社長のデザイン 社長のデザイン
(2011/04/25)
日経デザイン

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この本書を読んで、素直に反省。
自分の想いは全然足りないと痛感した。
ここで紹介される企業は25社。創業社長を中心に事業を引き継いだ二代目、三代目の会社の製品やパッケージデザイン、社名ロゴへの熱いこだわりが表現されている。
顧客ニーズにとことんこだわったマーケットインの考え方もあれば、全く逆のプロダクトアウトの考え方もある。共通しているのは、何れにおいても軸がぶれていないということ。
自分が目指す、会社が目指すデザインの方向性に一本筋が通っている。何を訴えかけたいかが明確になっているのだ。
それは製品やサービスの売上で上げるという基本中の基本から、社員のモチベーションを上げるという組織論にまで及ぶ。
社員が誇りを持って働く環境を求めるのであれば、デザインはより重要になるだろう。そして、それを決めるのは経営者の役割、責任なのだ。部門に任すなんて一見、聞こえのいいエンパワーメントは責任回避に過ぎないのである。
経営戦略においても切っても切り離せないのだろう。
本書に書かれている象徴的なのが、パーク・コーポレーションの井上社長の言葉だ。
「企業には5つの要素がある。まずぶれない核である社長がいて、そこにはパートナー、つまり従業員が集まってくる。その従業員がいい店を作り、そこにお客が集まる。利益はこれらが適切に形成された結果として生まれる。だから、デザインへの投資も半分はお客様のためだが、残りの半分は従業員のためにする。従業員が誇りを持っていれば、それはお客様へのよりよいサービスという形で生きてくるはず。」

42年の歴史を有する名大社。
これまでの文化や伝統を踏襲しながらも、今後のデザインを決めていくのが僕の重要な仕事であるのは間違いない。