これからも前向きに 名大社会長ブログ

今年もメッセナゴヤへ

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昨日から開催されているメッセナゴヤ
この異業種交流展示会イベントも年々規模が大きくなり、今年の参加企業数は500社以上。日本を代表するトヨタ自動車から、僕も全く聞いたことのないニッチな分野で活躍する企業まで会場内を賑わせていた。
東海地区の中小企業がメインとなる名大社のクライアントも多数出展されていた。
名大社の合同説明会では展示する製品の限界があるが、今回は営業目的であるので、その技術力やサービスをリアルに感じる展示が並ぶ。初めて目にする製品や商品も多く新鮮であった。専門分野はサッパリ理解できないが・・・。
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僕がお世話になっていたお客さんも出展。美味しくコーヒーをご馳走になった。
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トヨタの名車が展示されたり、プラグインのハイブリットカーの展示もあったりと自動車産業が牽引する地区なだけに、そのゾーンは華やかだった。
本日が初日にも拘らず、非常に多くの方が来場。昨年お邪魔した時よりも遥かに多くの方が参加されていたのではないか。
メッセ114
この先の見えない時代に何とかして自らの事業を成功させたい会社と他社のサービスを有効活用して成長させたい会社が織り交ざり、会場内は熱気に満ちていた。こういった取り組みが新たなサービスを生み出していくのかもしれない。
我々のような業界がこのような場で成果を出すのは簡単ではないが、今後の参考には十分させて頂いた。
今回は主催する名古屋商工会議所の意向もあり、大学生の参加も多かったように思う。直接、就職に結びつけることは難しいかもしれないが、世の中にどんな業界があり、そこで活躍する人がいる事を知るだけでも十分役立つだろう。
こんな場に参加する学生が増えることを期待したい。
ブラブラしているだけで、面識のある方に声を掛けられることも多かった。世間は狭いな・・・。
このイベントは12日の土曜日まで開催されるので、うちの転職フェアと丸かぶり。当然、お邪魔することはできないが、このイベントが盛況のうちに終了することを祈りたい。

電車の中で思うこと

僕は毎朝7時半頃の電車で通勤している。
この時間帯は通勤ラッシュであるものの、ギュウギュウ詰めというほどではない程良い混み具合。僕の乗車する駅からは運がよければ座れる場合もあるが、僕はあえて座らない。座ってしまうと眠くなってしまうからだ。
この通勤電車は僕にとっては貴重な読書をする時間帯だ。
読書は座って読むよりも立って読むほうが集中できる。当たり前だが眠くならない。たかだが1日30分程度の時間しかない電車の読書タイムだが、週5日で30×5=150分。年間250日出社すると7500分。125時間に値する。結構な時間になるのだ。
となるとこの時間を大切にしなければならないと貧乏性の僕は思ってしまうのだ。
しかし、通勤電車は圧倒的に寝ている人や携帯を触っている人が多い。電車の中の時間まで僕がとやかく言うことでもないのだが、貧乏性の僕は勿体無いと思ってしまうのだ。
もちろん睡眠不足で朝でも疲れている方はいるだろうし、どうしても携帯でやり取りしなければならない方もいるだろう。ただ今は僕のような読書をしている人は圧倒的な少数派と言っていいと思う。
これも見方を変えれば幸せなことなのだろうけど・・・。
東京の通勤ラッシュでは本を開くのすら難しいのだろうし、車通勤であれば本を読んでいては危なくてしょうがない。
とどうでもいいことを、電車に乗り回りの風景に目をやるとそう思ってしまう。
偉そうなことを言っても、帰りの電車ではついウトウトってことも多いんだけど・・・。

