これからも前向きに 名大社会長ブログ

2022年12月の記事一覧:

今年もありがとうございました。

2022年も明日で終了。
一年の経過は早い。
年を取れば取るほどそれは余計に感じること。
そうやって一生を終えていくのかな。

まずは無事に一年を過ごせたことに感謝。
みなさんのおかげで幸せに終えることができました。
ありがとうございました。

今年は記念すべき年であったのは間違いない。
5月末に社長を退任し、6月に会長に就任。
12年5ヶ月の在任期間はとても充実した毎日を送ることができた。
大変なこともあったが、楽しく嬉しいことの方が圧倒的に多かった。

社長はストレスが続くという。
どこかの社長のようにストレスゼロとはいかないが、それほど気にするほどでもなかった。
いいプレッシャーとして捉えられただけのこと。

それから解放されたのは事実。
いろんな方から「肩の荷が下りたでしょ」と声を掛けてもらった。
確かに肩の荷は下りて楽になったが、それがいいとは限らない。
結構、寂しい部分もある。
まあ、それも本音だったり。

しかし、そこも含めて役割は役割。
やらないことを決めるのも大切な決断。
おかげで時間的な余裕もできた。
であれば新しいことにチャレンジすればいいのだが・・・。
少しはゆっくりと構える時間も必要としよう。

この10年の目標として
・責任を果たす、責任を取る
・何かしらの影響を与える
・自らへの投資、学び(学習機会)の継続

こんなことを掲げているが、まだまだだといえる。
特に自らへの投資、学びの継続は物足りない。
参加する経営者の会で「論語」も学び始めたが、何も語れることはない。
全てはこれからなのかな。

責任は果たしたが、そうすると新たな責任が舞い込んでくる。
これもグルグル回る。
会長という肩書も多い。
避けることはできなさそう。

影響については自ら語るものではないだろう。
どうなんだろうね(笑)。
と10年目標は終わることがなさそうなので、続けることに・・・。

それとは別に毎年のルーティン。
読書は年間58冊。
中にはkindleで入手したマンガもかなり含まれているので相当ショボい。

月間100kmのランニングは年明けのブログで発表。
映画は78本(映画館57本、オンライン配信21本)なので上出来。
このブログも会長ブログになり投稿数を減らそうと思ったが、案外頑張っている。
日々の日記もすでに36年目だしね。

ただ個人としては物足りなさを感じた一年。
特に後半は・・・。
そのあたりが来年の大きな課題。
もっと能動的にならないと。

最後の最後に今年観た日本映画のベスト5をチョイス。
そんな要望も頂いた。

・神は見返りを求める
・サバカン SABAKAN
・LOVE LIFE
・ある男
・ケイコ 目を澄ませて

かなり偏りがあるし、結構難しい。
「ヘルドックス」「窓辺にて」も好きだけどね。
今泉監督と並び今後の期待は石川慶監督と吉田恵輔監督かな。

こんなノリで今年は終わり。
来年もどうぞよろしくお願いします。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その236

2022年の食べ物ブログも今日が最後となります。
ちなみに会社も今日が仕事納め。
明日から1月4日までが年末年始休暇となりますので、どうぞよろしくお願いします。

ブログはヒマを見つけて書いていきます。
きっとたくさん書くんでしょうね・・・。
どうやらヒマみたい(汗)。

今年の伏見シリーズも今回が最後。
このシリーズはいつまで続ければいいでしょうか?
300回を区切りにしてもいいですが、それだと来年中には終わりません。
さすがにネタ切れになりそうですが、そうならないのもこの伏見。
新しいお店は次々にOPENします。

住吉町を通りかかると見かけないお店がありました。
12月12日にOPENした「しんぱち食堂 名古屋プリンセス通り店 」さん。

以前、この場所はどんなお店だったか、全く思い出せません。
時の流れは早いのです。

調べてみるとこちらは首都圏を中心に店舗展開され、名古屋では2店目。
あと2~3店、お店ができると「転職フェア」に参加頂けるのでしょうか(笑)。

入り口付近には分かりやすくお品書きとサンプルが並んでいます。

人気ランキングを表示しているのは迷うお客さんにはいいですね。
人気食べ物ブロガーもどうしようかと考えましたが、
今年はさんまをあまり食べていないことに気づきました。
漁獲量が少なく庶民的な魚は今やお手軽に食べることはできません。
旬は過ぎていますが、ここは食べ収めにしておくべきでしょう。

