これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

昭和天皇物語

ちょくちょくマンガを読んでいる。
本をそのまま購入するのが恥ずかしいのか(笑)、すべて電子書籍。
kindleの中に放りこんでいる。

石ノ森章太郎の「マンガ日本の歴史」は38巻まで到達。
江戸時代も後半に入り、そろそろ幕府の問題点があぶり出されてきた。

高校時代、日本史は得意だったが何の役にも立っていない。
受験で生きただけのこと。
記憶力に自信があったので、点では理解していた。
肝心な線を描けていなかった。
どんな背景で何をもって時代を動かしていたのか、表面でしか理解していなかった。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という。
ビスマルクの言葉だが、これは世界共通だろう。
今更ではあるが、もっと歴史を知らなきゃいけない。

それがマンガか?
という軽蔑の眼差しもあるかもしれないが、これも手段の一つ。
全体を理解した上で、細かな掘り下げをしていく。
なんて書くとカッコつけているようだが、これも地道な学びと解釈(笑)。

そして、今読んでいるのが「昭和天皇物語」。
先日、6巻が発売された。

僕は昭和天皇というとご高齢で公務をされていた事しか記憶にない。
あとは玉音放送くらい。TVや映画でね・・・。
若い頃は興味すら持っていなかった。

時代が平成になり、そして令和に移った今、天皇家についてもより知る必要性、
日本人として理解すべきと考えるようになってきた。
幸い僕の周りのは詳しい友人が多いので教えてもらうこともあるが、
自らももっと学ばなきゃいけない。

それがマンガか!
と軽蔑の眼差しもあるかもしれないが、これもまた一つ。

6巻で描かれるのは、関東大震災の復興から大正時代を終えるころ。
皇太子としてご成婚された時期。
どこまで忠実に描いているかは定かではないが、天皇を継ぐ者としての覚悟が伝わってくる。
同時に人となり(昭和天皇に向かってその表現は失礼?)も明確になっている。

その言動には思わず涙が出そうになる。
日本以外の世界を観ることで価値観も多様化していく。
そして、皇后の存在感も・・・。

これだけでも歴史を学ぶことは重要。
さらに深堀り必要だろうが・・・。

日本が歩んできた道のりを学び、今後の自分たちの在り方をどうしていくのか。
歴代天皇の中では在位期間が最も長い昭和天皇から教えて頂くことも多そう。
すでに7巻の発売が待ち遠しい。

映画「半世界」

昨年、見逃した作品をAmazonプライムの有料版で・・・。
最近、Amazonプライムは有料版ばかり観ている。
メリットないじゃんね(笑)。

大きな話題にはなってはいないが、内外の評価も高い。
キネマ旬報ベストテンでは日本映画2位だし、
読者選出ベストテンではなんと1位。
洋画「ジョーカー」のような過激さはなく、邦画「火口のふたり」のようなドキドキ感もない。
とても小さな世界の普通の人たちの話。

しかし、映画にはグイグイ引き込まれ、いつの間にか終わる。
主役と一緒に喜んだり悲しんだり、時に苦しんだりと・・・。
僕と登場人物の距離感は近い。

その一つはロケ地。
映画ではある地方都市しか表現されていないが、ここは三重県伊勢志摩。
奥さん役である池脇千鶴は近鉄に乗るし、松坂牛で有名な和田金に顔を出す。

近鉄の行先は伊勢中川。
乗っている車両も僕と同じ。
行先は反対方面だと思うけど・・・。
だから距離感が近い。

いやいや、これはどうでもいい話(笑)。

池脇千鶴が車中で崩れ落ちるシーンはなんとも辛かったけど・・・。
彼女の助演女優賞は頷ける。
今後もいい母親役をやっていくんだな。
ガチで・・・。

主役は元スマップの吾郎ちゃん。
随分前の「十三人の刺客」もよかったが、これもいい。
「凪待ち」の慎吾ちゃんといい、脱退したメンバーはいい役者人生を歩んでいるんじゃないの?
草彅くんの「台風家族」も評判高いようだし・・・。
オムニバスの「クソ野郎と美しき世界」は総じて駄作だが・・・(笑)。

