これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

銀翼のイカロス

銀翼のイカロス 銀翼のイカロス
(2014/08/01)
池井戸 潤

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やっぱり読んでしまった。それも読書スピードの遅い僕にしては一気に読んでしまった。やはり引き込まれる世界。
ドラマが大ヒットしたので、その注目度は更に高まったが、このシリーズを僕はもっと前から注目していたのだぞ(笑)。
スケールはどんどん大きくなっていく。今回は大物政治家を相手に戦うのだから、半沢直樹は怖いもの知らずの人物。
モヤモヤ感を吹き飛ばしてくれる。フィクションの世界だが、実際、裏社会ではあり得そうな話だし・・・。
気持ち良く読ませてもらったのだが、なんだかなあ~、困ったもんだなあ~と思わなくない点もない。
このシリーズに共通していることなのだが、登場人物の大半は仕事をしていない。この表現は語弊があるのかもしれないが、本来やるべき仕事をしていない登場人物が大半。
だからこそ正義感が強く仕事に真摯に向き合う半沢直樹が主人公として生きるわけだが、そこで叩き潰される人物は僕が思うに仕事をしていない。
実際はしているのだろうけど、その目的が正しくない。全ては保身のためであり、自分の利益のためである。
それじゃあ会社がダメになるでしょ?と思ってしまう僕は余裕のない証拠かもしれないが、全体をよくしようという気概が一切見られない。
これが一般的な企業社会の中でまだまだ多いのであれば残念なことだし、若者の未来は描きにくいはずだ。だから勧善懲悪のストーリーになるのだろうけど・・・。
僕はスケールの小さいところでコツコツ生きるとしよう(笑)。
そういえばドラマでも話題になったセリフ「やられたらやり返す、倍返しだ!」。ドラマではやたら出てきたが、本書では確か1回のみじゃないかな・・・。
さてここまで来た半沢直樹。次はどこへ向かうのか。きっと海外の大富豪や外資ファンドあたりと戦うんだろうな・・・。
そうなんでしょうか?池井戸さん(笑)

嫌われる勇気

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
(2013/12/13)
岸見 一郎、古賀 史健 他

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かなり売れているようだ。僕はこの類の書籍に興味があったというよりは、あまりにも周りでこの書籍について評価しているので、これは読んでおかんとマズイなあ~という気持ちの弱さから読んだようなもの。
その時点でアドラーに悟られるのかもしれない(笑)。元々、心理系や哲学系の書物は得意ではなく、ほとんど手にすることはない。
僕のシンプルな(単細胞ともいう)脳ミソに原因はあるのだろうが、哲学書の難解な表現がどうも体にフィットすることが少なかった。名前に哲を頂いてはいるが・・・。
キャリアカウンセラーの資格を取得する段階で心理学はほんのちょっぴり学んだし、営業やマネジメントの仕事も心理に大きく関わることもあるため関心がないわけではないが、その専門分野になると足が遠のいてしまうのが実情なのだ。
恥ずかしいながら、アドラーの存在についても全くといっていいほど知らなかった。
当然、その思想なんて知る由もなかった。あまりにも無知だったな・・・。そんな意味では今回の「嫌われる勇気」はいいキッカケになったのかもしれない。
変な難しさもなく、ヨーロッパ人を対象にしているわけでもなく(笑)、明らかに日本人向きに書かれている。僕なんかはちょっとしたビジネス書ではないかと思いながら読んでしまった。
確かにここに書かれているような悩みを持っている人は多いと思う。
どちらかといえば高校生までぐらいの僕もそうだったかもしれない。ただ大学生あたりから自分を縛らなくなった事により、自由になり気持ちがラクになったように思える。
それは今も同じで、いや、さらに加速しているという話もあるけど(苦笑)。
こんな僕でも悩みはいくつも抱えているが、どうでもいいようなことは悩まなくなった。それがもしかしたらアドラーの思想に近いのかもしれない。
このブログに書いている書評は全くを持って意味不明で、書籍の参考にならないことはご勘弁を・・・。
ただこの分野にあまり関心がない人がたまには読んでみるのもいいだろう。何とも無責任な・・・(苦笑)。

