以前書いた役員降格の話が思った以上に反響が大きく、その後のことを書いて欲しい、教えて欲しいという声を数多く頂いた。
調子に乗るわけではないが、今回はその降格中のことを少し披露したい。(そんなネガティブな話、聞きたくない方は飛ばしてください・・・笑)
降格中は一人ぼっちで営業をしていたのは前回書いた通り。会社を辞めようと思っていたのも事実。しかし、その当時のクライアントの担当者との会話がその後の僕を支える大きな要因となっている。
そのクライアントとは岐阜にある商社。
僕が入社2年目か3年目に新規で契約して、そこから約20年間、担当させて頂いた。担当のHさんは当時30代後半の課長。一度も担当が異動することはなく、ずっとお付合いさせてもらった。そのHさんは順調に役員になられ、僕が役員に昇格した時は「お互い偉くなったなあ~」という感慨深い会話もあったりと・・・。
そんなHさんだが最初にお会いした時から口がメチャクチャ悪い人で、僕はほとんど名前で呼ばれたことがない。大体は「お前~」と呼ばれていた。契約時も豪快でそのもの。
「●●●万円で4回のイベント契約なっ!」
「いや、もうちょっと料金をアップして頂かないと・・・」
「いいだろ、お前のとこしか頼まないんだから。それでやっとけ!」
「分かりました。では、契約書を・・・」
「任せるからテキトーに作っとけ。忙しいから、じゃあな。」とそんな具合。
それでもウマが合い、多くの競合他社が仕掛ける中、長い間信頼関係を築いてきた。時間がある時は、仕事の真面目な話から会社ではするべきでないどうでもいい話までしたし(笑)、会社のパーティーにも呼ばれ、取引先を紹介してもらったりした。
コテンパンに叩かれることもあれば、頼み込んで仕事ももらったこともあった。そんな男くさい関係が15年以上続いた。
その後、僕が役員を降格となり、自分なりの結論を出そうとして神妙な面持ちでお邪魔した時のこと。
夕方5時に訪問し仕事の打合せを一通り終えた後、Hさんはいきなり「今日、俺になんか言おうとしてるだろ。会社辞めようと思ってるだろ。」と突っ込んできた。
きっと表情に出ていたのだろう。
「はい、時期が来たら区切りをつけようと思っています。」と返した途端、「バカヤロー!。お前なんかよそでは通用しない!絶対に許さん」と激怒された。ここまで真剣に叱られたのは初めてだった。
いかに僕が未熟で実力不足か、まだやり遂げていない仕事がどれだけあるか、Hさんがこれまでの自分の経験を含め、僕がやらねばならないことを切々と説いた。大半が説教だったが、ずしっとくる重い言葉だった。
終わった時は夜の9時。打合せ自体は30分程度だったので、3時間半はそんな話をしていたことになる。とても長い時間だったが、それだけ身に染みた話だった。涙が出そうだった。
一業者の一人の営業マンにそこまでするだろうか・・・。
クライアントを出て営業車で会社に戻る1時間はかなり疲れていたが頭ははっきりしていた。車の中でその会話を反芻した。どうしてそこまで言ってくれるのだろうと思ったが、感謝で一杯だった。自分なりの結論が出た。
「こういう人を裏切ってはいけない。」
リーマンショックが重なったこともあったが、僕の選択肢に会社を辞めることはなくなっていった。
それから1年以上経過し、僕は副社長になった。その段階で全てのクライアントを引き継いだ。Hさんにも引継ぎの挨拶をした時は、「その苦労している顔がいい。」と励ましてくれた。
そして、半年後、僕は代表となった。ここはしっかりと挨拶をしておかなければならないとHさんにアポ入れの連絡をした。
「会社の社長さんなんだから、もう俺のところに来る必要はない。頑張ってくれ。」と一言。簡単な挨拶しかできなかった。させてもらえなかった。
何のお礼もしないまま、不義理のまま、今もこうして時間を過ごしている。しかし、僕が最低限しなければならないことはまだ残っている。どのタイミングが喜んでもらえるだろうか。今はまだダメ出しされるだろう(笑)。
