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映画「浜の朝日の嘘つきどもと」

映画を愛する人が喜びそうなストーリー。
嬉しくなったり、悲しくなったり・・・。
今年はなぜか映画を題材にした作品が多いように思う。

僕が観ただけでも
「のさりの島」「サマーフィルムにのって」「キネマの神様」
と最近は特に多い。

何か裏があるのだろうか?
僕を意識した映画製作をしているのだろうか?
勘ぐってしまうが、たまたまなのかもしれない。

本作は閉館になりかけの歴史ある映画館を救う話。
ありがちといえばありがちだが、
その佇まいというか、醸し出す映画館の匂いがすこぶるいい。

それは実在する映画館朝日座をそのまま使用しているのが理由かもしれない。
セットでは成し得ない”らしさ”を出すことで人の郷愁を誘う。
今、もぎりをやっている映画館なんてあるのだろうか。

35年前の学生時代を思い出してしまった。
僕は大学の4年間、名古屋駅の映画館でバイトをしていた。
今はミッドランドスクエアシネマと呼ばれている映画館。
当時、売り場でチケットを買い、入り口でチケットを半分切り取り半分をお客さんに渡す。
基本は今も一緒か・・・。

ただそれを1館1館で賄っている。
上映が始める前は忙しいが、映画が始まれば何もやることはなく、
(昔はほとんど自由席で、途中入場するお客さんもいたし)
ボーっと座っているだけ。
時給は恐ろしく安かったが、仕事は楽チンだった。

本作でそんなどうでもいいことを思いだした。
何しろ35年前の香りがしたから。
登場する映画館は地方の単館なので、そうはいっても名古屋駅のバイト先とは違う。
大須にあったピンク映画専門の映画館に近い。

しかし、ここで描かれているのはそんな過去の話ではない。
東日本大震災を乗り越え、コロナ禍にある現在進行形の福島県南相馬。
高畑充希演じる茂木莉子が恩師の希望を叶えるために、
あの手この手で映画館の存続に奮闘する。
イマドキっぽくクラファンを使ったり・・・。

ありがちな展開で斬新でもないが、どんどん映画に吸い込まれるし、愛おしく感じる。
カメラは莉子と支配人の2人を正面からずっと捉えている。
これがタナダユキ監督の特徴か。

恩師役の高校教師大久保佳代子との2ショットの長回しが多い。
それが自然の流れで日常に思えてくる。

あばずれ教師の大久保佳代子がはまり役でいい味を出している。
自身の代表作になるんじゃないか。
最後のセリフは想像できたけど。
ふわりとした映像と演出、思わず吹き出すシーンも多く娯楽性は高い。

しかし、その裏にあるメッセージは人間の本質を突く。
それを軽々しく口にする莉子。
そこに真のリアルがあるのかもしれない。
家族の絆も自然災害であっという間に崩れ去るのかと。
これから大切にしていかなきゃならないことも教えてくれる。

数年前まで全然かわいいと思わなかった高畑充希の魅力が溢れる。
これで好きになった。
彼女の持ち味が上手く引き出されている。

終わり方も含め好きな作品。
人をおちょくったタイトルもいい。
映画を観て初めて理解できると思うけど。

ドラマ「アキラとあきら」

名古屋ファミリービジネス研究会でご一緒する尊敬すべき先輩経営者から勧められたドラマ。
Amazonプライムで第9話まで一気に観てしまった。
いやあ~、面白い。

先輩経営者が息子に観させた理由も理解できたし、同族経営に関わる者は観ておくべき作品。
池井戸潤作品は読んでいる方だが、原作は全く触れたことがない。
例によって舞台はメガバンクだが、
(当時は都市銀行ね)
そこに絡む人間模様が池井戸作品らしい。

