これからも前向きに 名大社会長ブログ

「ハゲタカ」での検索結果(67件):

ブランディングは中小企業を救う!

最近、愚か者本部の活躍が目覚ましい。
メンバーが相次いで書籍を出版しているのだ。

少し前は名誉本部長である釘崎さんがこの2冊。
『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』や『採用力検定 公式テキスト』。

そして、この8月末に副本部長の櫻山さんが本書を出版。
出版早々、アマゾンでは品切れでかなりの売れ行きのよう。
いずれも愚か者本部の責任者である本部長を差し置いて先生になってしまった。

一体何の話をしているんだ!という方も多いだろう。
愚か者本部の活動は割愛するが、それだけ有能なメンバーで構成されているのは理解できるはず。
本部長には一向に声は掛からないが、知らん顔をしておこう。

そんな前置きはどうでもいい。

著者の櫻山さんとの出会いは8年前。
経営塾で櫻山さんが講演されたのがきっかけ。
その時のブログはこちら

共通の知人もあり、そこから意気投合し一緒にいろんなことを仕掛けるようになった。
同級生というのも大きい。
「ハゲタカ鑑賞会」とか「古事記の会」とか、仕事か遊びか分からない企画もあるが、
ここ数年はマジメに「名古屋ファミリービジネス研究会」を立ち上げ、
パートナーとして一緒に企画・運営をしてきた。

本書でも触れているが、櫻山さんはブランディングの講師として、
ファミリービジネスにおけるブランドの在り方を分かりやすく語られてきた。
僕はこの研究会でも、櫻山さんのセミナーでも幾度となく話は伺っている。

僕の頭が貧弱なせいもあるが、その都度、新しい発見もあり、いい学びを頂いている。
常に新しい情報も盛り込み、最近のブランディングの傾向から不変のテーマまで幅広く話をされる。
このブログでも何度も紹介しているので、時間のある方は検索してもらいたい。

そんな意味でいえば、本書は櫻山さんがこれまで提供してきた内容を一冊に凝縮させたもの。
伝えたいことが全て詰まっているといえる。

本書は啓蒙だけに留まらない。
実際にブランディングに成功した地元の中小企業も登場し、その重要性を明かしている。
名大社がお世話になるクライアントも堂々とした態度で・・・。

基本的には企業のブランディングを説いているが、僕は自身のブランディングにも触れていると感じた。
櫻山さん自身のブランディングのための行動も全公開。
大体のことは知っているつもりだが、そこに書かれている「習慣」は並大抵のことではない。

本人にとっては必要不可欠なルーティンだが、それを真似るのは難しい。
個人のブランディングとして学ぶべき点も多い。
本当に愚かなのは本部長だけなのかもしれないね(笑)。

幸い今週は2人でサシ飲みの機会もある。
本書が酒の肴になることも多いだろう。

その時に伺ってみたいのは「mini Think Week」。
本当は「Think Week」として一週間くらい世間から離れ、考える一週間を設けたい。
現実的にはそれは難しいので、近々「mini Think Week」は設けたい。

そんな話もできるといい。
グデグデになって愚か者にならなきゃいいけど・・・。

中小企業の経営者だけでなく、自分をブランド化させたい個人にもおススメしたい1冊。
ぜひ!

中延さんを想う

一昨日、俳優の志賀廣太郎さんが亡くなられた。
享年71歳。
脇を固める役者さんとしては欠くことのできない存在。
いろんなドラマや映画で活躍されていた。
ご冥福をお祈りします。

僕も多くのドラマで志賀さんの演技を見ていたが、
脇役であるにも関わらず、渋い声や表情では存在感が際立っていた。
ドラマ「陸王」の富島専務役も良かったが、
僕が印象深いのはドラマ「ハゲタカ」の中延五郎役。
かなりマニアックな話になってしまうが、お付き合いいただきたい。

「ハゲタカ」は2007年のNHKのドラマで僕がドラマ史上最も愛する作品。
DVDも持っているし、ハゲタカ鑑賞会なるものを企画しハゲタカフリークの仲間と論じたりもした。
このブログでも何度となく取り上げている。

ただこの中延さんの存在については触れたことはない。
ハゲタカファンなら理解できると思うが、中延さんは主役である鷲津政彦が一番信頼していた幹部。
番頭的な役割も果たし、鷲津の苦労を一番理解していた側近。
ドラマの中では2人の会話のシーンは決して多くはないが、
そのやりとりから信頼関係は十分に感じ取ることができる。

