これからも前向きに 名大社会長ブログ

「ハゲタカ」での検索結果(67件):

雨の第1回ハゲタカ鑑賞会

昨日は以前から案内していたハゲタカ鑑賞会の第1回目を行った。天気は雨。ドラマをご覧になった方は思い出すだろうが、葬式のシーンを思わせるような天気。まさに開催するに相応しい日となったのだ。
(やや強引か・・・)
幹事の櫻山さんと吉原さんとでランチをしながら、打ち合わせ。そして入念なチェック。
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吉原さんが持参した高性能スピーカーで会場内は映画館のようにもなった。
(やや大げさか・・・。途中、音切れしてしまったのは想定外(笑))
当初、ハゲタカを観てみんなで感想を言い合って、その後、楽しく飲もうというお気楽な計画だったが、打ち合わせをするうちにハードルが上がり、ファイナンスや企業経営の観点からグループワークを行う流れへと移行。かなりマジメな路線を走ることになった。
参加者は13名。その顔触れも様々だが豪華。経営者、大学の先生、一流企業の財務担当、MBA取得の経営戦略担当、ターンアラウンダーなど、僕を除き(笑)切れ味鋭い方々に集まって頂いた。
今回は全体の趣旨説明と第1回の「日本を買い叩け!」を上映し、グループワークへ。ドラマの感想を語るまではないが、グループワークはこちらも大いに刺激を受けることに・・・。
いやあ~、びっくり。その視点の高さに驚いた。
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それぞれの立場から物事を捉えられている面もあるだろうが、僕が全く気付かないような観点でドラマ自体を捉えられている。
不動産中心の日本の資産価値の在り方の変換期、投資と融資のはき違え、1998年は日本の金融機関の仕組みが外資の仕組みに負けた年、公正な価値の認識の違い、日本型経営の行き詰まりが露呈したのがバブル崩壊後などなど、60分のドラマからよくここまで深堀出来るなと感服せざるを得ない白熱した議論となった。
この議論だけでも相当な学びだし、有意義な時間。アベノミクスで浮ついた今の時期だからこそ、このドラマを観て話し合う必要もあるのではという何とも嬉しい感想もあった。
鑑賞会終了後は、近くのキャバーンで懇親会。
オーナーに無理を言い、ハゲタカのメインテーマをBGMをバックに乾杯。ここでもハゲタカの話を中心にしながら、各方面の話に花が咲いた。
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ハゲタカ鑑賞会終了後は、007上映会だ、山崎豊子シリーズがいい、いや寅さんだ、その前に日活ロマンポルノじゃないかと勝手に上映会の企画が持ち上がっていった(笑)。上映会は延々と続くな・・・。それも含め楽しい会だった。
解散時はすっかり雨も上がり、足取りも軽く帰宅することができた。
第1回ハゲタカ鑑賞会は盛況のうちに終了。
櫻山さん、吉原さんの両幹事を始め参加頂いたみなさんに感謝!

