
いい意味で裏切られた映画。
僕が想像していた展開とは異なり、結果的にそれがよかった。
予告編にうまく騙された。
ネタバレになるので多くは語らないが、とてもステキな恋愛映画。
今年に入って何故か恋愛ものばかり観ているな。
ロマンチックを求める年頃なのだろうか(笑)。
先日観た「勝手にふるえてろ」を松岡茉優100%の映画と書いたが、
本作は長澤まさみ100%の映画。
全てが彼女中心に回っている。
最初から最後までずっとだ。
決して可愛らしいヒロインではない。
キャリアウーマンだが自分勝手で自己中心的。
人を傷つける言葉を平気で言う。
申し訳ないと思っても素直に謝らない。
酔ってくだを巻く。
美人じゃなければかなり嫌われる存在だろう。
そんな書き方をすると長澤ファンを敵に回してしまいそうだが、そうではない。
そんな役柄だからこそ彼女の魅力が高まるし、味方にもなりたくなる。
その純粋な気持ちを応援したくなるのだ。
ラストシーンに近い長回しはその象徴。
あれでやれらてしまった男性諸氏は多いだろう。
といっても、この作品が公開されて今日で2日目。
僕は初日の朝一番の上映で観たのだから、
試写を除けば日本でこの映画を最も早く観た一人。
お客さんは数人しかいなかったし・・・。
この素敵なブログのおかげで観客動員がグーンと伸びる匂いがする。
そろそろ東宝さんからお礼を言われてもいいと思うが、
残念ながらそんな予感はしない(笑)。
本作には時々マジンガーZが登場する。
映画を観ながら、
「東宝は上手いな。映画マジンガーZへ誘導しているな・・・。」とニタニタしていた。
こんな宣伝手法もあるのかと・・・。
しかし、それはどうやら偶然。
映画マジンガーZの配給会社は東映さんだった。
深読みも禁物(笑)。
そして、相手役は最近やたらと出演している高橋一生氏。
僕が彼の存在を知ったのは大河ドラマ「軍師 官兵衛」。
官兵衛の家臣九郎右衛門を演じていた。
家臣の中では知的でクール。
はまり役だった。
僕が思うには彼が多くの番組に出るようになったのはここからじゃないだろうか?
えっ、周知の事実?
今回の役もいいが、一番似合っているのはあんなちょっと冷めた役柄だと思う。
先日、2017年のキネマ旬報年間ベストテンが発表された。
日本映画のベストテンのうち僕が観たのはたったの3本。
これでは映画コラムニストとして失格である。
最低2/3は観ておきたい。
となると今年は日本映画を観るペースをもっと上げなければならない。
これも大事な仕事。
もっと頑張らねば・・・。
違うか(笑)。

何ともブラックなタイトルである。
著者の曽和さんは『就活「後ろ倒し」の衝撃』をきっかけに知り、
その後、お会いする機会を頂いた。
講演ネタでも使用させてもらった(笑)。
本書も含め過激なタイトルの書籍が多いので、
人物的にも毒舌を吐く方かと思っていたが、実際は温和で紳士的。
採用に対する考え方も理に適った説得ある話をされる。
インパクトあるタイトルで人物が誤解されることはないだろうが、
あえて話題性を作るための戦略なんだろう。
こんな表現をすると自分がいかにもできる人間みたいで恥ずかしいが、
本書には僕が普段、思っていることがズバズバと書かれている。
僕は気が弱い人間だし、炎上もさせたくないので、
オブラートに包んだ表現で誤魔化しているが、
