これからも前向きに 名大社会長ブログ

「韓国映画」での検索結果(62件):

韓国映画から見る、激動の韓国近現代史

どこで見つけたかは忘れたが、気になり購入。
日本で映画研究を続ける韓国人著者が韓国映画についてまとめた。
韓国にとって重要な内容だが、韓国では出版しないのだろうか。
実に勿体ない。

最近、韓国映画を観る機会が増えた。
エンターテイメント性、社会性も日本が見習うべき点は多いと感じるが、
本書を読み、一層その思いは強くなった。

先日のブログ「夏休みは韓国だった」も本書で紹介された作品。
気になる作品をAmazonプライムで5本観たのだが、それでは不十分。
本書には合計44本の韓国映画が紹介されている。

5本以外に僕が観たのは「ミナリ」「KCIA 南山の部長たち」パラサイト 半地下の家族」
「バーニング 劇場版」「はちどり」「息もできない」「ベイビー・ブローカー」
32本は未鑑賞だが、すべて気になる。

単に面白そうというだけではない。
紹介された作品にはこれまで韓国が歩んできた実情が描かれている。
数本、観ただけでも激動の歴史を理解することができたし、
そこから生まれた価値観は到底日本人には理解しがたい。
映画を通して知れるのは貴重。

本書は4章に分かれている。
韓国と日本・アメリカ・北朝鮮
軍事独裁から見る韓国現代史
韓国を分断するものたち
韓国の”今”を考える 

各章に沿った44本になるが、すべて2000年以降の制作。
完全なフィクションは少なく、実話もしくはファクション。
娯楽作品に紛れがちだが、こんな作品を作り続けられるのも韓国映画の強さ。
娯楽の中に強烈な社会性もあるし・・・。

著者は韓国で生まれ育ち徴兵制を経て日本に留学。
その後、非常勤講師として韓国を含む東アジア映画を近代韓国史で教えている。
主観と客観を交え映画を題材に韓国の歴史を説明。
個人的にはとても興味深い書籍。
だからこそ一気に5本の映画を観てしまった。

但し、著者の見方が必ずしも正しいとはいえないと思う。
主観が強い面では必要以上に自国を非難しているのではないか。
大学を卒業しての就職時や徴兵での経験がそうさせているのかもしれない。
そんな感情面を抜きにしても本書は魅力的。

未鑑賞の32本は存在すら知らない作品が多い。
調べてみるとレビューは高かったり。
有料かはともかくほとんどの作品は観ることができる。
とても便利な時代。

映画館ファーストではあるが、時間をみつけては観ていきたい。
映画コラムニストとしても勉強をさせてもらいました。

明日も韓国映画のブログだし(笑)。

映画「夏の終わりのクラシック」

韓国映画は観るが韓国ドラマは観ない。
大した理由はない。
そこまで時間が取れないということ。
周りには映画は観ないがドラマは観る人は多い。
それだけ興味を引くストーリーなんだろう。

勝手な想像だが本作は韓国ドラマのような展開。
韓国映画にしては地味であり大袈裟な演出はない。
「冬のソナタ」で有名な恋愛ドラマの名手ユン・ソクホ監督なのが日本で公開された理由なのか。
ちなみに「冬のソナタ」は一度も観たことがない。

本作は大人の恋を描いている。
恋愛ものにさほど興味は示さないが、ごくまれに大人の純愛ドラマは惹かれることがある。
キュンとした気持ちにもなりたいと。
健全な中年男子の証かな。

主人公は表面的にはやたら明るくおせっかいの中年女性と
音楽家の御曹司と思われる不愛想な中年男性。
二人とも何らかの傷を抱えているのは容易に想像できる。

舞台は済州島。
韓国のリゾート地なのでいつもの韓国の景色とは違う。
ただリゾートっぽい派手さや賑やかさはなく静かな海と穏やかな空気が流れる。
その雰囲気が妙に映画にマッチする。

二人はふとしたことで出会い、音楽家らしくクラシックアルバムが溢れ、二人の仲は少しずつ進展する。
ざっと解説すればそんなところ。
そこから恋愛に発展するのか、そうじゃないのか。
これが大人の恋というのかは観て判断してもらいたい。
観る人によってはモヤモヤするし、観る人によっては心が洗われる。