2017年にWOWWOWで放映されドラマなので、ネタバレも構わないだろう。
映画コラムニストの仕事でもないし。

タイトル通り主役は二人のアキラ。
なぜカタカナとひらがなかは不明だが、
境遇の違う銀行の同期の彬(向井理)と瑛(斎藤工)が互いの背景を絡ませ物語は進む。

まずこの二人がいい。
向井理はこれまで育ちのいい優男のイメージしかなかったが、それを残しつつも見事に後継者を演じる。
大手海運会社の三代目だが、部下を叱責するシーン、先代を想い涙するシーンは印象深い。
一方、斎藤工は「孤狼の血LEVEL2」のヤクザだったり、インディードのCMであったり、
なんでも来いという感じだが、実直な銀行マンを演じきっている。

二人とも隙がない。
それはドラマがそうさせているせいもある。

池井戸作品のドラマといえば「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」が頭に浮かぶ。
どれも面白いドラマだったが地上波との違いなのか、こちらは硬派。
半沢直樹に見られるような大袈裟な演技や流行語になりそうなセリフなどエンターテイメント性は皆無。

楽しめるのは地上波ドラマだが、胸に突き刺さるのはむしろこちら。
より企業社会を描いている。
倒産、M&A、粉飾決算、事業承継、兄弟の葛藤、確執など、
実際に起こり得る様々な問題に正面から向き合っていく。

このドラマだけで同族企業の強みも弱みも学べる。
苦労も喜びも・・・。

一般的に同族企業は長男が会社を継ぐケースは多い。
親族外承継が増えているとはいえ、
●●家の長男だから会社を継ぐのは当たり前、そんな見方も多い。

決して間違っていないと思う。
ドラマではそれを宿命と呼んでいるが、生まれた瞬間から運命づけられることも多い。
それに対しての反発や受容は当事者しか理解しえない。

また、時代考証も素晴らしい。
90年代初めバブル世代の僕らが着ていたスーツはドラマと同じ。
現代に照らし合わせるとファッションの違和感があるが、当時はあんな感じだった。
昔はあれがカッコよかったんだよね(笑)。

このドラマを観て、今後、WOWWOW系のドラマにハマっていきそうな嫌な予感。
面白そうな社会派ドラマが並んでいる。
次は「しんがり」か・・・。
困った・・・。

ただこんな時間も大切にはしたい。
おススメしてくれたI社長、ありがとうございました。

映画「アナザーラウンド」

呑気にインスタで「BARレモンハートと余市」の写真をアップし喜んでいたら、
ミセス日本グランプリ受賞の姐さんからお叱りに近いコメントが入った。

「そんなことやってないで、この映画を明日にでも観に行きなさい!」

全くのノーマーク。
言われなければ観ることはなかった。

鑑賞後に姐さんのお叱りの理由は読み取れた。
僕が登場人物に被る要素があり、まさに観るべき映画だと・・・。

それは主演のマッツ・ミケルセンに似ているわけではない。
彼は1965年生まれの同世代だが、デンマークを代表する人気実力派俳優。
とても二枚目である。

当然、そこではない。
映画を観れば120%納得してもらえるが、ネタバレしない程度に紹介しておこう。
主役を含め登場人物は高校教師。
生徒からの支持もなく冴えない日を過ごしている。

そんな時に、
「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」
という哲学者の理論を知り、証明するために授業で実験することに。
その結果、授業は格段に盛り上がり生徒との関係性も良くなっていく。

その血中アルコール濃度は0.05%が適正らしいが、徐々に増えていき、やがて・・・。
なるほど、そういうことか。

僕も普段はごくごくつまらない人間。
それがアルコールが入ると想像力も豊かになりコミュニケーションもスムーズで能力はグーンと伸びる。
それを知っていたミセス日本グランプリの姐さんは「これ、アンタのことだよ」と教えてくれたのだ。
ここ、結構、大事ね(笑)。

