これからも前向きに 名大社会長ブログ

2024年10月の記事一覧:

映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」

最近、「ぼくが~」で始まる映画が多い。
この1ヶ月でも「ぼくの家族と祖国の戦争」「ぼくのお日さま」を鑑賞。
なぜ、漢字ではなく平仮名なのか。
柔らかい雰囲気を出すためか、ただの偶然か。

僕はブログではぼくでもボクでもなく僕だけどね。
それはどうでもいいか(笑)。

本作は評価が高いことと呉美保監督作品が気になり観ることに。
エンドロールで主人公と原作者が同じ名前と知り、最後の最後で実話だと認識。
確かにフィクションにはないグッと迫るものがあった。

耳のきこえない両親と耳の聞こえる息子の愛情を描いた作品。
耳が聞こえない親から耳が聞こえる子供が生まれるのはいわゆるコーダ。
コーダといえば「コーダ あいのうた」
素晴らしい映画だった。
その流れでいえば2年前の「ケイコ 目を澄ませて」もステキな映画。
特別な観方はしていないが、気持ちは揺り動かされる。

本作もかなり気持ちが揺れ動いた。
当事者でもその立場でもないが、親の気持ちも息子の気持ちもよく分かる。
だから辛いと感じるし、愛おしくもなる。

母親明子は両親の反対を押し切り結婚し、また反対を押し切って子供を産む。
注ぐ愛情は強いが、なんせ耳が聞こえない。
赤ちゃんが泣く声も何かに触れる音も聞こえない。
危険な状態は毎日続く。
それでも周りの協力があり、子供は育つ。

耳の聞こえる息子大は両親の愛情を理解しながらも、自分の存在にコンプレックを感じる。
そして母親に辛く当たってしまう。
幼少の頃から手話を覚え母親と接せる姿をみれば優しい息子なのは百も承知。
そんな自分が許せず、一方で親から離れたいという気持ちで東京へ。
距離を置くことで視野は広がる。

息子大は吉沢亮。
葛藤する表情も優しい目も死んだ目もよかった。
大の少年時代の子役が吉沢亮に似ていると思ったのは僕だけか。

そして母親明子役の忍足亜希子が本当に良かった。
実際、ろう者の俳優。
息子を見つめる表情が美しくも悲しくも切なくもなる。
すべては母親としての愛情表現。

何も聞こえない静かなシーンで涙が出る。
もし僕がコーダだったら、大よりも優しくできるだろうか。
もっと愚かな態度で接するかも。
うむ・・・。

ふたつの世界を生きるのは簡単じゃない。
間接的だがその世界に触れられたことを感謝したい。

株主総会から特別例会まで、充実した一日

先週26日(木)は超ハードな一日。
普段は夜ばかり忙しく日中は平和な時間が多い。
しかし、この日は違った。

朝から晩までぎっしりスケジュール入っていた。
午前中は東京で株式会社パフの株主総会。
第28期も増収増益。
株主からの苦情や文句は一切出ず、和やかな雰囲気で総会を終了できた。
役員改選が行われ今期より赤坂さんが取締役に就任。

(写真左から2番目)
プロフィールはパフのHPで確認して欲しい。
僕も社外取締役として再任された。
この一年もいい年にしたいね。

お昼はなだ万のお弁当が提供されたが、僕は10分で平らげ名古屋へ戻った。
15時半より南山大学の授業があるため、急いで移動。
現地で相方のニシダと待ち合わせをし150名の学生に「企業と業界の研究」の授業。
授業のことは改めてブログに書きたい。

いつもなら最後にリアぺを回収し終了するが、この日は中座。
全てをニシダに任せて次の場所に向かった。
申し訳ないね。

9月26日は毎年恒例の西川塾特別例会。
僕は幹事長という西川塾の責任者。
本来であれば早めに集合し準備を行うが、この日はギリギリで会場入り。

頼りになる幹事メンバーを中心に完璧な準備をしてくれた。
特別例会の講演者は杉本食肉産業株式会社の杉本社長。

今年も100名を超える経営者やそれに近い方に参加頂いた。
最初は僕の硬めの挨拶。
西川塾の背景を紹介し、塾主の奥様へつなぐ。
毎年、ご出席いただき感謝!

そしてメインの杉本社長の講演。
「知られざる食肉業界の話~進化する老舗企業であるために~」
として70分程話をして頂いた。

杉本社長は業界や会社の変遷、トップとして取り組みを包み隠さず披露。
経営者として学ぶ点ばかり。
終了後、僕の元にも「凄く勉強になった」という声を多く頂いた。
本当に感謝!