本作は稲垣吾郎、長谷川博己、渋川晴彦(彼もいい味)が演じる幼馴染みの友情を描く。
同級生の友情というと安っぽく聞こえるが、そうではない。
40歳を手前にそれぞれの事情を抱え、自分と相手に葛藤を繰り返す。

順調なことはほんの少ししかない。
他人から見れば小さな問題に悩み、時々逃げながらも真剣に向かい合う。
それが人間っぽさを感じさせる。

そして突然訪れる死。
人生なんてそんなものかもしれない。
日常の中で突然やってくる。
それでも悲しさの中に立ち止まっているわけにはいかず、前に進まなきゃいけない。

その描き方が清々しい。
過度にお涙頂戴にせず、
(それでも涙を流しちゃうけど・・・)
現実を受け入れる。
何があろうと残る者は生きていかねばならない。

大きな世界を描くことはできないし、知ることもできない。
懸命に小さな世界の中で生きている。
だから半世界なのだろうか・・・。

僕も小さな世界の中で生き抜いていかないとね。
胸に刻まれる映画でした。

夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録

経営者仲間で愚か者本部副本部長の櫻山さんが
「読書を実践に活かす!蔵書者の視点」で書評を書いている。

「夜と霧」

愚か者の要素は何一つない。
この書評を読んで僕も手に取った。

Amazonの中古本で購入した本書はいい意味で色あせ、重みを醸し出している。
最近は節約で中古本が増えてるな(笑)。

櫻山さんの書評には人生の意味、未来への希望が書かれているが、
読み進めてもそんな感じは一切しない。
戦争の地獄模様が伝わるばかり。
読みながらも目を覆いたくなる。

戦争はすべての人を破壊する。
それはその当事者だけでなく周辺の人たちも。

本書ではアウシュビッツ収容所の状況が克明に記されているが、想像を遥かに超える。
過去、ドキュメンタリーや映画でその状況は知っているつもりだが、
それはほんの僅かを切り取ったにすぎない。
日常的に繰り返される過酷な労働や非人間的な扱いは読んでいて辛くなる。
こんな実験は許されるのか・・・。

それは収容された側だけでない。
非人間的に行為は非人間的な人物を作り、そこには倫理や理性のかけらもない。
罪悪感なんて感情は平時においてしか成り立たない。
まっとうな精神状態を持つこと自体が稀である。

見えてくるのは絶望。
それを漂わせる長い長い解説であった。

ここで本を止めることもできた。
希望なんて期待しないほうがいい。
それを今、コロナが襲う現状と当てはめてみてもいい。

みえてくるのは不安と諦め。
そんなものしかない。
だから読み進めなきゃいけない。

どんな時にも冷静に自分を受け止め、できることを少しずつでも行う。
どれだけ期待を裏切られても希望は失わない。
アウシュビッツであれば、その精神状態を維持するのは尋常ではない。
著者の精神力だから叶えられたのだろう。

だが、今、生きる世界はそこまでではない。
注意していれば死が訪れることはない。
誰かに脅かされることもない。
経済を語れるだけ平和な証拠なのかもしれない。
当時と比較をすれば・・・。

そんな簡単でないのは事実だし、朝の気持ちと夜の気持ち、
昨日の感情と今日の感情、同じであることはない。
それでも前を向き歩かねばならない。

ジッと耐えることも必要。
今、寒さや空腹が体を襲うことはない。
それだけでもまだいいじゃないか。
そう思って毎日過ごすしかない。

この時期に本書読めたのはいい機会だった。
ありがとうございました。

人と組織のマネジメントバイアス

こんな立派なことを書く先生方が自分の身近に存在するとは大変ありがたい。

曽和さんは一昨日のオンライン飲み会でもご一緒したし(笑)。
それにしても最近は自らの発信も含め露出が激しい。
それだけ多岐に亘る思考を持った方なんだろう。

伊達さんも学術界とは思えない容姿と語り口で分かりやすく情報を提供してくれる。
僕は頷きながら聞くばかり・・・。

そんな出足だと本書は宣伝本に近い思われるかもしれない。

いっておこう。
宣伝です!

