これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

「十三人の刺客」を観てしまった!

十三人刺の客 通常版 [DVD] 十三人の刺客 通常版 [DVD]
(2011/05/27)
役所広司、山田孝之 他

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いやあ~、凄い映画を観てしまった。
後半50分くらいは、ずっと壮絶な殺陣のシーン。凄まじい戦いが続く。それを観ているだけで疲れてしまう映画だ。その長い時間でもダレることなく、緊張感を持ちながら見入ってしまったのは、三池監督の演出によるところだろう。
工藤栄一監督の前作は観ていないので何ともいえないが、斬りまくるシーンはその当時のオマージュとして残しながら、現代らしくCGを駆使しているのではないだろうか。
また、黒澤作品を思い出させる場面も多かった。
時に役所広司は三船敏郎であり、市川正親は仲代達矢だった。日本のアクション映画の原点は黒澤作品であり、形を変えて日本らしいアクション映画を表現するのが三池作品と言うことだろう。(勝手に決めつけてますが・・・)
稲垣吾郎の冷徹でイヤらしい悪役ぶりも、いかにも時代劇的ではまり役。高杉晋作でもなく、力石徹でもなく、ただの超人役の伊勢谷友介は、今回の役でも存在感が十分だ。六角精児や古田新太も本来アクション映画向きではないだろうが、その立ち振る舞いは決まっていた。
そんな役者魂が詰まった面も含め、エンターテイメントに仕上がった作品がこの映画。芸術色の濃い時代物の映画もいいが、ガンガン攻めまくる時代物もいい。
日本でアクション映画を作ろうとすれば、必然的に時代劇に辿り着くだろうし、それが世界に向けてアピールするための差別化にもなるだろう。
個人的にはこんな日本映画がこれからも作られていくべきだと思うし、多くの方に観てほしいとも思う。興行的には難しい面もあるかもしれないが、ヒットしたドラマの映画化ばかりでなく、この手の映画を作って欲しい。
僕にとっては素直に楽しめた映画であった。

ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ

ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ
(2011/08/03)
ジェイ・エリオット、ウィリアム・L・サイモン 他

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何の因果か偶然か、スティーブ・ジョブズが亡くなった当日に読み終えた本書。
まさか死に至るまでの病気とは全く知らなかった。昨日の朝、Facebookの友達のニュースフィードでこの事実を知り、驚嘆した。
残念なニュースであるのは間違いないが、ジョブズの死を伝えるアップルのHPからは、その悲しみは伝わらなかった。
彼の表情は堂々として格好良く、アップルのプロモーションに思えてならなかった。最後の最後までジョブズらしい姿だった。
僕のブログでも何度となくジョブズについて書いているのは、その姿への憧憬もあったのだろう。
この本書では、ジョブズの側近であったジェイ・エリオットが、共に仕事に取り組んだそのままの姿が描かれている。リアリティを感じる面は多い。
日本でソニーの盛田会長との会食であったり、会議での発言のやり取りであったりと・・・。
自ら創業した会社を2度もクビになりながらも、今や時価総額世界一の企業に押し上げてしまった。スマホなんて今は当たり前の存在だが、iphoneが生まれなければ今も折り畳み携帯が中心かもしれない。僕が唯一持っているアップル製品のipad(厳密には会社所有ですけど・・)も完全にモバイルパソコンを凌駕してしまった。
(そういえば僕が初めて購入したパソコンはMacのパフォーマだった。若い人は知らないだろうなあ。)
新たなスタンダードを築いたのだ。改めて思わなくとも偉大な人物だ。
著書はアップルを離れ時間も経過している事から、最近の事実については間接的に表現が多いように思えた。それがあるのかジョブズの病気については一切触れられていない。あとがきについてもジョブズが病気療養中ぐらいの認識でしかない。
とは言え、最も間近にいた人物の一人であるのは間違いない。
そして、ここにも2005年のスタンフォード大学卒業式のコメントが載せられていた。今後も名演説の一つとして語り継がれていくだろう。もしくは、youtubeで延々と視聴されていくだろう。一番のジョブズらしさとして・・・。
ご冥福をお祈りします。

ウォール・ストリート

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(2011/06/15)
マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ 他

