つい先日も東証マザーズから東証一部へと変更したことで話題となったリブセンス。
社長の村上太一氏はなんと僕よりも20歳も若い25歳で、史上最年少の上場企業のトップ。それも自分たちとほぼ同業種になることから驚きは大きいと同時に感動である。優秀な若者は日本にまだまだ多数存在するってことだ。
(自分を棚に上げて偉そうに言ってます・・・・)
本書はその村上氏の半生とリブセンスの創業からの軌跡を描いている。
著者の上阪氏は僕と同じ1966年生まれで、村上氏の生き方や考え方に対して感じる面は共通するだろう。その思考や行動を冷静に受け止めながらも驚嘆は隠せないのだ。やはり自分のような存在とは圧倒的にレベルが違う。
しかし、本書の中で、村上氏は何度も自分は普通だと言っている。
確かにごく普通の家庭でごく普通の教育環境で育っているのかもしれない。だが、やはり明らかに普通ではないと思う。
高校時代からビジネス書やビジネス雑誌を読み漁り、既に起業する意思を固めている。それを前提に大学も選び進学し、大学1年時に起業してるわけだから、普通ではないだろう。
僕は高校時代にはビジネス書なんて読んだこともなければ、書店のビジネス書のコーナーに足を踏み入れたことさえなかった。そもそも、そんなコーナーがあること自体知らなかった(涙)。
それが普通ではないかと思うが、レベルが低すぎるのだろうか・・・。
こんな普通の僕でさえ、もしかしたら普通ではないと思う人もいるかもしれないけど(笑)。
村上氏の素晴らしいところは、地道な作業を繰り返し一歩一歩着実に成長している点と、ベンチャー企業にありがちな時価総額や市場価値を上げて巨万の富を得ようという考えがない点。全てのベンチャー企業がそんな思考でないことは百も承知だが、いい意味で荒々しさがない。
自分より20歳も若い経営者から多くを学ぶのはいかにも情けない話だが、それが実力であるから仕方ない。その熱い想いと目標へのこだわりは見習わなければならない。
「文化となるウェブサービスを作る」
なるほどね・・・。
著者の田宮氏とは何度か同業者の集まりの中で話をさせて頂く機会があった。それが理由ではないが、本書もありがたいことにわざわざ送って頂いた。
せっかくなら、サイン入りで送ってもらえると更にうれしかったけど・・・
(スイマセン)。
本書は新たな知識を得るというよりも、自分が考える親の関わり方と照らし合わせ読ませてもらった。そのほとんどは僕が思うことと同じ。納得する面が多かった。そんな表現をすると自分が同レベルのようだが、それは田宮氏にあまりにも失礼。
僕が漠然と考えていることをしっかりと言語化され、それに根拠あるデータが加えられたり、更に有益な情報が盛り込まれているのが本書の内容。決して同じではない。
特に本書では、そのポイントを80項目に分け掲載されているので、かなりわかりやすい。親向けであるのは間違いないが、当事者である就活生にもかなり受け止めやすいのではないだろうか。客観的な物事の捉え方もできるだろうし・・・。
僕が注意してチェックしている面もあるが、ここ最近親向けの就活本が多い。
僕のブログだけでも
ウチの子 内定まだなんです
大学キャリアセンターのぶっちゃけ話
就職に強い大学・学部
親は知らない就活の鉄則
と取り上げている。読んだのは、もっと多いかも・・・。
就職活動を行う子供よりも親の問題として捉えられることが多いのだろう。それは親が子供にアドバイスするというより、第三者が親にアドバイスをする意味でも・・・。就職問題に限らず、子育て全般の問題として考えるべきなのかもしれない。
僕も来月は親御さん向けに講演を行う機会を頂いた。何を話すべきかはこれから吟味していくが、本書も参考にさせてもらいながら、その関係性についてじっくりと考えたい。
著者の原田社長を、てっきり10歳ほど年上の方と思っていた。しかし、そんなことはあるはずない。アップルジャパンの社長から日本マクドナルドの社長に移って、既に8年になるのだから、どう考えても計算が合わない。
実際は僕より18歳年上の63歳。それだけ若々しく見えるということだ。
毎朝10キロのジョギングを欠かさないという。フルマラソンのタイムも4時間ちょい。
ランナーで経営者でという無理矢理な僕との共通点を見出しても、そのレベル差は圧倒的。比べようとすること自体、失礼な話だ。
