これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント

星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント 1 継ぐべきか、継がざるべきか 星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント 1 継ぐべきか、継がざるべきか
(2014/02/06)
中沢 康彦

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僕の今年の課題の一つにファミリービジネスについて学習することがある。僕がその対象であるわけではないが、自分を取り巻く環境にはこのことが語られることは多い。
以前はファミリビジネスーに関して軽んじてみていたが、知れば知るほど奥の深いものと感じるようになった。
本書では星野リゾート社長の星野佳路氏が様々な立場から事業(家業)を引き継いだ経営者と対談形式で書かれている。一般的にファミリーによる事業継承は3つだと言われるようだ。
①一貫して「継ぐ」ことを意識。
②卒業時に「継ぐ」ことを決める。
③「継がない」から「継ぐ」に転じるケース。
大きく分けるとこのように分類される。
理想は①のように物心ついた時から意識しているパターンかもしれないが、今の時代、そんなケースは少ないようだ。むしろ③のように違う道を選択しながら結局戻ってくるケースが多い。
僕の周りにも全く異なる業界で仕事をされていながら、最終的には親の意志を自分の意志に変えて引き継いでいる方も目立つ。そこにはサラリーマンでは絶対にわからない覚悟がある。
世間には僕みたいにサラリーマンからトップになる珍しいケースもあり、それにはそれなりの覚悟も必要なのだが、その覚悟はまだ甘いのかもしれない。全然違う階段を登っている。
僕のような場合は共に働く仲間は納得し賛同してもらいやすいが、ファミリーの場合はお手並み拝見とある種冷めた目で見られる場合も多いだろう。それも口には出さず態度だけで眺めているケースもあるはずだ。
いくら権力を保持していてもその権力は場合によっては仇となってしまうだろうし・・・。
星野氏は自らの経験を踏まえ、継ぐべきか、継がざるべきかという判断を迫られた場合、明確に「継ぐべき」と断言している。それが企業としての成長や存続に繋がりやすい根拠を示しながら断言しているのだ。
ここに登場する方は数少ない事例に過ぎない。ひとつのドラマに過ぎない。僕がまだまだ知らなければならないドラマも沢山あるように思う。
そのためにもっと深く学ばなければならないことも多いようだ。

リクルートの深層

リクルートの深層 (イースト新書) リクルートの深層 (イースト新書)
(2014/04/20)
大下 英治

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ここに書かれていることが100%真実かどうかはわからない。仮に100%とするならば、僕が抱いていた江副像は大きく変わる。
僕の知り合いの元リク出身者も同じような印象を持つかもしれないし、「その通りだ!」と納得するかもしれない。ただ多くの人は僕と同じような感想を持つのではないだろうか・・・。
一言で言ってしまえば、自分勝手なワガママは人。だからこそあれだけの企業を創り上げることができたのだろう。僕には到底ムリな話。やはり人間が小さすぎますね・・・(苦笑)。
本書では江副氏の生い立ちから死に至るまでを描いているわけだが、ある意味、碧夫人のストーリーでもある。碧夫人の支えと耐え忍ぶ姿があったからこそ、江副氏は成り立ったのかもしれない。尽くす女性の存在は偉大。翻弄された人生だったと同情もしてしまうが・・・。
本書で初めて知ることも多く僕にとっては新鮮だった。リクルートの闇の部分も知ることができた。できればリクルート事件後のことも克明に描いては欲しかったが、そこはまだベールに包まれている面が多いのかもしれない。
ここには江副氏を取り巻く多くの人物も登場する。かつて僕が尊敬していた高塚猛氏の活躍も描かれている。
ダイエ―ホークス代表時代の講演テープはよく聞き、著書も読んだ。しかし、晩節を汚してしまった。これは江副氏にも当てはまる。
どうして名声を極めた人は最後にはあんなふうなってしまうのだろうか。
知らず知らずのうちに人格そのものが変わってしまうのか・・・。大物になりようのない僕が心配する必要はないが、反面教師的に学ぶ面も多かった。
著者の個人的な見方だと思うが、現在のリクルートについてかなり批判的に書かれている。
ぜひ、現役の方に本書の感想も聞いてみたい。