京セラフィロソフィ

京セラフィロソフィ 京セラフィロソフィ
(2014/06/04)
稲盛和夫

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この一冊を読み終えるのに、随分と時間が掛かってしまった。総ページ数は605ページ。手に取った感触は国語辞典に近い。
実際にこれをバイブルとして常に携帯している経営者の姿は容易に想像できる。
これまで京セラ社内と盛和塾以外では門外不出の作品。多くの方が影響を受ける一冊になるのだな・・・。
僕は「生き方」「実学」「アメーバ経営」等、代表的な作品は読んできたが、猛烈な稲盛信者という訳ではない。日本を代表する起業家であり、その経営哲学は学ぶべきものであることは十分承知はしている。
原理原則に則った経営の在り方が鏡になっているのは事実である。
だが残念なことに、僕がまだそのレベルに全く達していないことと、理解しても実践に活かしてないことでいえば、稲盛氏のことを何か語ることは到底できないと思うだけ。
一読者として感想を述べることしかできない。結局、力不足の愚か者ということですね(苦笑)。
ただ僕なんかは本書を読んで安心したりする。
稲盛氏が前職に嫌気をさして、自衛隊に入隊しようと愚かな判断をしていた事実を知ると妙に安心してしまうのだ(笑)。
このような過去の失敗談を含め語られるからこそ、真摯な姿の説得力と結びつくのであろう。
特に本書は外部環境のいい今の時期に読むのがより相応しいのかもしれない。
それは僕自身の問題かもしれないが、比較的、業績も安定している現状では、どうしても日々の危機感や緊張感が散漫になりがち。
本来、締め付けなければならない点も甘い判断をしてしまいそうな恐れもある。そんな時に本書を読むことで、会社や仕事の本質を改めて認識する必要性があるんじゃないかと。他の経営者はそんなことはないのかもしれないけど・・・。
但し、1回ですべての事を吸収するのは無理。
最後に「何度も読み返していただき、日々の仕事や会社経営の中に生かしていただきたいと思います。」と書かれているように、少しずつ自分のものにしていくしかないだろう。
少なくとも僕は・・・。
相当時間が掛かるなあ~(苦笑)。

「代官山 蔦屋書店」に行ってきた!

東京出張の際、少し時間があったので代官山へ。
全く未踏の地。名前だけは知っていたが、どんな街でどんな特徴があるのかは全然無知な状態。
何となくオシャレでセレブなイメージだったが、東急東横線のホームに降りると「あれっ、そうでもないな・・・。」というのが第一印象。
駅構内は意外と狭く古臭い感じ。しかし、外に出てみると全く雰囲気が変わる。名古屋から出てきた田舎者は瞬間的に場違い感を感じてしまった。
代官山の目的は「代官山 蔦屋書店」の社会見学。
そうはいっても右も左もわからない土地。代官山交番前の歩道橋から、どこだ、どこだと探してみる。
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そして、目的地に到着。
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さすがに広い。ジャンルごとに分けられたスペースはセンス良くレイアウトされている。アートからクルマ、いろんなスペースを眺めながら、結局、辿り着くのは悲しいかなビジネスコーナー。
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しかし、ここでも蔦屋書店のセンスの良さを感じる。「データを味方にする」なんていう分類分け。分かりやすくてカッコいい。
2階に上がり、映画のコーナーも覗いてみる。絶対近所のTSUTAYAでは見ることのできないラインナップが・・・・。
懐かしの昭和の日本映画も並ぶ。階段も気が利いている。
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そして、何より感じたのがお客さんの層。みなさんオシャレ。それも気品が漂う方ばかり。僕も頑張った服装でお邪魔したものの、自分は浮いていないかと名古屋の田舎者はビクビクしてしまう。
代官山という街がそうさせるのか、文化度の高いこのお店にそんな方が集まるのか・・・。
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自分がこのスペースにマッチしているかはともかくとして(笑)、ここだったら一日中いても飽きることはないだろう。
名古屋にもこんな書店できないかなあ~。名古屋でも健闘している書店はあるが、ここまでやりきるには相当な勇気が必要だろうと無責任に思ってしまった。
できれば店内のスタバでゆっくりとコーヒーでも飲みながら、その雰囲気を味わってみたかったが、そんな時間的な余裕もなく、目的地を後にした。
駅に向かう途中で見られた閉鎖された施設。
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代官山の光と影なのか・・・。詳しくはわからないけど・・・。
それにしても子連れのママもご老人もみんなオシャレだったのには驚いた。名古屋では考えにくいな(笑)。また、機会があれば行ってみたい。

