韓国映画は観るが韓国ドラマは観ない。
大した理由はない。
そこまで時間が取れないということ。
周りには映画は観ないがドラマは観る人は多い。
それだけ興味を引くストーリーなんだろう。
勝手な想像だが本作は韓国ドラマのような展開。
韓国映画にしては地味であり大袈裟な演出はない。
「冬のソナタ」で有名な恋愛ドラマの名手ユン・ソクホ監督なのが日本で公開された理由なのか。
ちなみに「冬のソナタ」は一度も観たことがない。
本作は大人の恋を描いている。
恋愛ものにさほど興味は示さないが、ごくまれに大人の純愛ドラマは惹かれることがある。
キュンとした気持ちにもなりたいと。
健全な中年男子の証かな。
主人公は表面的にはやたら明るくおせっかいの中年女性と
音楽家の御曹司と思われる不愛想な中年男性。
二人とも何らかの傷を抱えているのは容易に想像できる。
舞台は済州島。
韓国のリゾート地なのでいつもの韓国の景色とは違う。
ただリゾートっぽい派手さや賑やかさはなく静かな海と穏やかな空気が流れる。
その雰囲気が妙に映画にマッチする。
二人はふとしたことで出会い、音楽家らしくクラシックアルバムが溢れ、二人の仲は少しずつ進展する。
ざっと解説すればそんなところ。
そこから恋愛に発展するのか、そうじゃないのか。
これが大人の恋というのかは観て判断してもらいたい。
観る人によってはモヤモヤするし、観る人によっては心が洗われる。
感じたのは韓国の格差社会が反映されているということ。
そもそもクラシックはエリートが嗜む音楽と位置付けられる。
一般ピープルがクラシックという高尚な音楽を理解できない。
本作はそれを訴えているわけではないがそんなことを感じたり。
通常、韓国映画の恋愛ものであれば圧倒的な美男美女が出演する。
言い方は失礼だが、本作の主役2人は普通だ。
普通のオバサンとオジサン。
普通のオバサンという表現は主役キム・ジヨンファンには叱られるだろう。
全く知らない女優さんだが、表情はチャーミングだし好きなタイプでもある。
だからこそこんな物語が受け入れられるのかもしれない。
本作がどこまで上映されるか分からない。
レビューも少ない。
韓国恋愛ドラマファンは楽しめるだろうね。