激しく倒れよ

明日に迫った『沢木耕太郎さん講演会「旅人として生きる」』。
当日は講演会が基本であるが、特別企画として「あなたにとって、旅とは」と「沢木さんの本の紹介」がセットになっている。
残念だが、旅について語れることはない。一人旅は学生時代の1回のみ。海外への旅行は嫁さんと15年以上に行ったきり。あとは平凡な家族旅行があるだけ。「僕にとっての旅は家族サービスです!」。
そんなコメントは場を白けさすことしかない(笑)。
だとすれば、本の紹介をするしかない。こちらだったら何とかなりそうだ。そこで何がいいか考えてみた。参加者が影響を受けた書籍は大よそ予測することができる。ああ~、あれね・・・。と誰もが納得するであろう。
そうであれば、僕はできるだけ少数派の作品がいい。自分にとって印象深い作品を思い出してみた。
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「沢木耕太郎ノンフィクションⅠ激しく倒れよ」にも掲載されている「コホーネス<肝っ玉>」。最初の出版は短編集「王の闇」。紹介するとすれば「王の闇」になるだろうが、この際、それはどちらでもいい。
この「コホーネス<肝っ玉>」は、今やお笑いタレントしか思えない輪島功一氏の世界チャンピオンに三度挑戦し敗者となり引退していくストーリー。それを同時並行で沢木氏がルポしていく。
チャンピオンである存在から引き下ろされ、尚もチャレンジする姿を描いている。著者がよく取り上げる主人公像。僕はここに描かれる輪島功一氏の生き方が好きだ。
かつてチャンピオンであった栄光の座を捨てて、ボロボロになりながらも自らの姿勢を貫いていく。その一貫した姿に失くしてはならないプライドを感じるのだ。
そして、引退後、沢木氏との酒を交わす場面で、若手選手の育成について自身を語る。
「俺は名選手じゃなかった。だからこそいい選手が作れると思うんだ。」
「俺は二流だったけど、最後まで闘うことをやめないチャンピオンだった。」
この言葉はずっと僕の胸に響いている。もしかしたら、僕もこうなるべきかと・・・。
「激しく倒れよ」そして、「コホーネス<肝っ玉>」。
敗者は多くの事を教えてくれる。

「ホワイト企業」を読む

ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略 (PHP新書) ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略 (PHP新書)
(2013/12/14)
高橋 俊介

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ブラック企業という言葉が出てきたから、ホワイト企業が出たのか、そうではなく元々あったかはわからない。
ブラック企業が社員使い捨て、休日なし、残業代未払いだとしたら、ホワイト企業はその反対になるのだろうか。そんな単純な話ではない。それで解決できるのであれば、ほんの10ページで内容は終わってしまうはず。
著者は「真のホワイト企業とは、若者を成長させ、変化の激しい時代において雇用の質を向上させる企業」と言い切っている。
残業が多い=ブラック企業という認識をされると僕は違和感を持ってしまう。
僕自身、かなりの残業をしてきた。大変ではあったが、それが嫌で嫌でたまらなかったわけではない。その時間も充実していた。そんな働き方をしている若者はいつの時代でもいるはずだし、そのことに働きがいを持つ者も多いと思う。
そこには著者の言う「若者の成長」が知らず知らずに含まれているだろうし・・・。
残業なし、多い休日=ホワイト企業ではない。これから企業に向かう若者はそこを錯覚してはいけない。
日本でもサービス業の割合が増え、勤務時間・休日の設定、アルバイトと正社員の違い等、雇用側の抱える課題は大きくなっている。
本書にも事例があるようにスターバックスコーヒーはいいロールモデルだろう。だが、同じ取り組みをするのは容易ではない。
しかし、人材育成がこれからの企業繁栄のカギとなるとすれば、その手法は参考にすべき。著者は仕事観の構造(内因的仕事観、功利的仕事観、規範的仕事観)を用いながら、人材育成の重要性を主張している。
(高橋氏の講演を拝聴するたびに最近は強く感じることでもある。)
その中で仕事を覚え、やりがいや自己成長を感じていくと働きがいも自ずと湧いてくるのだろう。著者はわかりやすくこのようにも表現している。
働きやすいが、働きがいのない企業は「人材滞留企業」。
働きやすくはないが、働きがいのある企業は「人材輩出企業」。

