これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

大統領とハリウッド

先月、「バイス」を鑑賞し映画評論仲間と語り合ったが、その際に感じたのは自分の考えの浅さ。
アメリカの政治問題とオーバーラップさせながら観ている仲間に対して、
表面的にしか捉えていない。
また、知識も圧倒的に足りず、外国の政治情勢についても低次元だった。

大統領が登場する他の作品も話題になっていた。
そんな後に知ったのが本書。
たまたま日経新聞の書評欄で紹介されていたので、早速手に取った。

翻訳ではなく著者は大学の法学部の教授。
映画評論家ではない。
それも同志社大学の学長を務めた偉い方。
そんな方が映画を題材に本を著されること自体、興味深い。
映画コラムニストを自称する僕はその時点でタジタジになってしまう。

年代別に大統領とハリウッド映画の関係性が描かれているが、
それを読むだけでも歴史の勉強となる。
過去、観たことのある映画も結構紹介されている。
かなり忘れている面も多いが、
それを自分なりに繋げイメージすると民主党と共和党の特徴や、
その時々の政治的背景が何となく浮かび上がってくる。
そんなカッコいいものでもないな(笑)。

それにしてもハリウッドでは大統領を何らかの形で登場させる映画が多い。
それは実在する大統領も架空の大統領も・・・。
僕が印象に残っている「JFK」「J・エドガー」
「アルゴ」「ペンタゴン・ペーパーズ」などなど。

ニクソン大統領のようにボロクソに叩かれる大統領も少なくない。
大体は厳しく描かれている。
そう考えるとさすが自由の国。
寛容なんだろうか・・・。

それに比べて日本映画はどうか?
昭和初期まではともかく戦後の首相が描かれる映画は少ない。
戦後はほとんどないんじゃないか。
それは架空の存在も含めて。

僕が記憶があるのは「シン・ゴジラ」で
首相役の大杉漣氏が大した決断もできず、あっさりと事故死してしまうくらい。
存在感がある映画を観たことがない。

それは歴史が長い日本と短いアメリカとの差があるのかもしれない。
アメリカが1000年前の映画を作ろうとしてもそれは無理。
西部劇でも19世紀だ。
日本は古事記の時代から描ける。

しかし、そこが理由じゃないだろう。
不寛容な国であり、
映画にするほどスペクタクルな事件がないのが理由かもしれない。
本書を読みながらどうでもいいことを考えてしまった。

それだけハリウッドが際立っているのか。
本書を読んで新たな発見をした気がする。
これで映画を観ることの正当化もできた。
何事も勉強ですね(笑)。

映画「きっと、うまくいく」

誰かが言った。
「映画コラムニストを名乗る山田さん、『きっと、うまくいく』はどうでしたか?」
「あ~、インド映画ね。観ていないよ。」
「はっ、マジですか?映画コラムニスト失格ですね。」
「えっ、そうなの?」
「あの映画を観ずして映画コラムニストを語るなんて許しません。」

会話の内容が正しいかはともかく、誰かは強い口調で僕に言い放った。
それ以降、ずっと気になっていたが、機会がなかなか訪れなかった。

そんなさ中のゴールデンウイーク。
立場としては話題の「アベンジャーズ エンドゲーム」を観るべき。
周りの評判もいい。

しかし、映画コラムニストを名乗る僕はこのシリーズを一作も観ていない。
今さら最終章だけ観て、エラそうに語るわけにはいかない。
それこそ、その名が地に落ちてしまう。

ということはまず「きっと、うまくいく」を観ておくことが必要。
Amazonプライムをチェックすると本作はGW期間は100円で観ることが可能。
それはたまたま。
値段の安さが理由ではなく、映画コラムニストのプライドに賭けて本作を観ることにした。

5年ほどの前の作品と思っていたが、インドで公開されたのは10年前。
それなりのお国事情を反映させていたと想像できる。
それも含め大ヒット作品。

いや、しかし、誰かが言っていた通り。
このインド映画を観ていないのは、映画コラムニストとしての仕事を放棄しているのと同じ。
観ておくべき一本であると同時にインド映画の楽観性を示しているようなもの。