辞めないのも勇気だよ。ドラマ「ハゲタカ」

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先日の丙午同級生社長 櫻山さんのブログにあったようにドラマ「ハゲタカ」の鑑賞会を有志で行うことになった。
5月11日を皮切りに全4回のスケジュールでドラマを観ながら、ファイナンスや企業の存在価値、存続についてディスカッションするかなり真面目な企画。
当初は楽しく観て、飲んで騒いでというお気楽な企画だったが、ビジネススクール仲間の吉原さんとも打合わせをするうちにどんどん難解でハードルの高い内容に移行してしまった。ちょっとヤバいな・・・(笑)。
その打合わせ中に櫻山さんが持参したのが、ハゲタカのDVD。
試写をしながら段取りをしていたわけだが、そのDVDを観ているうちに無性に欲しくなってきた。ドラマをご覧になった方ならご存知の「大木流経営論」もオマケでついてきたり、未公開シーン集もセットされお得感もあるこのDVD。子供が友達が遊んでいるゲームを欲しがるのと全く同じ状態。親にねだったりすることはないが(笑)、愚かにも勢いでそのDVDを購入してしまった。もう何度も観ているというのに・・・。
僕はこのドラマをいろんな状況の中で見てきた。2007年の放送だから6年も前の話だが、その間、いろんな出来事があった。
自分は仕事ができると調子こいてた時期。役員を降格になり、一人で飛び込み営業をしていた時期。前社長から会社を引き継ぎ覚悟を決めた時期。
その時々で多くのことを教えてくれた。励ましであったり、勇気であったり、または反面教師であったりと・・・。
西野屋、サンデートイズ、大空電機の社長の立振る舞いを見るだけでも、トップのあるべき姿を考えさせられる。想いが詰まったドラマなのだ。
買ってしまうのも仕方ないか・・・(笑)
そんな「ハゲタカ」の鑑賞会が間もなく開催される。詳細の案内は櫻山さん、吉原さんと人任せだが(笑)、参加されたい方はご連絡を!
昨日は第1・2話を観たので、今日は第3話を観ようかな・・・。ブログタイトルのセリフもいいな。

映画「BAD LANDS バッド・ランズ」

原田監督は毎年秋に作品を公開するのが定番になっているのか。
大ヒット作や超優秀作は生まないが、
(大変失礼ですね、すみません)
安定した作品を提供し続けるのは配給側としても安心できる。

昨年は「ヘルドックス」、一昨年は「燃えよ剣」
危ない作品が続くが、
(「燃えよ剣はそうでもない・・・)
これも原田監督の特徴ではないだろうか。
そこからの岡田准一友情出演だったりして(笑)。

本作の上映時間は143分。
その前に観た「白鍵と黒鍵の間に」が94分。
約50分も長いが、その時間は感じなかった。
逆に白鍵~が長く感じたりして・・・。

本作を観た多くの方は言うように安藤サクラの魅力満載で、
彼女のための作品かもしれない。
立ち振る舞いや表情含め、なんでもこなせる女優なんだと改めて感心。

「百円の恋」でボクサーを演じるくらいだから、簡単なアクションはなんでもないか。
「怪物」の出演と合わせ、今年の主演女優賞をそうなめするかも。
キネマ旬報だとこの経歴で歴代トップになるんじゃないか?
日本映画を支える大女優になるんだろうね。

失礼ないい方だが、とびきり美人じゃない女優がこんな活躍をするのは貴重だし大切。
今後の幅をさらに広げてほしい。

俳優絡みでいえばもう一人。
元ヤクザ役を演じた宇崎竜童。
ドラマ「ハゲタカ」の旅館のオーナー並によかった。
あんな表情は彼しかできないのかもしれない。
「ハゲタカ」は序盤で重要な役割を担ったが、本作では終盤で要の役割。
いやいや素晴らしい。
こんな流れになるとは想像していなかったし。

とここまで書いてきたが、映画の内容には全く触れていない。
これでいいのか。
少しは本作の魅力を伝えなきゃいけない。

完全なフィクションだが、実話ベースのストーリーに思えてならなかった。
大阪西成地区のリアルさがそうさせたかもしれないし、
巧みなオレオレ詐欺の動きがそうさせたのかもしれない。

予告編の情報だけで観たので、安藤サクラと山田涼介の兄弟が詐欺事件を
繰り返すのかと思っていたが、そうではなかった。
複雑な愛情が絡み合った人間ドラマ的な要素も強かった。

映画にのめり込むが、一歩引いて客観的な視点で味わっても楽しめる。
本作のような事件が実際にあったら困ってしまうが、
起きてもおかしくないのが今の日本かもしれない。

そんなことを感じた作品。
秋に観るには相応しいね。

映画「茶飲友達」

映画は渡辺哲で始まり、渡辺哲で終わる。
彼で思い出されるのは、ドラマ「ハゲタカ」。
(またか・・・)
銀行から借りた200万円を返済することができず、自ら命を絶った町工場経営者。
主役鷲津政彦の人生を変えた重要人物。
鷲津にビールを渡す時の屈託のない笑顔は人間らしさがにじみ出ていた。

