何かと話題の多い映画。
SNSの投稿なんかを読むと普段あまり映画を観ない人が
劇場に足を運んだと思わせる。
それくらい僕の周りでも話題になっている。

そんな意味では映画コラムニストというよりも
自主映画に関わった者としてとても嬉しいし、
一人でも多くの人に観てもらいたい作品。
話題性に左右されがちだが、それは観てみれば全てが判明するだろう。

僕が観たのは土曜の朝一番。
前日にWebで予約をしたわけだが、その段階で相当席が埋まっていた。
若いお客さんがお客さんが多かったのは、やはりソーシャルの影響か。

そんな状態で映画館に入ったわけだから、僕も必要以上に期待値は上がる。
しかし、残念ながら始まってしばらくは僕の期待値を上げるものではなかった。
確かにワンカットで一度も撮影を止めることなく
撮り続ける凄さをビシビシと感じていたのは事実。

相米監督でも小津監督でも長回しの限界はあった。
それが本作はない。
ずっとカメラが追い続けている。

それがタイトルの「カメラを止めるな!」に
繋がっているのは間違いないだろうが、
観る者はそれに引っ張られ映画の魅力というよりも
その長回し、ワンカットに影響を受けていく。
そして次第に車酔いの状態に陥る。
カメラを止めるながグラグラ動くので、酔うのも仕方ない。

これが本当に面白い映画なのか?
途中まではそんな思いでホラーのジャンルに入るであろうこの作品を観ていた。

そして、見事に裏切られた。
なんて凄いんだ、この映画はと思い始めた。
ホラー映画のはずがゲラゲラと笑い始めたのである。

もうこれ以上はネタバレになるので言わない。
内容を書くことをしない。
ただ言えるのは、この作品は2回目を観た方が
楽しめるのかもしれないということ。
そして、製作費300万円でもアイデア次第で面白い映画は作れるということ。

特に最近はド派手なVFX技術を駆使する作品が
もてはやされているが本質はそこではない。
映画の原点はここにある。
それを感じさせてくれる映画だった。

個人的に嬉しいのは本作がミニシアターだけでなくメジャーな劇場で流されること。
それも多くの観客がいること。
大学時代に8mm作品を作っている時代を思い出してしまった。

もう1回、行く時間はあるかな・・・。