親と子で勝つ!就活

親子でかつ
今週発売の東洋経済はタイトル通りの特集。
いささか大げさかとも思うし、実際の内容はあまり親子関係に言及したものばかりではなかったが、就職環境を客観的に表現しているため、この特集を通して現実の状況を理解できる。参考になる親御さんも多いのではないか。
東洋経済は半年おきくらいに就職に関する特集を組むので、その時々の時勢を把握するにはちょうどよい。
この手の特集が組まれる度に、僕は現役の学生に読んで欲しいと思うのだが、実際には少数派なよう。雑誌の存在自体知らない学生も多く、手に取られるのはかなり先の話だ。
大学のキャリア担当の方が話をされるのも重要だが、客観的なデータやケーススタディを基に解説されているため説得力も高い。普段読むことはないビジネス雑誌を書店の平積みで気づいてもよさそうなんだけど・・・。
今回の特集では、僕らの業界では既に周知の事実から東洋経済らしい四季報の観点からも書かれている。
高収入企業や人気企業、受かりやすい企業など何でもかんでもランキングしてしまうことは、別の誤解を生みやすいのでいささか疑問はあるが、世間一般に知られていない企業の存在を示すにはいい機会かもしれない。
(とはいえ、知られた会社がほとんどだが・・・。)
この特集で気になったのが「10年後に伸びる業界、しぶとい業界」。
全業界を30に区分けし、その業界の10年後を予測している。各業界ごとの将来性も気になるところだが、僕が関心を持ったのがその業界の区分けの仕方だ。名大社としても学生向に「業界リサーチ」という東海地区の産業構造をまとめた冊子を発行しているが、いつも悩むのがその業界の区分けの仕方だ。
例えば今後考えられる6次産業などは、どの業界に分類すればいいか難しいはず。業界の垣根がなくなり、企業ごとの事業ドメインも複雑になってくるとトヨタ自動車=自動車業界とも言い切れることではない。
また、本来広告業界はマス4媒体もネット広告も含まれるのだろうが、今やそれが正しいとも言えない。そんな中で30分野に区分けされたのは非常に興味深かった。もちろんスッキリしない面もあるのは当然だが・・・。
しかし、どうだろうか。10年後の予測が当たる保証なんて全くない。どうなっているかなんてわからないと思う。10年前にグリーやディー・エヌ・エーの成長を予測できただろうか。そんな事を考えると10年後の業界を予測しながらの就職活動はナンセンスともいえる。トレンドを敏感に感じ取る力は重要だと思うが・・・。
偉そうに言っているが、僕自身も全然わからないというのが本音。場合によっては、うちの会社もマーケットから追い出されることも十分に考えられる。特集では、広告は落日のオールドメディアと表現されているし・・・。(ちょっと寂しい)
現実と向き合って就職活動をするしかないのだ。
それは自分であり、企業であり。この厳しいと思われがちな環境を前向きに捉えながら。
サブタイトルには「12月からでは遅すぎる」と書かれているが、学生の立場に立てば「今更、そんな事を言われても・・・」という感想じゃないだろうか。
現役4年生の未内定が多いのも事実。そこもケアしなければならない。
本格的に12月からスタートする就職戦線。本人は当然だが、我々にとっても、大学にとっても、親御さんにとってもやるべきことは多そうだ。

