アスリートのための就活トレーニング!

大学時代、青春のすべてを部活一筋に過ごしてきたアスリートのあなた。
「大好きなスポーツに打ち込んで鍛えてきた心身には自信あり!」
「けれど、部活に力を注いだ分、就活の準備はちょっと不安…」

そんな不安を抱いていませんか?大丈夫、あなたは体育会系ならではの「就活力」を身につけています。
トップアスリートに限らない、スポーツで育んだ力を社会で活かすための第一歩。アスリートの就活力を100%発揮するためのトレーニングをしましょう。

  • LESSON1
  • LESSON2
  • LESSON3
  • LESSON4

LESSON1 企業はアスリートを必要としている

アスリートの活躍の場、見落としてはいないか?

東海地区のとある化学薬品商社の人事担当の方のお話

「御社では活躍しているのはどんな方ですか?化学薬品を扱うとなると、やっぱり理系出身の人が向いているんでしょうか?」

『いやいや、そうとも限らないんですよ。うちの取引先は大手メーカーから町工場みたいなところまで様々なので、いろんな方と打ち解ける力が大事なんです。職人気質の社長さんとかが相手だと、知識よりも快活でハキハキしている営業の方が仲良くなってきたり。スポーツとかやっていた元気な社員の方が、グイグイと活躍しています。

商品知識も、理系も文系もみんな馴染みのないものなので、コツコツと勉強するしかない。へこたれずに努力する人はきちんと成長してくれる。部活を一生懸命やっていた根性のある子はいいですよね。知識がなくても、やる気があれば大歓迎ですよ』

一見、体育会系と縁遠そうなこの会社は、アスリートを採用ターゲットとしていました。「アスリート=スポーツ関係」と視野を狭めることなく、様々な可能性が広がっていることをまず知ってください。

では、具体的に企業はどんな力を必要としているのか?
アスリートが就活でアピールすべき5つの力を教えましょう。

アスリートの5つの就活力

組織で生き抜いた経験値

企業と部活は似ています。会社には、理念があり、目指すべき将来像があり、ビジョン実現のための事業戦略があり、戦略実行のために組織を動かす仕組みがある。部活では、チームの目標があり、目標達成のための戦力が考えられ、戦略を実行できるように練習を重ねる。ゴールを目指す仕組みがよく似ているのです。キャプテンや副キャプテンなどリーダーのもとにチームメイトがいること、年の離れた先輩やOB・OGとの交流があることなど、人間関係も会社組織と似ている点が多くあります。
部活に馴染んできた経験は、会社組織にも順応できる素質ありと判断されるのです。

「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」

「社会人基礎能力」という言葉を知っているでしょうか?社会に出るまでに身につけるべき力として、大学でも育むこととされている力。要するに、社会人に必要とされる力です。社会人基礎力は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つで構成されています。そして、アスリートはこの3つの力を、部活の中で育んでいるのです。
失敗しても何度もチャレンジした経験。自分やチームの課題を克服するために頭を悩ませた経験。そして、チームで目標に向けて協調した経験。こうした経験が、気付かないうちに社会で必要とされる力を伸ばしていたんです。

PDCAサイクルを回す力

ある技術を身につけたい時、技術をもっと高めたい時、どんなプロセスで自分を高めてきましたか?
「練習やトレーニングの計画を立て」→「実践してみて」→「効果があったか検証して」→「悪い点は改善して」→「新しい計画を立てる」
こんなサイクルが自然と回っていたのではないでしょうか。このサイクルはPDCAサイクル(Plan Do Check Act)と呼ばれる、最も一般的な目標達成、事業改善のプロセスとして企業でも広く採用されている考え方です。このプロセスが回せる人は、営業、商品開発、コスト管理など、様々な職務で力を活かせるでしょう。

社会で「問題だ!」と言われていることもなんのその

いつの時代も、社会の状況によって問題だと言われることがあり、若者に対するネガティブなイメージもあります。けれど、もしネガティブなイメージと逆の特徴を持っていたら、それは大きな強みになる。最近の若者への一般的なイメージは、アスリートとは真逆のものばかり。この強みを活かさない手はありません!
例えば、「イマドキの若者は、ネットでばかり話していて対面コミュニケーションは苦手」というイメージがありますが、部活ではチームメイトや監督と目を見てはっきりと意思表示をしてきましたよね。他にも、「面接の挨拶がきちんとできない」と言われますが、挨拶や礼儀はスポーツの基本、きちんとできない訳がないですよね。普段通りの部活での挨拶、コミュニケーションが、好印象を与えるのです。

努力した日々が何よりの信頼につながる

あなたを選考する人事担当は、過去のエピソードを聞いて、将来の姿を推測します。「これまで頑張ってきた人は、将来も努力して成長するだろう」「厳しい練習にもへこたれなかった人は、壁にぶつかっても諦めずに乗り越えるだろう」。こんな風に、会社に入ってからのあなたを想像します。
もしかしたら部活では目指してきた目標を叶えることはできなかったかもしれない。けれど、結果だけが評価される訳ではありません。目標に向けて何を考え、何を実行したか、うまくいかなかった時どうしたか。積み上げてきた努力こそが、あなたという人物の魅力を伝え、将来をかけてみたくなる信頼につながります。

「アスリートの力が企業を元気にする!」と自信を持つ

ここまで紹介したように、企業が求める力は、アスリートが自然とする習慣や練習、試合の中で身につけるものばかり。つまりアスリートは、日頃の練習や試合気付かないうちに社会で必要とされる力を身につけているのです。これまでの日々を思い返してみてください。アスリート的就活力があなたにもあるはず。

サントリーホールディングス株式会社の新浪剛史社長、富士フィルム株式会社の古森重隆社長など、日本を代表する経営者の中にもアスリート出身者はたくさんいます。あなたの先輩たちの中にも、様々な企業でスポーツを通して身につけた力を活かしている人がたくさんいるでしょう。ぜひ、そんな人たちの話を聞いて、アスリートの力が企業でどう役立つかイメージを膨らませてください。競技場の他にも、アスリートが輝ける場所はたくさんあります。まずは自分の力に自信をもって、就活と向き合いましょう。

LESSON2