば、真打の落語も聞いてみたい。
東京で真面目な講演や勉強会もいいが、
たまには浅草あたりでそんな場を持つことも十分仕事と言えるだろう。

よしっ、それを理由に出張の計画を立てるかな・・・。

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その31

ようやく冬らしい寒さになってきました。
名古屋も今年初めての雪です。

最近本当に寒いですね。
こういう時には温かいものが食べたくなります。
「オレの胃袋を満たしてくれるのは、味噌煮込みか?台湾ラーメンか?
激辛カレーうどんんか?。なんだ、なんだ・・・」
と頭の中をグルグルさせながら円頓寺周辺を歩き回ります。

それだけでも汗が吹き出しそうです。
年明けに「孤独のグルメ」を見過ぎたせいか、気分は井之頭さんのようになっています。
「違う、違う。今日のオレは去年までのオレとは違うんだ・・・。
モーレツ、トツゲキ、ガンガンな一年にするんだ」
難しいカタカナ言葉が勝手に出てきます。

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ちょくちょくお邪魔している「香楽」さんの前を通りました。
「そうか、久々に担々麺で汗をかくか。」と気分が乗ってきます。

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「いや、それではモーレツ、トツゲキ、ガンガンにはならない。」
心の中で叫びます。

「すいません、ランチをください。」
昨年まで本当は食べたいのに麺とご飯のセットはできるだけ我慢していました。
今年は攻めるるのです。
「は~い、おまちどうさま!」と目の前にやってきました。

日替わりランチ(ラーメン+天津飯)700円

kouraku16013

ラーメンは至ってシンプルですが、すっきりとした美味さです。
あっさりとしたラーメンが減っているような気もしますが、
たまにはこのような昔ながらのラーメンも食べたいものです。
ハムと焼豚が両方入っているのもお得感があります。
この写真だと天津飯がちょっと寂しそうなので、角度を変えて写してみます。

kourku16012

それだけでも美味しく見えそうな感じです。
こちらもシンプルな味わいで、日本の正しい中華料理屋さんのランチです。
ラーメンがいくつかから選べる、ご飯ものもいくつかから選べる。
そんな必要なないのです。一本勝負でいいのです。
「うちのランチが気に入らないお客は別の店に行ってくれ!」
そんな自己主張も必要です。

人気食べ物ブロガーの敏感な読者は理解されているのかもしれません。
”これって、ネタ不足じゃね?”

ドキッ・・・。
来週はどこへ行きましょうか?
少し不安になってきました(笑)。
ごちそうさまでした。

映画「スティーブ・ジョブズ」

st160111

僕の映評ブログを読んだ映画配給会社から試写会をご招待いただいた。
どうやら僕が映画を評論することで興行収入は大きく変わるらしい。
評価すべきブログを期待されているようだ。
そんな偉大な力がこのブログにはあるんだ・・・。

な~んて、ウソです。スイマセン。
って、最初から分かってる?スイマセン・・・。

しかし、公開前の試写で鑑賞したのは本当の話。
多少の宣伝も含め、感想を書くことにしたい。
本作品はスティーブ・ジョブズに関心がなければ観るべきではない。
また、半生を一定レベル知っていないと映画についていけない。

何より演出の手法は斬新で切り口は面白いし、人間の描き方も秀逸。
スティーブ・ジョブズを演じたマイケル・ファスベンダー氏の役作りと年の取り方は感動もの。
それだけでも観る価値はある。
しかし、ジョブズを知っているのが前提。

より映画を楽しみたいのであれば、英語の理解力が高い方がいい。
とにかくセリフが多く、ずっと喋っている。
英語がサッパリな僕は字幕を読むのが忙しく、映画の展開についていくのがやっと。
日本語訳ももしかしたらニュアンスは違うかもしれないので、
英語をしっかりと聞き取れる能力があると一層面白くなるはずだ。

これまでは一本の映画の感想。
そして、もう一つは経営者目線でのスティーブ・ジョブズ像。

ここで描かれていることが真実かどうかはわからない。
映画「ソーシャル・ネットワーク」を観たザックバーグ氏が
「オレはこんなんじゃない」と文句を言ったとか言わないとかあるが、
もし、ジョブズ氏がこの映画を観たらどう思うのだろう。
「これは凄い!その通りだ!」と絶賛するのか、
「バカにするな!」と怒り狂うかは分からない。
しかし、凡人からすれば、その人間性は異常と感じるはず。
逆にそんな人間性だからこそ、類まれな才能を有し、
世の中にないサービスを提供することもできるのだろう。

僕がどんなにグデグデに酔っ払い人格が変わったとしても
あんな行動を取ることはできない。
プレゼン前にあんな事態に追い込まれたら、
本番はしどろもどろになってしまう。
それがある意味、能力の違いでもあるし、天才と変態の紙一重の差ともいえる。
憧れは抱くが、あんなふうにはなりたくはない(笑)。

いろんな意味で勉強になる映画。
Appleファンはぜひ、ご覧いただきたい。

映画「ブリッジ・オブ・スパイ」

supai1601

自然に涙が流れてきた。
そんな劇的なシーンではない。
ただお互い見つめ合っているだけのシーン。
なぜかその場面で涙が流れてしまった。

この長い映画の象徴するシーンと勝手に体が反応してしまったのだと思う。
まだまだ僕の感性は鈍っていないようだ(笑)。
こんなことを書いても映画を観ていない方はさっぱりわからないだろう。
しかし、詳細は何も語らないほうがいい。

とにかく観てもらえばそれでいい。
友人がスティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスのコンビは名作揃い
といっていたが、本当なんだ・・・。

だから、もうブログに書くことがなくなってしまった。
どうしよう、困ったな・・・。
あと何を書けばいいだろうか(汗)。

本作品は実話を基にしている。
アメリカとソ連の冷戦期を描いているわけだが、
こんな事実を知っている日本人はどれだけいるんだろうか。
単純な僕の知識不足ではあるが、ひとりの民間人に国の重要な任務を任せてしまう
大国の傲慢さ(叱られるかな?)におののいてしまった。
また、社会主義の国を同一に見てしまう自分も愚か。
ソ連と東ドイツの歴史上の関係性ももっと知っていてもよさそうだ。

未来を描く映画もいいけど、歴史を学べる映画も自分にとっては価値がある。
先月観た「杉原千畝 スギハラチウネ」もそうだし・・・。
世界史で学んだことしか知らないのでは片手落ち。
かといって、なかなか学ぶ時間までないし。言い訳だけど。

トムハンクス演じるドノヴァン弁護士のような人物ばかりであれば戦争なんて起こりようもないし、
国同士のエゴも抑えられるだろう。
だが、現実は不可能だし、僕がいくら偉い人になったとしてもこんなふうには絶対になれない。
(当然です・・・)

映画を通して感じたこととして、主人公を取り巻く大衆はやはり自分勝手。
それは今も昔も変わらない。
ソ連のスパイを弁護すればどんな理由であろうと叩き、
米軍の乗組員を救出すれば称賛する。

主人公の行動はぶれることなくどんな場所でも同じだ。
その本質を見られることは少ない。
結局、今の社会でも同じで僕たちはその中で生きている。
自分自身にとってに何が正しいのか見極める力が必要。

言えるのは、いつも真実が感動を与えてくれる。
それは忘れてはならない。