クライマックスな夜

落合監督のゲームは最後ではないかと以前のブログで書いた。
そんな事はなかった。天からクライマックスシリーズのチケットが舞い降りてきた。
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昨日11月3日はその第2戦の観戦。
クライ2
ゲーム前はドアラとつば九郎が仲良く並び、お互いの映像を観る和やかなシーンもあったが、試合は緊張感タップリの投手戦。リーグ戦の投手戦はつまらなく感じるのだが、短期決戦の投手戦は面白い。
チェンと石川の投げっぷりを見る限り、とても打てそうになかった。
クライ3
クライマックスシーズンなのかもしれないが、普段ではあり得ない東京音頭がドーム内に流れヤクルトファンを盛り上げる。
クライ5
クライ4
それ以上にドラゴンズファンの声援も一体感となりドーム内に響き渡り、いいムードを醸し出していた。
ナゴヤドームは満員御礼。久しぶりに見る光景だ。
ゲームはヤクルト小川監督の執念と思わせる采配。
好投石川の代打の飯原がホームランを打った後の後続は館山。ドーム内がざわめいた。全ての勝負をここに賭けたように思える。
一方、落合監督は高橋~河原にマウンドを任せた。
評論家でもなければ、野球に詳しいわけでもない僕の勝手な解釈だが、落合監督も勝負に出たのだと思う。
ヤクルトが館山は出すということは、自ずと第3戦以降のヤクルトの台所事情が厳しくなることを指す。ドラゴンズとしてはこのゲームで主力の中継ぎ陣を温存する事で、第3戦以降、より万全な体制で臨める。
かといって、このゲームを捨てたわけではない。ほぼシーズンを棒に振った高橋と今シーズン限りとなる河原をつぎ込む事で別のカタチの覚悟を見せたように思えた。
この二人の投手にしてみれば、落合監督のこの起用は感謝すべき行為にあたるだろう。実力以上の好投を期待できることも考えられる。
結果的には両投手とも打たれてはしまったが、決して悪いピッチングではなかったように思う。やっぱ落合監督の采配は一流。と勝手に解釈した。
残念ながら初めて観るクライマックスシリーズは負けてしまったが、とても印象に残るいいゲームだった。

三重だ、三重だの一日 その2

午後は三重県の老舗酒造メーカー 宮崎本店へ訪問。
東海地区では「宮の雪」という日本酒が有名だが、東京ではむしろ「キンミヤ」という焼酎が知られているようだ。
創業は1846年。150年以上の歴史を持つ日本の伝統企業。蔵元やその事務所は指定文化財だという。
三重だ4
三重だ3
今回は、その老舗酒造メーカーの宮崎社長の革新的な話を伺うと同時に蔵元の見学をさせてもらった。
宮崎本店は三重県を代表する酒造メーカーといっても、全国区で言えばローカルな酒造メーカーとなってしまう。大手酒造メーカーとは、知恵を絞って闘わない限り勝つことは出来ない。
日本酒は地元での支持もあり安定的なニーズを生み出しているが、キンミヤは特徴を見出しにくい甲類焼酎。価格ありきの市場で戦うことが求められ巻き込まれてしまうのだ。結果的に売上が上がっても、利益が出ない状況に陥る。先行きが見えない世界へこちらの意思に反して進んでしまうのだ。
そんな状況から宮崎社長は脱却。ターゲットを絞り込み、価格競争から決別し、熱烈なファンを持つブランドへと再生させたのだ。
一言で言ってしまうと簡単そうに見えるが、その過程には多くの葛藤があったようだ。
しかし、ぶれない軸と戦略と戦術を明確にすることで、結果的には高い収益性を生み出した。老舗企業に欠如しがちなマーケティングを駆使しながら・・・。
それにしても宮崎社長、話がとても上手い。吉本興業の芸人のような話しぶり。苦労話も笑いに変えるその話術は、その話し方を聞くだけでも勉強になる。
宮崎社長の講演の後は蔵元見学。実際の酒作りの現場を見せてもらうのだ。そして、なんと大吟醸の試飲をさせてもらえるといううれしいサービス。
ただ僕はその試飲を目の前にしたまま、現場を失礼した。夕方から始まる大学のガイダンスに向かう必要があったからだ。後ろ髪を引かれながら、誰もいない近鉄楠駅から四日市市内にある大学へと向かった。
この大学には、名大社OBの先輩が勤めている。何年か振りにお会いし、近況を報告。お元気そうで何よりだった。
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今回のガイダンスは、大学1・2年生が対象。
現状の就職環境を伝えながら、今の段階でやっておくべき事について話をさせてもらった。簡単に言えば大学生活を充実させろという当たり前の内容だが、何故それが重要かを細かく説明。
80名ほど参加した学生にどこまで伝わったかは、何とも言えないが、少しでも気づきを与えられたのなら幸いである。ガイダンスを終了すると既に17:30。外の景色は真っ暗だ。どんどん日が短くなるな。
こうして三重県で過ごした一日は終了。
まだまだ自分の知らない世界が多いことを実感した一日であった。