しかし、単に知り合いが著者だから宣伝するのではなく、それは読む価値があるから。
組織に関わる者、人事に関わる者、社内的に人的問題を抱え悩んでいる者、
自分のやり方は正しいと思い込んでいる者には読んでもらいたい。

僕自身も自分が正しいと思っていたことが必ずしもそうでなかったり、
自信がなかったことが案外正解に近かったり、それを感じ取れたのは本書を読んだからこそ言える。

決してこうすべきと答えが書いてあるわけではない。
それを求めている方にとってはモヤモヤ感が残るとは思うが、
簡単に〇×で判断できない人に携わるとはそんなことなんだろう。

本書は採用、育成、評価、成長、文化、各々が持ち得るバイアスポイントを45項目で著されている。
なるほど!と思う点もあれば、よう分からんな・・・と思う点もある。
よう分からんな・・・という点に関しては読み込みが足りないか、
自分の考えが浅いことになるのだろう。

その気づきを得るだけでも今のポジションを把握することができるし、
課題解決の糸口にも繋がる。
評価のバイアスを読みながら、本当に評価なんて必要なのかと思ってみたり(笑)。

いすれにせよ単純な社会ではなくなった。
昔のようにただガムシャラに仕事すれば成長できる時代ではない。
それ自体求められていない。

だんだん付いていけなくなる自分を恐れながらも、
吸収すべきは吸収し、変化させるべきは変化させる。
これから益々働き方や会社との関わり方は変わってくるし・・・。

たかだかこの1~2か月だけでも多くの企業でこれまで気づかなかった問題が発生する。
それは他人事ではない。
それは文化なのか、評価なのか。
採用の世界も大きく変わっていく。
新たなバイアスも生まれるだろう。

その時に僕はどんな立ち位置でいられるのか。
答えはすぐ見つからないが、逃げることなく立ち向かわねば・・・。

いい勉強になりました。
ありがとうございました。

映画「時計じかけのオレンジ」

なんだか無性に本作を観たくなった。
初めて見たのはいつだったか。
多分、15年ほど前。
かなり衝撃を受けた記憶がある。
めちゃドギツい作品。

本作が公開されたのは1971年なので、約50年前の映画。
今観ても全く古さを感じさせない。
むしろ新しさを感じさせる。

時代背景が違うのでその差はやむを得ないが、
この時代に作られたとしても違和感は感じない。
テーマは普遍的。
あらためて本作の凄さに朦朧としてしまった。

オープニングからラストシーンまでの斬新な映像は観る者を驚かせる。
一つ一つのオブジェや色彩も強烈。
公開禁止になるのも納得できるし、
もしかしたら今作られていたらお蔵入りなのかもしれない。

なぜ、急にこの作品を観たくなったかは分からないが、
スタンリー・キューブリックなら答えを導いてくれそう。
きっと僕の中の感情がそうさせているんだろうね。

キューブリック監督といえば、生涯でそれほど作品を撮っていない。
一番評価されているのは「2001年宇宙の旅」だが、どの作品も話題作ばかり。
僕が最初に観たのは「フルメタル・ジャケット」だが、
公開当時はかなり話題になり強烈な印象を残していた。
従来の戦争映画とは一線を画した感があった。
一般的な映画監督に比べ、こだわりが100倍くらい違うのだろう。

今でも映画史上最高の作品ベストテンを行うと必ず「2001年宇宙の旅」はランク入りする。
僕はこの「時計じかけのオレンジ」がランク入りしてもいいとは思うが、
映画史上最高の~と言われると愚か者扱いされそうだ。

ちなみに僕は監督作品をすべて見ているわけではない。
恥ずかしながら「2001年宇宙の旅」もまだ観ていない。
あらま・・・。それでは100%説得力がないね。
語る資格すらないじゃないか(笑)。

