公開当初、観る予定はなかった。
流行りに乗っかった軽い作品のように思えたのが理由。
僕は流行りに流されたりはしない。
しかし、レビューを見ると意外と評価が高い。
結局はいとも簡単に流されてしまった(汗)。

スピード感があるので飽きることなく楽しめたのは事実。
125分の上映時間は短く感じた。
SNSによる炎上の恐ろしさだけでなく、
人間関係の難しさや他責思考に陥る人の本質を描いていた。
娯楽性だけでなく社会性も含んだ作品。

ただ作品を振り返っていると矛盾というか非現実な設定もあり粗さも感じた。
多分、映画評論家はそのあたりはツッコみどころで評価に影響するだろう。
僕は自称映画コラムニストなので大目に見たい。

そもそもの動きが冷静になればすぐに解決に向かったはず。
追い込まれると冷静な判断ができないが、その次元でもないと思うし・・・。
あまり語ってしまうとネタバレになるので止めておこう。

簡単に解説すれば、阿部寛演じるハウスメーカーの営業部長のSNSアカウントを
他人が利用して危ない画像が拡散し炎上。
無責任な連中に追いかけられるという流れ。

僕自身、SNSに投稿はするが、知らない人にコメントすることはない。
ましてや誹謗中傷で相手を叩くことはあり得ない。
拡散投稿を見ることもない。
自分が責任持てない発言はしない。
たまに僕の投稿に変なコメントも入るがスルーするのみ。

これがごく普通だと思うのだが、
実際は本作のような使い方が中心なのかも。
そう思うと恐ろしい世界。

本作は過剰な投稿への痛烈な批判とも受け取れるが、
当の本人は「自分は悪くない」と思う程度なんだろう。
「悪い」と「悪くない」の括りでリアルな人間性が出るんじゃないか。

映画を観て感じたこと。
僕も営業部長山縣泰介と同じようなもの。
自分ではまっとうなつもりだが、周りはそう認識していない。
自分勝手な人間と思われているかもしれない。
それは家族でも会社でも。
こんな事件が起きてハッとさせられるのは勘弁して欲しいが、反省は必要。
奥さん役の夏川結衣の言葉に「やばっ」と思ってしまった。

それだけでも本作を観た価値はあったかもしれない。
大変なことが起きると人の本心が知れるんだろうね。
気をつけないと・・・。

なんだか自己反省の映画ブログになってしまった。