一定量のアルコールならいいのだが、エスカレートしていくとただの愚か者になってしまう。
それも同じ。
まさに映画の中の連中に近い。

いや、そこまでは酷くないぞ。
僕より愚かでろくでもないヤツは、ここにもあそこにもいるじゃないか。
まあ、どんぐりの背比べだけど。

それでも誰も憎めないんだよね。
むしろ愛おしく感じちゃうんだよね。
それは僕が近い人物だからではなく、お酒を飲めない人も同じように感じるはず。

随分と肯定的に捉えているが、実際そう。
本作は第78回ゴールデングローブ賞にも、第93回アカデミー賞にもノミネートされている。
社会派映画として国際的な評価も高い。
ジャンルは間違っているかもしれないが(笑)。

本作はデンマーク作品。
言葉も文字もさっぱり分からないが、この国では16歳から飲酒が許される。
それだけで感動。
最近はヨーロッパ映画を観る機会も増え、
デンマーク映画も今年2本目(ある人質 生還までの398日)
知らない国の文化を味わえるのも映画のいいところ。

そして、万国共通なのはお酒がみんなを幸せにしてくれる。
お酒がみんなを不幸にすることもあるけど。

僕の周りの酒飲み連中は自分を振り返るつもりで観てもらいたい。
姐さん、ありがとうございました。

ほとんど評論になっていないな(汗)。

映画「孤狼の血 LEVEL2」

やっぱり復習しておきべきだった。
そうすればもっと関係性が理解できたかもしれない。
前作を観たのが3年前。
その時のブログがこちら

このあたりから白石監督にどっぷりハマっていった。
続編となる本作は完全に前作からの流れで偶然にも同じ3年後。
立場や環境の変化は3年の月日で大きく人を変える。
少しは可愛げがあった松坂桃李は3年も経つと風貌も性格もすっかり変わってしまった。

変わったように見せている。
権力がそうさせたのか、浅はかな正義感がそうさせたのか、分からないがポスターの通り。
5月に観た「いのちの停車場」は別人だね(笑)。

しかし、別人の代表格は鈴木亮平。
冒頭の西郷どんっぽい笑顔はまやかし。
同じ笑顔でもこれだけ恐ろしくなるものか。
映画を観た人なら誰もが納得するであろうその異常さ。

ホラー映画より怖いなんてこれはホラー作品か?
そもそもあんな奴を刑務所から出しちゃいけないでしょ。
その時点で警察は間違っている。

いや、これも計画通りなのか?
全て仕組まれた作戦か?
その陥れるやり方を知るとわざと出所させたとさえ思わせてしまう。

それだけ闇の世界は恐ろしい。
ここには少しの人を信用する人と多くの人を信用しない人が存在する。
どちらが強いかといえば人を信用しない人。
それは多数派でなく少数派に変わったとしても同じ。

信用する人が負ける。
その悔しい世界が厳しい世を生き抜くことために必要なこと。
先輩だろうが上役だろうが関係ない。

「ドライブ・マイ・カー」は感情を押し殺し関係性を作り上げたが、
本作は感情を前面に押し出し関係性を破壊する。
そもそも関係性なんて必要ない。
破壊の先に平和が訪れる気もするが、それもない。
破壊を繰り返すだけ。

全てを放棄し、田舎でのんびり暮らしても平和が訪れるとは限らない。
自ら破壊を求めてしまうのかな。
そんなことを感じた映画だった。
そんな表現をすると作品の期待値が下がるかもしれないがそうではない。

僕は本作の公開を心待ちにしていた。
今年で一番楽しみにしていた作品といっても間違いではない。
その期待を裏切らなかった。

すこぶる面白い。
その異常さに恐怖を覚えるが面白い。
さすが、白石監督。
制約の多い環境の中でもやりたいことがやれたのだろう。

入場者にプレゼントされたトレーディングカード。
いったい誰がこんなものを欲しがるんだ。

はい、大切にします。
特に02は。
13の人もいい味だけどね(笑)。

運気を引き寄せるリーダー七つの心得

本書を読んで思い出したのが、
キャリア理論家クランボルツ氏の「プランドハプンスタンスセオリー」。
7月まで大学の授業でその理論を教材として使っていたので思い出した。
本書はその理論の経営者向けとも言えるような内容。