失意の役員降格中にも、何よりも変え難い時間を過ごさせてもらった。
このことは忘れてはならない。
結局僕は周りに支えられて仕事をしている。
このことは忘れてはならない。
カテゴリ「会社を想う 仕事を思う」の記事一覧:
2013年7月29日
役員降格中の話
2013年7月16日
奇数月第二火曜の過ごし方
今日は第三火曜なので、1週間前の話。アップが遅くなってしまった。
僕は今現在、いくつかの経営者向けの団体に加盟し活動している。基本的に経営者としてのスキル向上とネットワークの構築を目的に参加している。先輩経営者から知識や経験を吸収に、少しでも自分にも反映していきたい考えだ。
その活動が重なるのが奇数月の第二火曜日。
この日は朝と夜に勉強会の予定が入る。朝はクラブ愛知という出身大学OBの経済人で構成される同窓会組織。経営者や議員、士業の方が中心に参加されている。
この会のスタートは朝7時。早い。毎回ゲストを招いて講演を拝聴するケースが多い。先週は先輩エコノミストによる「株式市場の現状と今後の市場動向」。先輩が語るには株式についてはかなり強気。そのロジックも明確で、今後はかなり期待できそう。いろいろと考えてみるかな・・・(笑)。
この朝会を終了すると会社に戻り通常業務。そして、夕方6時半からは以前にも紹介した西川塾。
西川塾主のこれまでの経験を基に経営者としての生き方や考え方を学んでいく。前回はトップの生きがいや友人の在り方についてご教授頂いた。トップの生きがいはその経験や年齢で変化する。今の生きがいが20年後には更に高い視点の生きがいに変わっていくこともある。そうならなければならない。それがトップが成長することに結び付くのだろう。
そして、友人。友人は自然にできるものではなく、自らから求めるものだという。確かにその通りだ。僕が最近親しくさせてもらっている方は、僕がいろんな場に出向いて出会った人たち。自分が行動しなければ今の関係を築くことはなかった。その逆も然り。そこでリスペクトしたり、意気投合したりする中で親しい友人へと繋がっていく。
塾主は80歳代になっても、その友人作りのために精力的に動き回られるのだから驚く。きっと終わりはないのだろう。自分もそうならなければ・・・。
そんな講話を伺うのが夜の過ごし方。前回は新人歓迎会もあり酒を酌み交わす。新たな出会いの場も作って頂いた。
奇数月第二火曜は、そんな過ごし方が定番。一日を全く無駄なく過ごすことができるのだ。少々疲れも出るが、2ヶ月に1度くらいはそんな日があってもいい。
次回の朝と夜のダブルヘッダーは9月。少しは日が短くなっている頃だな・・・。
2013年7月13日
はじける若手
昨日はふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の年1回の総会。と同時に幹事会、若手社員のよる合同勉強会が東京・御茶ノ水で開催された。
10時から18時半までの長時間であったが、内容がてんこ盛りのため、慌ただしく時間は過ぎていった。Fネットとしてはまた新しい仲間も増え、更に盛り上がっていきそう。
この日のメインは若手の合同勉強会。各加盟会社1~2名の若手・中堅が参加し、グループワークを行う。名大社からはニムラが参加し、同世代のメンバーと交流を深めた。

パフ釘崎社長の講演後、4チームにグループ分けをし、HRビジネスを設定に会社を設立。社名、経営理念、事業方針などを決め、最終的に自分たちの新規事業を策定しプレゼンするという流れ。

僕を含めた加盟会社のトップがそのプレゼンを評価し、優勝チームには豪華景品(?)が渡される。各チームとも熱の入った議論が繰り返された。