そんな原田社長がマクドナルドの経営戦略から、実践を通して学んだこと、スティーブジョブズから教わったことまで熱く語っている。その語り口は見た目通り、実にストレート。何の迷い無なく言い切っている。
言葉そのものに自信が溢れている。揺るぎない態度はどんな意見も抵抗勢力もはねのけてしまう。かといって、傲慢ワンマンでもない。
過去において数えきれない失敗もあるが、それを乗り越えるタフさと失敗から学んだ経験で自分たちの向かうべき道を提示している。
企業がこんなトップばかりであれば、社員は何ら迷うことはない。そのビジョンに身を委ね、自らが先頭を切って走る者が登場するのだろう。
本書を読むと経営者にとってマーケティングスキルが重要であることや、強烈なメッセージがリーダーの存在感をより強くことが十分に理解できる。実践の場を通したリーダーシップ論が著者の表現したいことのようにも思える。
巻末にはファーストリテイリングの柳井社長との対談も掲載。柳井氏の新作も読んでみたいが、既に何冊も読んでいるので、今回はこちらを優先。
お互いの共通点は多い。年齢が近いことはどうでもよく、事業に関する考え方が非常に近い。どちらの企業も業界トップであるが、決して安住はしない。生き残りためにはナンバーワンでなければならないと・・・。
地域ナンバーワンなんて言っている自分は遥かにスケールが小さい。その表現方法から、甘えの構造を持っていることは否定できない。
一流の経営者の著書を拝読すると自分の未熟さを痛感することが多く辛くなる。
それが学びなんだろうけど・・・。
いかん、いかんと言いながら立て続けに読んでしまった。
「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」の2冊。先日読んだ「ロスジェネの逆襲」に導かれ、前作となる2冊に手をつけてしまった。

本を読むことが決して早くない僕が4日間のうちに読んでしまうなんて・・・。
これだけ一気に読むのも珍しい。東京出張の新幹線など集中できる時間が多かったせいもあるが、それだけ惹きつけられる魅力的な小説だった。
この小説の主人公の銀行への入行年度を計算するとまさに僕と同い年になる。フィクションであるのは承知だし、金融業界と自分達の業界とは仕事のスタイルが180度違うのも理解しているが、辿ってきた道のりは近い。
入社した段階はバブルのピークを越えたあたり。ようやく仕事を覚え、一人前の感覚に陥った頃にバブルは崩壊。どの会社も厳しい状況に追い込まれた。
バブル崩壊以降は、少し景気が良くなったかと思えば、すぐに悪くなり、その波の大きさは違えども、繰り返しの浮き沈み。一喜一憂することが当たり前の時代が続いているように思える。リーマンショックが一番酷かったけど・・・。
そんな時代を過ごしてきただけにこの小説への共感度は大きい。
ここに登場する会社を食い物にする人物が実際にはいないだろうが、もしかしたらと思わせてしまうのはさすが。時代背景を的確に伝え、金融の裏側を巧みに見せることが、よりリアリティを生んでいる。すっかり入り込んでしまった。素直に楽しめた小説だった。
そして、読み終えて思うこと。
仕事は真っ直ぐでなければならない。正直でなければならない。常に正しい道なのか自分に問わなければならない。そんな事を改めて感じたのだった。
40歳前後の時であれば、本書のタイトルだけで飛びついていたと思う。それだけノウハウ的な要素を求めていた時期で、経営関連の本をかなり読んでいた。
ほとんど頭の中に残っていない自分にはかなり呆れるが、そんな思考だけは持っていたのは事実。
実際に経営を任されるようになってからは、あまりノウハウ的要素の強い書籍は読まなくなってきた。では、なぜ、このベタなタイトルの本を読んだのか・・・。
答えは至って単純。
新将命氏の著書だからである。新氏の「経営の教科書」は僕のバイブルとも言える。全て読み返すことはないが、自分の置かれた状況において、必要な個所を読み直すことはしばしば。
ある人にとってドラッカーや松下幸之助に求める事を僕は新氏に求めているのかもしれない。
以前、わざわざ東京まで講演に参加したのも、そんな理由。オヤジギャグに辟易しないわけでもないが(スイマセン)、経営者として大切にすべき事が、彼の言葉から全て発せられている。
それはこの本書でも同様で、シンプルで分かりやすく伝えられている。
例えば、
「SPCEは勝ち残る会社の条件」
売上(sales=S)
