真山仁氏がノンフィクションを書いたというので、何も考えずkindleで購入。
後日、本書が平積みしてあるのを書店で確認。
「げっ・・・」
思わず言葉が漏れてしまった。

メチャクチャ分厚い。
いくら興味を持ったからといって本屋だったら購入しなかった。
あれだけ分厚いを買うのには相当な覚悟がいる。
僕と同じような人はごまんといるんじゃないのかな(笑)。

なんたって600頁近い。
言い換えればそれだけ力の入った渾身の作品。
超弩級ノンフィクションという帯も頷ける。

沢木耕太郎氏のようなノンフィクションライターが小説を書くことと
真山氏のような小説家がノンフィクションを書くことの共通点は何だろうか。
狭い僕の見識でいえば得意分野へのテーマ設定。

沢木氏でいえばボクシング、真山氏でいえば金ということか。
作家の嗅覚がそうさせるかは分からないが・・・。

僕は真山氏の「ハゲタカ」を貪るように読んだ。
12~13年ほど前か。
ドラマ「ハゲタカ」にハマり、そこから小説に移ったわけだがすこぶる面白かった。
確認の意味で本棚を探ってみたが見つからない。
ブックオフに売っちゃったのかな。
当時は財政難だったし・・・。

それをキッカケに真山氏の作品はちょくちょく購入。
kindleには未読の書籍が何冊か入っていたりして・・・。

いかん、ブログタイトルとは関係ない話で随分と行数を稼いでしまった。
まあ、本書に関してはそれでいいだろう。
あまりここで語らないほうがいい。

ロッキード事件当時、僕は小学生。
偉いおじさんが悪いことをしたという認識くらい。
しかし、今の政治スキャンダルと比較してもかなりの大袈裟な報道はされていたので、
かすかな記憶はある。
獲物を襲うハイエナのようなマスコミは今も昔も変わらないわけか。

仮に今同様の事件が起きたらネットの炎上を含め相当酷いことになっただろう。
まだ情報未発達の時代でよかった。

それにしても真山氏のこだわりは凄い。
40年以上昔の事件の取材なんて不可能に近い。
それをやり遂げる執念にはあっぱれを送りたいし、
大物政治家が実名で遠慮なく描かれるのも小気味いい。
死人に口なしとはよく言ったもんだと思う。

真相は藪の中だが、真山氏があぶり出した実態には大きな説得力も。
昭和の政界って、こんな感じで権力争い、派閥争いが行われてたわけね。
今の政治家がどこまでクリーンかは不明だが、色眼鏡で見るためのいい教材。

毎日少しずつ読んでいたので、かなりの時間を要したが読みごたえはあった。
いい学びでもあったしね。