いやいや、面白かった。

キャリアを大学で教える講師として、
名古屋のカリスマキャリアカウンセラーとして、
映画コラムニストとして、
そして、就職支援会社のトップとして・・・。

こんな書籍の存在が新鮮と共に、こんな切り口で映画を語り、
労働環境や働き方を語ることが何よりいい学びだった。

本書は著者の一人梅崎先生から送って頂いた。
(そのタイミングで、ちゃんと自分でも購入もしてます!)
なぜ送って頂けたかといえば、昨年6月に学習院大学に通ったのが、きっかけ。

「映画の中のキャリアデザイン」
こちらのブログでも書いたが、間もなく会長になるパフ釘崎社長に誘って頂き、
映画を通してキャリアを学ぶ機会を頂いた。

その時の担当教授が梅崎先生。
大学の授業なんて楽しんだことがなかったが、この時はワクワクしながら受講。
第2回目の授業もブログに書いている。

そんな授業でのケースをまとめられたのが本書。
授業では1本もしくは2本の映画を題材にキャリアを描いていたが、
本書では一つ一つの作品から職業や変動する労働環境を描いている。

日本映画で変動する社会を並べても、
あゝ、野麦峠~ALWAYS三丁目の夕日~フラガール~スーパーの女
と変化していく。

時代時代の女性の働き方を描くだけで、
国内における女性のキャリアを変遷を知ることが可能。
今までそんな視点で映画を観ていなかったので、新たな楽しみも増える。
ストーリーや演出だけでなく、
時代背景と共に当時の立場を理解させることは映画の役割としても重要。

「映画=芸術」「映画=娯楽」から
「映画=教養」「映画=時代認識」へと移っていく。

社会派映画コラムニストとして果たすべき役割が認識できた。
これから僕が生きていく道になるのかな。
どうみても食べてはいけないと思うが・・・。

本書では洋画、邦画合わせて22本が紹介されている。
実際、僕が観たことある作品は11本。
やはりイギリスの名匠ケン・ローチ監督は観ておくべきだね。

そして、もう1本、「天国と地獄」。
黒澤明監督の名作だが、本書に書かれる観点で観たことはない。
20年以上前の話だし・・・。

モノクロにこだわった黒沢監督が一瞬だけカラーの映像にしたのは有名だし、
そのサスペンス劇は楽しめるが、これからは「仕事映画」としての視点も。
セリフを含め格差がもたらす影響も知っておくべき。
「天国と地獄」は近いうちにもう一度観よう。

これまで出会うことのなかった分野、いや世界を教えて頂いて感謝。
梅崎先生、ありがとうございました。