人間らしさが出ていたといえば本作もそう。
希望を失くした老人が「茶飲友達」を作ることで、明日への活力が芽生える。
ラストシーンはなんともせつない。

人の幸せは一体何なのか。
その行為は本当に許されないことなのか。
そんなことを考えると苦しくなってしまった。

本作は高齢者売春クラブを描いた人間ドラマ。
2013年に摘発された事件を元に制作されたという。
日本では違法行為であるのは間違いない。
表面的に捉えれば老人を相手に巧みに売春組織を作る女性経営者の物語だが、単純ではない。

老人の性がテーマだが、そこは奥深い。
奥さんに先立たれた老人や一人暮らしの老人が寂しさを埋めるために出会いを求める。
至極真っ当な話に思える。

勇気ある老人ならゲートボールでもラジオ体操でも老人ホームでも積極的な行動に出るだろう。
果たしてそれは間違った行動か。
僕らは自分勝手に正しい年寄り像を作っているにすぎない。

それに協力する女性も同様。
その仕事が励みとなり、若返る。
少なくとも映画の中の高齢女性は輝いていた。

主役マナが唱えるこれから必要な新しい世界。
都合のいい論理であるが、生きがいの提供であったのも否定しない。
冒頭の渡辺哲の表情が全て。

本作はいずれ老人となる身として自分事と捉えた。
仮に奥さんに先立たれ、子供も縁遠くなったら、僕は一人でどうするだろう。
茶飲友達に頼らざるを得ない場面があるかもしれない。
恐ろしくはあるが、可能性がないわけではない。
最後の最後は孤独は耐えられないかも・・・。

主役マナを演じるのは岡本玲。
いろんなところで目にする女優だが、しっかり観たのは初めて。
綺麗だけではない。
せつなさも優しさも、そして裏がありそうでなさそうな笑顔。
上手く演じている。
自分の理想を作り上げようともがく姿も。

映画を観て、ハッピーになるのは難しい。
しかし、ハッピーになるためにどう生きるか、
家族はどうあるべきか、考えさせてくれる。

今月中で休館となる名演小劇場で最後に観ることができてよかった。
劇場にも作品にも感謝!
ありがとうございました。

亀裂 創業家の悲劇

「こういった書籍がファミリービジネスのイメージを悪くするんだろうなあ~」
読み終えてつくづく感じた。
それは本書を非難しているのではない。

その事実は事実として受け止め、現状の問題をあからさまにしなくてはならない。
そうすることで少しは同族内のゴタゴタが改善するのだと思う。
この類と同等に「世襲と経営」のような魅力を伝える書籍が話題になれば、
イメージに左右されることは減る。

本書は8社(厳密には9社)のお家事情が描かれている。
当然だがノンフィクション。
取材や膨大な資料を基に著されているので誤りはないはず。
誇張した表現はあるが、それは少しでも辛辣な事実を伝えるための手段。

登場するのは僕もちょくちょく話題にした大塚家具をはじめ名のある企業。
ロッテ、セイコー、ソニーなど業界トップ企業も多い。
あまり表ざたにはならないが、目立たないところで一族間の衝突が起きる。

ほとんどは権力と財産に関すること。
怪しげな会社に大金を騙し取られるケースも多い。
いわゆる「M資金」。
客観的に冷静に判断すれば分かりそうだが、
当事者になると一点しか見えなくなってしまうのか・・・。

欲がなければ事業を成功させることはできないが、その欲は収まることはない。
原動力になるのは間違いない。
僕のような小市民は一定のところで満足してしまうから、
大きな成功を収めることはできない。
その点、大きな違いがあるが、その分、大きく間違えることもない。
どっちがいいのかな(汗)。