実際はここに書かれていることに大いに賛同する。
まあ、会社を守る立場としてはあまり敵を作るのはよろしくないので、
気は弱くなくてはならないのだ(笑)。
ただ社内を見渡せば、いい意味で同じ解釈が浸透している。
パワハラ発言なんて日常茶飯事なような気もするが、
(ウソです)
それを受け止めるメンタリティは各自が持ち合わせている。
「良いダメ出し」も「はっきりストレートに話す」こともうちの文化だとも思う。
それが健全性を生み、逆にギスギスした関係性はなくなる。
それは「悪人」を各々が理解し、自らも少なからず「利他的な悪人」として存在しているからこそ。
まだまだ「部下の相談をスルーする」厳しさは持ち合わせていないので、
真の悪人にはなりきれていない。
だから離職率も低いのだろう。
本書は逆説的に表現されていることが多い。
しかし、そこに愛を感じるし、組織の全う性も感じるので嫌悪感は一切感じない。
表向きに美しい制度や職場を作るだけでなく、
本音でぶつかり合う環境がいい職場になっていくはず。
本書を読んで、自分の考え方に自信を持ったのと同時に未熟な点にも気づかされた。
帯にあるようなハゲちゃびん社長になるつもりはないが、
もっともっと「利他的な悪人」になるべきかもしれない。
おススメの一冊である。

この年齢になると恋愛映画には興味がなくなる。
若い頃はそんな映画を観ながら胸をときめかせていたが、
自分自身が大人になり汚れてきたことでそんな感性も失ってしまった。
もうどんな恋愛映画を観てもと心を揺さぶられることはない。
そんなふうに思っていた。
しかし、である。
まだまだ僕の恋愛に関する感性は錆びついてはいなかった。
主役である松岡茉優さんに惚れてしまったわけではないが、
(実際、この主人公に惚れる客はいないだろう・・・笑)
彼女の魅力には打ちのめされた。
ある意味、松岡茉優100%の映画。
少し前まで名前すら知らなかった女優さんだが、
彼女の存在が僕の中でググッと大きくなってきた。
いやあ、凄くいい。
とてもキュートな女優。
あの愛くるしい笑顔に翻弄される輩はきっと多いはず。
何よりとても達者な女優さん。
あれだけ表情を変え、早口で小難しいセリフを言いまくり、嫌な女へと豹変する。
その演技が素晴らしい。
そして、頭の回転が速い女優なんだろうとイメージさせる。
これだけ妄想の世界を演じ切る想像力は監督の演出を超えているのではないだろうか。
と、なんだかベタ褒め状態。
そんな意味では久々に胸がときめいた女優さんだ。
当然のように原作は読んでいないし、ストーリーもほとんど知らずに観た映画なので、
想像と全く異なる世界に最初は戸惑った。
下手したら途中で席を立ってしまうかもしれないと思わせるような導入だった。
それが徐々に引き込まれ、気づいた時には主役ヨシカの一挙手一投足が気になって仕方なくなり、
その揺れ動く感情に気持ちを持っていかれてしまった。
決して可愛い正統派なヒロインの描き方ではない。
偏屈でわがまま。
ピュアなラブストーリーとは程遠いが、結果的にほのぼのとする恋愛映画。
50歳過ぎのオヤジでも十分楽しめる。
新しいタイプのアイドル映画といってもいいのかもしれない。
たまにはこんな映画も観て、感性が鈍るのを食い止めるべきですね。
松岡茉優、注目です。
もう注目してる?
