これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「会社を想う 仕事を思う」の記事一覧:

ちょっと珍しい一週間

昨日は各メディアが就職活動解禁のニュースを報じていた。あまり大袈裟に流さない方がいいとは思うのだけど、話題性としては見逃すわけにはいかないのだろう。それにしてもドワンゴさんの受験料支払いのニュースには驚いた。賛否両論だろうな・・・。
そんな就職活動がスタートした12月には僕も講演依頼があったりする。今週は珍しいことに週3回も講演を行う。
今日、明日の2日間は大学3年生に対して「中小企業の魅力と探し方」というテーマで話をさせてもらう。こちらは毎年依頼いただく内容で、会場の雰囲気も学生の臨む姿勢も何となくイメージできる。
今年は昨年までと比べると危機感が減少している分、参加人数にも影響が出るかもしれない。
それも地味なテーマでの講演なので(苦笑)、今の時期の学生には響かないかもしれない。そこも含め楽しみにしたい。
そして、5日(木)に講演するのが愛知県の公立高校。それも就職希望の2年生に話をするのだ。過去、進学校の生徒さんには話をした経験はあるのだが、就職希望者には初めて。
依頼を頂く段階で「私で大丈夫ですか?後悔しませんか?」と聞くのだが、「大丈夫です。問題ありません。」と答えられるので、きっと大丈夫なんだろう。仮に大丈夫じゃなかったとしても、その人選ミスは依頼者側にあり、僕は悪くない(笑)。ただ決して責任逃れはしませんので、ご安心を・・・。
講演は「社会に出るための心構え」と何ともつまらなそうなタイトル(すみません・・・)。
こんな話を聞きたいかどうかは分からないが、中味はイチから考える。
高校生に迎合するつもりはないが、少しでも興味を持ってもらえる内容にしなければならない。そして、社会人の代表として伝えるべきことは伝えなければならない。
その点でいえば、講演内容は必殺嵐ネタも使い、四苦八苦しながら作り上げた。今はまだ社会に対して関心は持てないだろうが、少しでも働くことに魅力を感じてもらいたい。
いずれの学校も郊外なので、その往復を考えると結構な時間。やらなければならないことも山積みなので慌ただしい週になりそうだ。
ちょっと珍しい一週間。張り切っていってきます!

ワークライフバランスを考える。

昨日は厚生労働省が主催する「休暇制度で、会社を強くする」というセミナーに参加。休暇制度を増やすことで会社を元気にすることを目的としたセミナーだが、僕は半信半疑で出席した。
休みに対しての考え方は、自分自身の古い体質が抜けきらないのが現状。休みを取らず働く事が美しいと体に染みついている面がないとは言い難い。そろそろそこから脱皮しないといけないと思いつつも、古い価値観のままでいたりする。
これから先の働き方を考える経営者としては失格なので、記念日休暇やノー残業デーを設けたりしているのだが、本質的にはまだまだ未熟。
そんな意味では昨日のセミナーはかなり腹落ちし、新しい考え方を自分自身にもたらしたと言える。どうしても「休みが多い=売上減少」と捉えがちだが、多分、その事を信じている段階で効率的な経営はできない。
今の自社に当てはめてみても、誰かが交代で平日に休んだところで、仕事に支障をきたすわけでもないし、売上が下がるわけでもない。上手くローテーションでカバーすればいいわけだし、逆に平日休みを取ることでリフレッシュし、その後の仕事に好影響を及ぼすことも多い。10月の沖縄への社員旅行もそれに近い。
今回のセミナーでは社員と会社が元気になる休暇制度を導入するユニークな企業の実例を紹介しながら、その効果について言及されていた。
特に中小企業ではそんな制度を導入することにより、メリットは多いという。人材確保に優位性を持たせる、離職率を下げる、オンとオフの切り替えにより新しいヒラメキが生まれるなど・・・。
ラクをしようと思う人が増えるなんて言う発想も古いようだ(笑)。仕事への集中度を高めメリハリをつける意味では休暇や時短は必要になってくるのかもしれない。ハードワークも大切だと思っている僕自身の固定概念を壊さないといけないかも(苦笑)。きっと両輪なんだろうけど・・・。
第二部の東レ経営研究所のコンサルタント渥美由喜氏の講演も僕に与えた影響は大きかった。東レ経営研究所といえば佐々木常夫氏が有名で、この方の講演会でも勉強させてもらったが、渥美氏の話も負けず劣らず素晴らしい内容。
いい意味でも悪い意味でも佐々木氏と同じよな境遇の中で仕事され、その中で完璧なロジックとこれからの仕事への価値観の提案をされている。ワークライフバランスというとどうしてもプライベートの充実ばかりクローズアップされるが、実際にはそうではない。
介護や育児を真剣に考えた場合、その重要性は増す。その観点を僕自身が持たないと社員全員にシアワセを提供するのは難しい。その先の先まで考えなければならないのだ。
課題満載であることは間違いないが、ワークライフバランスについて向き合えたのはいい機会であった。ありがとうございました。