英才教育を受けた親子でもいがみ合いは起きる。
二代目や三代目はどんなに頑張っても創業者にはなれない。
やはりジェノグラムで関係性を明確にするのも大切だね・・・。

描かれるのはマスコミを取り上げるようなスキャンダラスな側面。
これは氷山の一角。
この規模ではないにせよ、同じようなゴタゴタはあちこちに存在する。
簡単にお金で解決できないので、却って後を引きずるのかもしれない。
その臭いを嗅ぎつけてニコニコとやってくる連中もいるだろうし。

久々にドラマ「ハゲタカ」を思い出してしまった。

世の中は金だ。
金が悲劇を生む。

気をつけないといけない。
いい勉強になりました。

映画「レジェンド&バタフライ」

東映70周年記念の大作。
何気に名作ドラマ「ハゲタカ」の監督大友啓史氏と音楽佐藤直紀氏のコンビ。

えっ、そこじゃない?
もっと別の話題はあるだろ?
そうそう、やはりキムタク。
昨年11月のぎふ信長まつりで大いに話題となった。

僕は意外とこの手の記念的な大作は観ない。
豪華さばかりが目立ち、大味な作品になるのがその理由。

しかし、今回はそんなわけにはいかない。
生まれ育った地味な岐阜県をクローズアップさせてくれた。
ぎふ信長まつりをこの報道で初めて知った人も多いんじゃないかな。
そんな意味ではキムタクに感謝。

当然、本作も観なきゃいけない。
地元を愛する映画コラムニストとして劇場に足を運んだ。
東海地区の現象なのか、全国区にそうなのか分からないが映画館は混んでいた。
明らかに映画館に無縁そうな方々が目立った。
(そう思えただけかも・・・)

岐阜城や清州場を描くことで地元の方々が足を運んだのか、
番宣の効果なのか。
しかし、これをキッカケに映画ファンが増えて欲しい。
たまたまATMOSの劇場だったので迫力もあったし。

本作は168分と長い。
まるっと信長と濃姫の人生を描くので、その時間は必要なのかもしれない。
ただまるっと描くのなら足りない。
大河ドラマ並みの時間が必要。

そうなると演出はかなり難しい。
歴史的に外せないシーンも中途半端になりがち。
残念ながらそれを感じる場面も少なくなかった。

しかし、本作はそこが問題ではない。
あくまでも信長と濃姫を魅力的に描けばいい。
僕は本作を壮大なラブストーリーとして観ていた。
(途中からだけどね・・・)

かなりデフォルメされているが、
日本を代表する俳優2人の共演だから、これくらいやらないと。
誰もが思う最後の20分は予想を超える展開。
なるほどね。
そんなことを考えていたわけね。

いつの時代も大切なのは愛。
意見は分かれると思うが、
楽しませてもらい想像しないラストシーンになると思った。

つい、「どうする家康」や「麒麟がくる」の信長と比較してしまうが、やむを得ない。
個人的な感覚だが、明智光秀は「麒麟がくる」の明智光秀にそっくり。
描かれ方は異なるが、宮沢氷魚はワザと長谷川博己に似させたんじゃないか。
どうでもいいことを感じてしまった。

そして、出演者流れでもう一つ。
僕は以前から思っていたが、綾瀬はるかは身のこなし方が上手い。
殺陣もカッコよく様になっている。
そんな女優は滅多にいない。

とりとめのないブログになったが、楽しく過ごせる3時間。
興行収入もいいし、当面、話題は続くだろうね。

晩酌の流儀はあるのか

どこで知ったかの記憶は定かでない。
何かのキッカケでこの番組を知ることになった。

「晩酌の流儀」。
つい先日までTV愛知の深夜帯に放送されていたドラマ。
僕はリアルでは一度も見たことはなく、Amazonプライムで一気に見た。

この類でいえば「孤独のグルメ」を思い浮かべる人は多いだろう。
僕の食べ物ブログも元々はこのドラマを参考にしている。
あまり役立っていないという話は置いておいて・・・。。

