2年前に日本で公開された作品。
その時、本作の存在は知らなかった。
キネマ旬報外国映画ベストテンで2位のランクインで知っただけ。
映画コラムニストとしてはまだ勉強不足。

この年話題になったのは「パラサイト半地下の家族」
キネ旬でも1位だったし、アカデミー賞作品賞も獲得。
最も話題になった韓国映画だった。

その陰に隠れていたのが本作。
この年は韓国映画の当たり年だった。
日本映画も負けちゃいられないね。

それ以来、気になっていたが最近、ようやくAmazonプライムで鑑賞。
舞台は1994年、韓国ソウル。
今から28年前。
そうか、僕が結婚した年じゃないか・・・。

どんな年だっけ?
アメリカでW杯が開催され、
北朝鮮のキム・イルソン主席が亡くなり、
ソウルで大惨事が起きた。

それは僕が思い出したのではなく、映画の中で描かれる世界。
急に現実感が出てくる。
その時代の韓国の状況を僕は知らないが、描かれる世界はリアル。

男尊女卑。
明らかに扱いが違う。
モーレツな学歴社会。
ソウル大学を目指すことがエリートへの第一歩。
エリートになることが全て。
そうならないと豊かさを手に入れることはできない。

決して大げさではなく、当時をストレートに描いているのだろう。
日本人として違和感を感じるが、
28年前の日本だって、今と比較すればその働き方は違和感を感じる。
時代は少しずつ変化し、気づいた時はまるで違う世界になっているのだ。

それを14歳の少女の視線で捉える。
その視線は至極真っ当であるが、
(冷静にみれば・・・)
周囲の大人たちは理解できない。

とっても可愛い子だが不良扱いされ、
それに抗うかの行動もしてしまう。
誰しもが歩んだ道にも思える。
日本でもこの類の映画ってあったんじゃないかな・・・。

より繊細に描いている分、評価も高い。
その視線は50代の僕でさえ共感する。
爆発は青春の証だ。
ドンドン!

主役ウニを演じるのはパク・ジフ。
100%初めて知る女優だが、とても可愛らしい。
見方を変えれば彼女のアイドル作品。
そんな雰囲気もあったり。
いや、ちょっと違うか。

韓国はおかずは箸で食べるが、ご飯はスプーンで食べるのが一般的?
どうでもいいところが気になってしまった。

韓国映画、頑張るね。
日本映画も負けてはいられないね。