これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

とまらない

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いつも楽しみにしている日本経済新聞スポーツ欄のカズのコラム。
本書は2011年から2014年2月までのコラムが掲載されている。
全てカズが書いているのかゴーストライターが書いているのかは知らないが、
発せられる一言一言が一流のアスリートと思わせる。

その経験から学んだことがカズなりの解釈で言語化され、メッセージとして発せられる。
ストイックな練習風景や大胆なファッションがクローズアップされがちだが、
本書を読む限り頭の良さ、考えの深さを感じる。
一週間前のプロ野球解説者張本氏の発言に対する返しも抜群だった。
それは元来、カズが持っていた能力なのかと考えると否定はしない。

しかし、圧倒的な割合でここ15年くらいの経験で培ってきたことではないだろうか。
30歳過ぎまでの彼の言動と今の彼の言動は大きく違うように思う。
調べたわけではないので確かなことは言えないが、
自問自答の日々がそうさせているのではないだろうか。

多分、ビジネス書なんて読まないだろうし、自己啓発本も開かないだろう。
(読んでいたら、すみません・・・)
しかし、カズがこのコラムで書いていることは、
僕にとってビジネス書であり、自己啓発本と大いにいえる。
そんな勉強をかなりしているように思わせる。
日本経済新聞という堅さに僕が騙されているのだろうか(笑)。

きっとサッカーと遊びの繰り返しの毎日だと思うが、すごく勉強しているようなコメントが目立つ。
体で学んだことがうまい具合に頭へ転換されている。
だからこそ現役最年長の記録が更新され続けるのかも・・・。

この連載がスタートしたのが2006年だからもう9年の歳月が流れている。
この期間でもカズは進化しているのだろう。
僕もダラダラとブログを書くだけでなく、中味も進化させないといけない(苦笑)。

たまたまブックオフで見つけて購入したのだが、もっと早く読むべきだったかな。
実際の新聞の記事は結構忘れているので、一定期間の後、イッキの読むのもいいかもしれない。
いい訳ですね・・・。

そして、昨日のJリーグ最年長得点記録更新。
あっぱれ!
同級生の誇りですね。素晴らしい!

タレントマネジメント概論

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最近、社内組織を構成していく上で、「タレント」という言葉を使うことが多くなった。
つい数年前はそんな言葉は使わなかったと思う。
今でも人事に縁のない方は芸能界のタレントと勘違いするのではないだろうか。
そんなことはないかな(笑)。

タレントという言葉を使うと特別な人材と意識してしまうが、
会社内においては従業員すべてがタレントで、
その人材をどう活用していくかがこれからの企業の成長には必要なこと。
組織の中の個人でも会社は発展していくだろうが、
これからの時代は個人を意識した組織を作っていかないと難しいのも事実だろう。

PM(パーソナル・マネジメント)の時代からHRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)の時代に移り、
HC(ヒューマン・キャピタル)からTM(タレント・マネジメント)へ移行していく。
僕は専門家ではないので詳しいことは語れないが、
個々の人材の潜在能力を伸ばす環境と制度を作っていくのが重要。

これはちっぽけなうちような会社でも感じること。
どうやってその個人を伸ばしていくのか。
誰と誰を組み合わせることによって互いが成長するのか僕の拙い頭でも常に意識はしている。
つまりタレントマネジメントを行っているというわけだ。
ホントかな・・・。
比較材料がないので分からないが、その要素は含まれているだろうと都合よく考えたい(笑)。

まだうちの会社のレベルであればやりやすいのかもしれない。
組織が小さい分、全てが目の行き届くところにあり、お互いの魅力が把握しやすい。
だからそれを支える仕組みもシンプルで構わない。
しかし、従業員数が増え組織が大きくなってきたら、とても簡単に解決できることではない。
潜在能力を活かしきれないケースはざらにあるのだろうから・・・。

組織を活性化させるためにロイヤリティを持たせる考えは必要だろう。
だが、最近はそれだけでは足りないようだ。
エンゲージメントの高い組織を作っていかねばならない。
つい最近まで、エンゲージメントという言葉もなかったと思うので、そのこと自体、新しいこと。
どんどん聞きなれない言葉を浴びせられるので、それを理解するだけでも必死だったり・・・(笑)。

