
映画館で予告編を観た時に一瞬、「えっ」と思ってしまった。
伊藤俊也監督・・・。
大変失礼で申し訳ないが、まだご健在だったわけですね。
僕の中では1980年代に活躍した監督で、すでに現役引退されたと思っていた。
まだまだ映画を作る力を持っていたわけですね。
それが本作の第一印象。
予告編を観る限り社会派人間ドラマ。
そんな監督のイメージもなかった。
大変失礼しました。
本作は第二次世界大戦後の日本を描いている。
登場人物は主に二人。
白洲次郎と吉田茂。
大学の先輩でもあり名古屋市会議員の吉田茂さんではない。
それは単なる同姓同名。
説明しなくてもわかるか(笑)。
白洲次郎を演じるのは浅野忠信さん、吉田茂を演じるのは???。
予告編を観た段階ではどんな役者さんかさっぱり分からなかった。
調べてみると小林薫さん。
「ウィンストン・チャーチル」のゲイリー・オールドマン並み、
もしくは「バイス」のクリスチャン・ベール並みのメイク。
かなり実物に近く、声からしか小林さんを想像できない。
ということは白洲次郎は比較的近いということか。
まあまあダンディぶりはそうなのかも・・・。
戦後の内閣とGHQの交渉事は僕らは意外と知らない。
日本国憲法が出来上がるまでの互いの葛藤も。
本作は映画を楽しむよりは歴史を学ぶ感覚で捉えたほうがいい。
その描き方に思想が入っているかは不明だが、
今の日本へのある種のメッセージと受け止められなくもない。
それは観る人次第。
思ったほど話題にならず、大きな劇場で上映されないのも理由の一つか。
単純に配給会社の力もあるかもしれないが。
映画を通して歴史を学ぶことも重要。
吉田茂が本当に喋ったかどうかは知らないが、
GHQの意味はGo Home Quicklyというのは皮肉っぽくて面白い。
確かに柄本明扮する松本大臣が怒り狂うのも理解はできるが、それは敗戦国だしね。
もっと鬼気迫る緊迫感があればもっと魅力は上がっただろう。
僕は本作でようやく白洲次郎の日本における役割が理解できた。
ただのダンディおじさんじゃなかった。
もっと知るべきだろうね。
数ある書籍の中で何を読めば一番いいだろうか?
おススメがあれば教えて欲しい。

一昨日のランチはカレー台湾まぜそば。それでは。

これを読もうかどうか思っていたところ、
盟友であり、昨日も「Clubhouse」をご一緒した櫻山さんが絶賛していたので手に取った。
山口周氏はここ最近では好きな作家の一人。
著書も読みオンラインの講演会も参加したりしている。
作家というよりはビジネスセンスのある哲学者なのかもしれない。
本書もその表現にあう作品ともいえないか。
「ニュータイプの時代」を読んだ時も「意味がある」ことを強調されていたが、本書もそう。
さらにパワーアップ。
改めて自分の存在に問いを立てることにもなった。
僕らは、いや、ここでは僕はというべきだろう。
僕は常に上を目指して頑張ってきた。
あまりいい時代とは表現されない平成という時代のど真ん中で勝負をしてきた。
少しでも自分も他者も成長することを期待し努力してきた。
それでも日本のGDPは伸び悩み、失われた30年と揶揄された。
目標はいつも前年比110%とか120%を課せられ、それが当たり前と認識していた。
目標達成が成長だと思い込んでいた。
そのためには勉強をしなきゃいけないし、多くの出会いを求めなきゃいけない。
それを繰り返すことが正解であり、他者にもそれを要求してきた。
それが僕の「べき論」。
平成はそれが正しかったかもしれない。
実際はそうじゃないが、そう思いたい。
そんな自分がいるのは確か。
今もその価値観に縛られているのは否定できない。
しかし、そんな価値観もそろそろなのかも。
山口氏に「山田さん、そんな時代はとっくに終わったよ。」と鼻で笑われそう。
これから向かう先は「高原社会」。
その社会の前提がエコノミーとヒューマニティーを両立させることになる。
僕自身のこれまでの理想をリセットし、新たな理想を作り出すのが今のタイミングといえそう。
あまり成長を臨むのはエゴと解釈した方がいい。