感じたのは韓国の格差社会が反映されているということ。
そもそもクラシックはエリートが嗜む音楽と位置付けられる。
一般ピープルがクラシックという高尚な音楽を理解できない。
本作はそれを訴えているわけではないがそんなことを感じたり。

通常、韓国映画の恋愛ものであれば圧倒的な美男美女が出演する。
言い方は失礼だが、本作の主役2人は普通だ。
普通のオバサンとオジサン。
普通のオバサンという表現は主役キム・ジヨンファンには叱られるだろう。
全く知らない女優さんだが、表情はチャーミングだし好きなタイプでもある。
だからこそこんな物語が受け入れられるのかもしれない。

本作がどこまで上映されるか分からない。
レビューも少ない。
韓国恋愛ドラマファンは楽しめるだろうね。

映画「宝島」

191分という時間は僕らに与えられた問い。
日本人としてどう捉えていくか。
いや、その括りでは曖昧な解にしかならない。

「うちなーんちゅ(沖縄の人)」と「やまとんちゅ(本島の人)」とでは解は異なる。
本島の人は合理的に考え日本全体として何が正しいかという判断。
一方で沖縄の方は感情面を避けることはできず自分たちの生活を一番に考えるだろう。
どちらが正しいというわけではない。
永遠に続く議論。
ただ合理的に考える僕らは歴史を知り背負った傷を理解しなければならない。

戦後の沖縄をニュースで見る機会は多い。
しかし、それは表面的に過ぎず生の声が届く機会は少ない。
届いたとしても政治的な要素が中心。
実態とかけ離れている面は多い。
本作が実態かどうかは分からない。

社会派作品でありながらエンタメ性も備えているので、
一本の映画としてどう評価するかも大事。
だが、それだけでは191分を費やした意味はない。
その問いに向き合わないと・・・。

最初に描かれるのは1952年のコザ。
思い出したのは「遠い山なみの光」
こちらは1952年の長崎。
戦禍に被った土地と原爆が落とされた土地。
戦争の被害者であるのは間違いないが、その景色は違う。

長崎の方が穏やかに映る。
日本であって日本でない。
守られることと守られないこと。
やはり「うちなーんちゅ」と「やまとんちゅ」とでは解は異なる。
この2本はできるだけ多くの方に観てもらいたい。
賛否両論ある作品だからこそ、そんなことを感じた。

本作は2度の延期を含め制作に6年要したという。
延期がなく撮影も一気に進んでいれば、
より魂が籠った作品になったと思うが訴えるべき力強さは変わらない。
時代背景やエキストラを含めここまでスケールの大きい日本映画が
このジャンルであるのも嬉しい。

莫大な予算をかけた作品は超娯楽作になりがち。
その方面に進まなかった東映にはあっぱれかな。
東宝ばかり目立つ日本映画だが意地を見せてもらった。
(そんなことは思っていないか・・・笑)。

大友啓史監督はもっと社会を深掘りする作品を撮った方がいい。
テレビドラマの傑作で僕の中では一番好きな「ハゲタカ」もそう。
「るろうに剣心」「レジェンド&バタフライ」もいいが、
日本を抉る社会派ドラマを作って欲しい。
そうすれば鋭く遠慮のない韓国映画にも対抗できる。

本作は俳優陣も見事。
妻夫木聡も窪田正孝も永山瑛太も迫力があった。
1952年の広瀬すずは「遠い山なみの光」と比較すべき。
もはや日本を代表する女優かな。

書きたいことはまだあるが、
「国宝」といい本作といい長時間の日本映画がここまでやれるのは喜ばしい。

そんな作品が更に増えることを期待したい。

映画「大統領暗殺裁判 16日間の真実」

韓国映画は容赦なく自国を抉る。
本作は事実を基にしたフィクション。
いわゆるファクション。

韓国映画はファクション作品がすこぶる上手い。
本作の紹介には「KCIA 南山の部長たち」「ソウルの春」をつなぐ
韓国史上最悪の政治裁判を描いた衝撃サスペンスと表現。
両作を思い出しながら本作を鑑賞したが、確かにそう。
「KCIA 南山の部長たち」でパク・チョンヒ大統領暗殺されてから、
「ソウルの春」の軍事クーデターまでの間に行われた裁判が舞台。