シンプルに考えるべき点を誰かが複雑にして難解にしているように思うのだが、
それは間違っているだろうか。
まあ、そんなことはいい。
僕の役割は常に活性化した組織を作っていくこと。
そのために学ぶべき点は学ばねばならない。
特に新鮮さは感じなかったが、この手の勉強も必要ですね。

映画「風に立つライオン」

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映画を観終えた後、「オレは毎日、何をやってるんだ。何もやってないじゃないか・・・」
と自分の不甲斐なさを感じてしまった。
自分の人生をかけ、使命感を持ち懸命に生きている。
そんな生き方を自分がしているかと思うとそのギャップに愕然とする。
特に最近の自分自身の行動を振り返ると反省しきり。何もしてないじゃないか・・・。
(自省のブログではないですぞ・・・)

実話を基にさだまさしさんが原作を書いたという本作。
多分、友人の感想を聞かなければ観なかったと思うが、
そんな世界が実在する事実を知るだけでも観る必要はあったのかもしれない。
知っているようで何も知らない世界。
映画であるため必要以上に美しく描かれているとは思うが、
ノンフィクションの世界をこのようなスタイルで表現することも大切。

三池崇史監督はアウトローな作品しか撮れないと思っていたが、
こんな正統派の映画も撮ることができるんですね。
(大変失礼なコメントでスミマセン・・・苦笑)。

何だか最近の大沢たかおクンは爽やかすぎるんじゃないか。
「深夜特急」の頃はきっと沢木耕太郎氏もこんな感じだろう程度に見ていたが、卑怯なくらい爽やか。
嫌みがなくていいけど・・・。
石原さとみちゃんは美しすぎる。いい演技だし、映画の役柄もハマっていたとは思うが、
あの美しさはケニアの赤十字病院にはどうなのかと思ったり。
大きなお世話だな・・・。

その美しさと現地の子供たち、また、五島列島のご老人たちのミスマッチがいいのかもしれない。
これは三池監督がわざと仕組んだ演出なんだろうか。
原作を読んでいなければ、原曲も初めて聞いた。
本作が原作にどこまで忠実かは分からない。
原作が発行されたのは2013年なので、東北大震災のシーンは原作にも含まれているのだろう。

しかし、不思議に感じたのがひとつ。
主役の友人役で萩原聖人扮する医師がインタビューを受けているのだが、
インタビュアーは一体誰なんだろう。
それを描いてるシーンってあったかな?

映画館は時間帯の影響かもしれないが、お年寄りの方が多かった。
こういった作品はできれば高校生、大学生に観て欲しいと思う。

インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ

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課題図書として提示された書籍。
そうでなければ僕の思考パターンでは辿り着くことはなかっただろう(笑)。
見識や教養を高めるには他人から勧められた提案は素直に受け入れるべき。
それはどれだけ年齢を重ねても変わらない。
自分が成長したいのであれば、凝り固まった思考から時には解放させなければならない。

かといって、この分野に関して全く興味がないわけではない。
日常の中では欠くことのできない存在として自分の中にも棲みついている。
ただ、僕の検索レベルではちょっと半歩以上先のこと。
残念ではあるが・・・(苦笑)。

それは本書に書かれている内容も同様。
僕とほぼ同世代のデジタルマーケティングの第一人者と編集者との対談だが、
僕の仮説検証力や発想力では出てこない。
言っている意味は理解できるし、共感する面も多い。
時代を読む力がまだまだ足りないということだ。
そんな意味では、自分たちがこれからのビジネスを模索していく中で参考にもなった。

物事の捉え方も学びにもなった。
普段、アホみたいにブログやfacebookを使っていることの本質を自分自身に問わないといけない。
その感覚は重要だと思うが、その感覚を感覚レベルで終えてしまうのは勿体ない話。
う~ん、何を言わんとしてるか伝わるのかな・・・。

日本のあらゆる地方には、スナックや、洋品店や、地元の理容室や美容室が生き残っている。
この3つの業態は、エロティックで個人的なコミュニケーションを交わせる、
言わばある種の性的な存在である。

この文章だけでは何のことかを理解するのは難しいかもしれないが、
デジタルでお互いの距離が近くはなるが、我々が大切にする「リアル」もある種、
近いところがあるのかもしれない。