資本主義にどっぷり漬かった自分を壊すことは容易ではないが、
この先を考えるのであれば確かにその方が生きやすい。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」も違う意味になるかも。
いや、死語になるかもね。
本書では「新卒一括採用」の弊害にも言及している。
表面的に捉えれば山口氏の書かれる通りだと思う。
しかし、実態は少しずつではあるが本質的な行動に向かっている。
急には変わらないが少しずつ変化が生じているのも事実。
そこは敢えてそんな表現をしておこう。
はたして山口氏の唱える「ユニバーサル・ベーシック・インカム」の時代がくるかは分からない。
ただそうなったとしても当たり前でいられる自分でありたい。
いい勉強になりました。

あのようなエンディングで本当に良かったと思った良作。
それはある程度、予想できた終わり方。
先が読める映画が果たして秀作かどうかと疑問になるかもしれないが、
それが正しいと思える映画だった。
そのあたりが一般的な高評価に繋がっているのかも・・・。
自分の中の正義と世の中のズレを痛感できる作品。
いかに普段の自分がバイアスが掛かっているかを教えてくれる。
それは自分の価値観があればあるほど感じられる。
価値観が自分の中の正義とイコールになり、結果的に周りに迷惑を掛ける。
この映画に悪人は登場しない。
誰も自分の行動を正しいと信じ、その正しさを追求しようとする。
誰もが善人。
それは本作でいう隣同士に住む家族が互いにいえるし、
その善人さが誤解を生み不幸を招く。
そこに無責任な善人たちが集まり、火に油を注ぐ。
映画はその現実を面白おかしく伝えているが、決して他人事ではない。
気をつけなければ僕も当事者になり得る。
誰もが加害者にもなるし被害者にもなるということ。
ここまで書いたところで、何の映画かはさっぱり分からないと思う。
まあ、それでいい。
注目の話題作でもなければ、有名な役者陣が出演するわけでもない。
僕は主役の篠原ゆき子さんは「罪の声」の不幸な母親役で知る程度。
相手役の大高洋子さんはその存在すら知らなかった。
この二人がとにかくいい。
特に決して演技が上手とは思えない大高洋子さんが抜群にいい。
いかにも勘違いを生みそうな顔立ちをしているのだ。
人は大体第一印象で判断する。
それは間違いではない。
僕も第一印象を上げるべき努力をしている(笑)。
しかし、世の中にはそこまで気が回らない人たちがほとんど。
些細な行為で勘違いを招き、それが深みにはまっていく。
当の本人はそんなことは露知らずで、気づいた時に手遅れになるんだけど・・・。
そして善人を装う人たちは間違いなく無責任。
本作もマスコミがその代表として描かれる。
それには問われる理由はあるはずだが、最近はそんな作品が多いと思う。
「よこがお」であり「望み」であり・・・。
やはり振りかざす正義はあてにならない。
マスコミがSNSに踊らされるのも残念だが、きっとそれが現実。
天野監督はそのあたりを笑いと涙で巧みに描いている。
状況次第では酷い作品になりそうな映画を感動作に仕上げてくれた。
どちらにしても弟くんは反省しなきゃいけないね。
そんな意味ではキャバ嬢が映画の中で一番まともな人物だったりして・・・。
どんな作品かは全く分からないままブログが終わるが、観て損はない映画。
時代を上手く反映した一本だった。

映画評論仲間のBushさんのオススメがなければ観ることがなかった作品。
存在にすら気づかずスルーしていた可能性も高い。
持つべきは見識高い仲間ですね。
感謝!
タイミングよくミリオン座での公開も運が良かった。
本作はハンガリー映画。
昨年が観た「サウルの息子」も2年半前観た「心と体と」も結構重い。
重い作品がハンガリー映画の特徴なのか、はたまた重い作品が国内で上映されるのか、
その背景は分からない。
しかし、アメリカや韓国以外の外国映画を観る機会を作った方がいいのは事実。
歴史的な背景や政治色、その文化も学ぶことができる。
多分、ハンガリーに旅行に行くことない。
あれっ、娘は行ったのかな?