昨年観た「パッドマン 5億人の女性を救った男」の原点となるような作品。
170分という約3時間の長編作品だが、その長さは一切感じない。
クスっとした笑いとホロっとした感動と共に映画は小気味よく動いていく。
まさに躍動している。
ド派手なアクションやSFXの演出ではない。
僕らが最も大切にしなければならないことを躍動的に描いてる。

いやあ~、面白かった。
もっと早い時期に観ておくべきだった。
誰かさん、ありがとうございました。

映画は人をシアワセにしなければならない。
そのお手本のような作品だった。

映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

僕の今年の目標の一つに「歴史を学ぶ」という項目がある。
それは主に日本の歴史を知ることを意味したが、世界を知ることも必要。
目標通り活動しているわけだ。

映画の目標も年間30本のため着実に進捗している。
今日現在(4月23日)9本。
もう少しペースを上げた方がいいな・・・。

驚くのは9本のうち7本が洋画。
僕は基本的に日本映画ファン。
毎年、邦画の方が断然上回る。

それがどうだろう。
4月時点ではあるが、圧倒的に洋画が多い。
時間帯などスケジュールの問題も一部ある。
しかし、残念ながら今年に限っては洋画の方が惹かれるのだ。

ガンバレ!日本映画!
このままじゃマズいぞ!

そんな話がしたいわけではない。
本作品に触れなければならない。
舞台は16世紀のスコットランド。

1500年代後半なので、日本でいえば関ヶ原の合戦前。
戦国時代となる。
とてもそんな昔の話には思えない。
世界史に疎い僕が語るのは単純なイメージしかないが、1800年代の物語といってもおかしくない。
日本では女性が主役を張るのは難しい時代。
女城主直虎くらいか・・・(笑)。

それがスコットランド、イングランドでは圧倒的な女性の強さ。
男どもは召使いに過ぎない。
ここに登場する男も種馬としての扱いと頭もイマイチに酔っ払いだ。
イケメンではあるけどね。
そんな書き方をするとイギリスからお叱りを受けるかもしれないが、事実、そう描かれている。

そして、この国はいつも曇っている。
雲一つない晴天のシーンなんて出てこない。
その分、映画に重くのしかかる。
女王の権力や欲望が更にそれを押し付けるように・・・。

どんな国でも歴史上の人物が存在し、なんらかのターニングポイントで国の方向性を左右される。
それは戦略的で論理的であるかといえばそうでない。
大体は感情論に流される。

本作もその類。
客観的に判断すれば、いかがなものか?と懐疑的になるが、
現実の世界はそこに違和感はないはず。

やはり歴史を知ることは重要。
女王の衣装の身に付け方や入浴の仕方が当時のヒエラルキーを象徴する。
その逞しさも含めて・・・。

ドロドロしながらも意外と爽快感を感じるのも本作の魅力。
派手さはないが(衣装はあります)、時代を上手く反映する。

もう名古屋での公開も終えてしまうのだろうか・・・。

映画「あゝ、荒野」

大体においてボクシングを題材にした映画は暗い。
そして重い。
登場人物もまともなヤツは出てこない。
そのほとんどが過去を背負い病んでいる。

それは殴り合いを基本としたスポーツだからだろうか。
近い競技でも他は健全だ。
ボクシングだけが暗くて重い。
そんな気がする。

でも、僕はその世界に何故か惹かれる。
「キッズリターン」も「どついたるねん」も「百年の恋」も好きだ。
他にもあるが思い出せない。
映画じゃなくても「あしたのジョー」も好きだし、沢木耕太郎の「一瞬の夏」も好きだ。
実際の試合はほとんど観ないというのに・・・。