三人の父親

僕には三人の父親がいる。
一人は今も健在の実父。もう一人は5年前に亡くなった義父。そして、3人目は昨年逝去した前社長。いずれも僕の父親だ。
昨日は前社長の一周忌。和やかな雰囲気の中で行われた。
お経を読む前に和尚が話をされた。「”忌”という文字はどちらかと言えばいい意味では捉えられない。しかし、この文字は己の心と書く。辛いお経の時間を偉人との関わりを思い出しながら過ごしてもらいたい。」と。
45分間の正座は確かに辛かったが(笑)、僕は前社長にお世話になった20年間を思い出していた。
ほとんど叱責されっぱなしの20年間だった。一番厳しかった時は前のブログにも書いた通りだが、それ以前もずっと叱られ罵倒されていた。
「お前は会社に必要ない。明日、辞表を持ってこい。」と言われたこともあるし、上司失格の烙印も何度も押された。社長室に呼ばれる時、自宅に呼ばれる時は間違いなく叱られた。それも半端なく叱られた。
会社の目指す方向の考えは一致していても、組織や人材育成の在り方はそもそも考え方が違っていたのだろう。その点で言えば、考え方を修正させる意味合いと気に入らない面とが同居し、無数の叱責に繋がったのだと思う。
それでも最終的に会社を任されたのは、名古屋の七不思議の一つだが(笑)、今、振り返ればその叱責が信頼の証だったのかもしれない。
何度も言われた「叱る」と「怒る」の違いなのかもしれない。その当時はあまり理解していなかったが・・・。
僕が社会人になり一番影響を受けたのは間違いなく前社長。実の父親よりも叱られた数は多いだろうし、語られた数多くの言葉は僕の胸に焼きついている。目の前の経営者として存在は大きかった。最終的にいい関係で終われなかったが、尊敬の念はずっと抱いている。
今、名大社がこの名古屋で事業を展開できているのも前社長の功績であるし、僕はその功績にあぐらをかいているに過ぎない。その存在がなければ、今の会社も僕も存在はない。
そんなことを思いながら、昨日の一周忌を過ごさせてもらった。
三人の父親。このことに関してはまだまだたくさん書くことが多い。自分自身が忘れてはならないこととして、文字に残さねばならない。

「就活応援フェスタ2015」を開催するのだ!