特に本作はその歴史的背景を知っているか否かで感じ方が違う。
僕のような疎い人間も感動できるが、歴史の詳しい方の感動は別次元へと誘うだろう。
その点が僕とBushさんの視座の高さの違いか・・・。
このあたりに人としての深みの違いが出ますね(笑)。
僕らは第二次世界大戦を日本中心で考えがち。
日本とアメリカ、日本とドイツ、その関係において両国間の立ち位置を語る。
ではハンガリーの立場で語ることができるか。
多くの人はその事実すら知らない。
ホロコーストといわれるナチス・ドイツが行ったユダヤ人の虐殺の舞台がハンガリーだったことも・・・。
無知は罪。
もっと歴史を知らねばならない。
国内の悲惨さを知るだけが戦争を反対する理由ではない。
同様に外国でも深い傷を知ることが反対の理由にも繋がる。
本作を反戦映画と捉えるのはナンセンス。
僕もそんな語り口だが、それを主張したいわけではない。
傷つきながらもどうすれば希望を持てる人生を歩むことができるのか。
感情を捨てた人間が人と関わりで大切なものを取り戻していく。
小さな変化の積み重ね。
そのありがたさを映画は教えてくれる。
このコロナ禍の辛さがほんのちっぽけな出来事といい錯覚を与えてくれる。
そして、気づかせてくれる。
守るべきは守ると・・・。
とても小さな作品だが、この時期に公開されるのは大きな意味があるのかもしれない。

しばらくこの分野をしっかりと学びたいと思う。
「名古屋ファミリービジネス研究会」を主催して、
多くの同族経営の経営者と懇意にさせてもらっている。
また、経営者仲間もそのほとんどが同族企業の二代目、三代目。
有難いことにみなさん優秀で人間性も優れた方ばかり。
いわゆるボンクラ息子と呼ばれる人は皆無。
それなりの方が集まる場しか参加していないので、当たり前かもしれない。
一方で僕が知らない正体とやらを持っているのかもしれない。
本音と建て前を上手く切り分けているのかもしれない。
実態は不明だが、少なくともそれを感じることはない。
そんな中で僕は異色の存在。
創業家でもなければ親戚筋でもない。
起業家でもない。
大企業のサラリーマン社長ならありふれた存在だが、中小企業の生え抜き社長は少ない。
雇われ社長でもない。
オーナーの意向にビビることもない。
だからこそと自分自身で思うのかもしれない。
創業家やその企業の辿った道のりを学びたいと・・・。
まあ、僕も由緒正しき山田家の長男なんだけど。
ちょっと違うか(笑)。
本書は日本を代表する企業を中心に44社の後継の流れが描かれている。
必ず家系図も掲載されているので、
じっと眺めながら企業の歴史を確認するとより興味深くなる。
大塚家具のようにワイドニュースにもなるような骨肉の争いもあるが、
ほとんど表面化しない創業家と経営陣との争いや家族間の揉め事も垣間見える。
それだと野次馬的な要素になってしまうが、僕が知りたいのはそんなことではない。
その経営者がどんな気持ちで後継者を選び、周りとの関係性を保ちながら譲っていくかということ。
きっと身近にも多いだろうから、今後はそのあたりも直接話を聞く場を作りたい。
本書に登場する立派な企業も必ずし順調ばかりではない。
必ずといっていいほどクーデターや更迭、解任、
突然の死などがあり、その都度、解決に向け奔走する。
また、カリスマ経営者であるばあるほどその後継者の立場は難しい。
名経営者のご子息が優秀とは言い切れない。
いくら帝王学を小さい頃から学ばせても期待通りに育たない。
経営者なら一度は読むであろう小倉昌男氏の「経営学」。
小倉氏の息子は結果的に追放されている。
その哲学は理解していても実践できるかは別。
これからでいえば本書の表紙の真ん中に載る経営者。
モノクロの写真ではない。
65歳で社長引退を公言し、それを撤回し、70歳で会長就任も流れたという。
いつまで経っても経営者が一番優秀なのは実は困ったことなのかも。
その最たる例がこの会社になってしまうのかな・・・。
順風満帆な経営者でも悩みは尽きることはない。
順調でなければよりそうだろう。
ここに描かれる背景もいい学び。
できれば晩節を汚すことだけはしたくない。
そんなことを考えながら読み終えることとなった。

気軽に楽しめる一本。
いや、そうでもないかな?