クランボルツ氏の計画的偶発性理論は
「キャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」と説いている。
そのためには5つの習慣が必要。
好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心がその習慣だという。

本書もそれに近いのかもしれない。
「優れた経営者は、例外なく、運が強い」
「優れた経営者は、例外なく、運気を引き寄せる力がある」
と田坂氏は語り、そのための行動を促している。

それが七つの心得になる。
全部を紹介してしまうと著者に叱られるので止めておくが、
見方を変えれば近いことを言っているのではないか。

「絶対肯定の想念」は楽観性、
「不思議な偶然に注意を向ける」は好奇心、
「無意識に伝わることを覚悟する」は柔軟性などなど。
無理矢理当てはめている点はなくはないが、そんなことも言えるのではないか。

クランボルツ氏は偶然の出会いを増やせと悟り、田坂氏は不思議な偶然により運気を引き寄せろと悟る。
結局は「運」が左右するわけだが、その「運」は勝手に訪れるものではなく自分で導くもの。
きっとそれは世代を選ばす、立場を選ばず、全てのものにいえること。
そうだとして、果たして自分はそんな行動や思考ができているだろうか。

残念ながらできていない。
特にこの1年以上はコロナ禍において行動も制限され、思考もネガティブ方面に向かっている。
まずはそこを取っ払わねばならない。

本書に書かれているように、
本来、我々の人生においては、「不運な出来事」も「不運な出会い」も無い、
全ては「深い意味」があって与えられた「有り難い出来事」であり、「有り難い出会い」
であるという「全肯定の思想」、「絶対肯定の思想」だからである。

それを持たねばならない。

緊急事態宣言が再び発令されたことに一喜一憂しているようでは本物のリーダーではない。
頭では理解しているつもりだが、現実は不運な出来事と感じてしまう。
まだまだだ。

絶対肯定の思想に辿りつくのは相当長い道のり。
果たして辿り着けるか不明だが、少しでも近づけるよう何度も何度も自身に唱えなきゃならない。
そして、気づいた時にはそうなっていることを期待したい。

大丈夫かな(笑)。

映画「ドライブ・マイ・カー」

不思議な映画だ。
上映時間はほぼ3時間。
「孤狼の血LEVEL2」のようにスリリングなシーンがあるわけではない。
(「孤狼の血LEVEL2」は改めて書きます。)

淡々と映画は進行する。
通常であればそんな3時間はかなり辛い。
その長さに耐えきれない。

しかし、不思議だ。
そんな長さを感じることなく映画を観終えた。
静かに流れるロードムービーのような作品なのに飽きさせない。
それだけでも魅力的な映画といえる。

監督は本年最も話題の濱口竜介氏。
「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。
本作でカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。
一年で異なる作品で海外の映画祭の受賞なんて日本映画監督ではないのでは?
確かに本作も海外の方に評価されそうな匂いはするけど(笑)。

これから期待される映画監督の一人。
そんなエラそうなことを言っても、濱口監督作品は初めて。
まだ監督の特徴も分からない
多分、2~3本観ても分からない。

特に目新しい演出でも度肝を抜くようなカメラワークや技法もない。
正攻法的に基本に忠実なように思える。
しかし、それは素人感覚。

終盤の主役西島秀俊とドライバー三浦透子の長回しは過去経験したことがない。
ずっとアップの2人を捉えたカメラは動きをみせない。
とても重要なシーンだけに新鮮に感じた。

全うな人が抱えうる苦悩と闇が溢れ出す瞬間。
こうして弱さを露呈することでより正直になるのかと・・・。
「孤狼の血LEVEL2」と違い、登場する人物は感情的になることはない。
お互いの良好な関係性を維持するために気を遣い合ってる。