そんな点では本作は期待を裏切らない。
いや、期待以上。
間違いなく主役である新宿新次もバリカン健二も病んでいる。
そこがたまらなく愛おしく、吸い込まれていく。

前篇、後篇併せれば5時間を超える長い作品。
映画コラムニストを名乗り映画に対して一定の時間を作る身でも、
簡単に5時間を一つの作品に割くことはない。
それが本作ではその時間を惜しいとも思わず、ものの見事に奪われてしまった。
5時間の長さを感じることもなく・・・。

映画の原作は寺山修司氏。
そのせいか舞台は1970年代を匂わせる。
しかし、実際は2021~2022年と少しばかりの将来を描いている。
ドローンも飛んでいれば、憲法が改正され徴兵制も実施されようとしている。
舞台となる新宿もまさに現代。

だが、香りは1970年代。
そのギャップも本来人間が持つコンプレックスや反逆心らの感情が埋めてくれる。
人が欲する繋がりも・・・。

一昨年公開された映画だが、劇場で観ておくべきだったと猛烈に後悔。
あの暗い空間ならもっと感じることができたかもしれない。
そして、殴り合いも迫力があり魅力的。

菅田将暉扮する新宿新次もヤン・イクチュン扮するバリカン健二も完全にボクサー。
その殴り合いのシーンもそうだが、この2人の存在感には唸らされる。
「息もできない」のヤン・イクチュンとはまるで別人。
2人とも主演男優賞で問題ないだろう。

本作はR15指定。
それは映画を観れば納得できる。
その切ない女優陣の演技も感情を揺さぶり、見逃せない。

これが日本の正しいボクシング映画。
寺山修司氏の原作も読んでみる必要はあるな・・・。

コミュ障のための面接戦略

就活中の娘に渡したら、「失礼な!」と言われるかもしれない。
そんな大胆なタイトル。

「コミュ障」とは「コミュニケーション障害」のことで、
一般的には他者とうまくコミュニケーションが取れない人のことをいう。
著者の曽和さんも思い切った本を出したものだ。

就職活動する学生が60万人として、
そのうちコミュ障の方が5%だとするとそもそも読者ターゲットは3万人しかいない。
そのターゲットに対してどれだけ売れるというのか・・・。
曽和さんは売れることを想定していないのか(笑)。

あっ、そうそう、本書は自分で購入した一週間後、曽和さんが送ってくれた。
ありがとうございます。
タイミングが一週間早かったらよかったですね(笑)。

ターゲットがそもそも少ないようなことを書いたが、実際はそんなことはない。
一般の就活生が読んでも参考になるし、できれば企業の採用担当者にも読んでもらいたい。
きっと最初からターゲットにしていると思うけど・・・。

面接は僕も毎年行っている。
最終面接で学生さんと1対1のガチンコで1時間面接をする。
面接といっても面談に近いが、学生さんにしてみれば緊張を強いられる時間なのは間違いない。
面接する側として書かれていることは大体はクリアできているが、反省すべき点も多い。
そんな点では僕自身が本書を読んでいい勉強になった。
まだまだ面接官としてのスキルが足りないですね。

本書はこんなふうに袋とじになっている。

書店で立ち読みしても大事な部分は読めないわけだ。
イヤらしい大人はすぐに反応するが、不安を抱く就活生も反応してしまうだろう。
僕はこの破り方をミスし、他のページまで破ってしまった。
テープで修正したが、この後、会社の本棚に置かれることを考えるとちと恥ずかしい。

著者の曽和さんは企業向けの人事コンサルではあるが、ここはあくまでも学生目線。
そこには大きな愛を感じる。
あとがきにはこのようなことが書かれている。

昔、私がしてもらったことを、今度はまだ見ぬ誰かに「恩返し」ができればと。

これが本書を書いた理由のようだ。

ディスコさんの調査によれば、4月1日時点の内定率は26.4%。
この数字を聞いて愕然とした学生さんもいるだろう。
そんなことは何も気にしなくていい。
あくまでもアンケート結果にすぎない。
今、面接が上手くいっていなかったとしても落ち込む必要はない。