まあ、それはともかく本作を観たことがない人は、是非!。
人間性を疑われるかもしれないが、人の強さや弱さ、狡さやしたたかさ、
リーダーシップやヒエラルキー、理性と本性を学ぶことができる。
とても恐ろしい作品だけど。

比較的、時間の余裕のあるこのGW期間がいいのかも・・・。

7つの習慣

「えっ、今更?」と思われるかもしれない。
立派なビジネスマンであれば、間違いなく通過していく一冊。
いわずと知れた世界的な名著で、全世界の発行部数は3000万部。
日本でも200万部売れているビジネス本の代表選手。

そんな本を実は読んでいなかった。
雑誌の特集を読んだり、自己啓発のセミナーを拝聴したことはあるが、
本書に触れたのは今回が初めて。
親しい経営者仲間にも「信じられない~」という顔をされた(笑)。

ごまかすことができない。
読んでいないものは読んでいない。

近しい書籍はたくさんあるものの、ここまで評価の高い書籍はなく、
その押さえておくべきポイントは万国共通。

僕は今年1月に発売された新書サイズを購入。
それでも1980円するし、ページ数は670ページを超える。
皮のブックカバーがのびのびになってしまった。
鞄に入れても重い。
一般の新書とは全然違う。

そんな話はどうでもいいだろう。
本書の中身についてはどうか。
このブログであえて語る必要もない。
ウィキペディアを見れば要約して解説しているし、
YouTubeではオリエンタルラジオ中田敦彦が熱く語っている。

それだけでも勉強にはなる。
にわか知識も得られるし、必要な7つの習慣を記録することもできる。
ただそれではコヴィーさんの伝えたいこと、実践してほしいことは叶うことはできない。

それだけではない。
1回しか読んでいない僕もやり遂げることは無理。
たかだか1度読んだくらいでは、
(僕のような頭脳では・・・)
頭の中に入りきらないし、忘れてもしまう。
繰り返し読むことが必要だし、今、どんな状態であるか確認することも必要。

常に手元に置いておくべきだろう。
従って会社の本棚には置かない。
読みたいメンバーは自分で買ってください。
貸さないからね(笑)。

ここに到達するのは限りなく難しい。
頭で理解できても、それを行うのは相当なこと。
本書には近づくための付録やワークシートも載っている。

今はいい時期なのかもしれない。
幸いなことにGW期間は外出もできないので、時間はたっぷりとある。
学び直すにはちょうどいい。
改めて自分と向き合い考え抜いていきたい。

映画「さびしんぼう」

先週、大林信彦監督の追悼ブログを書いた。
大林監督、逝く

その際、映画「さびしんぼう」のことにも触れた。
このブログをきっかけに本作を観てくれた奇特の方がいるのだが、
感想を聞くうちに僕も急に観たくなった。
そこでAmazonプライムでポチ。
本作は400円の有料版だったが、ためらうことはない。
やはり観ておくべきなのだ。

この「さびしんぼう」に夢中になったのは大学生の頃。
働くようになっても何度かはビデオで観た。
せいぜい20代半ばまでのこと。

その当時の感性が今の僕に持ち合わせているかは甚だ疑問。
若い頃は感動した作品でも年齢を重ねることでその感動が薄らいでいくことは多い。
正直なところ、今の僕には当時の感性を持ち合わせる自信はなかった。

いい意味でも悪い意味でも擦れた大人になってしまった。
特にこのジャンルの好きとか嫌いとかの青春映画はそう。
50歳を過ぎて青春映画を観ないのは、とても小さな世界だと感じてしまうからだ。

そんな気持ちでこの作品に臨んだ。
観終わって実際どうだったか。
僕の感性はまだまだ衰えていない。
やはり「さびしんぼう」は僕にとっての名作だった。

10代の頃の感動は何ら薄れていない。
一瞬にして僕はあの頃に戻ってしまった。
百合子さんの富田靖子もさびしんぼうの富田靖子も、どう表現すればいいのか・・・。
胸が苦しくなった。