鷲津がテクスンに向かう際のエレベーターでの会話。
ラストシーンで車から降りる際の頷き。
2人に関係性を思わせるシーンが頭をよぎる。

その中でも僕が一番記憶に残っているシーンがこれ。

(第5回 ホワイトナイト)
鷲津がホライズン社を解雇され、行方知れずになった際、キャスター三島由香が尋ねるシーン。

「鷲津さんがテクスンと接触を持ったのは理由があるんです。それはあなたですよ。」

中延さんは全てを掌握し、鷲津の考えや気持ちや葛藤を理解していた。
有能な番頭であることを証明している。
彼がいたおかげで、この後、鷲津は復活し、ハードなバイアウトを成立させた。

救世主にも思える芝野健夫はワチャワチャと周りを騒がしていたにすぎない。
芝野ファンに叱られますね。すみません(笑)。
彼のような存在がいてくれたら、どの企業の社長も安心して仕事に邁進できるだろう。
完全無欠の役柄だった。

一部の人にしか分からないブログになってしまったが、
ここは志賀廣太郎さんの貢献度を少しでも理解してもらいたいと思い・・・。

素晴らしい演技をありがとうございました。

映画「1917 命をかけた伝令」

新型コロナウイルスは映画館にも大きな影響を与えている。
しっかりとマスクをして劇場内に入ると他に観客はいない。
これまでは少なくても1~2人の観客はいたのだが、今回は本当に僕だけ。
完全に貸し切りだった。
マスクの必要がないじゃないか・・・。

誰も知らないマイナー作品ならともかく、アカデミー賞にもノミネートされた話題作。
その作品をたった一人で観るとは・・・。
普段なら仕事終わりのサラリーマンやOLが多いと思うのだが。

理解はできるが、う~む、ここまでくるとさすがにね。
前向きに捉えていえば、誰にも邪魔されず、前後左右を気にすることもなく
優雅な気持ちで観れたということにしておこう。

話題の本作、見どころはてんこ盛り。
あれもこれも語りたくなる。
その中で注目すべきは全編ワンカット。

ここばかり注意して観ると肝心なストーリーが疎かになってしまう。
でもカメラが前にいき、後ろに回り、
いつの間にか遠巻きに捉える映像を見逃すわけにはいかない。
実際は先端の映像技術を駆使しているんだろうが、それだけでも感動ものであるのは間違いない。
そのチャレンジだけでも評価すべきなんだろう。

途中、主人公が気絶するので、何時間かはカットされているが、
あとは時間の経過とともに流れていく。
そこをよく考えてみるといい。

ワンカットということは時間とストーリーは同時進行。
本作の上映時間は119分。
ほぼ2時間。
であれば、ストーリーも2時間で完結するはず。

しかし、そうはならない。
少なくとも数日間を描いているのだ。
あきらか矛盾しているが、映画の迫力からすれば些細なこと。
戦争の悲惨さやむなしさを主人公の視線から感じ取る方が重要。
時に驚かされるシーンがあり、体が反応し声も上げてしまった。

それにしても主人公のスコフィールド上等兵は強いし運がいい。
そして、足が速い。疲れない。
あんな状況だったら、絶対死んでいるはずだ。

だが、死なない。
死ねない理由は明確。
任務以外のことにある。
支えてくれる存在はいつも変わらない。
その大切さを教えてもくれる。
守らなきゃいけないんだ・・。

それにしても過酷で報われない仕事。
ハゲタカの芝野健夫だったら必ず言うだろう。
「これがオレの仕事か?」
と・・・。
僕にもできないけどね。

それも教えてくれるのも映画。
早く安心して観れる環境が戻ってくれるといいけどね。

映画「ラストレター」

もうこの年齢になると恋愛映画は響かないと思っていた。
10代、20代の頃はトキメイテいた映画も今やすっかり・・・。
だから、本作に対しては僕自身の自信がなかった。
この映画を感じ取ることができるかどうかと・・・。

それは杞憂に終わった。
上映中の2時間、僕は喜んだり悲しんだり涙したりと気持ちが揺り動かされていた。
そして、気づいた。
僕はまだ恋愛映画を観る感性を持ち合わせていると。