先の2本に比べると迫力はやや劣るが、
裁判劇を通して韓国政治や軍部の恐ろしさがヒシヒシと伝わってきた。
1979年の一年だけでどれだけ映画ネタがあるのか。
翌年には光州事件を描いた「タクシー運転手」もあり、
壮絶な時代が映画で理解できる。

本作は史実とはいえ脚色された面も多いと思う。
見方を変えれば男同士の友情を描いたともいえるし、
意志を曲げない男の誇りを描いたともいえる。

暗部に一直線に向かうのではなくエンタメ性も垣間見えるため、
僕自身は迫力不足を感じたが、作品を通し韓国の現代史を学べるのは結構なこと。
旅行だけでは分からない国の特殊事情は映画から学ぶべきだね。

ネタバレしない程度に解説すると、
事件に関与した中央情報部部長の秘書官の弁護を引き受けた弁護士の奮闘を描く。
弁護士は秘書官を護るためにあらゆる策を講じるが、ことごとく権力に潰されていく。
明るい兆しが見えた後は容赦なく闇の攻撃があったり。
どこまでが事実かは分からないが、180度異なることはない。

俳優陣の役作りも素晴らしい。
昨年、自ら命を絶った「パラサイト 半地下の家族」の旦那さんも良かったが、
なんといっても合同捜査団長チョン・サンドゥ役を演じたユ・ジェミョン。
「ソウルの春」でファン・ジョンミンが演じた合同捜査本部長チョン・ドゥグァンと同じ役。
このユ・ジェミョンが不気味で怖かった。
「劇映画 孤独のグルメ」ののほほんとした役とは別人で驚いた。

こんな役をいとも容易く演じることも尊敬するが、
何より事実に正面から向き合う韓国映画の逞しさ。
やはり尊敬。

こんな作品を観ると日本映画ももっと切り込んで欲しいと思う。

映画「ジュラシック・ワールド 復活の大地」

東宝東和さんからご招待いただき試写会で鑑賞。
恥ずかしい話だが、僕はこのシリーズを一本も観たことがなかった。
本作がシリーズ初鑑賞。
「それで映画コラムニストを名乗ってるのか!」
とバッシングにあいそうだが、ごまかしても仕方がない。

紛れもない事実。
通算7作目というのも今回初めて知った。
理由は特にない。
話題となった第1作目の機会を逃したので、そのままズルズルきただけのこと。
スティーブン・スピルバーグが嫌いとか、恐竜が怖いとかもない。

試写会に招待されたからいうわけではないが、今さらながら後悔。
前作も観ておけばよかった。
本作がすこぶる面白かったので、そう素直に思っただけのこと。

7作目にはなるが今までの作品を知らなくても問題ない。
この一本で完結。
きっと僕のような人も多いと思うので、何も気にせず観に行って欲しい。

小さいお子さんには刺激が強いが、子供から大人まで楽しめる超娯楽作であるのは間違いない。
それも夏休みに相応しい。
きっとここから次作への展開が始まるだろうし。

簡単に紹介すれば、ある目的を持つチームが禁断の島に足を踏み入れ、
恐竜と格闘しながら目的を果たすという物語。
ちょっと表現がチープすぎるか(笑)。

とにかく映像を楽しんだ方がいい。
これは到底日本映画では真似できないし、韓国映画でも難しい。
こんな作品を見せられるとアメリカ映画の強さを感じることができる。
集まるところにはお金も人も集まるのだ。

主演はスカーレット・ヨハンソン。
個人的に最近のアメリカの女優さんではナンバーワン。
昨年公開された「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」のコミカルな演技もよかったし、
「ジョジョ・ラビット」の母親役もよかった。

美しいだけではない、
幅の広い演技ができる女優。
本作においてはアクション俳優の位置づけ。
抜群の動きをしていた。
当面、オファーが途切れることはないんじゃないかな。
とアメリカ映画に詳しいわけでもないが、そう思ったり・・・。

圧倒的な迫力で押しまくる映像だが、身勝手な人間が犯した罪も問われる。
人は被害者ではなく加害者でもあると。
恐竜も技と怪獣に見せているのではと疑ってしまった。
あの恐竜って怪獣だよね?。