三重だ、三重だの一日 その1

昨日は朝から晩まで三重県で過ごした一日であった。
那古野塾の視察研修で三重県の中小企業を2社訪問した後、県内の大学でガイダンスの講師をしたのだ。
まるで小学校の社会見学のように朝一番にバスに集合し、規律正しく出発。目的は企業を視察し、経営者の話を伺い、そこから学びを得る事。そのため移動中のバスも、DVDでカンブリア宮殿やプロジェクトXを見るという素晴らしい構成。
午前中に訪問したのが、三重樹脂株式会社という切削加工メーカー。
全くの勉強不足だが、この企業のことは一切の知識を持っていなかった。しかし、話を伺うと凄い。日本の中小企業が勝ち抜く道がテンコ盛り。その卓越した技術力で世界を代表するボーイングを始め、そうそうたるビックネームの企業と取引をしてるのだ。
それも営業をかける事はゼロ。
その技術力に惹かれ、相手側から取引を申し込んでくるのだ。詳しい内容は守秘義務的要素もあり、あまり書くことはできないが、技術素人の僕もその製品を見せられると思わずうなずいてしまう。
やっぱり日本の製造業は力がある。そして、それを支えているのは中小企業なんだと改めて認識をした。
高い技術力を支えるのが高度なウォータージェット。ウォータージェットは何でも切り裂いてしまう。記念に撮影させてもらったのがこれ。
三重1
普通の水道水がデジタルカメラもいとも簡単に切断してしまうのだ。
工場見学もさせてもらったが、ウォータージェットを中心とした工場のため、工場内は実にきれい。油まみれの社員なんてどこにもいない。事務所で仕事をしているような環境であった。
営業をしていた頃、その企業を理解するためによく工場を見学させてもらった。募集する職種が生産技術とか生産管理といっても、ピンとこなかったので実際の仕事風景を見せてもらい、その仕事内容を理解したのだ。
時にはマル秘の場所にも案内してもらった。今回の見学も門外不出の場所もあり、近い業種の方は何ともうらやましい事だろう。
三重樹脂の打田社長は技術者らしいこだわりのある方。これぞ日本の製造業の経営者。
今後、取り組んでいかれる鈴鹿カーボンバレーも期待したい。そんな企業をサポートすることは我々のミッションでもある。いつかお役に立てる日を望むばかりだ。
昼食は穴子料理で有名な魚長。お昼から豪勢な料理を堪能。
三重だ2
那古野塾、太っ腹!
午後は三重県の老舗酒造メーカー 宮崎本店へ。
続く・・・。

カッコいい社会人なんだ!

名大社では今月23日(祝)に「カッコイイ社会人になろう! 就活応援フェスタ2013」を開催する。
大学3年生を中心とした全学生を対象としたイベントで、これから行う就職活動を前に少しでも働く意味を考えてもらいたいのがイベントの主旨。
全体講演では、学生さんにとってかなり参考になるプログラムを用意した。(他のプログラムもそうだけど・・・)
その中の一つに「カッコイイ社会人によるパネルディスカッション」が組み込まれている。
このディスカッションは、僕がこれまで出会った20歳代後半から30歳代前半のこの東海地区でバリバリ働く社会人に登場してもらう。社会人となって5~10年が経過し、仕事の面白みやヤリガイを掴み、これから自分がどんな方向を目指していくべきかを明確にされた方達だ。
まさにカッコイイ社会人と呼ぶべき存在である。
しかし、こんな言い方は大変失礼かと思うが、今回のパネラーは超一流の社会人というわけではない。
(工藤さん、玉村さん、武田さん、中村さん、ごめんなさい。)
エリート街道をまっしぐらに走ってきたというよりも、多くの失敗や挫折の経験を通し、その中から自分の存在価値を見出してきた。それは働くことでしか味わえなく、いろんな汗をかいてきた。実践において価値観を創ってきた方なのだ。やっぱ、超一流だな・・・。
今回のパネラーは、時に酒を酌み交わしながら、時に一緒に学びながら、時に会社まで足を運んで意見交換を行いながら、じっくりと話をさせて頂いた方ばかり。だから、ある程度はその方たちの生き様も理解しているつもり。
これからの若者=学生に対しての想いも強い方たちばかりなのだ。参加頂く一人ひとりの紹介は、本人の失礼にあたらない程度に(再び、ごめんんさない)、このブログでも取り上げたいと思う。
肝心のパネルディスカッションも相当面白い内容になるだろう。僕自身がが教えてもらうことが多かったのだから、きっと学生さんにも役立つはず。当日のファシリテーターは余程の事がない限り、僕が務める予定。
きっと熱い話が聞けるはずだ。
話が盛り上がりすぎて、時間内に終了できるかどうかが心配なくらい。タイムマネジメントもしっかりしないと・・・。
別の講演の案内は近いうちに・・・。11月23日が楽しみだ!