プレゼントのリボンを落としながら駆け足で立ち去る百合子も、
目を擦りメイクが剥がれるさびしんぼうも最高だった。
改めて僕にとってかけがえのない作品だと感じた。

当時と違うのは母親役の藤田弓子さんを可愛らしく感じたこと。
それは今の年齢になったからで、10代の頃は微塵もなかったと思う(笑)。
その点では僕も確実に年を取っている。

そして懐かしい面々も。
大林組と言われる峰岸徹、根岸季衣、入江若葉、岸部一徳、小林聡美などなど。
大林作品に欠かせない役者陣。
みんな、若かったな・・・。

セピア色の尾道の風景も美しい。
今もあんな感じなのかな。
仕事が落ち着いたらカミさんとゆっくり行ってみるのもいい。

お~い、さびしんぼう~。

大林監督、改めてありがとうございました。

大林監督、逝く

映画界は悲しいニュースが続く。
昨日のブログは映画館のことだったが、今日は映画監督のこと。

昨日、亡くなられた大林宣彦監督は好きな監督だった。
僕ら世代で影響を受けた人は多い。
ちょうど高校、大学時代に「尾道三部作」が製作されたため、当時の映画ファンは引き込まれていった。
僕もその一人で、「時をかける少女」の原田知世や「さびしんぼう」の富田靖子には惚れた。
尾美としのりは今や土岐頼芸だしね(笑)。

「さびしんぼう」は僕の中では生涯作品ベスト5に入る映画。
何度観たか分からないくらい。
もう20数年は観てないけど・・・。

大学時代には彼女と尾道にも旅行に行き、オタクっぽくロケ地も回った。
きっと彼女は迷惑だっただろう(笑)。

当時は映画研究会に属しており、県内大学の映画研究会を集めて映画祭を開催。
僕は事務局の一人で映画祭の運営も担当していた。
その時にゲストとして招いたのも大林監督。

名古屋駅の新幹線の乗り場まで迎えに行き、一緒にタクシーに乗り会場まで向かった。
いつも奥さんが一緒でこの時も仲睦まじい姿を見せていた。
自主映画出身である大林監督は僕らの取り組みにも賛同してくれ、
格安な謝礼でこの映画祭にも協力してくれた。
一度しかお会いしていないが、TVで観るのと同じで優しい語り口で、とても温厚な方。
翌年招いた大島渚監督とは随分と印象が違った。
すいません・・・。

その時にいただいたサインは今でも大事に持っている。
今となっては大切な思い出。
未だに何が書いてるのかわからないけど・・・笑。

その後も「新・尾道三部作」など話題作を作り、学生時代ほどの熱はなかったが楽しませてもらった。
一昨年公開された「花筐/HANAGATAMI」は観よう観ようと思いながら、
168分という時間に恐れをなし観ていない。
最近はすっかりご無沙汰だし、これを機会に観なきゃいけない。

ある意味、僕の青春時代に大きな影響を与えてくれた一人。
大林監督のおかげで日本映画の魅力にはまっていったのも事実だし、
昔は作品をネタに飲みながら熱く語らせてもらった。

それも懐かしい。
また、作品を振り返りながら飲み会をやるのもいい。
今ならオンライン飲み会かな・・・。

これまで素晴らしい作品を残して頂き、ありがとうございました。
ご冥福をお祈りします。

映画「復活の日」

Amazonプライムをチェックしていたら、いきなりドーンと表示された。

この作品を観たのは、確か中学生?高校生?の頃。
映画館ではなくTVで。
当時の土曜ロードショーあたりじゃないかな・・・。

ほとんど記憶はない。
最後は感動的に終わったというくらい。

公開は今から40年前。
映像や題字からは歴史を感じるが、その壮大さは当時の角川映画の勢いを感じさせる。
莫大な費用がかかったことも。
無駄に全世界ロケをしている気もするが、昨今の恐ろしさを思うと納得感は強い。