さんま開き定食 790円

ご飯は並ですが結構なボリューム。
米も味噌汁もこだわり、こちらも美味しいです。

さんまをアップにしてみましょう。

炭火で焼かれているので、香ばしさもあり魚の旨味が閉じこもっています。
欲をいえばさんまがもう少しふくよかであれば嬉しいですが、
このご時勢ではやむを得ませんね。

最近、干物を中心としたお店が伏見あたりも増えてきました。
生き残り競争も激しくなってくるかもしれません。
こちらは定食を注文すると生ビールが150円で飲めます。
いずれ頂く日が訪れるでしょう。

いい感じでお腹が満たされ外に出ました。
ごちそうさまでした。

2023年も食べ物のはなしをよろしくお願いします。

2022年の映画を振り返る

仕事の振り返りはもう少し先にして今日は今年の映画を振り返りたい。
これも映画コラムニストとして大切な仕事。
ここ近年は映画館に頻繁に通うようになった。
その中でも特に今年は例年以上に多かった。

12月25日現在映画館で観たのは57本。
(ちなみにネット配信は21本。これもまあまあ)
年末までにあと1本くらい増えるかも。
時間のやりくりは大変だが、調整しやすくもなったし・・・。
本業とするには足りないが、かなりの本数。

昨年は50本なので7本増。
しかし、日本映画の本数は34本から27本と減った。
理由は残念ながら観たい作品が減ったこと。
見逃した作品もあるが、興味を惹かれなかった面が大きい。

そのため昨年のような日本映画ベストテンは発表しない。
もう少し頑張ってほしいというのが本音。
その分増えたのは海外作品。
当たり前か・・・。

アメリカ映画10本と一番多いが、目立つのが韓国映画の6本。
いずれも面白かった。
その中で一番良かったのが、「モガディシュ 脱出までの14日間」
抜群に面白かった。
年間ベストテンの1位にしてもおかしくない。

本来、日本映画であるべきはずの「ベイビー・ブローカー」以降、韓国映画が自分の中で増えた。
エンターテイメント性は日本を遥かに凌ぐ。
ガンバレ、ニッポン!

そして今年特徴的なのが、多くの国の映画を観たこと。
ここまで多いのは初めてじゃないかな。
例えば「コーダ あいのうた」のようなアメリカ・フランス・カナダの合作もあるが、
国でいえばフランス、カナダ、中国、イギリス、ジョージア、ロシア、
イラン、ニュージーランド、インド、ポーランド。
12か国の映画を観た。

「RRR」みたいな超娯楽作品もあるが、基本的に社会派ドラマが中心。
僕が知らなかった各国の事情があぶり出される。
歴史を知るのも文化を知るのもいい勉強。

映画を通して学びを得る。
そうそう、単なる趣味じゃない。
遊んでいるわけじゃない。
学習なんだ。
理解してもらえるかな?

言い訳にしか聞こえないだろうが、今年はそんなことを感じた一年。
来年はランニング同様、キリのいい100を目指してみるか。
家庭不和にならない程度に頑張ってみるか。

今、改めて思うのは映画館に通うのは最高の贅沢。
わざわざ目的の映画館に行かなきゃいけないし、
作品の時間帯に合わせてスケジュールを調整しなきゃいけない。
これって現代社会においてかなりのハードル。
それをクリアできる環境が贅沢だと思うのだ。

来年はもっと日本映画を楽しみたい。
引き続きよろしくお願いします。

映画「窓辺にて」

観たい観たいと思いながらタイミングを逃してきた。
上映期間終了間際でようやく観ることができた作品。

今年出会った監督の中で一番印象的なのが今泉力哉監督。
(お会いしたわけでもなく、初めて作品を観ただけのこと)
本作を含め、「街の上で」「猫は逃げた」の3本。

この3本を観ただけで、今後、今泉監督が撮った映画は監督名を知らされなくても当てられる。
それだけ個性的。
国内でいえば小津安二郎か、
海外でいえばジム・ジャームッシュか、そんな印象。
と偉そうに語っても当てられないことはあるが・・・。

本作も過去の作品もありそうでなさそうな日常を描く。
とても小さな世界。
酷い言い方をすれば映画の題材にするスケールでもない。
どうでもいい話と思ってしまったり・・・。

ところがである。
そんな世界にどんどんと吸い込まれていく。
大昔に読んだ純文学のせつない感覚に襲われる。

一体何なんだろうか・・・。
そのセリフの言い回しやちょっとした間がそう感じさせるのか、
据え置かれたカメラの前で延々と繰り返される会話がそう感じさせるのか。

今泉監督の特徴の一つは長回し撮影。
夫婦の会話も、不倫相手との会話も、作家とライターの会話も
固定されたカメラがずっと2人を捉えている。

それは作られた台本ではなく日常会話のよう。
感情的になることは少なく淡々と過ぎていく。
むしろ緊張感はない。

どこにでもありそうだがあまりない会話。
そのやりとりが絶妙で面白い。
本能8割、理性2割の姿がとても人間らしい。
単に不倫した妻に怒りを覚えない夫の話なんだけど・・・。