それは誰にでもいえること。
会社でも家庭でも本音だけで良好な関係が築ければ苦労はない。
どれだけ連れ添った夫婦でも100%理解し合い、本音でぶつかるのは難しい。
それは愛し合っているが故にあえて踏み入れない領域を持つ。

その中で崩れるものが存在するか、しないかは結果でしかない。
大袈裟にいえば西島秀俊演じる売れっ子演出家の心模様は誰にでも通じるところ。
そんなことを感じた。

だから感情的で本音で生きる高槻(岡田将生)を非難せず受け入れられる。
それにしてもああいったナンパな役の岡田将生は抜群。

そして、気になったのは奥さん役の霧島れいか。
知らない女優さんだが色気もあり知的で美しい。
グラっとくる。

どこかで見たことがあるような気がしたので調べてみたら、
昔、名古屋のモデル事務所で活動をしていた。
その時に目に触れたことがあったのかも・・・。

あと加えるとしたらドライバー役の三浦透子。
不器用な生き方を上手く演じていた。
ラストシーンはいろんな解釈ができると思うが、それは観客次第。
彼女の表情を含め・・・。

こんな日本映画を年に一度くらいは鑑賞したい。
そして、久しぶりに村上春樹を読んでみたくもなった。
そんな雰囲気もあったよね。

映画「アンダードッグ 前編・後編」

どうしてボクシング映画はこんなに暗いのか。
暗いだけでなく必ず犯罪の香りもするし性的描写も多い。
日本映画で明るいボクシング映画なんて観たことがない。

4月に観た「BLUE ブルー」は犯罪の香りはしなかったものの暗かった。
本作もこれまで観た作品と同様。

森山未來演じる元日本ランク1位の落ちぶれボクサーも暗い。
笑ったシーンなんてほぼない。
ぼそぼそ呟いているのがほとんど。
奥さんにも逃げられるし、ジムの会長からも見放されている。
唯一、父親を信じる可愛げな息子が味方にいるだけ。

しかし、憎めない存在。
昼間はサウナで働き、夜はデルヘル嬢の運転手で何とか生計を立てる。
まともな人間から見れば蔑んでしまうが、これもどうも憎めない。
映画を観る観客もなぜか復活を願う。
きっとやってくれるだろうと期待してしまう。

大体、ボクシング映画はそんなふうに作られることが多い。
身近な世界でありながらも身近でやっている者は誰もいないが、応援してしまう。

それがシンプルなスポ根映画なら爽やかな感動を呼ぶだろうが、
主役が主役なだけに爽やかさなんて一つもない。
ただ僕らはその殴り合う姿に引き込まれ抜け出すことができない。
1ラウンド1ラウンドを息を飲みながら本当の試合の如く魅入ってしまう。

不思議だ。
それは鍛え上げられた森山未來の肉体が本物のボクサーと思わせるからだろう。
最近の彼の演技はことごとくいい。
2年前の大河ドラマ「いだてん」も良かった。
5年前の「怒り」も良かった。

本作の演技で昨年のキネマ旬報主演男優賞も獲得。
多分、そのボコボコにされても立ち続ける姿が評価を生むのだろう。
そういえば3年前の主演男優賞は菅田将暉で対象作は「あゝ、荒野」だった。
ボクシング映画は単純に映画評論家の評価が高くなるのかな。

それにしても本作は前篇、後篇合わせて4時間半。
長い。
これでも僕は忙しい。
しかし、一気に観てしまった。

そして、後悔した。
やはり映画館で観るべきだったと・・・。
昨年秋に会社近くのミリオン座で公開されていたが、観ることができなかった。
無理してでも調整すべきだったとAmazonプライムで観た後に後悔した。

いかん、いかん、なぜかボクシングに惹かれる自分がいる。
そのうち始めてしまうんじゃないか・・・。
それは100%あり得ないが、きっとボクシング映画はこれからも観るだろう。