福地氏の「私の履歴書」

昨日までの日本経済新聞「私の履歴書」は元アサヒビール社長の福地茂雄氏。興味深く1か月読ませて頂いた。
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この「私の履歴書」には政治家、作家等文化人、研究者、役者など幅広い分野で活躍した方が登場する。僕の視野が狭いせいもあるだろうが、そんな中で企業経営者の半生が一番好きだ。
自分と重ね合わすことは到底できないが、その生き方や考え方から学ぶ点は多い。
そんな意味では福地氏が語られた1か月も十分参考になった。
飲料業界トップのリーダーというとバリバリの体育会系で強烈な個性の持ち主かとイメージしてしまうが、その前の社長瀬戸雄三氏同様、福地氏も温厚な印象だ。
もちろん営業畑を歩いて来て(名古屋もわずかだけ赴任された)、体力面や精神面で苦労された時代はあるのだろうが、写真や文章からそれをあまり感じさせない人間味溢れる姿が頭に浮かぶ。
福地氏が社長に就任する頃は、アサヒビールがトップの座を掴み、それをどう死守していこうかというハードな時期。
発泡酒への参入も会社の考えを覆すタフな仕事だったと思う。そのタフさを深刻な顔など見せず、普段と変わらない飄々とした表情で振る舞うのが真のリーダーの姿だろう。
無理はしているのだが、それを感じさせない自然体な態度を今回の「私の履歴書」から読み取ることができた。それは僕だけかな・・・(笑)。
最終回の昨日はご自身の病気のことも書かれていた。
その中には”「福地とNHKには休肝(刊)日なし」が自慢だったのに。”という一文が・・・。ということは福地氏は1年365日×何十年とずっとビールを飲んでいたのか。
ビール会社の鏡であるのは間違いないが、休肝日を設けていないことに敬服する。1か月に数回、休肝日を持とうとする僕はまだまだ甘ちゃんだ。休肝日なんて止めてしまおうか・・・。
そして、この一文にも感銘を受けた。
自分の置かれた立場でできることはしっかりやるということだ。会社には不要な人も職場も抱える余裕はない。仕事の面白さはやってみないと分からない。私は希望の勤務地や部署などを記す人事シートは常に「白紙」だった。
時代の違いはあるだろうが、今の若い世代にも知ってもらいたい。
福地氏は現在の仕事を完全リタイアされたら、晴描雨読(せいびょううどく)でのんびりしたいと言われる。そんな生き方も素敵だ。
ありがとうございました。

林原家 同族経営への警鐘

林原家 同族経営への警鐘 林原家 同族経営への警鐘
(2014/05/16)
林原健

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ボンクラ経営者の僕がいうには大変失礼でおこがましいとは思うが、著者は経営者として信じ難い。
それも日本経済新聞の「私の履歴書」にも登場した方。そんな方がこんな経営をしていたなんて許されるはずはない。
僕のような若輩者の戯言だと叱られるかもしれないが、それが本書を読んだ素直な感想。名経営者として相応しい時期が長いのももちろん理解はしているが・・・。
しかし、売上高も利益も決算書も見ることも関心もなく、会社経営を行っていたとは社長の役割を完全に放棄しているといえるのではないか。いくら研究畑であっても関係がない話だ。
粉飾決算の事実や取締役会を一切行わないのは、同族経営にはありがちな行為と本書には書かれているが、真面目に事業に取り組む同族経営者に対しては完全な侮辱だし、失礼な話だと思う。
過去の栄光も実績も会社を潰してしまっては何の意味もなさない。
メセナ活動や研究開発において評価されるべき点もあるかもしれないが、公共事業の無駄使いと同じで、会社に損害を与えていては活動自体が自分勝手な行動となる。それが許されるのであれば、誰だってやればいい。
私が会社にいる時間は午前11時半から午後2時半までの3時間と決めていた。技術開発のことを考える上で、一番いいのは夜中。
人によってそれぞれだろうが、みんな寝静まったときに瞑想するように考えると、昼間とは全然違う発想が得られるのだ。
こんなに短時間しか会社にいない社長も珍しいということで、メディアにはこのことが取り上げられたが、私にいわせれば、他の社長が「社長の仕事」をしていないだけだと思う。

著者はこんな一文を書いている。
僕には驕っているとしか読み取れなかったし、何の説得力も持たない文章にしか思えなかった。
会社の目の前の事を考え、四六時中、会社にいて懸命に働き、会社を存続させる。それだって十分立派な「社長の仕事」だ。僕はそう思う。
何だかボロクソな感想になってしまったが、本書を否定するものではない。今、ファミリービジネスを学ぶ者として、同族経営の大きな問題がここに隠されていると感じる。本書のケースは壮大すぎるのかもしれないが、参考になる点は多い。
同族経営で悩まれている方も、是非、読むべきだろう。
いい勉強にはなりました。ありがとうございました。
自分がそんな存在にならないためにも・・・(笑)。