利益(profit=P)
社会(community=C)
貢献、社員(employee=E)
これを言葉として、常に頭の中で繰り返せば、自分が何をしなければならないかを明確に紐付けることができる。
そんな魔法のような言葉が本書にも散りばめられている。
最後のあとがきに書かれている一言も素晴らしい。
「健全な飢餓感」。これは心に響いた。確かに「健全な飢餓感」を持続させることが、目標達成や自己の成長に繋がる。
常に意識しなければならないことは多い・・・。
昨日は、ちょっと遅い夏休み。
子供たちは既に学校が始めっているため、のんびりと一人の時間を過ごす。こういう時に限って、何の予定も入らない。入る時はいくつも重なって大変なのに不思議だ。
きっと家族で観た方が盛り上がる映画だと思うが、一人しんみりと観た。
矢口監督の映画は、いつもシアワセだ。全ての映画を観ているわけではないが、「ウォーターボーイズ」しても、「 スウィングガールズ」しても、とてもシアワセな気持ちになれる映画を作ってくれる。
どの映画も何となく間抜けな主人公で、こちらが手を差し延ばしたくなる存在が多い。それがまたいいのだ。
今回の「ロボジー」も、こう言っては失礼だがデタラメでバカバカしい。しかし、そこがたまらなく愛らしい。世の中はそんな上手くはいかないはずだが、こんな現実があったら許してしまいたいと思える。
矢口作品に欠かせないのは竹中直人。

この映画では、ワンシーンだけセリフもない。しかし、インパクトは絶大。
要所要所に洒落っ気を盛り込みながら映画は進行していく。ラストシーンもとっても良かった。
この映画の主役 五十嵐信次郎はこれまで名前を聞いたことのない役者。巧みにうだつの上がらない老人を演じている。調べてみると、それはミッキーカーチス。ロックのイメージなんて微塵も感じさせない素晴らしさだった。
個人的には、この手の日本映画が好きだ。CGを駆使したり、派手なアクションシーンの映画が目立つが、人と人とが真っ直ぐに向き合う映画がいい。
著者の池井戸潤氏には、「下町ロケット」を読み、はまってしまった。とは言っても、本書が2作目で「オレバブ」シリーズ第3弾だとは全く知らなかったが・・・。
本書の主人公はバブル世代のビジネスマン。
一般的にバブル世代のビジネスマンは、社会の迷惑者的な扱いをされ、会社の足を引っ張る世代として登場するケースが多い。
就職時期に企業側にちやほやされ、入社間もない時期にもダブルのスーツを着たりして、社会に対する認識が甘い。いわゆる「新人類」と言われた世代である。
僕は1989年入社なので、まさにバブル世代。
確かに入社して2~3年で、ろくに仕事もできないくせに、コンパばかりしたてし、ダブルのスーツを身にまとっていた。ごくごくまれにその当時の写真を見るが、恥ずかしくて仕方ない。社会の批判の的になっても当然だったのかもしれない。
しかし、そんな時代が長く続くわけではなく、バブル崩壊後は、相当きつい経験をしていた。僕としては、その段階でバブル世代も2つに別れると思うのだが、それは当事者が勝手に思っていることに過ぎない。世間ではみな同じなのだ。
バブル世代以降が、ロスジェネ世代。これもステレオタイプ的に扱われることが多い。
本書はそのバブル世代とロスジェネ世代の特徴を巧みに引き出し、エンターテイメントに仕上げている。ハゲタカを読んでいる気分で読み進めてしまった。面白かった要因の一つは主人公に対する「共感」だろう。立場も業界も違うが(フィクションだし・・・)、その生き様に共感した点が強い。
本来は1作目から読むべきなのだが、この3作目を読んで過去のシリーズを読んでみるのも、どこかの映画を観ているようでいいかもしれない。
いかん、いかん、あまり小説を読んでいる時間はないというのに・・・。
家から徒歩1~2分の場所にTSUTAYAを併設した書店がある。
暇な時など、ぶらっと顔を出し立ち読みすることもしばしば。ローカルな書店は雑誌は充実しているが、単行本(特にビジネス書)は駅前あたりの大型書店と比較すると明らかに物足りない。当たり前だけど。
普段この書店でビジネス書を買うことはまずないのだが、ふと目に留まり、つい衝動買いしたのが本書。中味もほとんど見ずに・・・。
読み始めて数十ページの段階で、買ったことを後悔。ロジカルシンキングとマーケティングをただ組み合わせただけじゃないかと・・・。