そして、発表。各チームも自分たちの経営理念に立った新規事業を提案。突っ込みどころ満載で、評価をする社長らにコテンパンにされる場面もあったが、どのチームも真剣に事業を考え、我々のビジネスの将来に可能性を感じさせるプレゼンであった。

優勝チームは就職支援に恋愛支援を絡めさせ、大学に対して提案するもの。実現可能性についてはかなり見直しは必要だと思うが、今の若者の特徴を把握した斬新なアイデアであった。実現してね(笑)。
勉強会終了後は、懇親会。
40名近いメンバーで宴会を行えるお店が近隣にはなく、場所はプロント。夜はしっかりと居酒屋機能は発揮するが、大人数を想定したオペレーションは組んでいないのだろう。若手メンバーがスタッフの役割も果たし、飲み物を運んで気を利かせていた。ここでの懇親は貴重。
トップ同士が顔を合わせることは頻繁にあるが、各社の若手が直接顔を合わせることはほとんどない。お互いの事業を知っていてもダイレクトな情報交換はなされていなかった。そこでコミュニケーションをとり、お互い刺激しあうことで切磋琢磨できる。一体感も高まる。
僕らにとっても有意義な場所だが、参加した若手も親交を深められ、いい経験になっただろう。あの熱狂的な二次会の盛り上がりも見れば、間違いないだろう。その時、撮影した写真はとても公開できないが(笑)、最後は汗だくヘトヘト状態だった。
無事に楽しく、かつ学びも多かった合同勉強会。その弾けぶりを各社に持ち帰り、今後に活かしてもらいたい。年1回くらいはこんな会も必要だな。
みなさん、お疲れ様でした。
2013年6月17日
iPadを使いこなせ!

今日から会社の全営業にiPadを支給することにした。
全員がiPadを持ち歩き、客先でシャカシャカやりながら商品の説明をしたり提案をするのだ。僕の頭の中はかなりの妄想がぐるぐると回っているが、期待通りになるかは未知数。多くの経験をしないと使いこなすことも難しいであろう。
これまで営業にはPHSを持たせるだけでモバイルツールを使用することはなかった。僕がウルトラブックを使い、企画部門の責任者がスマホとiMacを駆使するくらいであった。
コスパとしてはPHSが一番メリットがあるが、地方に出掛けた場合は繋がらないなどデメリットも多かった。会社支給のスマホも考えたが、いくつかの案を検討するうちにガラケー+Padという選択に辿りついた。
これまでのPHSよりはコストはかかるものの、使い方次第ではかなり有効的な手段となる。営業先からクライアントへのメールも容易だ。
せっかく使うのであれば、その機能を最大限活用しなければならない。Webやメールの他、チャットワーク、EVERNOTEの活用、PDFでのデータ提示、会議での使用を含め、その使い道をこちらが十分に考えなければならない。
営業 「今回の提案はこんな感じですが・・・」
担当 「そのアイデアいいね。その企画書、データ送ってよ」
営業 「では、今から送りますね」
担当 「役員にも転送しておくよ」
営業 「ありがとうございます。ついでに契約書も送っておきます!」
と僕の頭の中では十分にイメージができている(笑)。極端な話、セールスシートのような印刷物は一切持たず、iPadだけで営業する。そんなことも可能な時代なのだ。
しかし、それは空想にすぎず簡単にはいかないのも理解している。特にうちの会社の営業は超アナログ人間が多い。放っておけばiPadはただの下敷きにしかならないかもしれない(笑)。
そうならないためにも使い方の伝授と訓練が必要。しばらく時間はかかるだろうし、試行錯誤も繰り返すだろう。ただ今後のタブレットの需要を視野に入れれば、自分たちが率先し活用するのが次へのビジネスチャンスにもつながる。そう思いながら使っていきたい。「既に遅いぞ!」と言われるかもしれないが・・・。
さあ、本日の支給。吉と出るか凶と出るか、楽しみ半分で様子を見ていきたい。
2013年6月13日
健全な趣味とはなんだろうか?