ちと遅いか・・・(笑)。

サントリーを表現する言葉としてよく知られているのが「やってみなはれ」。
本書の中にも何度となく出てくる。
その言葉自体は、単純明快で分かりやすく感動めいたものがあるわけではない。
ところが下巻の最終章あたりで鳥井信治郎が息子・佐治敬三に投げかける言葉で何故か涙が出た。
しごく普通の場面である。
しかし、その言葉が会社を全面的に任せ、
息子に全幅の信頼を置いた言葉のように刺さり、思わず涙が出てしまった。
著者である伊集院静氏にそんな意図があったかどうかは分からないが、
僕の中では最も感動するシーンであった。
本書は日本経済新聞にも連載されたサントリー創業者鳥井信治郎氏の生涯を描いた小説。
新聞紙面は気になっていたものの読まずに終わってしまった。
著者の伊集院静氏も何の疑いも持っていなかったが、
読み終えてからその関係性についてハッと気づいた。
成人式や入社式の日には必ずサントリーの広告があり、
送る言葉を書いているのが伊集院氏。

今年はこんな感じだった。
なかなか、いい。
娘にも送ったしね。
以前でいえば佐治敬三と開高健の関係に近いのではないか。
サントリー宣伝部的な役割。
執筆の背景にそれがあるとしたら、とても美しい話。
鳥井氏の生涯はどんな経営者が読んでも夢やロマンに溢れ憧れる存在。
僕のようなちっぽけな凡人は参考にすることもできず、
ただただその行動力を唖然としながら見ているだけ。
自分に置き換えて考えてみることはできようもない。
人間的度量の大きさや描く未来は壮大。
だからこそ日本を代表する洋酒メーカー、
いや飲料メーカーを創り上げることができた。
普段、エラそうに17年物のウイスキーを飲み、
何のためにもならないウンチクを語っている身が恥ずかしくなった(笑)。
当たり前の話だが、初めてウイスキーを作る場合、先行投資以外何もない。
回収できるのは数年後で、それまでは全て投資。
恐ろしく博打に近い。
それを笑顔でやってしまう。
今さらながら凄い人物ですね。
そして、ファミリービジネスとしてもお手本のような企業。
亡くなってしまったが長男・吉太郎、次男・佐治敬三。
(本書は佐治家のことは一切触れていない。このあたりのことはこちらですね・・・笑)
また、その息子たち。
有能な後継者を続々と育て、その伝統や理念をきっちりと継承している。
企業と同時に同族企業としてのロールモデルであるのも間違いない。
いい勉強になりました。
本書を読み終えるとウイスキーが飲みくなる。
早速、会社の地下のBARに行って、飲んでくるかな。
いかん、置いてあるボトルは余市じゃないか。
まあ、竹鶴氏も登場することだし、それもいいかな(笑)。

きっと友人映画評論家ヤブさんの映評がなければ観なかった作品。
山崎監督は好きな監督の一人だが、ファンタジーの類はあまり得意ではない。
ふだんはカッコつけて社会派映画を気どって観るタイプだし・・・(笑)。
結果的には観ておくべき映画だった。
全編通して、とても不思議な感覚に襲われ、僕自身が別の世界に引き込まれていく。
これも不思議な感覚なのだが、
映画を観ながら大林監督の名作「さびしんぼう」を思い出してしまった。
高畑充希さん演じる亜希子役と富田靖子さん演じる「さびしんぼう」がダブってしまったのだ。
「さびしんぼう」は僕が大学時代に観た映画で大林作品では一番好きな映画。
これまで観た日本映画の中でもトップ5に入るだろう。
感化され尾道のロケ地にも行ってしまったほどだ。
そのさびしんぼうと亜希子の泣いて去るシーンがなぜかダブってしまい、
ぐらりと体を揺さぶられてしまった。
正直言って、高畑充希さんはこれまであまりカワイイとは思わなかったが、
(すいません)
この映画で一気に好きになってしまった。
映画の与える影響は大きいですな(笑)。
ネタばれになるので多くは語らないが、
この作品には貧乏神やら死神に加え、多くの魔物や幽霊が登場する。
安藤サクラの死神なんてやたら軽い。