森山未來演じる晃はまだ世界チャンプを諦めていないようだしね。

ウディ・アレン 追放

これも日経新聞の書評欄に紹介されており、つい手にした一冊。
普段読まない書籍を読む8月。

ウディ・アレンの作品はもう何十年と観ていない。
学生時代、粋がって、また知ったかぶりをして観ていた記憶はある。
「カイロの紫のバラ」「ハンナとその姉妹」「ラジオデイズ」。
ちょうど80年代、最も輝いていた時代。

ちょっと洒落ていて通好みの映画が多かったので、
感化されやすい青二才はいかにもそれっぽい感想を周りと喋っていたと思う。
何を喋ったかもどんな映画だったかも全く記憶がない。

所詮、そんなもの。
今はブログというツールがあり、記憶から消えても記録として残るからいいね。
それでもどの作品もミア・ファローが主役であったのは記憶にある。

当時、この2人の関係は知らなかったと思うが、
ウディ・アレンは今、思えば公私混同甚だしい監督。
それも超絶甚だしい。
作品のほとんどは自らの脚本で監督。
ある意味、思いのまま。
出演者も自分で決める。
女性への口説き文句にもなっているし、伴侶がいても簡単に恋に落ちる。

その時点で「ウディ・アレン追放」と思うが、そのあたりの事実は前座にすぎない。
言い方は失礼だが、背も低いし二枚目でもないのに、なぜこんなにモテるのか不思議。
やはり才能豊かな男はモテるということか。

それは実績が物語っている。
未だにほぼ毎年作品を撮り続けている。
入れ替わりの激しい世界でここまで続けられるのも豊かな才能があるからだろう。
脚本一本書くのも七転八倒な作家がほとんどだと思うし。

さて、本題。
本書はウディ・アレンとミア・ファローのゴタゴタを描いている。
ミア・ファローの養女への性的虐待が本書の中心。
読み進めるうちにイヤな気分にもなってくるが、そこに目を背けない。
人の愚かさや自分勝手な自己防衛を知るにはワイドショー的にも面白い。

僕はこの手のスキャンダラスに興味はないが、
世界的巨匠がどんな振る舞いをするかは興味が湧く。
裁判でもどう立ち回るかも・・・。
僕が当事者になることはあり得ないが、参考にはなった。

本書は翻訳された書籍ではなく、日本の映画ジャーナリストが書き上げた。
僕と同い年の女性映画ライター。
なぜウディ・アレンなの?と単純な疑問が沸いたが、そのあたりはあとがきに触れている。

それにしても不思議。
アメリカならともかく日本では売れようがないと思うんだけど・・・。
僕が知る以上にウディ・アレンファンが多いのか。
それともスキャンダルに関心が高いのか。
日本の俳優の不倫はネタとして小さすぎるかもね。

そんなワイドショー的な情報を著者は伝えたいわけではない。
あくまでも客観的事実。
捉え方は読者次第。
これがアメリカの実態かと・・・。
求められるのはどこまでいっても倫理観。

僕は追放されないですよ。

新・人間関係のルール

この夏休みは普段読まないジャンルの書籍を読もうと思い購入。
タイトルだけ見れば普段のジャンルと遠くはないが、
読めばそのジャンルの違いが分かるけどね。

普段読まないジャンルを探すのは意外と難しい。
目につくのはどうしても自分の興味のある分野。
大体はビジネス関連になってしまう。

そろそろ仕事脳から頭の中を切り離し、脳みそも多様化させたい。
そんなに多く入らないのは分かってはいるが・・・。
知人の紹介する書籍も大切だが、いつくかの書評も参考にしたい。

本書は少し前に日経新聞で紹介されていた。
そもそも日経新聞の書評から選ぶこと自体、仕事脳から外れていないが、
その中では違う空気を放っていた。

辛酸なめ子さんの名前はちょくちょく伺うが、実際の生業もよく知らない。
もちろん書籍も初めて。
ビジネス要素がゼロとは言わないが、僕がいつも気にする組織とか評価とか、
そこから導き出す人間関係とは大きく異なるだろうと安易に想像。
95%は正解だった。。