妻の中村ゆりも夫の吾郎ちゃんもいい役どころ。
今年は中村ゆりも活躍ですね。
最近は松本若菜も人気だというし、40歳前後の女優が活躍するのは嬉しい。
ブログとは関係ないけど(笑)。

役者ついでにいえばもう一人気になるのが若葉竜也。
AmazonのCMで「え~っと誰だっけ?」と思っていたのが彼。
今泉作品に欠かせない一人なのかな。
あの飄々とした演技もなんかいい。

今泉作品は今後、公開の度に観てしまうんだろうな。
来年も楽しみにしたい。

映画「ケイコ 目を澄ませて」

年末は話題作の公開が多い。
日本映画だけでも「ラーゲリより愛を込めて」「TFE FIRST SLAM DUNK」
「Dr. コトー診療所」等、大ヒットを予感させる作品は数々。
普段あまり映画を観ない友人もこのあたりの感想をアップしたり・・・。

もちろんこのあたりも観たいが、優先してしまうのは本作のような地味で小粒な映画。
どうしても体が先に反応してしまう。
結果、話題作より先にこちらを鑑賞。
上映期間が短い分、早く観なきゃという危機感もあるが、内容的にも惹かれたし・・・。

本作は実話をベースに作られたフィクション。
描かれるのはまさにコロナ禍の今の時代。
聴覚障害で両耳とも聞こえないボクサー ケイコを岸井ゆきのが演じる。

まずここは讃えておこう。
岸井ゆきのが素晴らしい。
柴咲コウと並んで、いや、それ以上、今年、最も映画界で活躍した女優。

今年公開された作品は5本。
僕が観たのは「大河への道」「神は見返りを求める」
「神は見返りを求める」は主人公に翻弄されるYouTuberを見事に演じていた。
それを上回るのが本作。

鍛え抜いたであろうボクシング、
闘う時の感情むき出しの表情、
葛藤しながらも真っすぐ生きようとする姿勢、
見事にケイコに当てはまる。
こちらは彼女の一挙手一投足に簡単に引き込まれる。

それは巧みな演出があってのこと。
セピア基調で綴る16mmフィルム。
ケイコが耳が聞こえないからこそ敏感に感じる息づかいや空気の音、周辺の雑音。
手話での会話の際に映し出される字幕。

何気ないケイコの行動がいい緊張感を生み出す。
それを支えるジムの会長、コーチ、家族の存在の距離感もいい。
甘やかすわけでもなければ、変な同情もないが、愛は十分に感じる。
一人の人間として向き合う。

それを象徴するかのような三浦友和演じる会長のインタビュー。
このセリフは秀逸だった。
そこは映画で確認いただきたい。

改めて日本映画の良さを感じた一本。
これだけ可愛くない岸井ゆきのが愛しく思えるのも不思議(笑)。
こちらもおススメ。

男性中心企業の終焉

著者の浜田氏は「サンデーモーニング」のコメンテーターとして知る存在。
プロフィールを確認すると1989年に朝日新聞社に入社しているので、
僕と同い年、もしくは同世代。

AERAの編集長を経て、現在はフリーのジャーナリストとして活躍。
それも子育てを行いながらのキャリアなので、相当ハードな道を歩んできた。
高いハードルを乗り越えてきた女性が自身のキャリアを中心に表現すれば、
本書の内容は大きく異なっていただろう。

浜田氏はむしろ自身のキャリアをある意味、自省しながら著している。
ひと昔であれば憧れの活躍する女性像になりうるはず。
しかし、それは遠い過去の話。
今の社会にあてはまれば、その成功体験が生きづらさを描くことになってしまうのだ。
著者は平然とその事実に触れているが、そこに至るまでには大きな葛藤があったのではないか。

本書の内容は僕自身もよく理解できる。
これからはそうならなければとも思っている。
現に名大社もこの12~13年で大きく変化した。

意図的な政策はないが女性社員の割合が増え、幹部も増えた。
もはや半々。
産休育休も当たり前になった。
そんなことを言うこと自体ナンセンスかもしれないが、それが実態。

誤解を恐れずにいえば僕の前の社長であればあり得なかったと思う。
それは過去の経営者の価値観が古く、僕が新しいというのではない。
まだまだ僕も自分が育ってきた環境に引っ張られているのも事実。
頭で理解を示しながらも、どこかで昔の価値観が顔を出す。