本作は盗まれた新種のウイルスが事故により拡散することから始まる。
当初はイタリア風邪として対処していたが、
(ウイルス発祥と関係ないイタリアは災難だな・・・)
全世界に広がり猛威を振るう。
まるで連日放送される新型コロナウイルスの感染拡大のニュースのように。

死者は増え続け病院も機能せず、瞬く間に国が滅んでいく。
映画では数か月単位で進んでいったが、
それは現実問題として今年の3月を断片的に描いていると思うのは大袈裟か。
映画を観ながら現実とオーバーラップさせてしまう。
それがAmazonプライムの狙い?

当時はただのSF映画ぐらいに捉えていたが、
いや、本作を半年前に観ても同じ感想を持っただろう。
緒形拳扮する医者が激務の中、
自らも倒れていくシーンは今まさに世界のどこかで起きている。

人間の無力さを感じるところ。
情報技術も医療技術も現代とは違いはあれど、
根本的なことは変わらないのかもしれない。

映画では経済が破綻するとか、政府の支援がどうという余裕なく、
南極を除く全人類が滅亡。
それはあくまでも映画の世界。
あくまでも映画の世界だが、映画目線で生活することが求められるのかもしれない。

いかん、何だか暗い話ばかりになってしまった。
そうはいっても本作はSF娯楽作品。
かなり無理な設定であり得ない描き方もあるが、そこも楽しむことができる。

監督は今は亡き深作欣二氏。
そして、主役は草刈正雄氏。
若くてカッコいい。
昔はただの二枚目俳優。
今は味のある役者さんだけど・・・。
こんな変化はいい。

たまには昔の映画を観るのもいい。
案外、今の社会を予測して描いている作品が多かったり。
身につまされる作品だった。

両利きの組織をつくる

いいタイミングで良書に巡り合うことができた。
その機会を与えてくれたマッピーには感謝ですね(笑)。

常に組織と向き合っているわけだが、最適な回答ができることは少ない。
むしろ自分の思うようにならないことが多い。
構成するメンバーのせいにしたくる時もなくはないが、それは全て自分のせい。
本書を読んで自分の至らなさを改めて痛感した。

これまでもいい組織を作るために努力をしてきたつもり。
上手くいった時もあれば、そうでない時もある。
それは環境の変化であったり、価値観のズレであったり,
いろんな要素はあるが、一番は僕の想いの足りなさ。
共感度のなさである。

勝手に理想を描くだけでは伝わらない。
組織開発は組織感情のマネジメントと書いてあるように、
相手側の反発や不安に向き合わなきゃならない。

怠っていたわけではないが、そもそもそこに気づかなかった自分に大きな落ち度があった。
それが昨年、僕が手掛けてきたこと。
大いに反省・・・。
理解が足りなかったのだ。

今週で個人面談を終え、昨日は社員総会。
今日は半年に一度の幹部研修会。
まだまだ足りない点は多いとは思うが、継続して語り合うことにしていこう。

そして、本書で書かれているもっとも重要なことは両利きの組織つくり。
タイトルのままじゃないか(笑)。

小さな企業とはいえ名大社も50年の歴史を持つ会社。
知らず知らずのうちに変化に対応できない成熟企業になっている恐れはある。
それも誰も気づかないうちに・・・。
それでは気づいた時には手遅れ。

気づいていても何もしなければ意味もない。
大胆な変化も必要だがリスクも伴う。
だからこそ「両利きの経営」。

既存の事業を深堀する組織能力と新しい事業機会を探索する組織能力、
相矛盾する二つの能力を併存させる組織能力、
この三つの組織能力を形成することが求められる。

それを引き受け引っ張っていくのが経営者の務め。
簡単ではないができないことではないはず。
事例にあるAGCのような大企業ではないから意思統一も早いはずだし。
全社一丸でずっとやってきたわけだから、よりそう思う。
環境が大きく変わりつつある今だからこそ、やっていくべきだろうね。

経営者に求められること。
改めて認識することができた。

ありがとうございました。