この類の作品を観ることもブログに書くことも少ない。
たまにはいい。
思わず体がのけぞってしまったり、「あっ」と声が出てしまったり、そんなシーンも多い。
この夏休みに驚く体験をしてもらいたいね。

映画「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」

今年5本目の韓国映画。
その中では一番爽やかで気持ちがいい作品。
本作も韓国ならではの歪んだ事情はあるものの、今までのような辛辣さはない。
これまでも面白い作品は多いが、どこか国を皮肉る要素があったりと。

僕はこの年齢になり青春映画はほぼ観ないし、共感度も薄くなってきた。
しかし、本作における男女間の友情は素直に受け入れ感情も持っていかれた。
舞台が日本でもいいと思うが、それだと違和感を感じてしまうのかもしれない。
バイアスが掛かっているのかな。
先月の韓国旅行したこともプラスに作用。
知っている街並みが登場するわけではないが身近に感じた。

本作は自由奔放でエネルギッシュな女子ジェヒと
ゲイであることを隠す寡黙な男子フンスの大学時代から社会人までを描く。
日本以上に韓国は男女格差があるのは映画からも容易に想像できる。
ジェンダーに対しての意識も同様。
日本もまだまだだが、韓国はより生きづらさを感じるのだろう。

そんな環境下で自分をストレートに押し出すジェヒとコンプレックスを抱えるフンス。
対照的な2人が生活を共にし友情を分かち合うことで恋愛とは異なる愛情が芽生える。
お互いにとってかけがえのないこと。

一見理解しがたい関係だが、なぜか観る側も不思議に思わない。
2人の個性と発する言葉に共感する。
否定する人もいるだろうが、本作においては少数派。
素直に応援したくなる。

学生生活は贅沢すぎるし、酒の飲み方も尋常じゃないが許してしまう。
やっぱりいつもチャミスルを飲んでいるわけね。
若者の不満を上手く発散させていた。

主役ジェヒを演じるのはキム・ゴウン。
正直な感想としてイマドキの韓国女優と比較すると可愛くない。
予告編や映画の途中までそう感じていた。
しかし、ストーリーが進み、彼女が大笑いし泣きわめきにつれ魅力的になる。
最後はとてつもなく愛らしく可愛らしい女性。
こんな青春映画なら60歳手前のオッサンでも楽しむことができる。

ただ、個人的な不満としてひとつ。
最後のフンスのシーンは必要だろうか。
トーンが変わったと感じてしまった。
感動的なシーンと捉える人もいるだろうけど。

昨年の「パスト ライブス 再会」は大人の恋愛映画だったが、本作はちょい大人の青春映画。
たまにはそんな作品もいい。

初!韓国!研修がメインだけどね

5月17日(土)~19日(月)は韓国・ソウルに出向いた。
所属する名古屋東RCの研修で韓国のRCとの交流が目的。
20名ほどが集合し出掛けたのでまるで団体旅行のよう。

現地での交流はここでは割愛。
フレンドリーに接してもらい、同じロータリアンとしていい関係を作ることができた。
僕が話せる言葉は「アニハセヨ」「カムサハムニダ」
「チョナン、ヤマダイルミダ」くらいだが、それでも十分。
笑顔で何とかなった。

韓国映画を観る機会は多いが、旅行は初めて。
研修がメインとはいえ観光もしたので、ざっと報告しよう。

17日昼に仁川国際空港に到着。
途中で昼食を頂きソウルに向かう。
昼食時にビールを飲みすぎヤバいことになったが、恥ずかしいのでここには書かない。
最初の目的地は青瓦台。

元々は大統領府だったが、今は大統領や大統領報道官の記者会見場に使われているという。
韓国語は全く読めないので、便利なアプリ「Papago」をダウンロード。
カメラをあてるとこんなふうに表示される。

旅行中は大変役に立った。
この文字の意味はよく分からないが・・・。

夜はNANTA公演とサムギョプサルやチヂミ。
韓国ビールやチャミスルも頂いた。

翌日は世界遺産の水原華城を見学。

朝鮮王朝時代はほぼ知らない。
韓国ドラマを見て勉強するか。
多分、しないな。

驚いたのは世界遺産のど真ん中が道路であること。

車がビュンビュン通り抜ける道になってる。
日本だとありえないだろう。

朝鮮王陵にもお邪魔し、
その後は観光地としても人気のCOEXモールの「ピョルマダン図書館」。

イオンモールノリタケの「TSUTAYA」は比べものにならない。
といってもTSUTAYAと武雄市図書館を参考にしているようだけど。
みんな写真を撮っているので、負けないように・・・。
聖水洞通りも散策したが若者ばかりで浮いていた。