謝辞は塾生の木下さん。
西川塾を代表するには相応しい挨拶。

懇親会は隣の会場。
こちらでも大いに盛り上がった。

杉本社長の前には次から次へと参加者が挨拶に並んだ。
食事ができたかが心配だったが、塾生の話では問題なかったよう。
逆に僕はいろんな方と挨拶するうちにほとんど食べれず仕舞い。
まあ、仕方のないこと。

締めの挨拶は昨年の登壇者遠藤さん。
必ず笑いを取るテクニックはさすがというしかない。

そして西川塾定番の締めは名古屋ナモ締め。
今年も懲りることなく僕が担当。
大勢の前でのナモ締めは気持ちがいい。
一体感のあるいい締めじゃないかな(笑)。

最後は記念撮影。

こうして毎年特別例会を実施できるのはありがたいこと。
久しぶりにお会いする方もみえて話は尽きなかった。
杉本社長の講演は特に若い経営者に響いたと思う。
僕も改めて勉強させてもらった。

かなりヘトヘトな1日だが、それを上回る充実感。
こんな日ばかり続くと体が持たないが、たまには刺激的でいい。

みなさん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

食べ物のはなし 特別編 ジャンボステーキ

今回は伏見を離れます。
今月は特別編や番外編で攻めたいと思います。
伏見シリーズはあと5回で300回を迎えます。
いつどのタイミングでお届けするのかを綿密に考える準備期間が必要です。
全国30万の食べ物ブログの読者は理解いただけるでしょう。

本州を越え、はるばる沖縄までやってきました。
向かったのは中頭郡北中城村。
どのあたりかイメージするのは難しいかもしれません。
分かりやすく説明すると北谷市の南、沖縄市の西に位置します。
あ~、なるほどね・・・。

沖縄で一緒に仕事をした方に連れいただきました。
それがこちら。

「PUB LOUNGE EMERALD」さんです。
店名から推測すると飲み屋さんのようですが、れっきとしたステーキハウス。
それも1979年創業の老舗店になります。

店内もステーキハウスらしい雰囲気が漂っています。
これも沖縄らしさでしょうか。

メニューを眺めます。
お値打ちなランチからずらりと並びますが、ここは勝負をしなければなりません。
「よしっ!」と頷きながら注文しました。

まずはプラス250円でセットになるスープ。

こちらも甘さの中にコクがあります。
しばらくすると香ばしい匂いと音で運ばれてきました。

ジャンボステーキ300g 3350円

こちら定番のステーキですが、かなりの迫力です。
お願いしたのはミディアムレア。
写真からも肉肉しい感じが伝わってくるでしょう。

特別にこんなソースをサービスして頂きました。

ナイフでステーキをカットし、思い切り頬張ります。
口の中にジュワーッと肉汁が広がります。
柔らかすぎず硬すぎずガッツリとステーキを食っているという感じ。
ダイナミックな食べ方が相応しいように感じます。
当初300gはキツいかと思いましたが、意外と軽く食べることができました。
きっと450gでもペロリと平らげられたでしょう。

アイスコーヒーを飲みながら、余韻も楽しみました。
時にガッツリとステーキを頂くいいですね。

ごちそうさまでした。

映画「ぼくのお日さま」

実に愛らしい作品。
映画を観ながらつい微笑んでしまった。
アイスダンスの練習シーン、
カップラーメンをリズムに合わせて食べるシーン、
氷の張った湖でじゃれ合うシーン、
どれも愛らしい。

ひたむきにスケートの練習に励むことが特別ではない。
当たり前に描かれる日常だが、
光が差すスケートリンクが幻想的に見えてしまう。

映像やフレームからして16ミリで撮影したのか。
手触り感が残る映像が観る者を優しくさせる。
小さな幸せを感じながら観ることができた。

時代設定は今の時代かと思ったがそうではない。
車にカセットテープを入れる。
スマホは登場しない。
せいぜいガラケーが使われるくらい。
あるシーンのカレンダーから推測すると1990年代後半。

そんな時代設定。
今ほどLGBTQの理解はない。
それにより苦しめられるが、子供たちは純粋でひたむき。
そんなシーンを連続的に観ているうちに微笑ましくなってしまった。

そうそう、どんな作品かといえば北海道を思わせる田舎町で、
アイスダンスに取り組む男女とコーチの出会いから別れまで。
雪が積もる半年間の物語。
冬は人の気持ちも清らかにさせるのかもしれない。
スケートに取り組む3人がキラキラと輝いている。

コーチ役の池松壮亮は不思議な役者。
いつも同じ雰囲気だが、その中に役者魂を感じさせる。
まるで本物のスケート選手のよう。
自然体で上手い。
「白鍵と黒鍵の間に」ではジャズピアニストを見事に演じたが、役作りは徹底。
相当量の練習をしたのだろう。

フィギュアスケート選手を目指すさくらを演じる中西希亜良も本物のよう。
そのままオリンピックを目指してもよさそう。
きつ音の少年タクヤも日に日に成長していった。
演じる越山敬達の上手さか。
静かに流れる時間が心地よかった。

奥山大史監督の存在も初めて知った。
調べてみるとまだ28歳と若い。
先日の「ナミビアの砂漠」の山中監督も27歳。
才能ある若手監督が存在感が目立つようになってきた。
機会を与えるプロデューサーの役割も大きい。

大きな話題になるわけではない。
大ヒットするわけではない。
上映する映画館も限定的。
そんな中にステキな作品が紛れている。

そういう日本映画も大切にしていきたい。