人によってはひやひやしながら観てしまうかもしれない。
そう思うと無責任に気軽とは言い切れない。
出演者はほぼ7人に限られ、それもレストランのあるスペースだけで展開される100分間。
派手なアクションもなければ、壮大なスケールのロケーションも演出もない。
それでも飽きることなく、時にドキドキし、
時に感動し、時に笑える時間帯は十分に楽しめる。
全員に罪があり、全員に罪がない。
それほど話題でない本作をここまで紹介しても、
知らない人からすればさっぱり映画の内容は分からないだろう。
まあ、いつものことか・・・。
簡単に説明すれば、ある出来事がきっかけに1年に1度、
3組の夫婦と一人の独身が集まりパーティーを行う。
そこでひょんなことからスマホに届くメールや電話を全員に公開するというもの。
この時点でそれは勘弁してという人はこの映画は避けて通りたいはず。
それぞれが誰にも知られたくないメールがあったり。
それは奥さん、または旦那さんにも絶対バラしたくないメールや電話が・・・。
僕は知らなかったが本作は世界18か国でリメイクされたイタリアのコメディ映画。
本家本元はスマホとは無縁なはずだが、個人の秘密が暴露されるのは同じで、
万国共通でそれが原因で修羅場を招くようだ。
無責任に観るには面白いが、自分がその当事者になるとビビるかも。
僕はな~んも怖くないけどね(汗)。
密室劇でダレることなく楽しめるのは役者陣の上手さによるところが大きい。
唯一知らなかったチャラい雇われ店長役の渕上泰史さんもいい存在感を出し、場を作っていた。
個人的に印象的でいい意味で悲しかったのが常盤貴子さん。
彼女のイメージは「京都人の密かな愉しみ」の若女将。
上品で古風的な着物が似合う役が似合う。
それが本作では子供を3人抱える45歳のパート主婦。
ガミガミと田口浩正扮する旦那を罵る。
(彼の絶妙な演技も素晴らしいが・・・)
反撃されると開き直り、なんとノー●●姿を露にしてしまう。
その弾け方がイメージをぶち壊し、いい意味で悲しかった。
それぞれの夫婦らにストーリーがあり、結果的には映画のまとめたい方向に向かう。
気分よく観終えれたのはよかった。
いや、それも人によりけりか・・・。
鑑賞後、改めて誓ったこと。
嫁さんのスマホは見ない。
僕のスマホは見せない。
やましいところは何一つないが、それが円満の秘訣。
そんなことを思ったのだった。

以前、株式会社パフのホサカ先生が本書を紹介し、
自身の行動を踏まえながらとても上手くプレゼンする機会があった。
最初は「オレにはあんまし関係ないかも・・・」と思っていたが、
話を聞くにつれ自分の足りていない点が露になった感じ。
この年末年始に手に取った。
久々にこの類の書籍を読んで、自分の至らなさを実感。
キャリアカウンセラーの端くれとしても理解して損はないと直感的にも感じた。
今後、キャリアにおける相談は心理的安全性に紐づく点は多くなると予測するし・・・。
キャリアカウンセラーとして何もやってないけどね(笑)。
今の自分の立場でいえば、完全な形でその状況を作るのは難しい。
チームやリーダーシップにおける心理的安全性を作ったとしても、
僕に対してそこまで作るのは容易ではない。
相手は少なからず身構えてしまう。
その身構えを完璧に壊してしまうと単なる「ユルい職場」になりかねない。
そんな点でいえば僕はその心理的安全性が何なのかを知り、
実務より上手く機能しているか気を配る方がいい。
そのために学び。
もちろん自分の実務を放棄するのではなく、実践することも大事だけど。
僕らはどうしても過去のリーダーを見ながら、自分がどうあるべきかを考える。
未来のリーダーからは学ぶことができない。
どうあるべきかは過去との比較になり、その段階では間違っていないが、
これからの姿と比較しようと思うとたちまち迷ってしまう。
目の前が理想的なリーダーばかりであれば苦労はしない。
実際はそうではないし、個人として優秀であればあるほどその罠に陥りやすい。
自分の経験を絡ませ、その正攻法を語りがちになる。
僕もそう。
相手の立場になったつもりではいるが、実際は自分側。
思考と行動を一直線にしてしまう。
行動に対してのキッカケ作りと、みかえりを考えながら言葉も発しないと求める行動にも繋がらない。
