人気食べ物ブロガーも旅に出ます。
全国の美味しいものをあてどなく探し続けるのです。
「孤独のカメラ」も使えなくなりました。
井之頭さんに頼ることはもうできません。

自分の力量を信じるのみです。
カメラのアプリも頼り過ぎは禁物。
時々、使用することは止むを得ませんが、テクニックに走りすぎてはいけません。
自分を戒める使用法を身に付けねばなりません。

食べ物のはなしの未来を考えているうちに鹿児島に着いていました。
一番の繁華街、天文館にやってきたのです。
そうなるとこの地域を代表するお店に行かねばなりません。

そうです。「天文館 吾愛人(わかな)」です。

どうしてこの屋号で”わかな”かは全く分かりません。
しかし、人気店であるのは間違いないようです。
所狭しとタレントさんのサインが飾られています。

ここで鹿児島郷土料理を制覇しなければなりません。
「名物料理を全部ください!」
と少し鹿児島弁を交えて注文します。
正しいかどうかはどうでもいいことです。

まずはきびなごの刺身と地鶏の刺身。

「う~ん、うまい!」
そして、さつま揚げ

「お~、うまいぞ、これ。なかなか、やるじゃないか。」
といつものセリフが出てしまいます。
どんな土地に行っても自分のスタンスは変えません。

「え~っと、これは何かな?角煮?どて?」

すでにこの頃は自分の判断が怪しくなります。
飲み物は芋焼酎に変わっていきます。
最近は芋焼酎を飲む機会はすっかり減りましたが、郷に入っては郷に従えなのです。

そして、メインの極上六白黒豚のしゃぶ鍋です。

この見た目だけでも美味しさが伝わってきます。
「お~、いいぞ、いいそ、こんな豚しゃぶが食べたかったのだ!」
と全く工夫のないセリフが出ます。
しゃぶしゃぶしているシーンは完全に忘れています。

こんなあっさりした豚肉ならいくらでも食べることができます。
年齢のせいか、最近は牛しゃぶより豚しゃぶの方が美味しく感じてしまうのです。

「いや~、美味かった!」
と再び全く工夫のないセリフが出ます。

いい気分で外を歩きます。
天文館のアーケード街を歩くと客引きに誘われます。
郷に入っては郷に従え。
客引きに導かれるまま、夜の街に消えていきました。

ごちそうさまでした。
果たして無事に帰れたのでしょうか・・・。