ウェブとSNSの発達で世界が「150人の村」になったとしても、
自分たちが提供できる価値は十分に存在する。
それを見誤らないことだ。

時代の最先端を作ることは不可能だし、追いつくのもおぼつかないが、
その社会の中で変化していく姿は直接と間接で感じ続けなければならない。
そんなことを感じた1冊。
まだまだ勉強が足りないけど・・・(笑)

映画「そこのみにて光輝く」

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辛い映画である。最初から最後まで辛い。
しかし、ハッピーエンドで終わったともいえる。
最後の最後の表情に全てが救われたのだから・・・。

最後という言葉ばかりが並び、何の事だかさっぱりわからないが、
この映画の魅力は途中では理解できない。
ひたすら重く、観ていても辛い。
時折、ドアップで映し出されるシーンにどんな意味が込められているかは定かではないが、
人間の儚さが伝わってくる。
男女の描き方も含め、これが男性では撮ることのできない女性監督の感性なんだろうか。

本作は2014年キネマ旬報ベストテンの1位の映画。
僕は評論家の視点は持ち合わせていないので、
1位といえども欲望は掻き立てられないが、本作は読者選出でも1位。
すなわち2014年に公開された日本映画のトップの作品。
それに感化される僕はただのミーハーなのだが、映画を観たい欲望が抑えられくなった。

今回はこのキネマ旬報に拍手を送りたい。
ベストテンが掲載されている2月下旬号にはなんと映画鑑賞無料券が付いていたのだ。

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僕はこの映画を伏見のミリオン座でタダで鑑賞。
何ともお得な思いをさせてもらった。
そんなせこいヤツが映画を語るのはちょっと失礼。
だから、あまり感想は言わないでおきたい。

観終わった後、感じたのがこの手の作品は昔、よく観たという記憶。
そうだ。今は無きATG映画だ。
ATG映画の代表作でもある「青春の殺人者」「サード」「遠雷」あたりにとても近い気がした。
どれも重かった。
だが、それが上手く時代を描いていた。本作と同じである。

主演の綾野剛さんは岐阜県関市の出身。僕の実家の隣町。
それだけで親しみが沸くが(迷惑な話・・・)、
彼の存在を知ったのは一昨年の大河ドラマ「八重の桜」の松平容保役。
ドラマの中での存在感が際立っていた。
この映画で主演男優賞も獲得している。
近い存在ではないが(笑)、少しだけ嬉しい。

いい演技をしているのは彼だけではない。
姉も弟も素晴らしい。元男闘呼組の社長もいい。
リアルさが滲み出ていた。

もう公開は終了したので映画館で観るのは難しいが、
一人深夜にDVDで鑑賞し、暗い気持ちになってもらいたい(笑)。

「チャイナハラスメント」を読む

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全て鵜呑みにはできないかもしれないが、
実体験を基に書かれているので説得力があるのは間違いない。
この東海地区は自動車関連の製造業や商社が多い。
必然的に中国での工場設立や合弁企業の立ち上げ、製品の輸出入がビジネスとして展開される。

僕も営業時代にはクライアントとの打合せや雑談の中で、
中国との取引関係について話を伺う機会は多かった。
異口同音言われていたのが、商売はやりにくい、中国人は扱いにくいということ。
僕自身はその経験が全くない門外漢なので、その言葉を信用するしかないのだが、
圧倒的にネガティブな表現が多かった。
よほど商売上手や交渉上手な方はプラスの発言もあったが、概ねそんな感じだった。
本書を読む限り、僕が今まで聞いてきたことと全く同じ。

そんな意味では本書での新鮮さはあまりなかったが、
具体的な例が著されている点では理解が深まった。
同じアジアだと思ってはいけないともよく言われることだし・・・。

先日、東京に出張に行った際も感じたが、観光で訪れている中国人は多い。
周りを気にすることなく大声で話している場面に遭遇する。
それは名古屋でもかなり感じたりすること。
それを完全否定するわけではないが、中国人気質の象徴とも言えるのかもしれない。
今後、外貨を稼ぐ意味では重要な顧客なんだろけど(笑)。