健全な趣味であれば、やれる時にやっておいた方が良い。
そのことにより、人生のヒダを深みのあるものとする。
これは一昨日行われた西川塾で西川塾主から頂いた言葉。健全な趣味を持つことは仕事をしていくにも重要で、経営にも結び付くことは多いという。
御年88歳になられる塾主の趣味は、登山、絵画、歌。
山登りをすることで足腰を鍛え、命に関わるような危険な状況を避けていく経験。自然の恐ろしさを肌で感じ、直観力を養う。
絵画は限られた画面の中にどのような構図をつくるのか、どんな色、その濃淡が交じることで作品ができる。それは経営理念にも繋がる。
歌は大きな声を出すのに必要な行為。肺活量を鍛えることにもなる。
塾主の趣味は人生のヒダを深みのあるものとし、仕事においても十分役立つ。趣味は大切だと・・・。
今回の塾主講義では、このような「趣味と人生」の話から「心の財産」「社会に生きる」というテーマで、自らの経験で培った熱い想いを共有させて頂いた。先月は出席できなかったが、毎月直接の言葉で「人生哲学」を学ぶことができるのは貴重な時間。一昨日も講義を受けながら実感していた。
講義終了後、「仕事と趣味はどうバランスを図っていくのが理想か?経験値によって変わるものなのか?」というアホらしいほどの愚問を。
そんな愚問に対し塾主は「健全な趣味に年齢も経験も関係ない。忙しい時ほど趣味を大切にすべき。趣味が仕事を癒してくれることもある。」と真面目に答えて頂いた。人生は四苦八苦、耐えないと楽しみはこない。言葉の文脈からここにも繋がることと認識した。
何気なく趣味に時間を費やしていたりするが、趣味とはなんと重い行為なのだろうか・・・。
他にも吸収し生かすべき多くの学びを頂いた。ありがとうございます!
僕の趣味って一体なんだ。
マラソン?映画?お酒?●●?(笑)。どんなふうに仕事に活かされているだろうか。どれが健全でどれが不健全なのだろうか?
「不健全な趣味とは何でしょうか?」
この質問もしたかったが、さすがに愚問すぎてできなかった。というより失礼すぎてできなかった。知りたいところではあるけど・・・(笑)。
2013年6月6日
新卒採用も変わらなくちゃ!
昨日、今日は東京。先週は岡山、先々週は東京だったので、珍しく3週連続の出張である。
もしかして誤解している方もみえるかもしれないので、言い訳がましく言っておくが仕事である。確かに夜はほとんど飲んでいるが、それも情報収集と人間関係作りという大事な仕事なのだ。言えば言うほど言い訳っぽいな・・・。
昨日はHRプロさん主催のHRサミット2013。毎年、この時期に開催され楽しみにしているイベントで、昨日も朝一番から夕方まで立て続けに5つの講演、セッションに参加した。
朝一番はHRプロ代表寺澤氏による「2014新卒採用総括&2015新卒採用の大胆予測」。
名大社が手掛ける事業としては2014新卒採用は真っ只中で総括できる段階ではないのだが、首都圏を中心とした企業や学生は一段落しているケースが多い。
寺澤氏は膨大な客観データを基に現状を分析され、そこで行われている実態について語られる。僕は自分たちの領域と照らし合わせながら話を伺うのだが、その中味にはいつも感心させられる。
大半はうんうんとうなづくことばかりだが、新しい視点もあり学びになる点は多いからだ。そして、何よりも自分たちの事業に対して危機感を覚えさせてくれるのがいい(本当は良くないのかな・・・笑)。
今、当たり前のように手掛けている事業の今後を考えると確かに危機感を持たざるを得ない。それをダイレクトに話されるので、その改革を常に迫られる。一気に180度の展開は難しいにしても、徐々に変化させていくことは重要。やるべきことをやりながらメスを入れていく作業をしなければならない。変わらなくちゃいけない。頑張ります!