我が社の人材育成について

今週はタイトルにある「我が社の人材育成について」考えさせられる週だった。
それはある研修会社からのインタビューで答えたり、勉強会でグループディスカッションのテーマがそれだったりしたのが大きな理由。
どちらの場でもどう人材育成をしているかということを問われたのだ。
正直、困った質問。他社と比較し特別な人材育成もしていなければ、社内に素晴らしい制度があるわけではない。大して言えることないのだ。経営者として失格か・・・。(涙)
何も答えないわけにもいかないので、新入社員への研修とその裏側にある考え方を披露することにした。
名大社ははっきり言って(はっきり言わなくてもそうだが・・・)、営業中心の会社である。僕自身も入社以来、ずっと営業の仕事をしてきた。その中で学んだことが今の礎を築いたといっても過言ではない。
新卒で採用する場合、募集する職種はほぼ営業だ。本年も新入社員が営業として入社してきた。これで半年経過するわけだが、僕から見れば、ようやく研修が終わった程度の感覚である。
入社後1か月程度は、マナーだったり、経営的な考え方であったり、商品知識の習得だったり、または先輩社員との同行だったりと基本的な研修を実施する。その後は、全てOJTである。営業として外に出すのだ。それも完全に飛び込み営業。アポも取らず飛び込みをさせる時代錯誤と思わせる方法で営業をさせるのだ。
非効率極まりない。門前払い当たり前。嫌がれることも多い。それも十分承知している。飛び込み営業を通して、いかに自分が社会に通用しないかを肌で感じ学んで欲しいと考えている。
そして、様々な業種、幅広い世代や役職、多種多様な性格の方と接することで、人とのコミュニケーションのあり方を学んでもらう。どんな話し方をすれば相手に伝わるのか、どんな聞き方をすれば課題を引っ張り出せるのか、それは経験を積み重ねるしか自分のモノにすることできないと思う。
営業は無駄を無駄と考えず取り組んでいく仕事なのだ。
だからこそ、その入社1か月後に訪れる飛び込み営業の場はOJTなのだ。そのために目標数字(売上)はあえて置かず、別の目標を与え取り組んでもらう。入社半年間は研修だと・・・。
そんな話をさせて頂いた。
実際にはそれ以外の話もあったが、代表的なのはそんな内容であった。
いずれこの考え方も変化する時があると思うが、今はまだそれを実施しながら人材育成をしていきたい。時代遅れだな、でもそれもOKだな・・・。
壮大なタイトルの割にはただの精神論だけど・・・。

佐々木俊尚氏の講演を聞く

実に運がいい。
昨日は、以前お世話になっていたITベンダーからお誘いを受け、その会社が主催するイベントに参加した。そのイベントではITジャーナリストの佐々木俊尚氏が基調講演のスピーカーとして出席されていた。
テーマは「ソーシャルメディアでビジネスはどう変わるか」
機会があれば一度お話を伺いたいと思っていただけに、本当にありがたいお誘いであった。
佐々木氏の著書はこれまでに
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる
2011年新聞・テレビ消滅
仕事するのにオフィスはいらない
ブログ論壇の誕生
次世代ウェブ グーグルの次のモデル