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今週土曜の16日に「就活応援フェスタ2015」を開催する。
これはは大学3年生をはじめとした大学生に就職活動で何を大切にしていくのかを啓蒙していくイベント。
就活であれ、勉強であれ、仕事であれ、何が重要かといえば事前準備。事前準備が整っていれば、どんな事でも慌てることはないし、誤った判断も少なくなる。今、僕が通っているビジネススクールと同じ(笑)。
それはさておき、12月からスタートする就活において、今から対策を練っていけば、本番で迷うことも少ない。迷う事自体は重要だけれども、どうでもいい迷い方はしないほうがいい。そのためのイベントを行うのだ。
就職活動の目的は内定を獲得することではなく、自分にとって一番可能性のある会社で仕事をスタートさせること。そのためには自分を知り、相手を知り、環境を知らなければならない。これまでの学生生活は基本的に自分中心で良かったと思う。
当然、第三者との関係性が発生するので、気を遣ったり、相手の立場で物事を考えたりすることもあるが、就活はそれ以上のことをしなければならない。しかし、それは難しいことでも何でもなく、社会人なら当たり前に進めていく作業。
だが、社会人と学生とでこのギャップが大きいのも事実。そこを僕たちは少しでも解消したいと思うし、その行為が素敵なことだと伝えたいとも思う。単に就職活動のノウハウだけでなく、就活を通して成長すること、そして働くことが素晴らしいということを感じて欲しいと思うのだ。
自社の学生向けのイベントで僕が登場することは少ないが、約1年ぶりに登場。出し惜しみをしているわけではなく、お払い箱状態にあるわけだが(笑)、今回は大リーグの上原投手のように復活劇を果たし活躍したい。
今回のイベントでは講演を中心に就職活動を有益にするいくつかのブースも出していく。こちらも楽しみにしてもらいたい。
講演を紹介すると
<第1講演> 
鮮やかな就活スタートを切るために必要な七つのポイントとは
<第2講演> 
就活生のための「優良企業」の見方・探し方
<第3講演> 
東海地区の人気業界担当によるパネルディスカッション「企業が求める人物像とは・・・」
<第4講演> 
業界研究に時間をかけたくない人のための業界研究セミナー
<第5講演> 
ナゴヤを面白くする企業のトップが語る「チャレンジするキミたちに期待すること、そして、一緒に成すべきこと」

僕は第3講演と第5講演に登場。最近はモデレーターと表現するらしいが、パネルディスカッションを盛り上げる役割だ。前日まで飲み会が続き、頭の中がはっきりしているかが不安だが、パネラーの魅力を引き出せるよう務めていきたい(笑)。
そんなイベントの詳細はこちら。
<日時>2013年11月16日(土)
     11:00~17:00(就活応援コーナーは12:00~)
<会場>ウインクあいち 7階
    名古屋駅より徒歩5分
※入場無料、入退場自由、服装自由

講演は事前予約が基本だが、「ブログを見ました!」という学生さんは特別サービスをしてしまおう(笑)。
肩ひじ張らず、気軽な気持ちで来てもらいたい!

学生がやるべきこと、企業がやるべきこと

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一昨日の日経新聞の記事。「投資家視点で就活力」というタイトルで、学生の情報収集の方法について書かれていた。
就活は株式投資に似ている面があるため、投資情報を有効活用せよというもの。確かに仰る通り。
IR情報を有効活用すれば、就活に役に立つのは間違いない。そこには学生にとって耳触りのいい情報だけでなく、企業にとっての課題も露わになるわけで企業を選択する判断基準にもなる。やらないよりはやった方がいい。
しかし、IR情報を提供している企業は新卒採用を行う企業のうちどれだけあるだろうか。ごく少数派になるだろう。もちろんこのような情報を入手する必要性はあるのだが、問題はそれ以外の企業の情報をいかに入手するかということ。新卒採用を行う企業の中でもホームページすらままならない企業も実際には存在する。会社情報も美しい言葉だけ並べられているケースも多い。
そんな上辺だけの情報を真に受けて、結果的にミスマッチに繋がるケースもなくはない。それは学生にも問題があるように情報を提供する企業側も大きな問題だ。
一昨日行った弊社のセミナーでもそれに近いことが語られていた。採用担当者向けに元リクルートマネジメントソリューションズ社長の釘崎広光氏が講演されたのがそれ。ミスマッチを防ぐためには、企業側の情報開示が重要で、RJP(Realistic Job Preview)の実践がカギとなる。
RJPとは企業のありのままを見せることで、組織文化や仕事内容、勤務条件などについて現実を正しく誠実に伝えることが、やはり大切というのだ。結局はいい面も悪い面も出さなきゃいけない。つまりIR情報と同じというわけだ。
それによって母集団形成に影響を及ぼし、応募者が減少することも十分考えられる。しかし、応募者が減少すると本当に採用が困難になるのだろうか。因果関係は証明できそうで、実際はそうでなかったり・・・(笑)。逆を言えば、一人一人をじっくり見れるチャンスも増えるだろうし、強い気持ちを持った学生しか応募しないのかもしれないし。
(簡単じゃないのは十分分かっています・・・苦笑)
それは情報を提供する我々の責任でもあり、これからの課題でもある。これまで当たり前と思ってきた手法を疑ってみることも必要。学生がすべきこと、企業がすべきことを考えると同時に我々がすべきこともしっかりと考えなければならない。
最後は自虐的になってしまったが(笑)、ここ数日の記事やいろんな方の話でそう感じるのであった。