そして、言われていたのはfacebookを中心としたソーシャルメディアの存在について。就職活動では思ったほど使われず伸びていない。利用する学生が増加しているのは間違いないが、就職活動として利用する学生はそれほど多くない。
いろんな対策は出ているとはいえ、自分の履歴を見られてしまうのは抵抗があるのも理由の一つではないだろうか。それよりもHPのスマホ対応の方が重要とのこと。9割の学生がスマホを利用する中で企業HPもスマホで確認するケースが多い。そうなると必然的にその工夫が必要となるわけだ。15卒採用の予測も納得することが多かった。
午後はこの寺澤氏と我らパフ代表釘崎氏とのトークセッション。タイトルは「ポスト就職ナビの新卒採用手法、そのあるべき姿とは」。
釘崎氏はあれだけの多くの参加者の前でもいつも通りの何ら変わることのない話し方で、自分たちの考えを語られていた。新たな取組みも発表された。途中、歌を歌い出しそうになった時は心配したが(笑)、感動する内容だった。いい部分は盗んでいきたい(ちょっと表現は違うかな・・・)。
その理念に共感して賛同する企業が増えることを願いたい。
他にも刺激的な講演を拝聴した後、同席した静岡の同業者秋山社長と酒を酌み交わし一日が終了。
今日も朝一番からいくつかの講演に参加し名古屋へ戻る。せっかくの東京なのでもっとゆっくりしたいが、別の予定が夕方からあるので戻らなければならない。
それでもきっと今日も充実した一日となるだろう。
2013年5月29日
役員降格の話
対外的にだが今月末で会社を任され4年目を迎えることになる。実際は3年と半年近くになるわけだが、株主総会の決議上なら本日ということ。
あっという間の3年間だった。会社を復活させたとか、よく耐え抜いたとかのお言葉を頂くが、僕が優秀なわけでも何でもない。素晴らしい仲間の懸命な努力によって、今のポジションがあるだけ。
振り返ってみるとかなり激動の年月過ごしてきたことになる。少し落ち着いてきた時期でもあるため、僕自身の事についても少し振り返ってみたいと思う。5年前には、今のような状況になるとは全く予想はしていなかったし、できなかったし・・・。
今から5年前、僕は失意のどん底にいた。40歳の時に役員に昇格したものの、1年半後にはその資格に相応しくないと烙印を押され降格。当時、率いていた部門の責任者も部下も外された。社長直轄の一人の営業として、事実上、上司も部下もいない状態になった。
そうなった理由はいくつもある。簡単に言ってしまえば、自分の能力不足の一言だが、行うこと全てが悪循環に陥っていた。完全にトップの信頼を失い、やることなすこと非難された。
今でもよく思い出すことがある。僕がそのジャッジを下された時を・・・。
社長の自宅に呼び出され、業務上の重要報告をすることになっていた。既に覚悟は出来ていたが、一人で社長宅に伺い、面と向かって話をすることは辛かった。
業務の話を終えると話題は僕の進退に移っていった。いかに会社にとって存在価値がないか、幹部として能力不足かを切々と説かれた。そして言われた。「お前を役員にしたことを後悔している」と。
身にこたえる言葉だった。その後、追い出されるようにして社長宅を出たが、会社に戻る気も自宅へ帰る気もしなかった。一人で居酒屋に入り飲んでいた。多分、泣いていたと思う。
「もう俺は終わってしまったのか・・・」と自問自答していた。20年間勤め、自分では精一杯やったつもりだったが、結果はこんなもんかと情けない気持ちでいっぱいだった。
そこからは厳しい日々だった。上司も部下もいない状態は寂しいもの。朝出勤し、すぐに営業に出て、営業から戻り、原稿作成や書類の整理をし、そそくさと退社する日が続いた。会社の雰囲気からも社内で会話することをはばかられた。若い社員との会話は皆無。つまらない毎日を送っていた。