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「バブルがはじける」という言葉は世界共通の表現であるんだなと再認識した作品。
前作の「ウォール街」を見たのは、確か大学4年か社会人デビューの頃だったと思う。まさにバブル絶頂期で、大したお金も持っていないにもDCブランドのスーツを着ていた頃。今、思い返してみても笑えてしまう。そんな時代を象徴するような映画だったと思う。
それから20年以上経ち、この映画が公開されたわけだが、やっぱり時代は繰り返す。お金で失敗しても、また巧い儲け話がでれば乗ってしまうのだ。人間は悲しい生き物なんだな。
この映画は時代背景としてリーマンショックの前後を描いている。ほんの3年前の話だ。僕は映画にのめり込みながらも、その当時の事を思い出しながら観ていた。
当初、日本にはさほど影響がないと言われながらも、瞬く間に市場が悪化し、我々の業界(いや全ての業界だな)も大打撃を受けた。まだ、その後遺症は残っていると言っていい。
ただ映画を通しながら改めて考えてみると、起こるべくして起こったのだ。お金を右から左に動かし、その利ざやでどんどん収益を上げていくのはビジネスとしていかがなものかと思ってしまう。しかし、その時は気づかないし、素晴らしい手法だと誤解してしまうのだ。
お金を利用するつもりが、お金に翻弄される。この映画が訴えたいのはそんな事ではないだろうが、そんな悲しい性を感じてしまった。
主役のマイケルダグラスはイヤらしい役は完璧。ラストシーンはちょっと疑問だけど・・・。
ほとんど映画評になっていないブログ。
もっと心が癒される映画も観ないといけない。

憂鬱でなければ、仕事じゃない

憂鬱でなければ、仕事じゃない 憂鬱でなければ、仕事じゃない
(2011/06/14)
見城 徹、藤田 晋 他

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自分で購入したのではなく、珍しく名大社の哲学者に借りて読んだ一冊。
少し前、二人で飲んだ際、著者の2人が出演したカンブリア宮殿の話題で盛り上がり、彼が既に読み終わった本書を借りる事になったのだ。
借りたものはすぐ返すのが礼儀だ。
普段一日で一冊を読み切る事は少ないが、本書はあっという間に読んでしまった。
先日のカンブリア宮殿で話された内容が、そのままこの書籍になっている分、随分と読みやすく感じた。
(それだけが理由でないが・・・)
著者の一人 見城氏が所々書いている人との信頼関係について共感する面は多かった。
例えば、食事を誘うケース。
ここに書かれているよう「今度、飯でも行きましょう!」と言って、社交辞令に終わることは多い。僕がそんな話をする場合、その気がなければそんなセリフははかないし、その逆でそのまま何もないと非常に残念に思う。
気がないなら言わない方がいいのだ。これはお互いの信頼関係をどう維持するかを深く考えれば当然のこと。
約束の時間も同様である。
今の業務を遂行する上で、多くの方と面談する事は多い。先方からアポイント要請が入り、その時間を調整する。その逆もしかり。
僕は見城氏のように30分前に約束の場に行く事まではできないが、必ず5分前には到着するようにする。何らかの事情でほんの僅かでも遅れそうな場合は、必ず事前に連絡を入れる。最低限の常識だと考える。
1分の遅れも30分の遅れも遅刻は遅刻。
僕との約束もほんの数分であるが、遅刻をされる方がいる。それも初対面で。そうすると、僕はどうしてもその方を信頼する事はできない。たかだが数分のわずかなことだが、小さな約束でも約束であり、それが守れないようでは人間関係を築くことは難しい。
時々、自分がとても小さな人間に思えることはあるのも事実。だが、見城氏の考えと同様と捉えられると妙に安心してしまう(やっぱり人間は小さい)。他にも自分が共感する要素がこの本書には散りばめられていた。
ビールの味で満足している自分はまだまだ未熟。ワインもよく飲むが、本当の美味しさまでは理解していない・・・。そんな点も多いが・・・。
ランキングトップで、かなり売れているこの本書、なぜ見城氏の幻冬舎からの発行ではなく、講談社なのだろうか。
調べれば、すぐに判明するとは思うのだが・・・。

