京セラフィロソフィ 京セラフィロソフィ
(2014/06/04)
稲盛和夫

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この一冊を読み終えるのに、随分と時間が掛かってしまった。総ページ数は605ページ。手に取った感触は国語辞典に近い。
実際にこれをバイブルとして常に携帯している経営者の姿は容易に想像できる。
これまで京セラ社内と盛和塾以外では門外不出の作品。多くの方が影響を受ける一冊になるのだな・・・。
僕は「生き方」「実学」「アメーバ経営」等、代表的な作品は読んできたが、猛烈な稲盛信者という訳ではない。日本を代表する起業家であり、その経営哲学は学ぶべきものであることは十分承知はしている。
原理原則に則った経営の在り方が鏡になっているのは事実である。
だが残念なことに、僕がまだそのレベルに全く達していないことと、理解しても実践に活かしてないことでいえば、稲盛氏のことを何か語ることは到底できないと思うだけ。
一読者として感想を述べることしかできない。結局、力不足の愚か者ということですね(苦笑)。
ただ僕なんかは本書を読んで安心したりする。
稲盛氏が前職に嫌気をさして、自衛隊に入隊しようと愚かな判断をしていた事実を知ると妙に安心してしまうのだ(笑)。
このような過去の失敗談を含め語られるからこそ、真摯な姿の説得力と結びつくのであろう。
特に本書は外部環境のいい今の時期に読むのがより相応しいのかもしれない。
それは僕自身の問題かもしれないが、比較的、業績も安定している現状では、どうしても日々の危機感や緊張感が散漫になりがち。
本来、締め付けなければならない点も甘い判断をしてしまいそうな恐れもある。そんな時に本書を読むことで、会社や仕事の本質を改めて認識する必要性があるんじゃないかと。他の経営者はそんなことはないのかもしれないけど・・・。
但し、1回ですべての事を吸収するのは無理。
最後に「何度も読み返していただき、日々の仕事や会社経営の中に生かしていただきたいと思います。」と書かれているように、少しずつ自分のものにしていくしかないだろう。
少なくとも僕は・・・。
相当時間が掛かるなあ~(苦笑)。