このような書籍が出版されることは非常に喜ばしい。
それも地元の出版社じゃなく大手出版社が出版してくれることに大きな価値がある。
少しでも多くの方に読んでもらいたい一冊。

僕のブログで「円頓寺」を検索するとなんと113件もヒットする。
オフィスを伏見に移転してから通う頻度は減ってしまったが、
僕が大好きな商店街であるのは間違いない。
オフィスを丸の内に構えていた2010年から2016年までの7年間は頻繁に通っていた。

僕が最初に円頓寺に訪れたのは20代半ばだったと思う。
「勝利亭」とか「はね海老」とかその当時から有名なお店には行ったことがあった。
しかし、それからすっかりご無沙汰となり、
再びお邪魔したのはオフィスを移転してからのこと。

本書ではその間の低迷した商店街を紹介しながら、
その復活を克明に著している。

それは僕が丸の内で過ごした期間とダブるので、本書に共感することは多い。
オフィスを移した頃はさほど盛り上がってはいなかった。
だがその雰囲気は十分に持っていたかと思う。
ちょくちょく寄る度に新しい店ができ、
顔を出したりするうちに馴染みのお店もできてきた。
円頓寺商店街が盛り上がると共に四間道の古民家も改築され洒落たお店もできてきた。
大切な人を連れてくると結構喜んでもらえた。

本書に紹介されているパリ祭も顔を出した。

少しばかりだが協賛をした時期もある。
変化を感じることができたのは僕が事業を行う上でも
いい影響を与えてくれたんじゃないだろうか。
それは単に飲みの場の提供かもしれないけど・・・(笑)。

本書には知り合いや知った店も頻繁に登場する。
その点でも親近感が沸くが、こうして書籍になって初めて知る苦労もある。
「西アサヒ」が「なごのや」に変わった経緯は触れてはいないが、
そのあたりも含め円頓寺が変化してきた。
クラウドファンディングでもらったチケットもそろそろ使わないと・・・。

いずれにせよ、このようなカタチで円頓寺が取り上げられ、
今まで頑張ってきた方は勇気づけられるだろう。
部外者ながら僕自身も嬉しかったし・・・。

あえて自己主張すれば僕は円頓寺シリーズで50軒の食べ物屋さんを紹介している。
そのあたりが本書でも紹介されているのではと思ったが、
それは至極甘い考えであった(笑)。
まあ、それは当たり前。
取材を受けたわけでもないし・・・。

総じて共感する面が多かった本書だが、クレームをつけるとすれば帯のコピー。
「野良猫さえいないシャッター通りに人波が押し寄せた!」
それは言い過ぎ。
少しは人はいました。
犬や猫を散歩する人もいたはず。
まあ、これも講談社さんの販売戦略かな(笑)。

いい機会を頂き、ありがとうございました。