社長は営業すべきかどうか・・・。

一昨日は株式会社武蔵野の小山昇社長の講演に参加。小山氏の著書はこのブログでも紹介したことはあったし、CDは何度も拝聴した。
社長の心構えや行動について厳しい言葉を頂きながら、学ばせてもらった。今回の講演でも共感する面は多かった。自分の未熟さは棚に上げて、中小企業のトップとしてやらなばならないことも十分理解した。
しかし、それが全てではない。僕が少し疑問に思う点もいくつかあった。
小山氏は社長自ら営業しろと強く言われる。大局的な意味では大賛成で、トップが営業することにより会社が伸びるのも事実。
それは単に売上の話だけではない。会社の信用度であったり、考え方であったり、働く魅力であったりと様々。このブログは何ら売上貢献もしていないし、会社の信用度が増しているわけでもないが、僕としてはこれも営業のひとつと捉えている。
(バカバカしいと仰られる方が多いのも覚悟の上です・・・。)
都合よく言えば、外でいろんな人と飲むのも同じと言える。行動の全てが営業と言っていいと思う。だから小山氏の言葉に異論はない。
ただ小山氏は社長がどんどん飛び込み営業をしろと言われる。それで成果が上がれば、社員もやらざるを得ない環境となるし、結果として会社も伸びる。社員はサボれないというわけだ。
確かにそうだ。だが、本当にそれでいいのかとも思う。飛び込みが嫌だと言っているわけではない。実際、20年間ずっと営業はしてきたわけだから、抵抗もない。いざとなればそれくらいの覚悟はある。
しかし、それは働く者にとって本当にいいことであろうかと思う。
社員のモチベーションのひとつに社長という存在はあるはず。最終ゴールが社長とは言わないが、トップを目指し、仕事を頑張ることも必要。
魅力のないトップは魅力のない会社となり、その先の人生を会社に賭けていくことができるだろうか。トップの仕事が魅力的に映らなければ、会社に夢も描けないのではないだろうか。
社長がガンガン飛び込み営業をしている会社の社員はそれを見てどう感じるだろう。僕が社員だったら「そんなことしないで下さい。」と思うだろうし、きっとうちのメンバーも同様に感じるだろう。
これも勝手な解釈で都合よく言えば、「社長はそんな営業しないで下さい。僕たちがやります。」と言ってくれるだろう。今のメンバーの仕事ぶりや発言を見れば自信を持って言えることだし、誇りにも感じることだ。そこには規模の大小は関係ない。
だからこそ僕の責任は重いわけだし、本来課さねばならない自分自身の仕事がある。それは何かと言われるとブログが終わりそうにないので(笑)、簡単には言えないけど・・・。
若輩者の戯言と思われるかもしれない。まだ本当の経営を分かっていないと言われるのかもしれない。それでも僕は理想を描いていくことを止めてはいけない。それが仲間の理想につながると信じて・・・。
一昨日の講演を伺いながら、生意気にもそんなことを感じてしまった。

