変な映画を観てしまった。
その表現は監督や関係者に失礼かもしれない。
自分の想像力が乏しいのか、シリーズの全体を理解していないからか、
僕にとっては変な映画だった。

作品の解説には
「行方不明になった修行者とその捜索を依頼された暗殺者が繰り広げる、
時空を超える壮大な追跡劇を描く」
「過去から現在、そして未来を駆けめぐる2人は、日本から地球、さらに宇宙へとたどり着く」
と書かれている。

勝手に主演の窪塚洋介と松田龍平が時空を超えてバトルするアクション度の高い作品と想像。
所詮、僕の想像力とはその程度で次元を超えることは到底難しい。
どこが過去で、どこが未来かも判断付かない。
今、どこにいるのかもよく分からなかった。

本作は呪術を使い人をコントロールする場面がよく見られる。
それを象徴するシーンがあるが、僕は何故か催眠術をかけられた。
肝心なシーンを見落としてしまった錯覚に陥った。
僕のような観客はいるんじゃないだろうか。

強烈な映像の意味が理解できないと催眠術をかけられてしまう。
実に巧みな戦術。
そうとも受け取れる。

監督は豊田利晃氏。
名前を知った監督だが過去の作品は観たことがない。
確認してみると覚せい剤取締法違反や銃砲刀剣類所持等取締法違反で逮捕歴がある。
あ~、それで知っていたんだ。
犯罪は犯罪として刑罰を受けなければならないが、
映画監督としての才能を否定するものではない。
むしろ突拍子もない行動をする人の方が感性は豊かだったする。
大体、有名監督はちょっとネジがずれている。

こんな監督だからこそ出演者に好かれるのかもしれない。
主演の2人もそうだろう。
気になったのが、野々花役芋生悠と助手役の祷キララ。
映画を観ながら「え~っと。どれに出てたっけ??」と考えていた。
芋生悠は「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」で、
祷キララは「サマーフィルムにのって」だった。
二作とも面白かったがマイナー作品なのでうっかりしていた。

そしてなんといっても千原ジュニア。
そのまんまの感じだが危険な宗教家は見事だった。

きっと観る人を選ぶ作品。
賛否も分かれる。
やはり、僕にとっては変な映画だった。