しかし、その感性はすべてに通用するわけもなく、
ごく限られた作品にあることも同時に気づいた。
この先も滅多に出会うことはないと・・・。
そう考えると本作を観れたことは幸運。
松たか子も広瀬すずも話題の森七菜もトキメキの存在だった。

ネタバレしない程度でいえば、手紙を通じて過去と現在がシンクロし、
その対象となる人物もシンクロし、巧みにストーリーは展開される。
観る者はドキドキしながらその過去と現在を追っかける。

広瀬すずと森七菜の可愛らしさと松たか子の安心感にも心が躍るから不思議だ。
この作品を機に森七菜はブレイクするだろう。
それは24年前に公開された「Love Letter」で輝きを放った酒井美紀のように。
映画はかなり忘れたが、彼女の印象は今でも残っていて、個人的には中山美穂よりも強かった。
そこにもトキメイた。

「Love Letter」で主演した中山美穂やトヨエツの本作でのやつれ具合もよかった。
狙っていたとしか思えないけど(笑)。

しばらく余韻を感じながらも本作を振り返ってみるとツッコミどころは多い。
福山は女々し過ぎるとか、美咲(広瀬すずの母親)はなぜダメ男に惹かれたのか等。
それを上回る魅力があるからいいんだけど・・・。

その中で僕は娘役である広瀬すずの発した言葉に涙した。
それはドラマ「ハゲタカ第5話」のリー会長の言葉と同じ。
感動した。
この両方を分かる方は相当な方ですね(笑)。
人には捨てられない何かがあるのだ。

そして、最後に思ったこと。
監督岩井俊二も福山雅治もズルい。
絶対、美味しいところを持っていく。
世の女性はこの作家と役者にフラフラにさせられる。

なんということか・・・。
岩井俊二なんてトヨエツと同じで大して仕事していないじゃないか。

すいません。
言い過ぎでした。
モテない男のやっかみですね。

中年男子が一人で鑑賞するのはいかがかと思うが、
たまにはこの類の映画を観て若かりし頃を思い出すのもいい。
いつまでも大切にしていたい感性ですね。

映画の中のキャリアデザイン 2

先週土曜は学習院大学。
前回のブログも書いた「映画の中のキャリアデザイン」の3回、4回のクラス。

目白にある学習院大学の雰囲気や佇まい、広いキャンパスがとてもいい。

帰宅後、受験生の息子に「大学は学習院に行け!」と言ってしまった。
かなりハードルは高いだろうね(笑)。

今回も授業によって先生が変わり、その視点も持ち味があるので楽しむことができる。
3回目の題材は「プラダを着た悪魔」。
有名な作品だが僕は観ていない。
5~6年前の作品と思っていたが、13年前に公開されていた。
この作品でアン・ハサウェイが有名になったのかな?。

ストーリーも面白いのだが、クラスとして学ぶべきは会社や仕事への目的意識。
主人公のアンドレアがなぜファッション雑誌の秘書という仕事に就き、
どうスキルを磨いていくのか、仕事への価値観の変化はあるのか、
そんなことを映画の中から学ぶ。

国内の離職率の変化や長期雇用への期待と絡ませながら、キャリアについて考える。
一緒に受講したパフ釘崎社長のブログに比べるとかなり高尚なブログになってしまった(笑)。

4回目はつい先日観た「マイレージ、マイライフ」が題材。
梅崎教授が言われるようにこの邦画タイトルはヒドい。
原題は「UP IN THE AIR」。

影も形もないタイトル。
まあ、分かりやすいといえば分かりやすいが、タイトルが違うだけで本来のメッセージも変わる。
リストラをテーマにした面があったため、その部分にフォーカスするかと思ったがそうではなく、
主人公ライアンのキャリア観についてがメイン。

ここではセルフヘルプ(自律)の存在としてライアンが描かれ、理想と空虚と葛藤のつながりを観ていく。
なるほど、そんな視点なのね。
映画を観ている時はさほど感じなかったことが、
教授の話を伺いながらそのシーンを思い浮かべると納得感は高い。

映画をもっと深く深く観なきゃいけないってこと。
それは1回では無理。
ドラマ「ハゲタカ」の勉強会でいろんな話ができるのも、
それはハゲタカを何度も観ているから言えるだけのこと。