本書は感情のコントロールを主題にしている思ったが、読んでみると科学的。
どんなものにも分析が必要。
ただそれは難解な答えを求めているのではない。
自分自身が注意をすればできること。
リーダーが心理的安全性を理解していれば特殊な技術がいるわけではない。
「心理的柔軟性」を身に付ける必要はあるが・・・。
その方法は3つあるので、理解したい方は読んでみてね(笑)。
質問の仕方も大事。
ロジカルに理解したいがために「なぜ?なぜ?」を連発してしまう。
論理的思考力の学びすぎか・・・。
心理的安全性を考えれば「なぜ」ではなく、「なに」「どこ」と聞いた方がいい。
ちょっと遠回りになるかもしれないが、その方が意見は出やすい。
論理的思考が強すぎると心理的にはプレッシャーになるかもね。
そんなことを思いながら読んでいた。
この年齢になっても常に何かを吸収しなければならない。
今年も勉強していきます。
すぐ忘れちゃうけどね(笑)

上手く乗せられて観た映画といっていい。
僕が普段観る映画の中ではジャンル外。
しかし、たまにはこんな作品もいい。
子供向けといえなくもないが、いい大人が観ても十分楽しむことができる。
親子連れでドラえもんを観て親が感動してしまうように・・・。
キングコング西野亮廣氏が何度も「ハンカチでは足りずバスタオルが必要」と
発するように中にはそんな人もいるだろう。
かなり大袈裟だと思うが、コアなファンはそうなるかもね(笑)。
本作を選んだのは、西野さんのvoicyを聴くようになったのがそもそも。
彼のこれまでの実績(世間との軋轢を含め)や創作活動は知っていた。
そこからかなりの才能の持ち主であることも十分理解していた。
しかし、映画まで観ることになるとは・・・。
理由は「キンコン西野マーケティング講座【上級編】」に申し込んだため。
オンラインの講演は有料で5300円が掛かる。
それには本作のチケットが3枚付いてくる。
単純に映画料金がこの講演代にあたる。
クラウドファンディングを駆使する西野氏ならではの戦略だが、
ここに彼の事業家としてのセンスも感じる。
その講座は彼がひたすら喋っていたが、その辺のつまらない講演よりはよほど面白かった。
お客さんの分け方とかプロセスエコノミーの考え方は十分学びにもなった。
そんな意味ではお値打ちな企画。
せっかくチケットが3枚あるのでたまには家族でとも思ったが、そんなはずもなくいつものように一人。
残りのチケットは映画コラムニスト仲間に差し上げた。
こんな時、ムビチケの存在はいいね。
スムーズな受け渡しで映画も簡単に予約できる。
前売り券の扱いも変わってくるわけだ。
とここまで書いて、ほとんど映画の内容に触れていない。
いつものブログと同じだがいつも以上に触れていない。
原作は絵本。
とても分かりやすいストーリー。
初めて知る内容だが、どこか懐かしさも感じる。
信じること、頑張ること、諦めないことの大切さがビシバシと伝わる。
西野さんの熱い想いと一緒に・・・。
また、声優陣はピッタリはまる。
主役ルビッチの芦田愛菜ちゃん、ごみ人間プペルの窪田正孝さんはじめ、
他の方々も配役は素晴らしい。
そんな映画だった。
それにしてもこんな作品の絵を描き、作詞作曲までやってしまう西野氏。
僕はクリエイターというよりも事業家だと思っていたが、
やっぱりクリエイターなんだね。
いや、次代のマーケッターか・・・。
社会の構造が変化していくのを知るには観ておくべき作品かもしれない。

本書は約2年間、寝かせていたことになる。
出版と同時に購入したものの、いずれと思っているうちに時間だけが過ぎていった。
最新のビジネス事例でもなければ、直近の自分の課題でもない。
空いた時間にゆっくりと好きに読めばいい本。
本来、読書の幸せって、そんなところにあると思うが、
目まぐるしい毎日を繰り返すうちに楽しみ方も変わったかもしれない。
改めて感じた。
沢木耕太郎は僕が最も好きな作家だと。
作家というよりはルポライター。
本書でいえばエッセイストだ。
本書は2018年まで25年間のエッセイが収められている。
「歩く」「見る」「書く」「暮らす」「別れる」の5部構成。
沢木氏特有のスポーツ、旅、映画、人などなど。