「~っすよね~」という語り口調。
しかし、そのコミカルさが上質なエンターテイメント作品に仕上げている。
映像もさすが山崎映画と思わせる世界。
亜希子が連れ去られる「黄泉の国」は宮崎映画で見たような気もするが、創造性溢れる世界だ。
チープな恋愛映画はこの歳になると観る気になれないが、
この作品は胸がときめき、
忘れかけた若い頃の感覚を思い出させてくれる。
ジャンルは異なるが大人が楽しめる恋愛映画といってもいい。
この映画の脇を固めるのは山崎作品の常連。
堤真一、薬師丸ひろ子、三浦友和らがいい味を出している。
こんな映画が多いときっと日本もシアワセになる。
年末年始に相応しい映画だろう。

昨年の公開時に見逃した作品。
友人映画評論家のヤブさんは高評価をしていた。
最近、Amazonプライムにアップされたので、早々に鑑賞。
またもやAmazonプライム地獄に堕ちていった(笑)。
そして、この映画の登場人物もことごとく堕ちていく。
まあ、それがたまらなくいいのだろう。
どこからみても福山雅治はカッコいい。
脱いだ姿も引き締まっていてなかなかいい。
主演作も多いが、本作がハマリ役ではないか。
弁護士も固い父親も龍馬もいいが、こんなスケベでだらしなく、
それでも真の通った役柄が彼には合うのではないか。
役作りはほどほどで自然体で臨んでいるように思えた。
他の役者も素晴らしい。
少し前に「私の男」を観たが、
(これはブログには書かない・・・笑)
二階堂ふみの恐ろしいくらいの演技に驚いた。
その時のインパクトはないにせよ、この作品でも映画を引っ張る。
将来、どんな大女優になるのだろうか。
そして、リリーフランキー。
その壊れた存在感は半端ない。
この才能はなんだ。
なにかつけて天才だ。
先週観た「探偵はBARにいる 3」も良かった。
吉田羊さんも相変わらずステキ。
ここだけ“さん”付け(笑)。
こんな強い女性に絡まれてみたい・・・。
と出演者の評価ばかりしているが、肝心の作品はどうか。
野次馬的に楽しめるし、楽しむべき映画。
やっている行為は結構酷い。
仕事とはいえ、恨まれることは多い。
それをプロの仕事として行う。
それはそれでプロ根性を見せてくれる。
だから、酷いシーンでも好感をもって受け入れることができる。
そうじゃないと懸命に打ち込む彼らは浮かばれない。
そこまで難しく考えなくても単純に楽しめばいい。
実際あんなふうにスクープは撮られるのだろう。
面白いナンパな作品であったが、最後に一つ。
あのラブシーンは必要なのかな・・・。
サービスシーンかもしれないが、個人的にはなくてもよかった。

このシリーズはつい観てしまう。
いや、表現が正しくない。
つい観たくなってしまう。
そんな作品。
ちなみに一作目のブログはこちら。
二作目のブログはこちら。
しかし、前作からほぼ4年も経過。
随分と時間は経ったが、そんな感じは一切しない。
何より主役の2人が全く変わらない。
歳を取らない。
人間的な軽さ、重さも変わることがない。
舞台となる北海道も同様。
歓楽街としての華やかさと寒々しい街の風景がマッチしている。
主役の探偵大泉洋さんは相変わらず軽薄で単純、それでいて情に脆く人間的だ。
本作は和製ハードボイルドだと思っているが、ありがちなクールさは見られない。
いとも簡単に物騒な事件に巻き込まれ、それを嘆き騒ぐ。
今さらながら、主役の名前を調べてみたら「探偵」としか書かれていない。
そういえば映画の中でも名前で呼ばれることはない。
初めて知った・・・。
そのあたりの演出はハードボイルドだ(笑)。
毎回、ゲスト(?)として美しい女優が登場し、探偵を翻弄する。
今回は北川景子さん。
悲しい過去を背負い儚げに美しく生き抜いている。
探偵はその美しさに翻弄されたわけではないが、
結果的に大差なく、後悔する行動をとってしまう。
羨ましいけど(笑)。
ストーリーの展開は読むことができる。
裏切られることはない。