これからが本番。
本書も活用しながら、これからチャレンジしてもらいたい。
そう思うのだった。

映画「バイス」

アメリカの懐の深さを感じた作品。
実在の人物を描く場合、本人が亡くなった後に作られるケースが多い。
それはその人物に対する遠慮もあるだろうし、誤解も生む。

しかし、本作はそんなことにお構いなし。
ここに登場する人物のほとんどはまだ健在。
最近だと映画「ソーシャルネットワーク」でマーク・ザッカーバーグ氏を
面白おかしく描いていたが、本作の舞台は政治。
政治家を否定するのは簡単ではないと思うのが一般的。
だが、そんなことは関係ないようだ。

自由の国アメリカを象徴し、あ、映画もね、表現の自由も当然にように許されている。
同様の映画を日本国内で制作するのは難しいだろう。
どこかから圧力も掛かりそうなものだ。

僕はアメリカの政治には疎い。
(日本の政治にも疎いけど・・・。)
その点では大いに勉強になるし、最近のアメリカを知るにはうってつけ。

それでもブッシュ元大統領やパウエル氏はリアルタイムで見ているので、
その描き方には唸らされてしまう。
同時に笑わせてくれる。
僕がブッシュ氏だったら、絶対にクレームをつけ公開中止にするだろう。
それだけでもこの作品は観る価値がある。なかなか衝撃的。

ジャンルでいえば社会派ドラマ。
昨年公開された「ペンタゴン・ペーパーズ」の部類だが、それとは180度異なる。
ウイットに富み、コメディーの要素もある。

そして、なんといっても実在の人物を演じる役者のソックリ度。
ブッシュ氏やパウエル氏の役にも感動するが、
当時の副大統領ディック・チェイニー役を演じたクリスチャン・ベールはさらに感動もの。
とてもバットマンとは思えない。
年齢の積み重ね方も含め、役者魂を感じざるを得ない。
お見事!

実はこの作品、50歳を過ぎたオジサン3人が映画館で仲良く並んで鑑賞。
男3人で映画を観るなんて、僕の人生で初めてのこと。
映画評論仲間である(いつからそんな仲間が・・・笑)
ヤブさんとコヤマさんと一緒に観たのだ。

わざわざ滋賀と東京から名古屋に駆け付けてもらい、
鑑賞後はお酒を飲みながら映画を語り合うという初めての企画。
これがとても楽しかった。

本作の感想もそうだが、最近観た映画などいろんな映画について語り合った。
他の分野にも話は飛んでいくが、結局は映画に話は戻り花を咲かせる。
ヤブさんもコヤマさんも年間50本は映画を観る。
ちゃんと映画館で・・・。
僕はせいぜい30本。

それだけでも凄いと感じるが、その造詣の深さには素直に尊敬。
映画コラムニストを語る自分が少々恥ずかしい。
ただこのような時間を共有できるのはありがたいこと。
今後も定期的にこんな会を行っていく予定。

映画は作品以外にも多くのことを教えてくれる。
あらためて映画に感謝ですね。

仕事と心の流儀

丹羽宇一郎氏の著書は結構読んでいる。
拝聴した講演を含めこのブログでも4本書いている。
少し前の著書だと「危機を突破する力」

当時のブログを読むと理解できるが、基本的に丹羽氏の言われることはいつも同じ。
本書も目新しい内容ではなく、以前読んだ著書の内容に近い。

本来は作家ではなく経営者。
そんな方が本を書くと同じような中身になってしまうのはやむを得ない。
出口さんも同じだし・・・(笑)。

それでも構わない。
僕は丹羽氏は尊敬する経営者の一人だし、その堂々とした生き方は理想的な存在。
多分、同じようなことが書かれているだろうと予測しながら、つい購入してしまった。

ある意味、期待は裏切らなかった(笑)。
ただ自分の立場として勇気づけられるし、
大切にしなければならないのは何なのかを再認識させられる。
そして、本書は目線の高さも求められる。
それは僕らのような経営者やリーダーだけではない。
企業で働くすべてが対象になっているように思える。