貧乏性の僕は、余程つまらない本でない限り、途中で止めることはしない。そのため読み進めることにしたのだが、最初に抱いた感想は大変失礼にあたるのが途中で分かってきた。
確かに初級編であることは否めないが、僕の知らないワードや考え方もあり、学ぶべき点も多数見られたからだ。
レック(REC)という言葉、
課題の重大さを認識、つまりレジスターし、
課題が我がことであると理解、つまりエンゲージし、
その課題を解くことが自分の仕事であると感じている、つまりコミットしている。
そんな言葉は全く知らなかった。
そして、ミッションコーンやミッションの五か条も・・・。
もしかしたら過去学んだかもしれないが、すっかり抜け落ちている。
我々のミッションは○○で、なんて偉そうに言っている自分が情けなくなる。ちゃんとした定義を体の中に落とし込めていないではないか・・・。
反省・・・。買った意味は十分ありました。
そして、どうでもよく感じたこと。
結局、コンサルは何もしてくれないということと、著者の並木氏は自らを上手く宣伝しているなということ。
ステップゼロか、なるほどね・・・。
まさか自分がこの手の本を読むようになるとは思わなかった。
本書は約2年前にブックオフで購入したのだが、前半部分だけ読んでそのまま放置していた。最近になって、ようやく後半を読んだのだ。
今の立場になってゴルフの必要性を感じながらも、重い腰が上がったのは今年に入ってから・・・。1~2年前はせいぜい年に3~4回ラウンドする程度。それでは上達するはずもなく、スコアも低迷したまま。
スコアに関しては今も低迷したままだが、それでも進歩はみられるようだ。
前半よりも後半が10以上もスコアがいいことがしばしば。休憩中に飲むビールの力だと言われてしまえばそれまでだが、少しずつは自分でも上達しているように感じる。
そこで再び手にしたのが本書だが、これを読んだところで技術が向上するわけではない。上手くなるわけではないのは当然のこと。
普段ゴルフ番組を観ることはほとんどないし、ゴルフ雑誌も全く読まない。ルールに関しても、ラウンド中に聞いたり教えてもらったりしながら覚えたくらい。見よう見まねで回っているようなもの。実際に「オナー(Honor)」のことを「オーナー(Owner」と本書を読むまでは勘違いしていた。
いかにも知識が漠然としており、それに気づけただけでも読んだ価値はある。
本書には、ゴルフが上手い人は仕事もできると書かれている。それが本当に正しいかどうかは疑問だが、「心・技・体」を磨くことによって上達するのがゴルフという。仕事に通じる面があると言えるのだろう。
珍しい事に5月以降、月1回はラウンドしていることになる。かつて経験のないことだ。「ゴルフの品格」を身に付けるだけでなく、そろそろ腕も上げないとヤバいな・・・。

この映画には、こんなキャッチコピーがセットされている。
「伝説が、壮絶に、終わる。」
何とも意味深なコピーだが、映画を観終わった時に納得した。その通りだと・・・。
前作「ダークナイト」も重厚で痛々しい作品だったが、本作もそれを引き継ぎ、とても悩ましい作品となっている。
同じヒーローものでも、少し前に観た「アメイジング・スパイダーマン」が子供向けの娯楽映画なら、本作は大人向けの社会派映画といってもいいだろう。
勧善懲悪だけが正義ではなく、揺れ動く正義も存在するのだ。人間っぽいし・・・。
そんな言い方をすると退屈そうな映画に思えるが、決してそんなことはない。約3時間近い上映時間も全く苦にならないし、僕が今年観た映画の中ではベストの作品と言ってもいい。
(大した本数を見ていないので、参考になりませんが・・・)
街や人の描き方もリアルとバーチャルが融合され説得力があり、実在しそうだから恐ろしい。僕としては楽しめた映画だった。
この映画は日曜日の午前中に名古屋駅のミッドランドスクエアシネマで観た。
これまでミッドランドスクエアシネマには仕事帰りのレイトショーしか入ったことがなかった。その時間帯はいつも閑散としていて心配だったが、昨日の劇場を見てホッとした。多くのカップルや家族連れで賑わっていたからだ。
ミッドランドスクエアシネマの前身となる映画館で大学時代の4年間をバイトで過ごした身としては、お客さんの入り具合は気になるもの。忙しいそうで良かった。
休日にお邪魔することは滅多にないが、その雰囲気をたまには体感しないといけない。