唯一の救いは取引先の存在だった。役員の頃も営業は兼務していたが、他の業務が多忙で、自分の担当を別の営業に任せていた。それをまた全て自分でやることなり、取引先に顔出すようになった。お客さんは僕の事を歓迎してくれた。取引が遠のいていたお客さんの仕事も戻ってきた。おかげで営業数字だけは維持することができた。
それでも時間に余裕があるので、せっせと飛び込み営業もした。だが、会社に対するロイヤリティは完全に失くしていたので、会社を辞めようとも真剣に考えていた。しかし、辞めることができなかった。
そうこうしているうちにリーマンショックが起き、それどころではなくなった。それが今から5年前の話。随分昔のようで、最近の話である。
ごく一部の方にはそんな話をすることもあったが、こうしてブログに書くのは初めて。そろそろそんなことを明かしてもいい時期。そんな時期があったから、今の僕がある。
その後の更に激動の日々はまた別の機会に書きたいと思う。
本日は第44期定期株主総会。そして、夜にはジオコス伊藤社長のラジオ番組に出演。4年目も頑張らなくてはならない。
株主総会が無事に終わることが前提だけど・・・(笑)。
2013年5月27日
経済ニュースを疑え!
先週の週刊ダイヤモンドの特集がこれ。思わず買ってしまった。

ビジネス誌がこんな特集を組むなんてかなり大胆。自らのレーゾンデートルにもかなりメスを入れている点は潔いと感心してしまった。
僕らは知らず知らずのうちに新聞やテレビで流れるニュースを正しい情報として刷り込まれてしまっている。疑いを持って読むこと自体少ない。それが時間が経過すると共にとんでもない方向に進んでしまうことがないとは言えない。
むしろ僕のような単純で世の中に対し純粋に向き合っている(ホンマかいな?)人間は影響を受けやすい。場合によってはそれは悪くない。
しかし、昨今の政治的なニュースを観る限り、どこが本当に正しいのか疑わなければならないのかも・・・。それは国内のニュースだけでなく、国外も含め捉えないと危険な状態に陥る。
自分の専門分野のことなら、それが明確に言うことができる。
1ヶ月ほど前に話題になった就職活動のスタート時期の報道は、その業界で過ごす者としては何が問題であるかは理解しているが、一般的にはニュース通りの受け止め方をするだろう。早すぎる就職活動は問題ありで、確かに報道されていることが正しいと・・・。
きっとそれは全ての業界が同じで、僕らも外野の立場では同様と認識している。ある意味、恐ろしい話。
そんなことを考えると何が正しくで何が間違いなのかはさっぱりわからないということになる。必要なのは自分自身の軸を持ち、その視点から判断する行為。それができないから、流されてしまう自分がいるのだけれど・・・。流されていると感じた時点から、自分を磨いていくしかないな。
この特集は日本経済新聞社に対してやっかみがないとは言えないが、自社の落ち度をあっさりと認めている点は評価できる。他社の悪口になっているだけでなく、自戒を含め業界を非難している。
情報に踊らされるのではなく、自分自身が強い意志で持って判断する力をつけなければならない。まだまだだけど・・・。
2013年5月18日
那古野塾にて
一昨日は那古野塾。先輩経営者が多い中で、僕が講演を担当する大役。本当は昨日のブログでその事をアップするつもりだったが、そのパワーがなく一日延びてしまった。講演終了の20時過ぎから3軒のハシゴをしたため、翌朝5時に起きれず書くことができなかった。まだまだ甘ちゃんだ・・・(涙)。
それにしても3軒目のBarで飲んだカクテルは美味かった。かなりの酔っ払いだったが、その記憶だけは残っている。

今回の那古野塾では「現在の就活事情と若者の考え方」というテーマで約90分話をさせてもらった。このようなテーマで講演の依頼を頂くと誰を対象に話せばいいか迷うことがある。