それはある意味、強制力を発揮し閉じなければならない。
一定数は僕のような揺らぐ世代があり、その後、スムーズに移行するであろう。
それを頑固なままで拘るのか、いとも簡単に切り替えるのかは人次第。
昭和の香りが残る世代はあとちょっとだ。

あと1年もすれば結婚して30年になる。
僕が30年若かったらどうだろう?
仕事を早く終えて帰宅しただろうか。
奥さん任せにしていた家事や育児も協力しただろうか。
育休も取得しただろうか。
古い価値観を非難しただろうか。

その結果、カミさんは凄いキャリアを築いたかも・・・。
それは正直分からない。
多分、その環境で物事を考えていたら当たり前のように行動するだろう。

そう考えると僕はカミさんの可能性を潰してしまったのかもしれない。
客観的に企業目線で男性中心企業の終焉を語っても意味はなく、
当事者としてどこまで責任を感じるかの掛かっているのかな。

反省を促される一冊でした。

食べ物のはなし 番外編 牛すじラーメン

12月は慌ただしくなります。
時にはお世話になっているクライアントに訪問することも大切です。

人気食べ物ブロガーは元々はデキる営業マン。
あちこち顔を出し情報提供することで腕を磨いてきました。
最近はめっきり減っていますが、その姿勢は忘れてはなりません。
CRMで情報を理解することも重要ですが、自ら足を運び現場感覚を掴むのです。

郊外に出ればその地域のある飲食店に入るのも楽しみの一つ。
予め人気店を決めることもありますが、偶然見つけたお店で思いもよらない体験も・・・。
出先から戻る途中にそんなお店がありました。

稲沢市平和町にある「創作 新中華料理 紅梅園」さんです。

ちょっと怪しげな佇まいでしたが、停まっている車の数を見て入店しました。
お店の入り口にはランチが書かれています。

写真は分かりずらいですね。
(アップにしてください。)
この瞬間に注文すべきランチを決めてしまいました。

「すいません、Cランチをお願いします!」
他のメニューを見る必要はありません。
一択なのです。

Cランチ 860円
Cランチはラーメンとミニチャーハン、唐揚げがセットです。

なんとラーメンは牛すじラーメン。

これがなかなかの代物。
スープと牛すじが絶妙のバランスで、しつこくない優しい味。
単品で860円でも全く問題ありません。

後で運ばれたミニチャーハンと唐揚げ。

「これがミニか???」と思うほど。
一人前のチャーハンでも違和感はありません。
唐揚げもしっかり味がついています。

「お~、先週も先々週も唐揚げだったじゃないか・・・」
そんなに唐揚げ好きだったけ?
と深く考えながら、ガブリガブリと食らいつきます。

セット物のチャーハンや唐揚げを侮ってはいけません。
美味しく頂くことができました。

そしてコーヒーはセルフサービスで無料。

「なかなか、やるじゃないか・・・」
駐車場が混んでいる理由も分かりました。

偶然の出会いも大切。
パンパンなお腹をさすりながらお店を出ました。

ごちそうさまでした。

映画「ザリガニの鳴くところ」

このタイトルとこのポスターではとてもヒットするとは思えない。
原作は全世界で1500万部を売り上げたベストセラーだが、僕は全く知らなかった。
解説をさらりと読んでもイマイチ理解が進まない。
評価が高いので気にはなっていたが、スルーするつもりだった。

ところがミセス日本グランプリの姐さんが推してきた。
「今年のトップに躍り出たかも・・・」
という感想。

先輩の指示には素直に従う。
上映期間ギリギリだったが、時間を調整し劇場に足を運んだ。
やはり素直に受け入れることは大切。

その言葉に偽りはなかった。
素晴らしい映画で、年内に観ておいてよかった。
見逃していたら後悔しただろうね。

ジャンルでいえばミステリーになるが、僕は純粋な恋愛映画として受け止めた。
見方によっては裁判を通して偏見や差別と闘う社会派ドラマ。
沼地で起きる不可解な出来事を描くサスペンス。
本作をどのジャンルで捉えるかは観る人次第。

恋愛映画にほとんど関心を持たなくなった身だが、本作はグラグラと揺れ動かされた。
それは好きとか嫌いという子供じみたことでもなく、
ヒロインに惚れて胸キュンしたわけでもない。

その育ってきた環境や自然との関り、その中で育まれた才能が映像とストーリーに見事にマッチし、
想像しがたい世界にのめり込んでいったのだ。
湿地で孤独な状況で少女が一人で生き抜くのは容易くない。
暴力的な父親から離れる母親や家族は理解できるが、
その父親が消えてしまうのは理解しがたい。