その分、どんどん感情移入していく。
観る者も巻き込まれていくわけだ。
それがこの作品の素晴らしさといえるだろう。
そして、このシリーズの主役は大泉洋しか考えられない。
北海道という舞台がそうイメージさせるが、彼のキャラクターが映画を引っ張っている。
大笑いできるのも、しんみりするのも、手に汗握るのも彼のおかげ。
これだけ人を笑わせる二枚目はいない。
日本を代表するマルチプレイヤーではなかろうか・・・。
脇を固める役者もステキだ。
相棒の松田龍平はもちろんのこと、田口トモロヲ、マギー、
安藤玉恵あたりのキャラクターが映画をより魅力的にさせる。
数年で1本でいい。
ずっとシリーズで続けて欲しい。
寅さんのようにはいかないだろうが、
大泉洋扮する探偵がどこまでムチャができるのか、
どの段階でコンビを解消するのか、
そして、探偵業を廃業するのかを観てみたい。
この先も期待したい映画である。

2か月前に若手勉強会がリニューアルされたことをブログに書いた。
若手メンバーを3チームに分け、課題図書について学びを共有する。
最後は今後の自分に活かせるポイントを宣言する。
月1冊×3か月×3チームで回す。
結果として若手全員が全ての課題図書を読む。
それが11月で一巡し終了。
今月からはまた新たな3冊でスタート。
僕はファシリ役なので、読んでも読まなくてもどちらでもいいのだが、
議論をスムーズに進行するために読んでおいた方がいい。
12月は3チームがそれぞれの書籍について発表するので、
僕は3冊全てを読んでおくのがベスト。
これが難しい。
いや、この短時間ではムリ。
言い訳ではないが他にも自分にとっての課題図書もあり、
そこまで追いつかないのが正直なところ。
最近、ようやくその1冊である「管理しない会社がうまくいくワケ」
(写真右端)を読み終えただけ。
これは11月の「名古屋ファミリービジネス研究会」の補足資料としても使われた。
講師の西やんが人間関係を良くするために必要なことを話すわけだが、
その内容が本書に盛り込まれている。
近い書籍では「自分の小さな『箱』から脱出する方法」があるが、
それをよりビジネスに近づけたのがそれ。
”外向き思考”になること、いわゆるマインドセットすることが大切だという。
読んでいて納得させられる面は多かった。
うちのメンバーにも内向き思考はいるので、是非、読んでおくべきだろう。
少し前に勧められて購入した「モチベーション革命」は手つかずのまま。
先に若手が選んだものを片付けなければならない。
個人的には伊集院静氏の「琥珀色の夢 小説 鳥井信治郎」に没頭したいのだが・・・。
上巻を終え下巻に入り、できれば先に読みたいが自分勝手にはいかないようだ。
12月はとてつもなく予定がいっぱいだし。
おまけに僕は歩くのは速いが読むのは遅い。
食事も早いが読むのは遅い。
そんなこんなで来週の若手勉強会に間に合うだろうか。
一冊は何とかクリアできるが、その先はちょっと微妙。
言い訳ばかりでは示しがつかないので、全力は尽くします。
はい。

この作品の評価を見ると必ずしも高いとはいえない。
意外と酷評が多かったりもする。
しかし、僕はこの映画は吸い込まれるように見続け、あっという間の120分。
面白かった。
そして、体が震えるくらいの恐ろしさを感じた。
(ちょっと大袈裟だけど・・・。)
近い将来、それも5年、10年ではなく、2~3年後を見据えた場合、現実的な要素は多分にあり、
自分たちの生活を脅かすような現実性も帯びているのではないだろうか。
このブログも一つだが、僕の生活において今やSNSは欠かせない存在。
朝、起きると必ずfacebookはチェックするし、連絡の手段もLINE比率が高まっている。
「いいね!」の数を意識しているわけではないが、多ければ嬉しいのは事実だし、
名大社スタッフブログでは「いいね!」の数が多いメンバーを表彰している。
異常と思える本作内の会社「サークル」とやっていることは同じ(笑)。