と読んでいる。上記の2冊はブログでも書いていたりする。(大した内容ではないが・・・)
熱烈なファンではないが、鋭い視点やメディアに対する推察力は非常に参考になる。twitterもフォローしている。ソーシャルメディアを語る作家としては第一人者であるのは間違いないだろう。
今回の講演のキーワードは”レイヤー”。ここでも話の中心はFacebookになるわけだが、そのFacebookの役割はまさにレイヤーということ。TVや新聞などのマスメディアも含め、全ての情報が横串で貫かれ情報が流通する。今後、ソーシャルメディアがその役割を担うと言うのだ。
最近、僕自身アホみたいにfacebookにコメントしたりニュースフィードを読んだりしている。そこから自分にとって重要な情報を入手する事は確かに多い。その情報は知り合いから発信された内容なので信頼性も高い。自分が受ける影響度も考えてみても、ソーシャルメディアの比率が確実に高くなっているのだ。
facebookやtwitterは国を選ぶわけではなく、クラウド状態であれば場所も選ばない。佐々木氏の言われる「国ごとの垂直統合の終焉」に結びついていくのだ。自分達はまさに時代の変革期のど真ん中に位置していることになる。
それを受け流すか真摯に取り組んでいくかによっても僕たちの将来の可能性も大きく変わるだろう。
先日逝去したスティーブジョブズ氏の最後の取り組みについても講演途中に語られていた。どうアップルが製品化するか楽しみでもある。
講演終了後は主催者による懇親会が行われた。そこには佐々木氏も出席すると伺っていた。どうしてもはずせない会議があったため懇親会は不参加となったが、それだけが心残り。
参加していたのなら、著書を持参しサインでも書いてもらっていただろう。
(ただのミーハーじゃないか・・・)

無料ビジネスの時代

無料ビジネスの時代: 消費不況に立ち向かう価格戦略 (ちくま新書) 無料ビジネスの時代: 消費不況に立ち向かう価格戦略 (ちくま新書)
(2011/09/05)
吉本 佳生

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マーケティングでプライシングの基礎を学ぶとスキミング・プライシングとぺネストレーション・プライシングという2つの言葉が必ず出てくる。
簡単にまとめれば、スキミングとは早期に資金回収を目的に製品の販売初期の段階でできるだけ高めの値段設定をすること。
ぺネストレーションとは市場シェアを獲得するために、できるだけ低い価格設定にすること。ザックリ言えばそんな感じだが、昨今のように無料ビジネスが台頭してくるとそのプライシングの概念が変化していくのかもしれない。
または価格戦略とは全く別のカテゴリーで捉えるべきなのだろうか。マーケティングのプロではないので、どんなフレームワークを活用するのがスッキリするかは何とも言えないが、新たな戦略手法として切り離すことはできないだろう。
マクドナルドのコーヒー無料券の配布のケースは、自己の経験からも分かりやすい事例だ。コーヒーお代わり無料のように一定の利益から引き算していくのか、コーヒー無料券配布のように利益ゼロから足し算していくのかでは全く戦略が異なる。
本書はマクドナルドのケースが有効的と判断しているが、確かに納得できる。やはり自分が消費者の立場に立った時にどんな行動を起こすかを考えると無料の価値観も違いが見えてくるのだ。一歩間違えると恐ろしいことになってしまうが・・・。
名大社においても新卒ナビを基本掲載FREEにしたことで無料ビジネスに加担していると受け止められる。本書を読む限り、その戦略は間違っていないと言えると思うのだが・・・。
昨今のトレンドでいけば、無料化の波は止めようがない。
それは特定の業界や商品だけでなく、あらゆるものが対象となる。しかし、そればかり進んでも、その先にある消費を活性化させる仕組みがなければ、いずれ破綻してしまう。
そのための戦略。どんどん難しい時代になってきているな・・・。