ひとつの作品から学ぼうと思えば、セリフの意味を考え、人の行動原理も理解しないと難しい。
あ~、面白かった・・・。
と単純に感想を言うだけでは意味がない。

終了後は前回のようなお菓子とジュースではなく、居酒屋で懇親会。
釘崎さんとも一緒に楽しい時間を共有。
真面目な学びも必要だが、このような趣味を生かした学びも時には必要。
名古屋でもあればぜひ参加したい。

僕も単なる映画コラムニストではなく、
キャリアを語れる映画コラムニストとして活躍の場を広げていこう(笑)。
クラスでは日本映画の紹介がなかったので、僕は日本映画を題材にし、
キャリアと映画を結び付ける存在になっていこう。

おっ、将来のやるべき仕事が見つかったかも。
ライフワークになったりして・・・。

それはさておき、いい勉強になりました。
お疲れ様でした。

さらば、CAVERN

一昨日、打合せをしていたオガワが
「全然関係ない話をしてもいいですか?」
といきなり言ってきた。

「どうした?」
「CAVERNさんが4月末で閉店になるそうです。」
「えっ、ほんと?」
そんな会話がなされた。

オガワのクライアントがオーナーの中村さんと同級生ということもあり、それを教えてくれた。
ちゃんとした情報ルートを持っているじゃないか。
なかなか、やるじゃないか。

CAVERNさんというのは2年半前までオフィスのあった丸の内の近くにあったビアホール。
当時は昼も夜も頻繁に顔を出していた。
いろんな思い出のつまったお店でもある。
ブログも何度となく登場している。

円頓寺の夜
食べ物のはなし ほうれん草とアサリのカレー
名大社 忘年会2014
シアワセすぎる忘年会ウィーク

会社を移転した日の懇親会から始まり、会社の忘年会、
ハゲタカ鑑賞会の打ち上げなど、いろんな場で利用させてもらった。

ここで飲ませてくれるビールも美味しくつい飲み過ぎてしまう。
レーベンブロイ、サッポロ生、エビス黒、ギネスなど生ビールの種類も豊富だった。
おかげでオーナーの中村さんともいろんな話をさせてもらい、大学の先輩というのも判明したり・・・。

そんな感謝すべきお店なのに、伏見に移転してからは完全に不義理にしていた。
その周辺に行く用事がなかったのが理由だが、夜は一度も顔を出さなかった。
このままではいけない。
昨日は予定もなかったので、ミズタニとオガワとで顔を出させてもらった。

途中からしばしばこのお店でご一緒した愚か者本部副本部長櫻山さんも駆けつけてくれた。
最近はめっきりビールの量は減ってきたが、
(ほかのお酒は飲んでます・・・)
ここではビールばかり飲んでしまう。

やはり美味いのだ。
せっかくなのでトイレの写真も記念に一枚アップしておこう(笑)。

2年半もお邪魔していないくせに、ここがなくなるのはかなり寂しい。
今更ながらもっと顔を出すべきだったと後悔・・・。

中村さんと話をさせてもらうと今は違う場所でお店を探しているという。
「伏見に出しますよ~。」
なんて冗談かホントか分からないが、会社の近くであれば嬉しい。

丸の内時代に多くの思い出を残してくれたCAVERN。
僕の社長としてのスタートはここから始まったといっても言い過ぎではないだろう。

CAVERNさん、中村さん、今まで本当にありがとうございました。
そして、次にお会いできる時を楽しみにしています!

映画「翔んで埼玉」

よくもまあ、こんなふざけた映画を一流どころの役者が真剣に演じているもんだ・・・
というのが僕の素直な感想。
本作に出演する役者陣は豪華。
二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介ら主役級も堂々とバカをやっている。

バカをやっているんじゃないな。
映画の中で自分たちの正義を貫いている。
そこは真剣そのもの。
この映画に関わることがそれだけ価値があるということか・・・。

東京都知事役の中尾彬氏はドラマ「ハゲタカ」の飯島常務を思い出してしまった。
クルミを触っているシーンなんかは
「そのリーク、握りつぶせ!」
と言っているに近かった。
マニアックすぎるか・・・。

この映画タイトルを聞いて、まず頭に浮かんだのが「なぜか埼玉」という歌。
確か中学生の頃に密かに流行っていた。
その当時、埼玉県なんて地図で見るくらいで、行ったこともなければ行きたいとも思わない土地。
どこが名所かも全く知らなかった。