自分では違和感と思っていないことが、客観的にみると
相当違和感と捉えてしまうのが真実なのかもしれない。
この映画で描かれている世界は論理の飛躍ともいえる。
そこまではならんだろ!とは思えるがよりリアルに近づけることにより、
現実味を帯び立たす怖さがある。
そして、その世界に入りつつある自分は非現実を軽視しながらも、いいように操られていく。
それは僕だけでなく知らず知らずのうちに50代は50代なりの、
10代は10代なり手法で巻き込まれている。
主人公メイ・ホランド役のハマ・ワトソンが会議で発した言葉はまさにそれにあたる。
世の中を便利にする代償はとてつもなく大きいのだ。
この映画は2017年に公開されたことに意味がある。
5年前であればここまでの想像力は働かなかっただろうし、
5年後であれば過ぎた過去になっている可能性がある。
近未来を予測するに抜群の時代設定。
だからこそ余計に恐ろしい。
観るべき一本ですね。
主人公エマ・ワトソンはご存じの通り「ハリー・ポッター」のハーマイオニー役だが
いい感じで美しい女性になった。
子役って意外と伸びなかったりするけど、彼女の場合は期待を裏切らない成長の仕方。
そして、トップ役のトムハンクス。
味方によっては本作は悪役。
彼がここ最近、悪役を演じたことはあっただろうか。
昨年観た「ハドソン川の奇跡」も「ブリッジ・オブ・スパイ」も正義感溢れる役。
とても珍しい。
もし、スティーブ・ジョブズが観ていたら、怒り出すかもしれない(笑)。
きっと世の中の新興宗教はこんなふうに広がっていくんだろうな。
そんなことも感じた映画だった。

「孫子」を初めて読んだのは今から15年近く前。
それも中学生が読むような「図解シリーズ」的な書籍。
あちこちで「孫子の兵法」は耳にするし、
ちょっと前に読んでいたマンガ「三国志」でも登場していた。
昨年の大河ドラマ「真田丸」でも何度となく見かけた。
いつの時代にも必要とされている軍略書。
戦いの場だけではない。
ビジネスにおいても必須で、愛読する経営者は多い。
著者佐々木常夫氏もその一人。
本書は東京出張の際、帰りの新幹線で読もうと思い、
たまたま入った本屋でそそくさと選んだだけ。
本当は別の書籍を買うつもりだったが、それが品切れだったので、
目についた本書を手に取った。
目的買いする書籍がほとんどだが、たまにはこんな選び方があってもいい。
どんなビジネス書を読んでも、これに通じる面は多いと感じる。
そう思うとすべての基本は「孫子」にあるのか。
それをどう解釈して、戦略化するのかはそれぞれ。
みんながみんな「孫子の兵法」を理解し実践していれば負けることはないはずだが、
実際はそんなことはない。「
「孫子の兵法」を学んでいても負ける者は負ける。
まあ、当たり前の話。
ただし、少しでもケースを理解していれば、いざという時に役には立つ。
本書も他社の事例を学ぶもの。
同じように実践しても成功するとは限らない。
あくまでも学びでしかない。
それでいいんだけど・・・。
僕も偉そうに学生さんの前で話すこともある。
「戦略という字は戦いを略すと書く。いかに競争相手の少ない会社を選ぶかも重要。
人気のある会社ばかり受けてても正しい戦略とは言えない。」
なんて、ことを言ったりする。
そこに地元のニッチな企業を結び付けていくわけだが、
就活にも大いに役立つというわけだ(笑)。
そう考えると全てのことに当てはまるのかもしれない。
「就活に活かす『孫子』」
「恋愛に活かす『孫子』」
などなど、孫子シリーズは幅は広がるだろうが、きっと売れないだろうなあ~。
どちらにせよ一度や二度かじっただけでは身にならない。
孫正義氏やビルゲイツ氏らはきっと何十回、何百回と読み、
自分の中に落とし込んでいるのだろう。
1回読んで満足している僕はライバルから見れば勝負に値しない。
そう相手に思わせ、油断させるのも僕の作戦なんだけどね・・・。
な~んてね(笑)。