何度も予告編を観て「絶対に泣くだろうな・・・」と感じていた。
同時にお涙頂戴作品は止めておこうと思った。
ストーリーはともかくハッピーエンドは容易に想像できる。
観たい身持ちを抑えながらスルーすることも必要かとイヤらしい拘りが自分の邪魔をした。
多分、映画コラムニスト仲間のレビューを読まなければ観なかった。
仲間の発言は素直に受け止めた方がいい。

本作を観て何も感じない人はいないと思う。
本作を観てウルっとしない人もいないと思う。
実に上手くできている。

やはり僕が予想した通りの展開で予想した通りに終わった。
さすがに内容は想像できなかったけど。
こんな世界になっているとは予告編からは想像できない。
原作を読んでいないので余計にこちらに迫るものがあったが、
原作を読んで臨んだとしても多分、結果は同じ。
知っていようといまいがウルフルするのは変わらない。

ツラツラと本編とは関係ないことばかり書いてしまった。
簡単に解説すれば両親を亡くした兄妹の物語。
兄は妹を守るために懸命に働き、妹が結婚するまで成長。
結婚のタイミングで不可思議な体験がお互いの葛藤を生んで・・・。
まあ、そんなところでいいだろう。

兄俊樹を演じるのは今や日本を代表する役者になった鈴木亮平。
基本的には好青年役が似合うが、どんな役でも上手くこなす。
観ていない作品も多いが、「孤狼の血 LEVEL2」や「シティーハンター」なんて違いは明確。
これから日本映画を支えていく存在。

妹フミ子役の有村架純は語るまでもない。
僕はファンでもないが、この2~3年だけでも「前科者」「月の満ち欠け」
「ちひろさん」「ディア・ファミリー」は観ている。
映画界にとっては欠かせない。

この2人が演じるだけで作品は盛り上がる。
それにあんな展開になると・・・。
ズルいといえばズルい。
おススメなのは間違いないが、2025年のベストテンには入れないだろう(笑)。
いや、今年の日本映画を並べると入ってしまうかも・・・。

映画仲間もいっていたが、カギとなるのは繁田仁を演じた酒向芳。
彼がとてもよかった。
僕が同じ立場なら、きっと同じようになる。
同じ岐阜県出身だし・・・。

そしてもう一人。
地味だけどフミ子の彼氏役の鈴鹿央士。
いや、カラスと喋れるって凄い。
本当にあんな人がいたら衝撃だろうな。
それにしても今どき、フミ子って名前はないんじゃないか。

ツラツラととりとめのないことを書いたが、万人受けする数少ない作品。
僕は父親の心境として観てしまったけどね。