僕はその切り口や語り口が好きだし、こだわってないようでこだわりを持っているのが好きだ。
そして、不思議に思うのは、なぜ、沢木氏はこんなに人を惹きつけるのか。
それは読者のことをいっているのではない。
取材される対象がことごとく彼に好意的で全てを明かしていく。
一般的に取材対象となる側は一定の距離を置きたがる。
相当な信頼関係ができれば別だが、沢木氏の場合はことごとくといっていい。
提灯記事を書くわけでも、饒舌に営業しまくるわけでもない。
義理堅く律儀なのは間違いない。
しかし、失礼な言い方をすれば、かなり自分勝手な人物。
新卒で入社した会社を1日いや半日で退職したのも象徴的だが、
自分の都合で海外へも飛び立ってしまう。
それが当然であるように思えるし、周りはそれが悪いことというより好意的に受け入れる。
僕もそこに惹かれる一人だし、憧れ羨ましく思う。
これほど偶然を自分のものにしてきた方もいないだろう。
その代表的なエピソードが高倉健さんとの出会いから最後の別れまで。
何をもって日本を代表する寡黙な俳優が沢木氏に心を開いたのか。
特別な存在なのは、このエッセイからも容易に想像できる。
お互いリスペクトする要素が多かったというのか。
なんだかチープな表現・・・。
ただこの関係性だけでも泣ける。
もう少し時間的余裕ができたら、過去の作品も読み返してみたい。
僕の感情もかなり変わっているだろう。
と同時に新作も期待したい。
いつまで精力的な活動をされるかわからないし、今、この時間をどう過ごすかも知らない。
果たして東京オリンピックも取材するのだろうか。
70代半ばの体はキツいと思うけど。
それでもこの先も楽しみにしていきたい。
本書を読み改めて好きな作家と認識したので・・・。

何を今更?と思われるかもしれないが、ようやく先日読み終えた。
最初に言っておこう。
名大社のリーダー以上のメンバーは絶対読んでおくべき。
もう既に読んでいたとしたらすみません。
ぜひ、感想を共有してもらいたい。
本書はあちこちで話題になっているので、ブログで紹介するまでもないかもしれない。
ブログに書いた「両利きの組織をつくる」や「コーポレート・トランスフォーメーション」等、
関連する書籍では触れている。
本書で紹介される企業は名のある大手ばかり。
その栄枯盛衰が克明に語られているわけだが、共通するのが本書のテーマ。
分かりやすい例だと富士フィルムとコダック。
今更語るまでもなく企業の行く末は知っての通り。
第三者が無責任にいうのは許されないが、頭では理解できる。
実際、コダックの経営陣も優秀な方ばかりだからわかっていたはずだ。
しかし、決断し実行できなかったから気がついた時には手遅れになっていた。
家族企業、零細企業を含めれば日本には300万社はあるという。
そこで消えていく理由もさほど変わらない。
変化対応ができていれば、
(もちろん違う問題もたくさん)
存続していたはず。
それは名大社にもいえる。
今後の取り組み次第で成長も衰退もどちらもあり得る。
そのための「両利きの経営」。
知の探策=自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、特に認知をを広げていこうとする行為
知の深化=自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深掘りし、磨きこんでいく行為
優秀なうちの幹部であれば、「あ~、そうか・・・」と納得するはず。
そこを今までないがしろにしたわけではないが、中途半端な挑み方しかできなかった。
コロナ禍の世になり、それがより鮮明にあぶりだされたが今。
このタイミングで臨まなければ手遅れになるかもしれない。
そんな危機感を持つ必要も・・・。
だからこそリーダー以上は読んでおくべき。
そこで求められる3つの行動とは・・・。
これは僕を始め経営陣の重要事項。
半年、1年で片付く問題ではなく、2年、3年かかるかもしれない。
それでも終わらないかもしれない。
だが、諦めず取り組んでいくべき事柄。
そのための組織作りと。
2021年の最重要項目ですね・・・。
本書の最後に書いてある一文。
恐竜はユニコーンを打ち負かすことができるし、ユニコーンはすぐに恐竜になりうる。
受け止めていきましょう。