「キャリアアップ」のバカヤロー

「キャリアアップ」のバカヤロー 自己啓発と転職の“罠”にはまらないために (講談社プラスアルファ新書) 「キャリアアップ」のバカヤロー 自己啓発と転職の“罠”にはまらないために (講談社プラスアルファ新書)
(2011/04/21)
常見 陽平

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著者の常見氏と、来週、お会いすることになっている。最新作は読んでおかないと失礼にあたる。それが本書を手にした理由ではないが、急いで読んだ1冊。
これまでの常見氏の著書は、現状の就職環境や学生生活の現状分析を通して、どうすべきかを語る。マーケティングの要素を含め、意見を述べるケースが多かったように思える。(それほどの量を読んでないので、勝手な私見だが・・・)
それに比べると、この本書は圧倒的に自己開示をし、自らの経験を踏まえ、今の若者たちに意見を述べている。その点で、これまでとは違うリアルな説得力を感じる。
キャリアについてはいろんな解釈があり語られているが、僕自身は高橋俊介氏の「目の前の事を一生懸命やる。そして、一定の年数が経った段階で後ろを振り返る。振り返った時にあるのがキャリアだ。」(文章は違うかもしれないが、意味は同じはず)の言葉に納得し、常に心がけてきた。
もちろん何年後にはこうなりたい!という想いもあるが、その想いも目の前の努力をしない限りは届く事はない。今回の本書は、改めてそのことを思い出させてくれた。
自己啓発も自分磨きも自己実現も大切である。それをどこに活かすかを真剣に考えると仕事に辿り着く事が多い。その言葉ばかりが踊ってしまう現実に対する違和感は著者に共感するが、実際そうだろう。趣味の世界でも、自分のレベルをアップさせるための努力はあるが、それを自己啓発とは言いずらい。
人は仕事で評価されるし、仕事で鍛えられるし磨かれる。それには、ここに書かれているように愚直に取り組むしかないのだ。
僕の場合、常見氏の仕事上の経験と自分の仕事上の経験をオーバーラップさせながら読んでいたため、本来、著者が想定する読者設定とは異なると思うが、自分の考えが間違っていない事が再確認できただけでも良かった。
僕はブログで、読んだ書籍の感想をちょくちょく適当に綴る事は多いのだが、一般論の域を出ていない事はお許しをいただきたい。(本書を読んで痛感。大した事は書けません・・・)
常見氏と僕との共通点は少ないと思うが、その中で上げるとすれば、ビールはサッポロ黒ラベルが一番好きだということ。どうでもいいかもしれないが、大事なこと。
どうぞ来週、よろしくお願いします。

映画「悪人」

悪人 スタンダード・エディション [DVD] 悪人 スタンダード・エディション [DVD]
(2011/03/18)
妻夫木 聡、深津絵里 他

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ようやく観ることができた。
かなり暗いテーマでありながら、昨年の映画賞を総なめにした作品。(だからこそなのかもしれない。)
結局のところ、この映画に本当の悪人は登場しない。それぞれが生きる上での陰と孤独を抱え、それを上手く表現できずに生きている。ちょっとしたズレから、全てが崩れていってしまう。
日々の自分の行動を改めて見つめ直す必要を感じると共に、観ていて辛い思いになる映画であった。
それは一人の生きる者として、親として、辛さを覚えるのであった。子を抱える親の心境は被害者であろうと加害者であろうと同じなのであろう。
この手の映画は20年前であれば、評価は高いが誰も見ない部類にあたると思うが、最近は作品の評価と共に多くの方に観られる。とてもいい事だ。
原作を読んだ事がなければ、脚本を手掛けた吉田修一の存在も知らなかった。監督の李相日もフラガールで知るぐらい。何年に一度しか映画を撮らない(撮れない?)生き方は、何れ周防正行のように、こだわりにこだわった作品を手掛けていくのだろうか。もっと多くの作品を創って、メッセージを発してもらえればいいけど。
ただ、こういった若手監督や作家が活躍する事はいいこと。大好きな日本映画を今後も提供してもらいたい。
映画はとても地味。しかし、全く飽きさせない。俳優の表情もいい。寒々しい景色もいい。観た後は重い気分にもなるが、観ておく必要のある映画だ。

