久しぶりに常見さんの著書を読んだ。
思ったよりも毒舌はなく至極まっとうな書籍。
それは岩波新書の発行だからか、常見さんが丸くなったのか。
多分、両面はあるが、常見さんらしさを感じる点も多かった。
サブタイトルは新卒一括採用は「悪」なのか。
このテーマを基に新卒一括採用のメリットや弊害、就職活動の歴史、
現在の早期化がもたらす問題やこれから考え方など様々な視点で書かれている。
僕はこの業界で働き、既に36年を超える。
就活史はまさに自分が歩んできた道でもある。
企業と学生をマッチングする立場として、
ある意味、時代や外部環境に翻弄されながら、今に至る。
現状の売り手市場から超氷河期といわれた時代まで直接的に関わる。
こんな僕もバブル時代に就活し、新卒一括採用で入社した一人だ。
近年は新卒採用の早期化もあり、
メリットよりもデメリットの方が議論されるケースが多い。
常見さんは分かりやすく「悪」の言い分に反論し、自らの考えを主張。
僕もその意見に賛同する。
中小企業を中心に採用が難しい根本的な問題はあるが、
それはクリアできない問題ではない。
事業や組織の在り方から、その対応が困難なのも百も承知。
一方で知名度もないローカル企業が優秀な人材を採用する例はいくらでもある。
ステレオタイプになってはいけないが、
世の中の偉い人がそうなっているようにも思える。
先日のリクルートワークス研究所の古屋さんのコラムにもあったように
大学卒を採用しない企業が増えているのは事実。
採用できないから諦める割合が増えているという。
人は欲しいが動いても採用できないから何もしないクライアントがあると現場の声も聞く。
少子高齢化、進学率の高止まり、全入時代の中で新卒一括採用の議論は今後も続く。
それがメンバーシップ型、ジョブ型採用に繋がり、キャリアップの手法も変化していく。
そのためにも学生に僕らが発する「正解のない問いに向き合う」ことを真剣にやってほしい。
本書では最後の章でこんなことが書かれている。
「結局のところ、新卒一括採用のおかげで、企業も大学も存在できるし、
若者もいきいきと働くことができる。
この現実を直視しなければならないのではないか。」
まさにその通り。
僕らはそのために動き続けなければならない。
「悪」といわれてもやり続けることで貢献したい。
「悪」といわれないと思うけどね(笑)。