読み進めながら、むしろ若手に社会での生き方、働き方、考え方を問うているとも感じた。
働き方改革が進む中で、辛い仕事とか、がむしゃらに頑張ることが減っているのが現状。
それで世の中が、企業が、大袈裟に言えば日本が上手く立ち回れればいい。
果たしてそんなに都合よくいくのだろうか。
時々、不安に陥る時がある。

それは僕が逆境の中で成長したんじゃないかという実感から言えること。
大きなお世話なのかもしれない。
そんな状況に陥れば、自分たちで立ち向かっていく力を見せていけばいいだけのこと。
意外としぶとさや忍耐力を持っているのかもしれない。

ただそれには基礎体力もいるし、それなりの経験も必要。
大きなお世話だがそんなことも考えてしまう。
そんな想いを丹羽氏はストレートに表現し、ハッパを掛けている。

読み手によっては年寄りのお節介と思ってしまうかもしれないが、
世の若手にも読んでもらいたい。
もちろん、うちのメンバーにも・・・。

これまでの作品と違うのはAIについて触れていたことかな。
丹羽氏らしいAIの捉え方だと思うけど・・・。

「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール

3月1日に採用活動が解禁となり、会社説明会を開催する企業は多い。
中には思うように学生を集客できず、頭を悩ませる採用担当者も多いはず。
すでにエントリーシートの受付を始め選考を開始した企業もあるだろう。

いやいや、ディスコさんの調査によれば3月1日時点での内定率は13.9%。
すでに多くの企業が内定を提示しているのが実態。
売り手市場が継続する中で焦るのは採用担当者ばかりなのかもしれない。

担当者の中には従来の採用手法に縛られ、「採用の常識」を信じきった方も多いはず。
今の現状に戸惑いながら・・・。

そんな方には参考になる1冊。
それだけではない。
順調に母集団形成ができている企業(その表現も良くないね…)の担当者も
これから採用活動を行う担当者も読むべき一冊だろう。

それは僕が著者の釘崎さん(株式会社パフ社長)や伊達さん(株式会社ビジネスリサーチラボ社長)と
懇意にさせてもらっているのが理由ではない。
ほんの少しだけそんな理由はあるかもしれないが(笑)、
ここに書かれていることに激しく共感するからだ。

エントリーシートのあり方や志望動機の必要性も含め一見大事なツールに思えるが、
本当にそこまで重要なのかと疑問になることは多い。
そこにキッパリ、ハッキリと言及している。

それは学生の味方になることを意味しているのではなく、
双方にとって本当のメリットを提示しているのだ。
就職関連の書籍は学生のテクニックや企業側のハウツーを示したものが多い。
それはそれで意味はあるが、それでは偏った見方になるのではないか。

本書は採用担当者向けに書かれてはいるが、双方の立場を公平に捉えている。
その点でも好感が持てる。
本来はどちらが偉いわけでもなく対等でなければならない。

そして、釘崎さんはこんなカッコいいことも言う。
「内定者フォローは『未来の人材』に対しての投資」
普段、呑気にギターを弾いているオジサンとはとても思えない(笑)。

本書を読んだからといって最高の人材が採用できるとは限らない。
実践するも最初から上手くいかないことはあるだろう。
しかし、その一つ一つの工程を積み上げることで確実に採用力は向上するはずだ。

それは採用支援をする我々にもいえること。
これはうちのメンバーの必読書にもなるだろう。
全従業員分を購入するかな・・・。

それはともかくとして、新しい常識を僕らはしっかりと理解しておかなければならない。

映画「運び屋」

クリントイーストウッドはどこまで進化を続けるのか?。
それは最新の映像技術を駆使することでも、斬新な演出をすることでもない。
本作は実にオーソドックスな作品。

でも、僕は唸ってしまう。
クリントイーストウッドの進化に唸ってしまうのだ。

これをネタバレをせずに語れという方が難しい。
僕はこの作品をどう語ればいいのか・・・。
そんなくだらない悩みをこの監督は僕にもたらせてくる。
だったら観なければいいのに、僕は公開初日の午前中に鑑賞した。