その両方ないのが、ブラック企業と言える様だ。
では、うちの会社はどうなんだろうか・・・。僕なりの目線はあるにしても、そんなことは自分勝手な論理にすぎない。働いている側はブラックだ!と思っていたり・・・(笑)。
仮にそうだとしても、全員で若手を育てていくやり方はこれからも続けていきたい。

映画「LIFE」

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ふと財布の中を開けると随分前に金券ショップで購入した映画のチケットが出てきた(何だか映画のワンシーンみたい・・・笑)。確認すれば期限は4月末まで。ヤバいと思い、観に行ったのがこの映画。
何度か予告編で知ってはいたものの、観る予定があったわけではない。スタローン、デニーロ共演の筋肉オッサン映画「リベンジマッチ」と迷ったが、高いテンションで過ごしたかったこともありこちらを選択した。
観終わった後は何とも不思議な気分だった。ただの恋愛映画のような気がしないわけでもないが、自分の中で気持ちがワクワクし、衝動的に外に飛び出したくなった(映画そのまんまじゃん・・・)。ジッとしていることがえらく苦痛に感じる。
空想のシーンは当然だが、全てのシーンが現実的にはあり得ない。しかし、大自然の中、平凡オッサンの主人公ウォルターが飛び回るシーンは美しくかつ羨ましいもの。弾けた思い切りの人生もいいじゃないかと思ってしまう。
メチャクチャ評判のいい映画にはならないかと思うが(失礼)、僕は爽快感が残る嬉しい作品だった。ちょっと仕事に疲れ、気分転換したい時には最適かも・・・。
最近、洋画に疎くなっており、この映画の主役ベン・スティラーも全然知らない存在。それだけではなく監督もやってるじゃないか・・・。観終わった後、ネットで調べ初めて知った。へ~、そうなんだ。無知は罪だな・・・。
全く関係ないが、タイトル「LIFE」はNHKのコント番組と一緒。木曜22時からの番組なのだが、塾から帰ってきた息子のお気に入りになってしまった。NHKがこんな番組やるんだ・・・というのが素直な感想だが、こちらも疲れた体には癒しになるのかもしれない。
ウッチャンが「はい、100万円!」というシーンで息子は腹を抱えて笑っている。そこまでも面白いかと思わないわけではないが、ウッチャンのセンスの良さは感じることができる。
映画もテレビも関係なく「LIFE」を楽しむことは必要。
まだまだ僕の「LIFE」も続く。さてさてどうなっていくのだろうか・・・。

許す力 大人の流儀4

許す力 大人の流儀4 許す力 大人の流儀4
(2014/03/10)
伊集院 静

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先日、久々に銀座で飲んだ。行ったのはスペインバルとノーチャージのBar。著者の生き方からするとおよそ銀座らしくない店。
僕は楽しく飲んだくれたわけだが、もし僕が伊集院氏と知り合いだったのなら、「お前、いい大人がそんな飲み方をするな!。銀座には銀座の流儀があるんだ。」とこっぴどく叱られただろう。
そして、許す力を求められる飲み方。まだまだ子供である。
このシリーズを読むと普通の人は銀座と鮨屋に行きたくなるはず。そして、静かに大将と語りながら、粋な飲み方をしたいはず。それが大人の流儀と思える。
しかし、僕は銀座で新宿のような飲み方をし、いや神田かな?(笑)、粋な姿も大人の男も魅せることはできなかった。それが人としての幅の狭さを醸し出しているようで、何とも切ない気持ちになる。シラフに戻ると・・・(笑)。50歳を迎える頃には、もう少し大人らしい飲み方を銀座でしたいものだ。
それはさておき、普段、この類の本は読まないのに、なぜかこのシリーズは手に取ってしまう。はっきり言って会社の経営には何の参考もならない。ビジネスに役立つ面は皆無に近いのではないだろうか(スミマセン・・・)。
しかし、僕が失くしてはいけないことがここにはたくさん書かれている。ビジネスには生きないとしても、一人の男として守っていかねばならないことが盛り込まれている。時にハッとさせられながら、自分を振り返ってみるのも大切だ。
そうでないと本当につまらない人間になってしまう。
大人の男になること。実際はともかくとして、そういった男を目指し、これからも過ごしていきたい。
そして、銀座で飲みたい。