いねむり先生

いねむり先生 いねむり先生
(2011/04/05)
伊集院 静

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1年ぶりに読んだ小説。
以前は伊集院氏の小説も好んで読んでいた事はあったが、30代に入ることから、ほとんど小説自体を読まなくなってしまった。読まなくなってしまったというよりは、読む余裕がなくなったというか、もっとゴールに直結するものを求めていたのが本当のところだろう。
ビジネス書や自己啓発本やノンフィクションの類がそれである。必要な事を多く学んだのは事実だし、今の生活においても、そこが中心なのは変わらない。しかし、それだけではつまらない人間であると、読みとおして感じてしまった。
この本書を読んだ前後に、伊集院氏を取材した「情熱大陸」をYouTubeで観た。
小説というものが、どんな存在であるかを語っていた。人の人生を変えることはできないが、人の悲しみに寄り添う事ができる、それが小説であるということ。彼の使命感を思い知った。オトコだ。
この「いねむり先生」も私小説ながら、その想いが十分伝わる作品。
本書や先日ブログにも書いた「大人の流儀」を読み、「情熱大陸」を観ると、伊集院氏の男としての潔い生き方を感じると共に、弱さや純粋さ、豪快さもビシビシとこっちにやってくる。
と同時に、自分とは正反対な生き方に憧憬を覚える。男の理想の生き方をしているのかもしれない。常に財布の中身を気にしている自分とは大きく異なる。(ああ~情けない・・・)
だから、ファンも多いのだろう。
結局、人は一人では生きられない。誰かに頼る事もあるし、頼られる事もある。助けを求めなくても手を差し出されることもある。その逆も・・・。
その中で生きていくことで、大切なものを理解し行動していく。言葉だけではなく、何気ない態度も含めて。
人との触れ合いの大切さを感じた小説だった。
やっぱり、たまには小説も読まないと・・・。

Facebookで就活に成功する本

Facebookで就活に成功する本-ソーシャルメディアを活用して希望の会社に入る法 Facebookで就活に成功する本-ソーシャルメディアを活用して希望の会社に入る法
(2011/07/28)
高橋暁子

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まずこの本を見つけての正直な感想、「遂にここまできたか・・・」
Facebook関係の書籍も出版数が増えているのは目に付いていたが、就活本もこんな対策本までも出たか・・・。
時間の問題だとは思ってはいたが・・・。
以前は就活マニュアル本を情報収集のため、読むことのあったが、ここ最近はサッパリ。随分、久しぶりに読んだ事になる。
読後の感想だが、ちょっと性急に作りすぎた感がある。Facebookやtwitterの入門とも言えなくもないが、就職活動において対象が曖昧である。
現役の4年生を対象とするなら、ちょっと出版の時期が遅いし、3年生を対象とするなら2013卒の新卒環境をあまり理解していないようにも思える。
それは批判をしているのではなく、それだけfacebookと2013年卒新卒採用は旬な素材であるため、その生かしどころは難しいのではないかと思うからだ。
今後、就職活動でfacebookを活用する学生は確実に増えるだろうし、採用活動に利用する企業や我々同業者も増え、熾烈な争いにもなるだろう。
そう考えると、もうfacebookはアーリーアダプターが使用するメディアとは言えない。必須アイテムにもなってしまうのだ。そうなると本年の成功サンプルがどこまで通用するかはとても難しい判断となる。
しかし、この本書に書かれているような学生へのメリットが大きいのも事実だ。このソーシャルメディアを通して、学生と社会人、学生と学生が繋がる事により、より正確な情報が伝わり、メディアが発する情報だけでない自分にとっての有益な情報を得る事も可能となる。
そこには自分を信頼できる存在として、回りが評価しないといけないが・・・。
学生が就職活動の時期においてだけ、自分自身を演出するのではなく、普段の生活からそれを意識して、いろんな言動に心がけるのは、むしろいいのではないか。
そんな意味では、学生がこの本書からキッカケをつくるのはいい事だ。
就職活動にソーシャルメディアを有効活用するには課題も多いが、その取り組み次第で、プラスにもマイナスにも影響を与えるだろう。

若者はなぜ「就職」できなくなったのか?

