昨日の新聞は大塚家具の経営権を巡る記事で賑わっていた。
結果は社長側に軍配が上がったわけだが、世間一般は結構冷ややかな目で一連の騒動を見ていたと思う。
醜い親子ゲンカくらいの感覚も多かったのではないだろうか。

僕も客観的に眺めていた一人ではあるが、
愛知県唯一のファミリービジネスアドバイザーとして(本当に?)、その記事を読んでいた。

詳細まで把握しているわけではないので、はっきりしたことは言えない。
誤解があるのかもしれない。
しかし、今回の一連の動きは明らかに議論の論点があちこちに錯綜していたとも感じる。
一般的にファミリービジネス(同族経営)は三位一体経営としてこんな感じで成り立っている。
この画像はちょっと前に社内での勉強会で僕が作成したもの。

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自分で考えたわけじゃないけど・・・(苦笑)。
創業家、株主、経営者とが混じり合い構成されている。
本来、議論すべき場はそれぞれ異なるのが正しい姿。

経営は経営として話し合う、株主は株主の立場として話し合う。そうあるのが理想。
しかし、今回はお互いの戦略の違い、すなわち経営からスタートした問題が、
いつの間にか創業家(ファミリー)の問題に移り、そのうちに株主へと発展していく。
議論すべき論点が感情論が優先されることであちこちに流れていき収拾のつかない状態になってしまう。
泥沼になるのは仕方ない。

ドラマ「ハゲタカ」を彷彿させるプロキシーファイトもその構成を見れば、
ファミリーの力が大きく動き、公平性に欠けているようにも感じた。
他社の経営を語れるほど能力があるわけでもないし、
その実態はマスコミの情報しか知り得ないので無責任なことは言えない。
こうすべきというアイデアも持ち合わせていない。

だが、株主の方が苦言されたように「会社は一族のものではない」という言葉が全てを表している。
これでファミリービジネス(同族経営)のイメージが悪くなったのは確か。
表に出てこないだけで同様の問題を抱えてる企業も多いだろう。

一方で魅力的なファミリービジネスも多い。
会社の理念や文化を大切にし、その上で変革を行い、社員を大切にし健全な経営を行う。
そんな会社は僕の周りでも多い。
むしろ見習うべき点はファミリビジネスにある。

今回の一連の騒動でファミリービジネス全体に対するイメージが大きく落ちたのであれば、
それは残念で仕方ない。
そんなことを思う日曜の朝だった。