そんな背景はミステリアスな面を生むが、
デイジー・エドガー=ジョーンズ演じるカイアのピュアさが全てを肯定的に変えてしまう。
(彼女はいいね。これから注目!)
何をピュアとするかは難しいが、自然の中で生き残る逞しさはきっとそういうこと。
ラストもね。

鑑賞後に調べてみると原作はもっと深く、映画は端折った感があるという。
それはそれ。
僕は原作は未読だが、十分楽しむことができた。

ミセス日本グランプリの姐さんには感謝しないとね。

映画「あのこと」

前評判が良かったので、内容もほとんど把握せず選んだ作品。
今年観た中では結構ツラい映画だった。
それは作品の出来が悪いといっているのではない。

描かれる世界が辛い。
簡単にいえば女性の中絶を描いているのだが、
男性である僕もヒシヒシと感じてしまう。

まさにポスターに小さく書かれたキャッチコピー
「あなたは〈彼女〉を、体験する」。
分かり得ない世界を自分でも体験したような感じでそれがとてもツラかった。

これはいつの時代を描いているんだと思いながら映画を観ていたが、
ある場面で主人公のアンヌが19640年生まれと分かる。
舞台は大学の女子寮なので、ほぼ20歳。
ということは1960年代のフランス。

解説を読めば何ら問題はないが、
当時、中絶は法律で禁止されていたという。
望まない妊娠をしたアンヌの葛藤が痛々しくこちらに伝わる。

日本でも同じと思うが、
(日本の方がかなり遅れているか)
1960年代に女性が大学に進学するのはそれなりに大変な時代。

本人の夢や希望がない限り進学するケースは少ない。
どんなことに変えても夢の実現を優先する。
それに向かうアンヌは見方によっては共感を生むし、
見方を変えれば無責任さに非難を生む。

人工中絶がアメリカでは大きな問題であることを捉えれば、
時代は変わっても議論が尽きないテーマ。
その行為は犯罪を起こすことと同じ。

だから余計にツラい。
勇気なのか無謀なのか。
賛否を問われることだろう。

作品の評価も賛否別れる。
ひとりのワガママ女子学生の12週間を追いかけただけといえるし、
国の法律のあり方をひとりの女性を通して世に問うともいえる。
僕は素直に受け取った(笑)。

本作は2022年度のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーの実体験。
夢の実現はより説得力を生むかもね。

女性よりも無知な男性陣が観た方がいい。
永遠に理解しがたい世界なんだろうから。

「働くを考える」を考える

今月は大学の講義やガイダンスが多い。
オンラインもあれば録画配信もある。
どんなやり方でも発信する内容に大きな違いはないが、相手の表情や空気感を知るには対面が一番。

先週金曜日は愛知大学の1年生主体のクラスで授業を行った。
いつもなら一人で出向くか、テツ&チカのコンビで行うかだが、
今回はコンドーを相方にした。

コンドーは愛知大学のOBであり、今年で9年目の営業。
いろんな経験を積み幅広い仕事を任されるようになった。
社会人での経験を披露してもらうのは学生にも価値があること。
小中高、大学までの経験が今の仕事に繋がることは多い。
僕の経験とコンドーの経験、それに照らし合わせ、
働く意味やクランボルツ理論を学生に分かりやすく説明していく。

コンドーが大学で登壇するのは初めて。
結構緊張していたが、そこは営業で鍛えた身。
事前にすり合わせた大切なことをしっかりと伝えていた。

このクラスでは120名ほどの学生が受講し大半が1年生。
就職のことは随分先の話だが、将来には多くの不安を抱えている。
単に就職の話ではなく、将来に向けて学生生活をどう過ごすかをこの授業では語らせてもらった。
学生は静かに聞くだけなので反応が分かりずらいが、その姿勢から手ごたえはあった。

授業終了後、担当の先生が学生の記入した振り返りレポートを渡してくれた。
そのレポートには気づきやこれからの起こす行動についてびっしりと書かれていた。
それを読むだけで熱いものがこみ上げてきた。

僕やコンドーが伝えたいことも十分理解している。
学生からの感謝の言葉も多かったが、こちらにとってもありがたい。
こんな時間を過ごすと大学で教えるのも悪くないと思ってしまう。

来年は大学の授業も増える。
例年行う南山大学も1科目から2科目になり、他にも同様のオーダーも頂く。
まあ、自分のできることをしていくだけだね。

「働くを考える」を考える。
それが少しでも役に立てばいいよね。
コンドーもお疲れさん。
ありがとうございました。