移動中にトランプタワーを発見。

人気は高くないようだ。
夜はノリャンジン水産市場で海鮮料理の堪能。
ここでも韓国ビールやチャミスル。

最終日は韓国ロータリークラブと交流。
終了後、ロッテタワーに寄った。
高さは555メートルで123階建。
今は世界5番目の高さだという。
エレベーターはあっという間に到着。

晴れていたらもっと景色が良かったと思うが、ソウル市内を一望。

高層マンションが立ち並ぶ。
人気のマンションは6億円というから東京よりも高い。
あるスペースはガラス張りになっていて真下が眺められる。

大丈夫と分かっていても足がすくむ。
じっとすることはできなかった(汗)。

こんな感じでソウル中心に観光。
飲んで食べては食べ物ブログで紹介したい。
とても貴重な時間をすごさせてもらった。

お疲れ様でした。

映画「新幹線大爆破」

Netflixで先月より配信されている本作を鑑賞。
まず思ったのは大きいスクリーンで観たかったということ。
映画館で上映すれば迫力や緊張感がより伝わる。
単純に劇場用映画として楽しめると思うが、それが日本映画の現実か。

樋口監督は映画会社に企画を持ち込んだがOKは出なかったという。
今や、壮大なスケールで面白い作品を作るならNetflixに持ち込んだ方がいいのかもしれない。
果たしてそれでいいのか。
ただでさえ韓国映画に後れを取っているというのに・・・。
日本映画ファンとしては大手映画会社に思い切った作品を作ってもらいたい。

本作の舞台は新青森から東京へ向けて出発した新幹線「はやぶさ60号」。
ほぼほぼ新幹線車内と総合指令所が中心。
JR東日本の協力がなければ成し得なかった。
JR東日本の寛大さにあっぱれだね。

ストーリーについては観ていない人も多いだろうから割愛。
車内での人間模様と秒単位で状況が変わる展開が見もの。

その後、比較の意味も含め、1975年製作の「新幹線大爆破」を鑑賞。
時速何キロ以下になると爆発する設定は同じだが、
時代に流れと共にストーリーは異なる。

感じたのは樋口監督の前作へのリスペクト。
前作の要所を新作にも反映。
大切にする気持ちがヒシヒシと伝わった。

前作は当時のキネマ旬報ベストテンで読者選出1位を獲得。
通常のベストテンでは7位。
高い評価を得ているが、大ヒットはしなかったという。
製作費を回収できず興行的には失敗だったようだ。
それが今にも繋がっているのか・・・。
う~む。

前作は新幹線車内よりも周辺の動きが中心。
高倉健や山本圭らが演じる犯人グループに焦点を当てる。
1970年代のやや荒んだ時代背景が爆破へ導く。
犯人グループに同情する面もある。
その点は新作との大きな違い。
敢えてずらすことで観るべきポイントを変えたのか。

前作のネタバレは許されるだろう。
犯人グループは結局、ひとりとして死なすことなかった。
厳密にいえば流産の女性はいるが・・・。
しかし、犯人グループは誰一人として生き残っていない。
悲劇的なラストが物語の切なさを象徴している。

樋口監督はそこに手を差し伸べたかったのか。
救いたい気持ちでストーリーを描いたのではないか。
これは僕の勝手な解釈。

前作から観るか、新作から観るか、どちらでもいい。
どっちが好みかもその人次第。
忠実にリメイクしていないのも楽しめる点。
せっかくなので両方観ることをおススメする。

個人的には役者としての森達也に注目して欲しい。
マニアックすぎるか(笑)

映画「来し方 行く末」

珍しく今年で3本目の中国映画。
これまで注目してこなかったが個性的な作品が増えたように感じる。
「FPU 若き勇者たち」「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」もガンガンに攻める映画。
圧倒的な自己主張のある作品。
メリハリがあり娯楽要素が強いのがこれからの中国映画かと思わせる。