オー、ファシリテーター

一昨日は愛知経営者協会のテーマ別研究会。「優秀な人材の確保・定着」というテーマで意見交換会。地元企業19名の人事担当者が出席され、自社の母集団形成から選考、内定辞退防止に至るまで活発な意見交換が行われた。
僕は先週に引き続き2度目の登壇。なぜ2週連続で呼んで頂いたかは不明。ヒマそうだから使ってやれと思われただけかも(笑)。今回は20分程度講演させて頂き、その後意見交換会に加わった。僕の役割はファシリテーター。
参加者を2つのグループに分け、一つは事務局の責任者が担当し、もう一つが僕の担当。補佐として事務局の方についてもらった。
参加者は100名規模で採用される地元屈指の企業から1名の厳選採用される企業とさまざま。名大社が普段お世話になっているクライアントも多い。気軽に突っ込んで話が聞ける反面、いい加減な対応で信頼を失くすわけにはいかず、案外と難しい。参加者は初対面同士の方が中心のため、ひとつの発言に対して積極的な質問が出るわけではない。
全体のバランスとタイムマネジメントを気にしながら、また参加者の気になる点に留意しながら、話を進行していった。
これがあるべき進行なのかそうでないかは分からない。一流のファシリテーターであれば、相互理解が深められるよう参加者を上手く引き出していくのだろうが、容易なことではない。どうしてもシーンと静まってしまう瞬間は出る。僕が一方的に質問してしまう時間も少なくない。
本業じゃないから仕方ないだろという見方もあるだろうが、頼まれた以上は責任を持ってやらねばならない。反省する面は多い・・・。
それでも熱心で真面目な議論が繰り返されたので有効的な時間であったと思う。僕自身も他社の事例を直接伺うことができ、かなり参考になった。採用数が多かろうが少なかろうが、みなさん真剣。かつ工夫を凝らしながら取組まれている。
そして、言えるのは参加者全員が人が好き、学生が好きということ。仕事は当然のようにこなすとして、その上にその方々の人間性を感じることができた。
この意見交換会終了後は、有志での懇親会。こちらも有意義な時間であった。
女性担当者の参加が一人もなかったのは寂しかったが(笑)、熱い担当者と酒を酌み交わすのは本当に楽しい。ついつい二次会まで行ってしまった。
懇親会に参加された方は普段、他の企業の人事担当と飲むこともないらしく、こんな機会は貴重という。人事担当者同士の交流の場、それもお酒を飲みながらの場が欲しいようだ。
「山田さん、もっとこのような場を企画してくださいよ!」と言われ、即答で「やりましょう!」と言ったもののどうなることか(笑)。
お酒が入るとどうにもこうにも調子よく無責任な発言をしてしまうが、そんなニーズがあるのなら、真剣に考えてみる必要があるかも。いよいよ「職サークル」の出番かな・・・(笑)。
立場が変わると依頼される仕事も多岐に亘ってくる。僕にとっても貴重な経験となるので、本当に有り難いこと。いろんなスキルを身に付けなければならないのは、結構大変だけど・・・。
ありがとうございました!