一昨日も30代の経営者、個人事業主から既に第一線を退いた方まで出席されているので、どこをターゲットにするのかは悩みどころ。全ての方に理解しておうとすること自体難しい話。ただ今回はそれを深く考えずに話をさせてもらうことにした。
現在の就職戦線における誤解や違和感、採用担当者の苦悩、学生の思考性などのデータを提示しながらも、自分の主観をガツガツと放り込んで話したのだ。だから、必ずしも正しい内容ではないかも(汗)。違うだろ!と思われた方がみえるでしょうが、そこはご勘弁を・・・。

この講演を行うにあたって、珍しくいろんなデータを漁ってみた。「若者の考え方」なんてテーマは本来僕の持ちネタでもないので、そのあたりをしっかりと調べないと分からないことが多いからだ。
以前、ブログにも書いた朝井リョウ氏の「何者」は、若者の特徴を分かりやすく伝えるいい題材にもなった。そんな事も踏まえながらの90分。僕としても貴重な経験であった。
(朋友櫻山社長もブログで紹介してくれました。そのブログはこちら。)
今回の那古野塾では初めてお会いする方も多かった。しかし、不思議と接点のある方が多い。共通の知人がいたり、クライアントの経営者だったり・・・。「名大社さんを通して採用した社員、今も凄く頑張ってますよ。」と感謝されると恐縮してしまうが、嬉しくもありがたいお言葉。自分たちの仕事が間違いではないと感じる瞬間でもあった。
このような場を提供いただいた那古野塾に改めて感謝。
次回からはその感謝の気持ちを一日延ばしにするのではなく、ちゃんと翌日に伝えるようにしたい(笑)。
2013年5月8日
ガチンコ最終面接
昨日は名大社の14卒新卒採用の最終面接。本年度は既に1度実施しているため、昨日は2回目。意欲的な学生さんとじっくり面談させてもらった。
以前から話をしているように最終面接は僕と1対1のガチンコ面談。それも1人1時間の時間を掛けてじっくり行う。ガチンコと言っても対決姿勢むき出しで戦うのではなく、お互いの考えを腹を割って話をするというもの。
お互いが自然体で臨めるよう基本は私服。僕もこの日は学生さんと対等な関係にするために私服で出社している。(いつもと同じだろ!という声も聞こえないことはないけど・・・。いつもよりもっとくだけてはいます(笑)。)
自然体で臨めるための私服にしている目的もあるが、それだけが目的ではない。企業秘密のためこの場では控えさせてもらうが、別の目的もあるのだ。知りたい方はこっそりお話します・・・。
名大社の募集は営業。何年かキャリアを積むことで別の部門に移ることもあるが、基本は営業として働いてもらい、現場の前線に出てもらう。リアルな体験でしか学べないことは多いので、必要不可欠な仕事となる。
うちを希望する学生さんはそれを全て理解した上で、選考に臨むために一定の覚悟はできている。特に最近はパワー炸裂の力強い女子学生が増えてきた。最近の学生は競争意識が弱いと言われるが決してそうではない。負けず嫌いで常に一番を目指す学生も多いと直に感じる場面は多い。
昨日もそんな面接を繰り返したので、頼もしく思うことも多かった。かと言って、自己主張ばかり強いわけではなく、今どきの学生らしくチームワークも大切にする。
僕の学生時代に比べれば、考え方も行動もしっかりしている学生は多い。それでもジャッジをしなければならないのは酷な仕事だ。最終面接になると甲乙つけ難く、みんな優秀だし・・・。
僕にとっても楽しくもあり、気づきもあるが、疲れる時間帯。かなりのパワーを要するので、一日終えるとその疲労度は高い。トップとして重要な仕事であるから当然なんだけど・・・。
今も学生さんの発言内容や表情が思い出される。
採用はやりがいある仕事だが、辛い仕事でもある。

