業界リサーチ2018

ブランド力のあるジモト企業が、食の未来を切り開く。

フード関連 食品/外食

食品

明確な戦略立案を成し遂げた企業に勝機あり。

地元志向の強い東海エリアの就活生からは、地元との結びつきが強いとされる食品メーカーは特に人気が高い。カゴメ、敷島製パン、フジパングループ、ヤマモリ、ミツカン、おやつカンパニーなどは、東海エリアに拠点があり、食卓を彩る商品を全国に発信している。

2015年は円安による原材料の高騰から大手を筆頭に主要食品の値上げが顕著だった。また、景気や原材料となる農水畜産物の生産量の影響を受けやすく、採算確保のために品目の絞り込みや物流費のコスト削減策の立案が常に求められる。つまり、誰もが知る大手だからといって、安心は禁物だ。TPP次第で海外商品との競争にさらされることも考えられる。

地元に商圏を定めて地域に愛され続けているベストセラーをつくってきた中小企業の存在も忘れてはならない。老舗食品メーカーは、伝統を守りながら時代に合わせた革新的なアイデアで、消費者の支持を得ている。

外食

低価格だけじゃない。付加価値の創造も急務。

外食産業は景気の影響を受けやすく、内需の回復とデフレ脱却の兆しが見えるまで、低価格路線で勝負に出た企業が勝機をつかんだ。しかし、昨今は価格が上がっても、素材へのこだわりや人の手による調理、接客といった付加価値を求める消費者が増えたため、メニューや業態の見直しなどに迫られている。労働問題や異物混入など、不祥事によるイメージ低下によって不調に陥った企業は、まだ完全回復には至ってない。居酒屋チェーンも苦戦気味だ。

ファミリーレストランは、サイゼリヤやすかいらーくが好調。焼き肉チェーンの業界首位は、牛角を展開するレインズインターナショナルだが、愛知県春日井市に本部を置くあみやき亭も現在成長中だ。このほか東海エリアが誇るカレーチェーンのCoCo壱番屋も磐石。ハウス食品の子会社となり、海外展開の強化にも注目したい。ひと昔前に巻き起こった名古屋めしブームは、今や定番となり、地元企業や名店が東海エリアを飛び出して店舗網を広げるなど、攻めの姿勢。近年、食による地域活性で新たな道を切り開いたゼットンは、名古屋で力を蓄え、東京へと巣立った。