ちなみに僕も山ちゃんです・・・。
そんなこと、どうでもいいですね。

たまには名古屋名物のサクセスストーリーも読んでおこう。

本書は2016年に急逝された山本重雄会長の経営哲学をマンガを交えながら描いている。
「山ちゃん」の最初のオープンが1981年なので、もう40年以上。
僕が大学時代から有名で安く飲ませてくれた。
当時は手羽先だけでなく、浜乙女のお茶づけやボンカレーなんていうメニューもあった。

20代後半の頃、積極的に店舗を展開していたので、人材が必要だろうと飛び込みで営業もした。
人事担当は当時社長の山本重雄氏。
仕事は頂けなかったが、とても親切な対応だったのは記憶にある。

後日、手羽先無料券付のお礼のハガキも頂いた。
飛び込み営業の若造にそんな対応をしてくれるんだと不思議に思いながらも、丁寧さに感心した。

その頃、女子大小路に山ちゃんのBARもあった。
会社帰りに寄ると山本社長が接客をしており驚いた。
ちょうど飛び込み営業した後だったので、余計に驚いた。
至って普通な対応をしてもらった。

本書を読んで、それが山本会長の人間像なんだと改めて感じた。
僕が経営者になってからも何度かご挨拶をする機会を頂いた。
本当に挨拶程度なので、ご記憶もなかったとは思う。

また、講演会に参加した時にマジックショーも見せてくれた。
確かにそんなに愛想のいい方でも饒舌な方でもない。
しかし、実直な人間性はしっかりと伝わった。

本書ではそれがオーバーラップするかのようにオープンから
逝去されるまでの山ちゃん人生が分かりやすく描かれている。

いいと思ったこと即取り入れる。
人としての常識や分別を大切にする。
最大限に人間関係を重んじる。
当たり前のことを当たり前にコツコツと徹底する。
簡単そうで簡単でない。

当然、社員さんからの人望も厚かった。
その姿は今の「世界の山ちゃん」にも脈々と引き継がれている。
そんな会社が身近にあるのは誇らしい。

山本会長が急逝され、会社を継いだのは本書の監修もされている山本久美氏。
会長夫人にあたるが、これまで会社経営には携わっていない。
全くの未経験。

覚悟を持って、急きょ、代表に就任された。
その決断は想像しがたい。
M&Aの話や甘い誘いも多かったようだ。
それを断り、その後も会社を順調に成長させた。
今はコロナの影響を受けるが、時間の問題で心配はないだろう。

その山本久美代表を今年開催する「名古屋ファミリービジネス研究会」で招くことになった。
講演依頼にあたり、失礼のないように予習をさせてもらった本書だが、
シンプルに面白かったし勉強になった。

いやいや、今年の「名古屋ファミリービジネス研究会」もとても楽しみ。
詳細は改めて告知するので、しばらく待ってほしい。

まずは本書を読んで「世界の山ちゃん」を学んでおくべきだね。
「名大社の山ちゃん」じゃなくてね。