なぜ皇居ランナーの大半が年収700万以上なのか

なぜ皇居ランナーの大半が年収700万以上なのか (メディアファクトリー新書) なぜ皇居ランナーの大半が年収700万以上なのか (メディアファクトリー新書)
(2014/02/27)
山口 拓朗

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東京出張の際、何となく軽めの本がいいなあ~と東京駅の書店で手に取った本書。読書中の書籍が思うように進まない時には気分転換にいいかも・・・。
このタイトルに興味を持ち、全く内容を確認しないまま購入してしまったが、タイトルに触れる内容はほんの少しだけ。もっと科学的な根拠も含め書かれているかと勝手に想像したが、大半はマラソンの素晴らしさを綴った本だった。
その分、自らの動機や実体験にオーバーラップさせながら読んでしまった。今、継続的に走っているランナーは多かれ少なかれ本書の内容に当てはまることは多いだろう。
僕も最初はダイエット目的だったような気もするし・・・。結果的に体重は全然減らないので、その効果は疑わしいが、体重が増えないだけでもいいのかもしれない。もし、走っていなければ、恐ろしい事になっているはず。目も当てられない無様は姿を晒していたと思う(笑)。
本書ではランニングで養われる9つのビジネス能力を紹介している。
1.主体性 2.自己マネジメント能力 3.タイムマネジメント能力 4.高いセルフイメージ 5.高い目標達成能力 6.逆境を克服する力 7.発想力 8.集中力 9.人間関係を良好にする能力。
残念ながら僕は9つの能力を満たしていない(涙)。いくつかは該当するかもしれないが、程遠い能力ばかり。まだまだランナーのレベルではないということか・・・。
それはさておき、本書はマラソンPRにはもってこい。マラソンをやれば人生バラ色とも感じられる。きっとそんなはずはないのだが、どうしようかと迷っている方については最適な書籍かもしれない(笑)。

映画「謝罪の王様」

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何も予定のない休日に中学生となった息子と観た映画。もっと高尚な映画にするべきだったか・・・(笑)。息子はどこまで映画を理解しているかはわからないが、ゲラゲラ笑いながら観ていた。
何も考えず鑑賞するには最適の映画といえるだろう。
この作品は脚本家宮藤官九郎と主役阿部サダヲの魅力につきる。自分たちのやりたいことを勝手にやっていたら映画になってしまったという気さえする。
昔の巨匠が観たら映画を冒涜していると怒り出してしまうのではないかとさえ思ってしまう。その微妙な軽さがまったりとした休日にはマッチするのかもしれない。
それにしてもこの作品には日本映画やドラマで活躍する俳優陣が実にバカバカしい配役で登場する。遊び心があるといえばそれまでだが、きっと自分のキャリアには役立たないはずだ(笑)。それは貶していっているのではなく、何かを魅力に感じて参加しているという褒め言葉。
この作品における岡田将生の軽薄さ加減も抜群だった。彼は端正な二枚目でもっと硬派路線だけでも通用すると思うが、あの手の役をやらせたら天才じゃないかとさえ思ってしまう。
とストーリーとは関係ない内容ばかりとなってしまった。いつものことだけど・・・。
謝罪する場はできるだけないほうがいい。しかし、現実問題として起きてしまうこともある。そんな場面でいかに真摯で向き合えるかが大切。この映画はそのことを教えてくれるわけではない(笑)。
だが、その態度次第で相手の捉え方が180度変わってくる。なんか先週、うちの新人にそんな話をしたような気もするな・・・。
映画とは関係なく、すみません。

本当は謎がない「幕末維新史」

本当は謎がない「幕末維新史」 幕府再生はなぜ失敗したのか? (ソフトバンク新書) 本当は謎がない「幕末維新史」 幕府再生はなぜ失敗したのか? (ソフトバンク新書)
(2012/09/20)
八幡 和郎