今もどこか名所かは知らない。
そもそも埼玉って、行ったことあったっけ?。
いや、今もない。
通り過ぎたことぐらいあるかと思ったが、多分、通り過ぎてもいない。

千葉県はディズニーランドにも行ったし、イオン本社もお邪魔した。
そんな点では千葉の勝ちかな(笑)。
と関係ない方向に進んでいったが、映画はまさに埼玉と千葉の戦い。
そこに群馬が絡んでくる。

東海地区の人間からすれば全然イメージできない。
その優劣も分からない。
春日部のヒエラルキーも知らない。
関東地区の人から見れば、岐阜県と三重県が戦っているようなものだろう。

岐阜県で生まれ育った者としては心境は埼玉に近い。
岐阜県には海がない。
必然的に海に憧れる気持ちは分かる。
老後は沖縄に住みたいとか、旅行はやはり海側がいいと思うのは、
その育った環境が無意識に影響しているのだろう。

いかん、いかん、映画の中身に何一つ触れていない。

僕はこれでも映画は社会派ドラマが好きだ。
アクションものでもダークナイトような影のある作品が好きだ。

でも、たまにはこうしたノーテンキな作品を観るのもいい。
時間的な余裕があり、何も考えることなく、無邪気に楽しめる作品をたまには観るべき。

きっと二階堂ふみにしても伊勢谷友介にしても本作を自分の代表作とは言わないだろう。
しかし、愛すべき作品だとはいいそうだ。
その過剰な演技をみるとそんな愛がこちらにも伝わってくる。

何が面白かったか。
全編笑える作品だが、エンディングのはなわが歌う「埼玉県のうた」が一番面白かった。
それにしてもこれを観た埼玉県人は怒らないのかな?。
明日のFネット例会で出身者に聞いてみたいと思う(笑)。

映画「七つの会議」

誤解を恐れずにいおう。
この映画に登場する人物はほとんど仕事をしていない。
実際は時間に追われ、上司に叱責を受け、
忙しそうにしているがはっきり言って仕事はしていない。

それはあくまでも僕が思うこと。
一部の大企業に勤める人は「いやいや、メチャ仕事してるぞ。」
と反論するかもしれないが、これは仕事ではない。

これが仕事として正当化されるなら日本の生産性は低いに決まっている。
ドラマハゲタカのキャスター三島由香なら
「あなたたち、一体、何をやってるんですか!!」と叫ぶはず。
あちこちで不毛な戦いが行われている。
そんな映画だ。

こう書くと本作を批判しているように聞こえるがそうではない。
以前、小説の書評をアップした時も同じようなことを言っていた。
その時に書いた6年前のブログはこちら

僕は公開2日目に本作を観たのだが、映画館はほぼ満席。
先日まで放送された「下町ロケット」の影響も大きいとは思う。
しかし、あのドラマの爽快感や仕事への熱い想いは感じることはない。

感じるのは会社の闇。
絶望的な気持ちにもなる。
それは本作の狙いでもあるし、映画の面白さでもある。

実際に次から次へと進む展開に観る者は飽きることなく、映画に吸い込まれていく。
そして、自分をOL役の浜本優衣にオーバーラップさせる。
映画のカギを握る浜本優衣を演じるのは朝倉あきさん。

まだ有名ではないと思うが、池井戸作品が好きな人は気づくはず。
ドラマ「下町ロケット」でエンジニア加納アキ役の女優さん。
確かに可愛らしい。

きっと福澤監督のお気に入りなんだろう。
その関係でいえば、この映画には池井戸ドラマに出演した役者がいやという程、登場する。
片岡愛之助から役所広司まで(笑)。
阿部ちゃんはいないけどね。
そんな中でも、やっぱり、香川照之は流石だね。
でも、あんな生き方はイヤだなあ~。

そして、ここで登場する経営者にはなりたくない。
自己保身の塊じゃないか。

そんな意味でも、サラリーマンにも経営者にも観てもらいたい映画である。

下町ロケット ゴースト

「ガウディ計画」を読み、その勢いでこの最新作も読んでしまった。
圧倒的にこれから読む方が多いと思うので、
内容にあまり触れないように紹介したい。
そんな表現力が僕にあるのかな(笑)。