役員降格中の話

以前書いた役員降格の話が思った以上に反響が大きく、その後のことを書いて欲しい、教えて欲しいという声を数多く頂いた。
調子に乗るわけではないが、今回はその降格中のことを少し披露したい。(そんなネガティブな話、聞きたくない方は飛ばしてください・・・笑)
降格中は一人ぼっちで営業をしていたのは前回書いた通り。会社を辞めようと思っていたのも事実。しかし、その当時のクライアントの担当者との会話がその後の僕を支える大きな要因となっている。
そのクライアントとは岐阜にある商社。
僕が入社2年目か3年目に新規で契約して、そこから約20年間、担当させて頂いた。担当のHさんは当時30代後半の課長。一度も担当が異動することはなく、ずっとお付合いさせてもらった。そのHさんは順調に役員になられ、僕が役員に昇格した時は「お互い偉くなったなあ~」という感慨深い会話もあったりと・・・。
そんなHさんだが最初にお会いした時から口がメチャクチャ悪い人で、僕はほとんど名前で呼ばれたことがない。大体は「お前~」と呼ばれていた。契約時も豪快でそのもの。
「●●●万円で4回のイベント契約なっ!」
「いや、もうちょっと料金をアップして頂かないと・・・」
「いいだろ、お前のとこしか頼まないんだから。それでやっとけ!」
「分かりました。では、契約書を・・・」
「任せるからテキトーに作っとけ。忙しいから、じゃあな。」とそんな具合。
それでもウマが合い、多くの競合他社が仕掛ける中、長い間信頼関係を築いてきた。時間がある時は、仕事の真面目な話から会社ではするべきでないどうでもいい話までしたし(笑)、会社のパーティーにも呼ばれ、取引先を紹介してもらったりした。
コテンパンに叩かれることもあれば、頼み込んで仕事ももらったこともあった。そんな男くさい関係が15年以上続いた。
その後、僕が役員を降格となり、自分なりの結論を出そうとして神妙な面持ちでお邪魔した時のこと。
夕方5時に訪問し仕事の打合せを一通り終えた後、Hさんはいきなり「今日、俺になんか言おうとしてるだろ。会社辞めようと思ってるだろ。」と突っ込んできた。
きっと表情に出ていたのだろう。
「はい、時期が来たら区切りをつけようと思っています。」と返した途端、「バカヤロー!。お前なんかよそでは通用しない!絶対に許さん」と激怒された。ここまで真剣に叱られたのは初めてだった。
いかに僕が未熟で実力不足か、まだやり遂げていない仕事がどれだけあるか、Hさんがこれまでの自分の経験を含め、僕がやらねばならないことを切々と説いた。大半が説教だったが、ずしっとくる重い言葉だった。
終わった時は夜の9時。打合せ自体は30分程度だったので、3時間半はそんな話をしていたことになる。とても長い時間だったが、それだけ身に染みた話だった。涙が出そうだった。
一業者の一人の営業マンにそこまでするだろうか・・・。
クライアントを出て営業車で会社に戻る1時間はかなり疲れていたが頭ははっきりしていた。車の中でその会話を反芻した。どうしてそこまで言ってくれるのだろうと思ったが、感謝で一杯だった。自分なりの結論が出た。
「こういう人を裏切ってはいけない。」
リーマンショックが重なったこともあったが、僕の選択肢に会社を辞めることはなくなっていった。
それから1年以上経過し、僕は副社長になった。その段階で全てのクライアントを引き継いだ。Hさんにも引継ぎの挨拶をした時は、「その苦労している顔がいい。」と励ましてくれた。
そして、半年後、僕は代表となった。ここはしっかりと挨拶をしておかなければならないとHさんにアポ入れの連絡をした。
「会社の社長さんなんだから、もう俺のところに来る必要はない。頑張ってくれ。」と一言。簡単な挨拶しかできなかった。させてもらえなかった。
何のお礼もしないまま、不義理のまま、今もこうして時間を過ごしている。しかし、僕が最低限しなければならないことはまだ残っている。どのタイミングが喜んでもらえるだろうか。今はまだダメ出しされるだろう(笑)。
失意の役員降格中にも、何よりも変え難い時間を過ごさせてもらった。
このことは忘れてはならない。
結局僕は周りに支えられて仕事をしている。
このことは忘れてはならない。