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高校時代は日本史が得意だった。他の科目の成績は大したことがなかったが、日本史だけはいい成績だった。
そんな話をすると歴史に詳しいと思われがちだが、全くそんなことはない。単に暗記が得意だっただけで、歴史に深い造詣があるわけではない。
それが最近になり、僕の問題として恥ずかしくなってきた。何かにおいて歴史を知る必要があり、そこから学ぶべき点は多い。得意だった日本史も大学に入った途端、全て忘れてしまっており、完全な無知状態。
さすがにそれではマズイと思い、最近はちょくちょくと本を読んでいる状態。愚かですね・・・。
そんな時にたまたまブックオフで見つけた本書。予備知識もないまま手に取ってみた。やはり僕には知らないことが多すぎる。勉強を積み重ねないとただの飲んだくれ軽薄オヤジだ(苦笑)。
本書では幕末に起きた様々な事件について、著者の綿密な調査に基づいた解釈が著されているわけだが、新鮮に感じる点が多かった。
例えば坂本龍馬暗殺。明確なロジックで龍馬は会津藩に暗殺されたと書かれている。それも松平容保の指示であったと推測しているのだ。真実がどうかはわからないが、この点だけを捉えてみても結構面白い。
松平容保と言えば昨年のNHK大河ドラマ「八重の桜」では悲劇のヒーロー的な役割。その「八重の桜」に坂本龍馬は出てこない。厳密に言えば、薩長連合のシーンで後姿が映ったのと板垣退助のセリフで一言くらい出てきただけではないか。
同じ時代を生きながらもどの角度から歴史を見るかによって背景は全く違うものになってしまう。あえて登場させなかったのかもしれないが、ひとつの視点からドラマを見るだけでは片手落ちになる。
そんなことを知るだけでも歴史を学ぶというのは大いに価値がある。
本書の感想とは全然違う方向に向かってしまったが(いつものことですね・・・)、読み進めながら「龍馬伝」や「八重の桜」を思い出していた。
幕末から明治に関しては、僕がもっと知っておかないといけない点が多い。
中途半端に終わっている「竜馬がゆく」もちゃんと読まないといけないな・・・。

「マーケティング教室」を読む

グロービスMBA集中講義 [実況]マーケティング教室 グロービスMBA集中講義 [実況]マーケティング教室
(2014/02/28)
グロービス

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僕のオンとオフの師匠である松林さんが深く関わった本書。先日、ブログで紹介した「次世代共創マーケティング」に続き立て続けに読んだのだが、順番で言えばこちらを先に読むべきであった。その方がよりマーケティング3.0の理解も深まっただろう。
本書ではフォードが車を売り出したマーケティング1.0の時代から、ビジネススクールでも学んだハーレー・ダビットソンとホンダの戦略の事例を使ったマーケティング2.0の時代へと、その変遷が分かりやすく書かれている。モノの選択が必要なかった時代はプロダクトアウトだけで十分だった。
それが消費者目線のマーケットインの時代になり、現在のどっちも大切だけど何が大切かよくわからない(笑)時代へと移ってきた。
それは自分たちのビジネスにおいても本当に難しくなってきた。以前の考えであれば、マス媒体をフル活用し、認知度を上げさえすれば十分成果は上がられた。
今もそれが残っていないわけではないが、TVCMをバンバン流したところで、ユーザーが我々を支持してくれるとは限らない。ユーザーがアクションを起こすための興味を持ってもらうこと自体かなり難しくなってきている。単純ではないのだ。
反対に、ユーザーの希望に合う魅力的な商品を作ればいいのかといえば、それもそんな単純な話ではない。魅力的な商品がたやすく作れれば、そんな苦労はしないのは当然のことながら、仮に作ったとしてもそれを伝える手段には大きな労力がかかる。
自分たちが勝手に作ったポジショニングを相手はどこまで理解してくれるかはわからない。だからこそ、共創という考えが必要なのだろう。
本書にも、「プロモーションとリサーチの領域のボーダーがなくなってきている。つまり会話をするなかで、お互いに商品や企業活動の意見を言いあって、もっとこのような考えが入ったものだといいね、といった対話から、たとえばブランドに対するロイヤリティが高まる」
「顧客の『楽しい状況』をイメージでき、それをメタ認知的なレべルで『世界観』として構築し、それをベースに具体的に伝えられる」
など、書かれている。
これだけ読んでも何のこっちゃと思われてしまうだろうが、本書を読み通してみると腑に落ちて納得できる面が多い。
これからもっとマーケティング3.0を学び、実践していかなければならない。