資本主義の終焉と歴史の危機

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) 資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
(2014/03/14)
水野 和夫

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本書を読むと将来に対して絶望的な気持ちになるのと同時に、では、一体会社をどんな方向に向かわせればいいのかと悩んでしまう。
僕は基本的に規模を追うことは求めていない。企業を成長させることは経営者の義務には違いないが、売上拡大のみを追求していくとここに書かれている世界へと自ら迷い込んでしまうようだし・・・。
資本主義の中で生きていくことを否定するつもりもないし、その中で淘汰される現実があるとすれば甘んじて受け入れなければならない。ハゲタカのいう資本の論理というヤツだ。
(おっ、今日はハゲタカ会in名古屋だぞ・・・)
だからこそ何のための会社なのか、会社をどうしたいのか、社員をどうしたいのかを真剣に問い続けなければならない。それが僕に求められる一番大きな要素。ボンクラ経営者は脳ミソのメモリー量が少ないので、困ってしまうけど・・・。
先行きを予測するには歴史を振り返る必要がある。16世紀以降の資本主義の在り方が、ヨーロッパや日本、アメリカを経て、これからの中国に繋がっていく。分かりやすい世界ではあるが恐ろしい世界でもある。
そして、資本の後始末をするのが国家という見方も説得力がある。
バブルが崩壊すると、国家は資本の後始末をさせられる。資産価格の上昇で巨額の富を得た企業や人間が、バブルが弾けると公的資金で救われます。その公的資金は税という形で国民にしわ寄せがいきますから、今や資本が主人で、国家が使用人のような関係です。
僕らのような中小企業は自己責任しかあり得ないわけだが、僕はその方が潔くていい。責任の所在ははっきりしないといけない。誰も責任を取らない世界は勘弁してほしいと思う。
「禁欲」と「強欲」はコインの裏表。
常にそこを意識していかねばならないだろう。う~ん、愚か者には難しいかもしれないが・・・。

TVばかり観ていた一日

本当は日本代表の勝利を祝うブログを書くつもりだった。
しかし、結果は2対1の惜敗。いや、惜敗ではないだろう。内容をみれば完敗かもしれない。
先日のザンビア戦と比較すると全然つまらない試合だった。つまらないという表現はよくないが、躍動感が感じられない試合だった。次のギリシャ戦で日本の本来の強さを見せて欲しい。
そんな昨日は珍しくTVの前にいることが多かった。TVを見る機会は年を重ねるごとに少なくなっているが、昨日はそんな中でもかなり長時間TVの前にいたのだ。
早朝ランニング後、日曜の定番「サンデーモーニング」を見た後は、日本代表戦。午後、外出するものの夕方前には帰宅。
DVDでドラマ「ハゲタカ」を観る。約1年ぶり。理由については来週あたりのブログで明らかにするが、何度見ても企業経営について教えられることは多い。
そして、夜は立て続けだ。20時からの「黒田官兵衛」と21時からの「ルーズヴェルトゲーム」。
両番組も佳境を迎えてきた。官兵衛はまだまだこれからか。織田信長も元気だし・・・。昨日はどっちも江口洋介がいい演技してたな(笑)。
できれば夕食時のサザエさんの時間は勝利の美酒を飲みたかったが、悔しいビールとハイボールになってしまった。結局、飲んでるだけでしょ!と言われるかもしれないが、やはり気分は違う。
こんな日曜日は思いっきりサボっているような気がして、勿体ない気持ちでいっぱいになるが、たまにはこんな日もいいのかもしれない。アタマ休めすぎだけど・・・(笑)。
さあ、今週も一週間が始まる。金曜日こそ勝利の美酒を飲ませて欲しい。

