やっぱり復習しておきべきだった。
そうすればもっと関係性が理解できたかもしれない。
前作を観たのが3年前。
その時のブログがこちら

このあたりから白石監督にどっぷりハマっていった。
続編となる本作は完全に前作からの流れで偶然にも同じ3年後。
立場や環境の変化は3年の月日で大きく人を変える。
少しは可愛げがあった松坂桃李は3年も経つと風貌も性格もすっかり変わってしまった。

変わったように見せている。
権力がそうさせたのか、浅はかな正義感がそうさせたのか、分からないがポスターの通り。
5月に観た「いのちの停車場」は別人だね(笑)。

しかし、別人の代表格は鈴木亮平。
冒頭の西郷どんっぽい笑顔はまやかし。
同じ笑顔でもこれだけ恐ろしくなるものか。
映画を観た人なら誰もが納得するであろうその異常さ。

ホラー映画より怖いなんてこれはホラー作品か?
そもそもあんな奴を刑務所から出しちゃいけないでしょ。
その時点で警察は間違っている。

いや、これも計画通りなのか?
全て仕組まれた作戦か?
その陥れるやり方を知るとわざと出所させたとさえ思わせてしまう。

それだけ闇の世界は恐ろしい。
ここには少しの人を信用する人と多くの人を信用しない人が存在する。
どちらが強いかといえば人を信用しない人。
それは多数派でなく少数派に変わったとしても同じ。

信用する人が負ける。
その悔しい世界が厳しい世を生き抜くことために必要なこと。
先輩だろうが上役だろうが関係ない。

「ドライブ・マイ・カー」は感情を押し殺し関係性を作り上げたが、
本作は感情を前面に押し出し関係性を破壊する。
そもそも関係性なんて必要ない。
破壊の先に平和が訪れる気もするが、それもない。
破壊を繰り返すだけ。

全てを放棄し、田舎でのんびり暮らしても平和が訪れるとは限らない。
自ら破壊を求めてしまうのかな。
そんなことを感じた映画だった。
そんな表現をすると作品の期待値が下がるかもしれないがそうではない。

僕は本作の公開を心待ちにしていた。
今年で一番楽しみにしていた作品といっても間違いではない。
その期待を裏切らなかった。

すこぶる面白い。
その異常さに恐怖を覚えるが面白い。
さすが、白石監督。
制約の多い環境の中でもやりたいことがやれたのだろう。

入場者にプレゼントされたトレーディングカード。
いったい誰がこんなものを欲しがるんだ。

はい、大切にします。
特に02は。
13の人もいい味だけどね(笑)。