毎回、井之頭五郎さんに食べっぷりに羨望のまなざしを送っていた。
しかし井之頭さんは下戸。
せっかく居酒屋に入っても、ウーロン茶しか飲まない。
酒飲みとしては勿体ないと感じるばかり。
視聴者のそんな声が多かったのだろうか。
もっとお酒と食事を結びつけるべき!。

ドラマ誕生にそんな背景があるとは思わないが、
酒飲みを喜ばせてくれるのがこの番組。

主役の栗山千明さんが毎度、料理を作り晩酌する。
ただそれだけ。
美味しく飲むための様々な行動はあるが、基本は晩酌するだけの話。
それがすこぶる面白く、家飲みに拍車をかける。

栗山千明さんといえば、ドラマ「ハゲタカ」。
2007年の放送だから、もう15年前のこと。
現在37歳。
ということは当時は22歳。

今思えばえらく大人びていた。
というより今もほとんど変わらない。
両作も存在感は抜群だが、本作の彼女の飲みっぷりはサイコーにカッコいい。

あれは本当に飲んでいるのだろうか。
一気にビールを飲み干すわけではないが、まあまあそれに近い。
実に美味そう飲む。

彼女の作るアテも酒飲みの心をくすぐる。
それほど難しい料理は作らない。
僕でも頑張ればやれそうなレベル。
チャレンジしようと思わせてくれる。
これを参考に僕なりの晩酌の流儀も作ってみようか・・・。

いつもは家人と一緒なので、ほば任せきり。
一人の機会があれば、栗山千明風にやってみるぞ。

今週は絶好の機会があったが、結局は・・・。

行動できるかどうかで差が出ちゃうね。
う~ん、何をやってるんだか・・・。

栗山千明は飲み方にも相当のこだわりを持っている。
しかし、飲むのは金麦のみ。
他のアルコールは飲んじゃいけないのか。
サントリーが協賛スポンサーというから仕方ないね・・・。

理想をいえば料理に合わせ、ビール、日本酒、ワインを飲んでもらいたい。
本作もシリーズ化されると思ったのは、僕だけ?
一部の方には圧倒的な支持が得られると思うが、評判はそこまでよくない?

ほとんど中身のないブログになってしまったが、
ネタ不足時はアルコール絡みで調整するのがいい。

今夜もきっと美味しいお酒に出会えるはず。
自宅じゃないけど。

タイムズ 「未来の分岐点」をどう生きるか

少し前にfacebookでも話題になっていたので、手に取った一冊。
真山氏といえば今年やたら分厚い「ロッキード」を読み、ノンフィクション作家としての力量を知った。
ただ僕の中にあるには「ハゲタカ」。
ドラマ「ハゲタカ」を観てから原作を読んだのだが、こちらはすこぶる面白かった。
ファンドに関しての拙い知識はドラマと小説で身に付けたといっていい。

水戸の師匠を真似るわけではないが、僕が好きな小説家も真山氏と池井戸潤氏くらい。
そろそろもう少し人間的幅を広げたいが、まだまだ時間は掛かりそう。
真山氏もかなり積読状態だし・・・。

本書は2019年から朝日新聞に連載された記事をまとめたもの。
全19章で構成され約2年近い連載。
「へ~、新聞記事も書くんだ・・・」
と一瞬、愚かな発言をしそうになったが、真山氏は元々、読売新聞の記者。

当たり前の話。
それも中部読売新聞に在籍されていたので名古屋周辺の取材も多かったのだろう。
どっかでお会いしてたりして(笑)。

テーマは年号の改元からゴーン問題、働き方改革、東京五輪、新型コロナと時代と共に移っていく。
過去の話ではなく同時進行でその時々の事象に関して著者の考えが披露されるわけだが、
それぞれの章で執筆後記が書かれ、その比較が興味深い。