映画の主役(本人)は90歳の役。
実際のクリントイーストウッドは88歳。
実話を基に作られた映画だが、
これは自分自身に対しての自戒を込めた作品ではないだろうか。

そう考えるのは僕だけかもしれないが、そんなふうに思ってしまった。
理由のひとつが自分も本作の主役であるアール・ストーンと
同じような人生を歩みそうな気がするからだ。
自分勝手な行動を反省しつつも、外面を気にして見栄を張り、
周りに利用されながらもうまく利用していく。
駆け引きも巧みだ。

老いだけが自分の無力さに繋がっていく。
ブザマな愛情表現も切なく笑いも誘う。
僕はなぜか自分をオーバーラップさせながら映画と一体化していった。

決して許されることではない。
犯罪であるのも事実。
そして、ただのワガママ爺の話だ。

しかし、誰もがこのアールの存在に惹き込まれ、
愛すべき爺さんに頷いて映画を終えることになる。
これは全て計算されているのであろうか。
やはりクリントイーストウッドは進化しているのだ。

昨年の「15時17分、パリ行き」
2年前の「ハドソン川の奇跡」
4年前の「アメリカン・スナイパー」
1~2年ごとに映画を撮るパワーはどこから生まれるのだろう。
次の作品は90歳になった時か・・・。

経営者にしても映画監督にしてもピークを過ぎれば下降線をたどる。
通常であれば遅くとも70代でピークを過ぎるはず。
この監督はまだピークを迎えないのか。
この先も期待してしまうのは間違っているのだろうか。

右脳思考

僕はずっと右脳に頼って生きてきた。
多分、30代半ばまでは右脳頼みの仕事や生活をしてきた。
会社での役割が増え責任が重くなってきた時に自分の説得力のなさに気づき始めた。
特に上司にはケチョンケチョンに言われたと思う。

「論理が破綻している・・・」
そんな罵声を浴びて、ようやくヤバいと思い始めた。
そこから結構勉強し始めた。
グロービスの「クリティカルシンキング」に通い、論理的に考える力を一から鍛えた。
優秀なレベルには届かないが、一応は論理的に説明をしたり、考えたりすることもできるようになった。

これで万全!と思ったが、世の中そんな単純ではない。
論理的に正しくても相手側が共感するかといえば、そうではない。
力でねじ伏せることはできてもその想いは違った。
まさに本書に書かれていることである。

また、論理的に正しくてもビジネスで成功する、売上が格段に伸びることでもなかった。
世の中そんなに甘くはないのだ。
それに気づいたからではないが、
もっと感覚を大切にしよう、もっと自由な発想を持とうとも思った。
それは間違いではないと思う。

論理的ばかりであるとつまらないし、息も詰まる。
もちろん感や勘だけではリスクがあるので、一方でその思考は必要。

右脳だけでは危険。
それでは以前の僕と変わらないということ。
ただの思いつきで喋る愚か者でしかない。

どううまく使いこなすか、使い分けるか・・・。
本書はそれを分かりやすく著してある。

やっぱり、そうなのか・・・。
僕が思っていたことはあながち間違いではない。
右脳→左脳→右脳。
この順番が正しいというわけだ。

きっとこれだけでは分からないだろう。
だから本書を読む必要もある。
結局は両方鍛えなきゃならない。

しかし、ロジカルシンキングを鍛えるための本やスクールはあっても、
感や勘を鍛えるところはあまりない。
マッピーくらいかな・・・(笑)。
となると本能の赴くままだけでなく、自分で意図的に使わねばならない。

①観察する
②感じ取る
③勘を働かせる

この3つをグルグル回さないと・・・。
これからのリーダーや経営者にはより「右脳思考」が求められる。

求められるものが多すぎて、困ってしまうな。
う~む。
右脳を鍛えるために映画でも観に行くかな・・・。