本書では「中国人ビジネスマンとの交渉術二十箇条」として、
よりよい交渉を行うための注意点や心構えが書かれている。
半分くらいは日本人を含め全てのビジネス相手を対象とするものだろうが、
半分はへ~と感心してしまう。
契約書文書の改ざんや付け足しが平気で行われるなんて、ちょっと怖い。
企業がビジネスとして当たり前に行うんだ・・・。

性善説が通用しないのが中国。
騙されるのが悪いと思うべき相手が中国。
外国との交渉事にはこれまでの価値観を捨てる必要があるのだろう。

今すぐ中国の企業と仕事をすることはないが、今後考えられなくはない。
そんな意味では参考になった。怖い国ですね(苦笑)。

映画「妻への家路」

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映画館で観なかったら、寝てしまったかもしれない。
作品がつまらないと言っているわけではない。
グッとくる佳作であるのは間違いない。
だが、自宅でDVDをレンタルして観ると寝てしまいそうな感じなのだ。

チャン・イーモウ監督の作品はそれほど観ているわけではない。
評判の高かった「初恋のきた道」と「HERO」くらいしか観ていない。
失礼なことに自宅でウトウトしながら観ていた。
その評判を素直に感じることができなかった。

それは僕の観る姿勢に依るところがあると思う。
この2つの作品も映画館で観ていたら、評価は全く違うものになっていただろう。
それが本作にも言えるのではないだろうか。

派手なアクションやスケールのデカい映像が繰り広げられるわけではない。
大スクリーンの迫力を感じるような映画ではない。
映画は淡々としか進まず、想像を絶する展開はない。
DVDで観ても十分楽しめると思う。

しかし、この映画の魅力を本当に感じようと思うのであれば、映画館で観るべきだ。
ここまで書いて、何の映画がさっぱりわかりませんね(笑)。
それでいい。
どんな映画かは検索すれば、いくら調べられる。評価の高いレビューも多い。

僕がカッコつけていうのならば、大人のラブストーリー。
(全然カッコよくもないか・・・)
好きとか嫌いとか、チューとかは一切ないラブストーリー。
チャラチャラした恋愛映画が観たいのであれば、観ない方がいい。
高校生のうちの娘には合わないだろう(笑)。
観客も50代以上の方が多いように感じた。
理想とする夫婦像を見たいのであればお勧めしたい。
結構、辛くもあるけど・・・。

娘役のチャン・ホエウェンさんもいい。
凛とした佇まいが日本の若い女優さんにはない魅力として感じられる。
ずっと誰かに似ているなと思いながら観ていたが、誰かは思い出せないまま。
う~ん、残念。

たまには中国映画も観なければならない。
ステレオタイプにならないためにも・・・。

映画「アメリカン・スナイパー」

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クリント・イーストウッドはいつも何も言わない。
全ての作品を観ているわけではないので確かなことは言えない。
昨年の「ジャージー・ボーイズ」も観ていない。
そんな僕に説得力はないが、クリント・イーストウッドは何も言わないように感じる。

それは「ミスティック・リバー」にしても
「ミリオンダラー・ベイビー」しても
「グラン・トリノ」にしてもそう。
あるのは我々に対する「問い」だけだ。

本作でも反戦のメッセージとして受けとられるようなセリフはない。
しかし、監督としてのメッセージは発している。
全く音楽の流れないエンドクレジットもメッセージのひとつだろう。

そして、「問い」への解は我々が持つべきものである。
いろんな解釈があると思う。絶賛する声もあれば非難する声もあるだろう。
映画を観た一人ひとりがその解を持てばいいのだ。

残念ながら僕はクリント・イーストウッドの「問い」に対して明確な「解」は持ち合わせていない。
厳密に言うのならば、「深い問い」に対して「深い解」は持っていない。
チープな答えならいくらでも話すことはできる。
しかし、求められるのはそんな事ではないと思う。
チープな解は失礼でしかない。だから僕は答えることができない。
もっともっと深く考えねばならないのだろう。

一体、何の話をしているんだ・・・。
どんな映画かさっぱり分からないじゃないか・・・。
と、このブログを読んで思われるかもしれない。
まあ、いつものことなので気にすることもないかもしれないけど(苦笑)。