面白いように佃製作所には難問が訪れる。
一般的な中小企業の製造業って、
もっと地道に静かに業務をこなしていくはと思うが、ここでは180度異なる。
小説だから当たり前か。

本書のカギは特定の個人。
今までの池井戸作品は個人よりも巨大組織が相手。
その組織の中の個人を描くケースが多かったと思うが、
今回はより個人がクローズアップされる。
それもなんかイヤらしい感じで・・・。

それをバッタバッタ切り倒していければいいのだが、
そうなっていくのは相当ストーリーが進んでから。
いつものように立場は弱く、もがいてばかり。

それが今回は佃製作所に限らない。
別の中小企業も対象。
そんな意味では本書の主役は佃製作所ではなくもう一つの企業になる。

そして、ここからはあくまでも僕の推測。
本書には間違いなく続編があり、そこで佃製作所が再び主役の座を取り戻す。
な~んとなく予想できなくもないが、その予想は裏切られるだろう。

前回のTVドラマで「ガウディ計画」がドラマの進行と同時に発売されたのと同じで、
この続編も秋から始まるドラマのどこかのタイミングで発売されるだろう。
TV局と出版社がコラボした巧みなマーケティングと言えるかもしれない。
全く違っていたとしたらごめんなさい。
単なる妄想と受け止めて欲しい。

本書を読んで、改めて理解できたこと。
小説は電子版が向いている。
一方でビジネス書は線を引いたり折り曲げたり、
後で振り返ったりすると電子版はまだまだ不向き。
僕の集中力が足りないだけかもしれないが、
ビジネス書はどうしても記憶に残りにくい。
その点、読み切りの小説はいい。

きっとこの続編も発売された途端にkindleでダウンロードしてしまうんだろうなあ。
その前にハゲタカの続編「シンドローム」を読むことになるんだけど・・・。

下町ロケット ガウディ計画

何を今さらと思われるかもしれない。
最近、第3弾「下町ロケット ゴースト」が
出版されたタイミングで第2弾の本書を読み終えた。

下町ロケットのことをブログに書いたのは6年前。
当時のブログを読み返しても相当感動したことがわかる。
また、立て続けに「空飛ぶタイヤ」を観て、その感動に引きずられたのも読もうと思った理由。
やはり単純な性格だ。

この「ガウディ計画」はすでにドラマ化され、それも観ているので
原作も今さらな感じだがつい読んでしまった。
いつものパターンなら原作を読んでドラマや映画を観るというのに・・・。

通常、小説を読む場合はその登場人物が勝手に頭の中でイメージされていくのだが、
ドラマを観た後に原作を読むとドラマの登場人物がそのまま頭の中にイメージされる。
サヤマ製作所の椎名社長は小泉孝太郎が頭に浮かぶし、
貴船教授は世良公則が、一村教授は今田耕司が頭に浮かぶ。
不思議なもので上手く操られている感じだ。

それにしても今思えばこのキャスティングは凄い。
普通のドラマなら考えにくい配役。
世良公則の悪役なんて想像しにくいが、このドラマでははまり役。
そんな点でもこのドラマは面白かった。

最近、友人との会話ではTBSの一連の池井戸作品と
7月からスタートしたテレビ朝日の「ハゲタカ」が話題になる。
テレビ朝日はTBSドラマをかなり気にして対抗意識を持っているのではないかと・・・。
真相は不明だが、そんなことをネタにしながら酒を飲むのも悪くはない。
あまり固い話ばかりじゃいけないのだ(笑)。
そんな意味ではたまにはTVドラマも観なきゃいけない。

話題を原作に戻そう。
池井戸作品は中小企業が大企業に立ち向かうケースが多い。
本作の場合はいつも暗躍する銀行はほとんど登場しないが、
常に会社はギリギリの状態。
生きるか死ぬかの選択を迫られている。

そんなシーンを読むたびに自分の恵まれた立場に安堵しながらも、
危機感を持ってみたり。
そして最後には勇気づけられたり。
本作のラストもドラマで分かっていても、その結末に向かうと共にハラハラドキドキする。
やはり単純な性格だ。

やっぱ池井戸作品は中小企業の味方ですね。
どうやらこの秋から「下町ロケット」が再びドラマ化される。
ドラマが始まる前に第3弾も読んでおかねばならない。

この秋はいろんな意味で忙しくなりそう。
忙しいながらも楽しい夜を過ごしていきたい。