親子でかつ
今週発売の東洋経済はタイトル通りの特集。
いささか大げさかとも思うし、実際の内容はあまり親子関係に言及したものばかりではなかったが、就職環境を客観的に表現しているため、この特集を通して現実の状況を理解できる。参考になる親御さんも多いのではないか。
東洋経済は半年おきくらいに就職に関する特集を組むので、その時々の時勢を把握するにはちょうどよい。
この手の特集が組まれる度に、僕は現役の学生に読んで欲しいと思うのだが、実際には少数派なよう。雑誌の存在自体知らない学生も多く、手に取られるのはかなり先の話だ。
大学のキャリア担当の方が話をされるのも重要だが、客観的なデータやケーススタディを基に解説されているため説得力も高い。普段読むことはないビジネス雑誌を書店の平積みで気づいてもよさそうなんだけど・・・。
今回の特集では、僕らの業界では既に周知の事実から東洋経済らしい四季報の観点からも書かれている。
高収入企業や人気企業、受かりやすい企業など何でもかんでもランキングしてしまうことは、別の誤解を生みやすいのでいささか疑問はあるが、世間一般に知られていない企業の存在を示すにはいい機会かもしれない。
(とはいえ、知られた会社がほとんどだが・・・。)
この特集で気になったのが「10年後に伸びる業界、しぶとい業界」。
全業界を30に区分けし、その業界の10年後を予測している。各業界ごとの将来性も気になるところだが、僕が関心を持ったのがその業界の区分けの仕方だ。名大社としても学生向に「業界リサーチ」という東海地区の産業構造をまとめた冊子を発行しているが、いつも悩むのがその業界の区分けの仕方だ。
例えば今後考えられる6次産業などは、どの業界に分類すればいいか難しいはず。業界の垣根がなくなり、企業ごとの事業ドメインも複雑になってくるとトヨタ自動車=自動車業界とも言い切れることではない。
また、本来広告業界はマス4媒体もネット広告も含まれるのだろうが、今やそれが正しいとも言えない。そんな中で30分野に区分けされたのは非常に興味深かった。もちろんスッキリしない面もあるのは当然だが・・・。
しかし、どうだろうか。10年後の予測が当たる保証なんて全くない。どうなっているかなんてわからないと思う。10年前にグリーやディー・エヌ・エーの成長を予測できただろうか。そんな事を考えると10年後の業界を予測しながらの就職活動はナンセンスともいえる。トレンドを敏感に感じ取る力は重要だと思うが・・・。
偉そうに言っているが、僕自身も全然わからないというのが本音。場合によっては、うちの会社もマーケットから追い出されることも十分に考えられる。特集では、広告は落日のオールドメディアと表現されているし・・・。(ちょっと寂しい)
現実と向き合って就職活動をするしかないのだ。
それは自分であり、企業であり。この厳しいと思われがちな環境を前向きに捉えながら。
サブタイトルには「12月からでは遅すぎる」と書かれているが、学生の立場に立てば「今更、そんな事を言われても・・・」という感想じゃないだろうか。
現役4年生の未内定が多いのも事実。そこもケアしなければならない。
本格的に12月からスタートする就職戦線。本人は当然だが、我々にとっても、大学にとっても、親御さんにとってもやるべきことは多そうだ。