若者はなぜ「就職」できなくなったのか?―生き抜くために知っておくべきこと― (どう考える?ニッポンの教育問題) 若者はなぜ「就職」できなくなったのか?―生き抜くために知っておくべきこと― (どう考える?ニッポンの教育問題)
(2011/02/19)
児美川 孝一郎

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著者は現役の大学の教授。
大学教授がキャリアについて語ることは結構あるだろうが、就職のあり方まで突っ込んで著しているこの本書は珍しいのではないか。大学教授が就職について書く場合、企業に対して否定的な表現が一般的には多いかと思うが、この本書では、大学自らの存在も否定しているのが興味深い。
特に大学内におけるキャリア教育の在り方について疑問を投げかけている点は大学関係者のみならず、企業の人事担当者も同様な思いがあるだろう。
確かにここに書かれているようにキャリアデザインは押しつけでは何も解決せず、主体性がなければ単なる自分探しで終わってしまう。それは学生を迷路に導いてしまい、必ずしも有効的なキャリアデザインとは言えないかもしれない。
大学がキャリア教育に力を入れる背景には、日本型の雇用スタイルが崩れたことも理由にある。
終身雇用が当然の時代であれば、新卒で採用した学生を社内で醸成し、企業側の意向に沿う人材に育てる。そこは低賃金であっても、将来のポストと安定した仕事が下支えとなり、下働きとも考えられる割の合わない仕事にも耐えることが可能な時代であった。
僕が社会人デビューした頃もそれを前提にした時代だった。
それが大きく変わったのだ。日本型の雇用が崩れた今、従来通りの普通高校から大学へ進学し、新卒で入社するという当たり前な考え方も本当は当たり前でないのかもしれない。
ましてや大学数が増え、進学率が高まった今は尚更のことだ。
そう考えるとこの本書に書かれている著者のアイデアに賛同することは多い。特に賛同したのは、職業的レリバンスのアイデアだ。僕自身もキャリア教育の実施は大学からでは遅いと考えていた。だからと言って、高校時代に積極的にインターンシップをさせるのも正しい方法とも思えなかった。
大学進学を前提とした高校時代であっても、職業教育課程を選択させ、”職業的な専門の学び方”を学んでおく”構え”を持たせることは有効的な手段だと思う。
そこには振り返る時間もあれば、その道を選択する将来も芽生える。
いい案だと素直に感じた。
僕たちは今の若者の現状を嘆くだけでなく、より良い将来が描ける環境作りを行わなければならない。それは手厚い教育を手取り足取り行うのではなく、本人に自ら考える機会を与え、自律を促す行為のこと。
今の教育体制を大幅に変更するのは至難の業だが、これからの日本が、これからの日本を支える若者が育っていくには、必要なことだとも思う。

たった4ページの人生ドラマ

「日経ビジネス」にしては人間臭いなと感じた特集 旗手たちのアリア。
今回は豚骨ラーメンの一蘭の社長吉冨氏の記事であった。僕よりも2歳年上。同じようにバブル時代を経験しながらも、その修羅場の数は比べ物にならない。
日経ビジネスのたった4ページの企画では伝えきれないと思うが、それでも要所要所を捉え上手くまとめ上げていた。
このボリュームで人生の重さを表現するには限界はあるが、その壮絶な生き様は、へなちょこ経営者の自分には十分刺激的だ。
次から次へと手掛けるビジネス、社員の1/4にあたる30名のいきなりの辞表、一晩で数千万を賭博で使い切る金使いの荒さ、孤独で追い詰められた状態で走り続ける精神性。
自分と近いところと言えば、走り続ける事しかないが、何故か納得してしまう。その生き方には相通じない面が多いが、思いや行動には共感してしまう。
そのリアルさが人生の深さを教えてくれるのだ。こういった読み物を読む度に、僕自身の苦労知らずの人生を痛感し、もっと修羅場経験の必要性を認識する事になる。
(単なるマゾなのか・・・)
数ヶ月前に博多にお邪魔した時も一蘭のラーメンを食す事はなかった。きっとこの記事を事前に読んでいたなら、意地でも食べに行っただろう。
まだまだ知らない事が多すぎる。
今思うと後悔する事実である。