僕はどうしても会社を中心に人間関係を考えることが多い。
上司部下の関係、部署を跨いだ関係性、ブレーンやクライアントなど、
あくまでも会社が主体。

僕個人が人間関係に悩まされることはあまりない。
ノー天気な性格、かつ苦手なタイプがない万能営業だったので、まあまあ上手くこなしてきた。
常にテキトーだろという反論もあるだろうが、それも持ち味と勝手に解釈。

むしろ周りの人間関係に悩まされてきた。
やはり自分と他人とは違う。
他人のことはわからない。

それを組織論でまとめるのではなく、本書のような存在から学ぶことも必要。
結局は仕事に繋げている気もするが、
著者の人に対する接し方と考え方を面白おかしく知り、吸収することができた。
結構、笑えるし・・・。

僕自身も大いに頷ける点もある。
一方で、自分の鈍感さで気づかない点もある。
オリンピックでも話題になったが、SNSの存在が今後人間関係に与える影響も大きい。

著者は世の中を斜めから見て、世間ずれしているわけではない。
常識人であるのは間違いない。
しかし、その視点は少し角度が違う。
異次元でもないし反体制的でもない。
いい表現が見つからないが、角度が左にずれ下がっているのだ。

著者の実体験を基に書かれているので、納得感も強かった。
これからはもっと違うジャンルを読もう。
そして、下エネルギーの発信には気をつけよう。

そんなことを思いながら読み終えた。

映画「キネマの神様」

松竹映画100周年の記念の作品。
監督は松竹を支えてきた山田洋次氏。
「男はつらいよ」シリーズがなければ、松竹の経営はかなり厳しかっただろう。
貢献度でいえば100周年は山田監督しかない。

ふと、思った。
この作品は松竹がやりたかったのか、
山田監督がやりたかったのか。
いかにも松竹っぽく山田監督らしいので、キッカケが気になってしまう。

スタイルは山田監督の定番中の定番で昭和的。
何かがあった時になんかが起きるとルールが守られている。
よく分かんない表現ですね(笑)。
監督に詳しい方は納得してもらえるはずだ。

僕の本作の事前知識は主役が志村けんから沢田研二に変わったことと、
昔の映画を題材にした作品であることくらい。
(敬称略ですみません)
ある種、活況だった日本映画へのオマージュかと・・・。

確かにその要素は含まれるが、主張は微妙に違う。
そこは観て確認してもらいたい。

ネタバレにならないことでいえば、
主役の若かりし頃を菅田将暉が演じ、老いぼれを沢田研二が演じている。
相方の若かりし頃を永野芽衣が演じ、献身的な老婦を宮本信子が演じている。
超個人的な感想だが、若かりし頃の永野芽衣はメチャ可愛い。
あんな態度で接すれば誰でも惚れてしまう。

昭和の大女優を演じた北川景子が一目を置くのも理解できる。
ちなみに昭和の銀幕ヒロインを演じた北川景子も見事。
昭和30年前後の雰囲気を上手く醸し出している。

勝手な想像でいえばリリーフランキーが小津安二郎で北川景子が原節子か・・・。
それは僕の乏しい想像力でしかないが、そんなイメージがノスタルジックに僕を襲う。
よき日本映画を懐かしんでいるようにも思える。

往年の日本映画ファンならそれでいい。
年配者のみを観客とするのであれば問題ない。
しかし、本作にはこれから日本映画を支えるであろう
菅田将暉や永野芽衣が重要な役を演じている。

配給側は理解をしていると思うが、その客層を掴めているのか。
少々心配であったり・・・。

いい意味でも悪い意味でも本作は日本映画のこれまでとこれからを占う作品。
松竹が次世代の作り手をどう育てていくのか。
楽しみに待っていたい。

ブログを書いているうちに違う方向に向かった。
これは映画評といえるのか。
そのあたりはキネマの神様に聞いてもらいたい(笑)。