韓国映画に対抗意識があるのではないか。
いい意味で競い合っている。
香港映画の流れを組むこれからの路線かと思わせてくれた。

しかし、それは偏った見方。
本作はその反対に向かう作品。
まるで前述した中国映画らしさがない。

僕らが見てるのは一面で本作が象徴的な姿かもしれない。
中国のことは表面的にしか知らない。
同じ仏教国でありながら弔辞などの習慣は異なる。
こんな世界があるんだ・・・。

本作は脚本家としての夢が破れた弔辞を代筆する若者を描く。
いや中年に差し掛かりそうなので若者ではないな。
あまりにも頼りないのでそう思える。

弔辞の代筆なんていう商売があることを初めて知った。
多分、日本では存在しない。
代筆はあるかもしれないが商売として成立するなんて聞いたことがない。
中国との文化の違いか。
それだけ弔辞の意味や役割が大きい。

主人公ウェン・シャンは依頼主に対して丁寧な取材を行い故人の人物像を追う。
人物像は人により捉え方が異なるので物議を醸すが、それぞれの生き様がある。
そんなやりとりが淡々と描かれる。
静かに時間は流れ、ウェン・シャンは自問自答しながら様々な境遇の人に向き合う。

僕らがイメージするガツガツした感じはない。
感情的な場面もほとんどないため盛り上がるシーンもほぼない。
空気が流れるように映画も流れる。
中国映画らしさがないといったのもそんな理由。

ウェン・シャンの葛藤に共感する人もいれば、退屈に映る人もいるだろう。
不思議に見えた同居人の存在が映画が進むにつれて見えてくる。
そこがカギともいえるかも・・・。
中国の見えなかった一面を知れたことが本作の収穫か。

なんとも不思議な作品だった。
個人的には・・・。

映画「ベテラン 凶悪犯罪捜査班」

少し前に第一弾「ベテラン」(2015年制作)が限定公開されていた。
映画館で観ることはなくネット配信で鑑賞。
想像以上に面白かった。

韓国映画は「犯罪都市」シリーズといい刑事ものが目立つように思う。
「犯罪都市」のマ・ドンソクはみるからに強くバッタバッタと悪党を倒すので痛快。
本作の主役ファン・ジョンミンはそこまでではない。
しかし、映画の動きでは間違いなくアクション俳優。
「ソウルの春」を観て演技派俳優と思ったが、そうでもないのかな。

この「ベテラン」シリーズの監督はリュ・スンワン。
韓国映画界では好きな監督。
「モガディシュ 脱出までの14日間」「密輸 1970」も抜群に面白い。
こんな作品が並ぶと超娯楽大作で日本は後れを取る。
かなり心配だ・・・。

そんな流れもあり本作を鑑賞。
前作は「財閥の横暴」に切り込んだが、今回は不条理な司法制度に切り込む。
単に娯楽大作で終わらず社会への批判精神も監督の特徴かもね。
それを想像を超える展開で観る者はハラハラさせられる。
序盤は前作と比較し物足りなさを感じたが、途中から一気に叩き込む力強さ。

ネタバレしない程度に解説しよう。
法で裁かれない悪人を標的にした連続殺人事件が続き、
その犯人は世間からは正義のヒーローと扱われる。
事件を追うのはファン・ジョンミン演じるベテラン刑事ソ・ドチョルと新人刑事パク・ソヌ。
そしていつもの捜査班。

マスコミだけでなくインフルエンサーらも事件を追いかけ、
ネットではニュースが拡散される。
韓国のSNSの力は日本に比ではない。
(と思わせる)
「#彼女が死んだ」を観た時も感じたが、SNSの影響力は異常と思える。

本作もそこがカギとなる。
刑事は犯人の正義のヒーローを捕まえようするが、世間は犯人を応援する。
その中で事件が二転三転し・・・。
そんな流れとしておこう。

作品の終わり方も韓国映画らしい。
きっとそんなストーリーが韓国ではウケるしヒットに繋がる。
もっと韓国の俳優事情を理解すると楽しめるのかも。
お笑い系の役者や人気が上がる若手俳優、名バイプレーヤーも出演してそうだし。

そしてファン・ジョンミンの活躍はしばらく続くのかな。
次作も楽しみにしたい。
もちろんリュ・スンワン監督も。