少なくとも言えるのが、
クリント・イーストウッドの「問い」をできるだけ多くの人に感じてもらいたい。
今の日本の立場としても感じる必要があるかもしれない。
そんなことは思ったりもする。

あとひとつ、主役クリス・カイルを演じたブラッドリー・クーパーは
昨年、亡くなったロビン・ウィリアムスに似ている。
映画を観てそう感じたのは僕だけだろうか・・・。

「我が闘争」を読む

horiemon1521

嫌いな人物ではない。
かといってメチャクチャ尊敬してるかといえばそうでもない。
憧憬を抱いているわけでもない。だが、気になる人物ではある。
何を言わんとしているかさっぱり分からないと思うが、
僕のホリエモンに対しての見方である。
それが理由で本書を手に取った。

僕が生きる世界とは全く異なる。
年齢は6歳下なので、同じ時代を生きてきたといえるがスピード感も価値観もついていけない。
地方の中小企業の社長と時代の寵児と呼ばれた人物の差は、
生まれ育った環境から学生時代の過ごし方、経営に対する考えは180度違うといっていい。
ずば抜けた能力の持ち主。
とても敵わないのは当たり前のこと。

僕は会社を任され5年になり、売上を倍以上伸ばし、新たな取り組みも行っている。
自分としてはそれなりにやっているつもりだが、ホリエモンが見れば鼻で笑われるだろう。
「ヘン、なにチンタラやってるんだ」と・・・(笑)。

彼の最後の5年間だけみても、株式上場、相次ぐM&A、海外進出、プロ野球球団の買収工作、
ニッポン放送の買収工作、そして逮捕とめまぐるしい。
僕なんて何もやっていないのと等しいだろう。

その情熱と行動力には素直に敬服するが、じっくり人を育てるとか、
組織を創り上げるというような考え方は存在しないかもしれない。
スピードの中で人材育成はできると思うが、見落としてしまう点も出てしまう。
役員との確執やお金の流出もそこに原因の一端があるとも思う。

優秀なエンジニアのままでも名を轟かせるくらいの能力はきっと持っているはず。
優秀すぎて自分の能力の使い方を間違ってしまったのかもしれない。

twitterはフォローしているが、全く読んでいないので、最近の動向は知らない。
だが、何かをやってくれそうな気もする。
密かに期待もしている。嫌いな人物ではないので・・・。

全く書評になってませんね。
すいません・・・。

映画「繕い裁つ人」

tukuroi1522

中谷美紀は美しい。
改めてそう思った。
昨年のNHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」での女房役を見る限り、とても美しいとは思えなかった。
かつての美しさはもう見られないのかと残念に感じていた。

しかし、それは思い過ごし。本作での中谷美紀は凛とした美しさを醸し出していた。
その感情をグッと抑えた表情、背筋の伸びた歩き方、お客さんと接する時に見せる笑顔、
どれも魅力的だった。
それがロケ地である神戸の街と上手く重なり、温かさと張りつめた緊張感、
守るべき伝統が混ざり合う映画を構成していた。

普段、僕らは当たり前のように洋服を身にまとい生活している。
それなりに今日は何を着ようかと考えたりもする。
しかし、その程度で、ここに登場する人たちのような深い想いは持っていない。
もしかしたら僕にも大切な一着があるのかもしれない。
だが、まだそれに気づいていないし、ありがたさを理解していない。

この映画を観て、洋服が人生において重要な役割を担っていることを識ると共に、
自分の愛着のなさを反省した。

不思議なことにそんな洋服を眺めながら泣きそうになってしまった。
それは今まで映画を観てきた中でも初めての経験。
そんな経験ができるのもこの映画の魅力。
そして、そろそろオーダーで一生着られるスーツでも作ってみたらどうか
と単純な頭が想いを巡らせていた(笑)。

何を守り、何を変え、自分自身はどこに向かっていくのか。
一番大切なのは何か。
これはどんな人生でも共通のテーマだと思う。
改めて考えるいい機会でもあった。

もし、可能なら(100%ムリです)、中谷美紀と一緒にチーズケーキをホールごと食べてみたい。
会話を盛り上げる自信はありませんが・・・(苦笑)。
そんなことはどうでもいい。

中谷美紀は美しい。
改めてそう思った映画だった。