みんなで変える日本の新卒採用・就職

minnasyusyoku14
普段、お世話になっているHRプロ株式会社の寺澤社長の著書。先日、参加したHRサミット2014の会場で自らアピールされていたこともあり、その場で購入した(笑)。アマゾンあたりでは販売されていないのか、検索をかけても出てこない。
本書は寺澤社長が普段から述べられている新卒採用環境の問題点について、辛口ながらも愛情を持った表現で語られている。
僕は幸いに何度も寺澤社長の講演も拝聴し、直接、お話をさせて頂く場もあるため、その人となりは存じ上げているつもりだが、全く知らない人から見れば、随分、厳しく難しい人が書かれていると思うだろう。
特に自分たちの属する就職支援会社に対しての見方は手厳しい。素直に受け止めなければならない点と反論すべき点はもちろんあるのだが、これは自分たちが抱える問題点としては真摯に耳を傾けなければならない。
自分に取って都合のいい表現をすれば、その問題点やひずみを少しでも解消するのが僕らのようなローカルでニッチな就職支援会社の役割ともいえる。都合のいい解釈をして・・・(苦笑)。当然、反省もついて回るが・・・。
寺澤社長ご自身も同業で長年仕事をされてきた経験の持ち主なので、自戒を含めその構造については熟知されている。だからこそ、無責任なメディアの発言とは違い説得力を持っているものと思われる。
本書には現状の新卒採用の問題点を明確にし、その解決策を提案している。そこには賛同する面も多い。
このブログですべてを紹介するわけにはいかないが、僕らが解決策として十分対応できることがあるとすれば、「身の丈に応じた就職活動」の支援だろう。
地域の中堅・中小企業、それも一見、学生には分かりにくい企業とのキッカケを提供し、その魅力を伝えることができれば、現状の問題点も少しは解決できるだろう。学生に対し、諦めさせない場の提供も同様。
これが「身の丈に合う」就職に繋がるはずだ。ちゃんとやらないといけませんね・・・。
本書では業界全体のことが中心ではあるが、ご自身のお子さんの就職活動及びその関わり方にも書かれている。この項目についてはひとりの親として参考にもなった。
僕も立場的に親御さんに向けて偉そうに(?)語る場を頂き、それなりの事を話したりする。しかし、いざ、自分がその立場になった時、どう対応できるかとなると案外自信がなかったりする。子供も立場を理解しているので、きっと身構えるはず。(僕の講演、説得力ないっすね・・・)。
そんな場合、どう向き合えばいいのか。これはいい勉強になった。寺澤社長、ありがとうございます(笑)。
課題が多い日本の新卒採用。しかし、悪い事ばかりではない。いい面もたくさんあるのが真実。そのいい面を活かしながら、どう自分たちが関わっていくかも大切な仕事だろう。

星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント

星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント 1 継ぐべきか、継がざるべきか 星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント 1 継ぐべきか、継がざるべきか
(2014/02/06)
中沢 康彦

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僕の今年の課題の一つにファミリービジネスについて学習することがある。僕がその対象であるわけではないが、自分を取り巻く環境にはこのことが語られることは多い。
以前はファミリビジネスーに関して軽んじてみていたが、知れば知るほど奥の深いものと感じるようになった。
本書では星野リゾート社長の星野佳路氏が様々な立場から事業(家業)を引き継いだ経営者と対談形式で書かれている。一般的にファミリーによる事業継承は3つだと言われるようだ。
①一貫して「継ぐ」ことを意識。
②卒業時に「継ぐ」ことを決める。
③「継がない」から「継ぐ」に転じるケース。
大きく分けるとこのように分類される。
理想は①のように物心ついた時から意識しているパターンかもしれないが、今の時代、そんなケースは少ないようだ。むしろ③のように違う道を選択しながら結局戻ってくるケースが多い。
僕の周りにも全く異なる業界で仕事をされていながら、最終的には親の意志を自分の意志に変えて引き継いでいる方も目立つ。そこにはサラリーマンでは絶対にわからない覚悟がある。
世間には僕みたいにサラリーマンからトップになる珍しいケースもあり、それにはそれなりの覚悟も必要なのだが、その覚悟はまだ甘いのかもしれない。全然違う階段を登っている。
僕のような場合は共に働く仲間は納得し賛同してもらいやすいが、ファミリーの場合はお手並み拝見とある種冷めた目で見られる場合も多いだろう。それも口には出さず態度だけで眺めているケースもあるはずだ。
いくら権力を保持していてもその権力は場合によっては仇となってしまうだろうし・・・。
星野氏は自らの経験を踏まえ、継ぐべきか、継がざるべきかという判断を迫られた場合、明確に「継ぐべき」と断言している。それが企業としての成長や存続に繋がりやすい根拠を示しながら断言しているのだ。
ここに登場する方は数少ない事例に過ぎない。ひとつのドラマに過ぎない。僕がまだまだ知らなければならないドラマも沢山あるように思う。
そのためにもっと深く学ばなければならないことも多いようだ。