特に東京五輪については開催される前の著者の意見と延期になった時の意見、
そして延期後迎えた時の意見と環境が大きく変化する中で世の在り方を問うている。
コロナ禍での開催であろうとなかろうと真山氏の意見は概ね一貫している。

意見を聞いたことはないが、沢木耕太郎氏に近いのではないだろうか。
ノンフィクション作家と小説家の違いはあるにせよ、世の中の見方は共通しているように思える。
「正しさ」を暴走させない視点に同じ価値観を感じたり・・・。
僕が勝手に思っているだけだが、その分、ストンと腹落ちすることが多かった。

個人的には第11章の「タワマンの未来」が胸に迫ってきた。
数年前まで首都圏のタワーマンションのセールスが僕の元にもやってきた。
住まいを構えるよりは投機に近いと思うが、これも考えもの。
数年で転売するならともかく長い所有は禁物かも。
マンション販売者は自分では絶対に購入しないというし、リスクが相当高いようだ。

「いまニュータウンで起きている問題は、タワーマンションがいずれ辿る道かもしれない」
と専門家はいう。
極端にいえば「スラム化」へ向かう。
修繕だとか管理だとか考えれば、誰が住んでいるのかも知っておかなきゃいけない。
分かりようはないが・・・。

これは一つの例だが、真山氏は様々は事象に対し問題提起をする。
すべて身近な問題であり、自分の未来に繋がる話。
知らぬ存ぜぬでは許されないし、逃げることもできない。

そう思うとやはり「言葉」は重要。
何を発するかでこちら側の問題意識も変わる。
小説を読んで一喜一憂するだけではいけない。

現実をもっと視る必要性を教えてもらった気がした。

挑戦し続ける姿に感動

今週火曜日28日は西川塾二期生会の特別例会。
僕が所属する経営塾でイベントごととしては2年ぶりの開催。
コロナの影響でこの1年はほぼ活動休止。

最近になって再開し、その記念すべきイベントが今回の特別例会。

蜜を避けるため定員は40名に絞った。
名古屋クラウンホテルに塾生の他に若手経営者が集まり開催。

西川塾のトップである石黒事務局長の挨拶。

パネルで顔がよく分からないのがちょうどいい(笑)。

メインとなる第一部講演は共同ピーアール株式会社の谷鉄也社長。
西川塾のOBで僕もかれこれ15年ほどのお付き合い。
懇意にする経営者でこれだけ活躍しているのは谷さんが間違いなくトップ。
そんな方が身近に存在するだけでいい刺激にもなるし、より自分の不甲斐なさを感じる。

この講演では谷さん自身の生き様から西川塾での学び、
そして非上場企業が上場企業を買収するというスケールの大きい話まで多岐に亘った。
コンフィデンシャルな内容も含まれるのでブログで披露はできないが、
まるでドラマ「ハゲタカ」のような世界。
プロキシーファイトという言葉はよく耳にするが、それを実際に経験された話は初めて。

胸がキリキリする場を乗り越え経営権を取得し、現在に至る。
2018年、2019年には過去最高益を収め、このコロナ禍でも6月に本社を移転。
先日、僕も挨拶に伺ったが、隈研吾事務所デザインの超カッコいいオフィス。
ここでも大きな実績を上げているが、今も積極的にM&Aを仕掛けている。

谷さんは名古屋の最大手広告会社 株式会社新東通信の二代目。
父親はこの地区では知らない人がいないカリスマ創業者谷喜久郎氏。
とても迫力ある方で、未だに僕は挨拶の際に緊張する。

そんな方を父に持つ谷さんは色んな評価をされ多くの苦労をしてきた。
だが、それを跳ねのけるパワーは凄い。
一般的な二代目とは違うし、カリスマ創業者とは異なる能力を十分に発揮されている。
マーケッターとしてもさすが。
参加者の学びは大きかった。

