このブログを続けていたとして、興味を持つ方は限られる。
何のために?と思う方も多いと想像するが、
自分の今後のキャリアのためとでもいっておこう。
まあ、自己満足ですね・・・。

1970年代初めはとにかく暗い。
日本映画も外国映画も暗くて重い。
そんな印象が強い。

日本では学生運動の影響で物騒な事件も多かったし、映画業界は斜陽産業。
1970年には大映が倒産。
日活がこれまでの路線を変更してロマンポルノの道を選んだ。

そんなムードが制作する作品にも影響したのだろうか。
エンターテイメント性の強かった黒澤明も「どですかでん」(1970年3位)
という沈んでしまうような映画を作った。

アメリカ映画もベトナム戦争があったため体制に批判的な作品が多い。
また葛藤する若者を描く映画が多いのも特徴じゃないか。
アメリカン・ニュー・シネマなんて呼ばれながらも、
僕が観た「イージー・ライダー」(1970年1位)にしても、
「スケアクロウ」(1973年1位)にしても決して楽しい作品ではない。

1970年代前半はそんな作品が多かったが、僕は嫌いではない。
その重さが人間の核心を描いているようで、
時間が作れればいろんな作品を観てみたい。

1970年代後半になると日本映画はともかくアメリカ映画は新しい方向に向かう。
ジョージ・ルーカス監督やスティーヴン・スピルバーグ監督の存在が大きいのかも・・・。
「JAWSジョーズ」(1975年)、「未知との遭遇」「スター・ウォーズ」(1978年)
などハラハラドキドキさせる作品も増えた。

このあたりからハリウッド映画が元気を取り戻し、
一気に1980年代に突入していくのかな。
このあたりの作品は意外とキネマ旬報ベストテンの評価は高くはないが・・・。

その頃、日本映画を支えていた、大袈裟に言えば松竹を支えていたのは山田洋次監督。
興行的にも評価的にも寅さんシリーズが日本映画を引っ張っていた。
それ以外にも「家族」(1970年1位)、「故郷」(1972年4位)、
「幸福の黄色いハンカチ」(1977年1位)と高評価の作品を生んでいる。

この時代は僕が学生時代にリバイバル上映やビデオを借りて観た作品も多い。
「約束」(1972年5位)、「砂の器」(1974年2位)、「青春の蹉跌」(1974年4位)、
「田園に死す」(1975年6位)、「青春の殺人者」(1976年1位)、
「サード」(1978年1位)、「復讐するは我にあり」(1979年1位)など。
シアワセな作品は一つもなく、そのほとんどは沈んだ気持ちになる。
これも時代を表しているんだろうね。

70年代に活躍した監督の大半は生きていない。
そう考えると山田洋次監督って、凄い・・・。
先日もNHKの番組に出演していた。

日活ロマンポルノについても、
角川映画についても語りたいが今回はこれにて。
1980年代からは5年刻みにするかな。

続く・・・。