奇数月第二火曜の過ごし方

今日は第三火曜なので、1週間前の話。アップが遅くなってしまった。
僕は今現在、いくつかの経営者向けの団体に加盟し活動している。基本的に経営者としてのスキル向上とネットワークの構築を目的に参加している。先輩経営者から知識や経験を吸収に、少しでも自分にも反映していきたい考えだ。
その活動が重なるのが奇数月の第二火曜日。
この日は朝と夜に勉強会の予定が入る。朝はクラブ愛知という出身大学OBの経済人で構成される同窓会組織。経営者や議員、士業の方が中心に参加されている。
この会のスタートは朝7時。早い。毎回ゲストを招いて講演を拝聴するケースが多い。先週は先輩エコノミストによる「株式市場の現状と今後の市場動向」。先輩が語るには株式についてはかなり強気。そのロジックも明確で、今後はかなり期待できそう。いろいろと考えてみるかな・・・(笑)。
この朝会を終了すると会社に戻り通常業務。そして、夕方6時半からは以前にも紹介した西川塾
西川塾主のこれまでの経験を基に経営者としての生き方や考え方を学んでいく。前回はトップの生きがいや友人の在り方についてご教授頂いた。トップの生きがいはその経験や年齢で変化する。今の生きがいが20年後には更に高い視点の生きがいに変わっていくこともある。そうならなければならない。それがトップが成長することに結び付くのだろう。
そして、友人。友人は自然にできるものではなく、自らから求めるものだという。確かにその通りだ。僕が最近親しくさせてもらっている方は、僕がいろんな場に出向いて出会った人たち。自分が行動しなければ今の関係を築くことはなかった。その逆も然り。そこでリスペクトしたり、意気投合したりする中で親しい友人へと繋がっていく。
塾主は80歳代になっても、その友人作りのために精力的に動き回られるのだから驚く。きっと終わりはないのだろう。自分もそうならなければ・・・。
そんな講話を伺うのが夜の過ごし方。前回は新人歓迎会もあり酒を酌み交わす。新たな出会いの場も作って頂いた。
奇数月第二火曜は、そんな過ごし方が定番。一日を全く無駄なく過ごすことができるのだ。少々疲れも出るが、2ヶ月に1度くらいはそんな日があってもいい。
次回の朝と夜のダブルヘッダーは9月。少しは日が短くなっている頃だな・・・。

はじける若手

昨日はふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の年1回の総会。と同時に幹事会、若手社員のよる合同勉強会が東京・御茶ノ水で開催された。
10時から18時半までの長時間であったが、内容がてんこ盛りのため、慌ただしく時間は過ぎていった。Fネットとしてはまた新しい仲間も増え、更に盛り上がっていきそう。
この日のメインは若手の合同勉強会。各加盟会社1~2名の若手・中堅が参加し、グループワークを行う。名大社からはニムラが参加し、同世代のメンバーと交流を深めた。
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パフ釘崎社長の講演後、4チームにグループ分けをし、HRビジネスを設定に会社を設立。社名、経営理念、事業方針などを決め、最終的に自分たちの新規事業を策定しプレゼンするという流れ。
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僕を含めた加盟会社のトップがそのプレゼンを評価し、優勝チームには豪華景品(?)が渡される。各チームとも熱の入った議論が繰り返された。
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そして、発表。各チームも自分たちの経営理念に立った新規事業を提案。突っ込みどころ満載で、評価をする社長らにコテンパンにされる場面もあったが、どのチームも真剣に事業を考え、我々のビジネスの将来に可能性を感じさせるプレゼンであった。
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優勝チームは就職支援に恋愛支援を絡めさせ、大学に対して提案するもの。実現可能性についてはかなり見直しは必要だと思うが、今の若者の特徴を把握した斬新なアイデアであった。実現してね(笑)。
勉強会終了後は、懇親会。
40名近いメンバーで宴会を行えるお店が近隣にはなく、場所はプロント。夜はしっかりと居酒屋機能は発揮するが、大人数を想定したオペレーションは組んでいないのだろう。若手メンバーがスタッフの役割も果たし、飲み物を運んで気を利かせていた。ここでの懇親は貴重。
トップ同士が顔を合わせることは頻繁にあるが、各社の若手が直接顔を合わせることはほとんどない。お互いの事業を知っていてもダイレクトな情報交換はなされていなかった。そこでコミュニケーションをとり、お互い刺激しあうことで切磋琢磨できる。一体感も高まる。
僕らにとっても有意義な場所だが、参加した若手も親交を深められ、いい経験になっただろう。あの熱狂的な二次会の盛り上がりも見れば、間違いないだろう。その時、撮影した写真はとても公開できないが(笑)、最後は汗だくヘトヘト状態だった。
無事に楽しく、かつ学びも多かった合同勉強会。その弾けぶりを各社に持ち帰り、今後に活かしてもらいたい。年1回くらいはこんな会も必要だな。
みなさん、お疲れ様でした。