第二部はトークセッション&ワーク、質疑応答。

なぜか僕が谷さんとトークセッションすることになった。
穿った見方をすればこれは事務局の嫌がらせ。
これまでの塾運営に厳しい意見を言っていたので、その仕返しを食らう形になった。
ここでは真面目な会話だけでなく、銀座の夜やモテなかった高校時代の話など幅広く聞かせてもらった。

参加者が満足したかは分からない。
仮に不満足だとしても責任は取らない(笑)。
ワーク後の質疑応答も絶えることなく予定の時間を遥かにオーバーして終了。
そこも責任は取らないよ(笑)。

個人的にはとても満足度の高い特別例会。
参加された方も同じ感想を持つはず。

谷社長、ありがとうございました。
次回はもっと掘り下げて聞きますね。

そうそう、28日はもうひとつ報告すべきことが・・・。
午前中は僕の謝罪会見。

いや、違う。
株式会社パフの株主総会が東京・九段下で開催された。
吉川体制になり一期が終了。
株主からの厳しい意見や質問もなく無事に株主総会も終えることができた。
あれだけ実績を出せば誰も文句はいえない。

僕も解任されることなく社外取締役は再任。
監査役に赤坂さんが就任し新たな体制で進めることになった。
28日には東京でも名古屋でも充実した時間。

下半期スタートは素晴らしいブログになったね。

「ロッキード」を読む

真山仁氏がノンフィクションを書いたというので、何も考えずkindleで購入。
後日、本書が平積みしてあるのを書店で確認。
「げっ・・・」
思わず言葉が漏れてしまった。

メチャクチャ分厚い。
いくら興味を持ったからといって本屋だったら購入しなかった。
あれだけ分厚いを買うのには相当な覚悟がいる。
僕と同じような人はごまんといるんじゃないのかな(笑)。

なんたって600頁近い。
言い換えればそれだけ力の入った渾身の作品。
超弩級ノンフィクションという帯も頷ける。

沢木耕太郎氏のようなノンフィクションライターが小説を書くことと
真山氏のような小説家がノンフィクションを書くことの共通点は何だろうか。
狭い僕の見識でいえば得意分野へのテーマ設定。

沢木氏でいえばボクシング、真山氏でいえば金ということか。
作家の嗅覚がそうさせるかは分からないが・・・。

僕は真山氏の「ハゲタカ」を貪るように読んだ。
12~13年ほど前か。
ドラマ「ハゲタカ」にハマり、そこから小説に移ったわけだがすこぶる面白かった。
確認の意味で本棚を探ってみたが見つからない。
ブックオフに売っちゃったのかな。
当時は財政難だったし・・・。

それをキッカケに真山氏の作品はちょくちょく購入。
kindleには未読の書籍が何冊か入っていたりして・・・。

いかん、ブログタイトルとは関係ない話で随分と行数を稼いでしまった。
まあ、本書に関してはそれでいいだろう。
あまりここで語らないほうがいい。

ロッキード事件当時、僕は小学生。
偉いおじさんが悪いことをしたという認識くらい。
しかし、今の政治スキャンダルと比較してもかなりの大袈裟な報道はされていたので、
かすかな記憶はある。
獲物を襲うハイエナのようなマスコミは今も昔も変わらないわけか。

仮に今同様の事件が起きたらネットの炎上を含め相当酷いことになっただろう。
まだ情報未発達の時代でよかった。

それにしても真山氏のこだわりは凄い。
40年以上昔の事件の取材なんて不可能に近い。
それをやり遂げる執念にはあっぱれを送りたいし、
大物政治家が実名で遠慮なく描かれるのも小気味いい。
死人に口なしとはよく言ったもんだと思う。

真相は藪の中だが、真山氏があぶり出した実態には大きな説得力も。
昭和の政界って、こんな感じで権力争い、派閥争いが行われてたわけね。
今の政治家がどこまでクリーンかは不明だが、色眼鏡で見るためのいい教材。

毎日少しずつ読んでいたので、かなりの時間を要したが読みごたえはあった。
いい学びでもあったしね。